『宇宙戦隊キュウレンジャー』 第3話 「砂漠の星からきた男」:感想

2017年2月26日

■距離が縮まらない
・今のところ作中の人物と視聴者である私との間の距離感が縮まらないことが最大のネックに感じています。今回は縮まるどころか更に開いてしまった印象でした。

・2話で概要を知っただけのはずなのに急にキュウレンジャーにこだわりを持ち始めるラッキーに、緩いようで緩いだけの司令官。どちらもあまりに唐突でありそのままだと悪手なので後半に裏付けになるものの提示や印象を覆す展開が続くのかと思って見ていましたが、今回は特になくて拍子抜けしました。
ラッキーは視聴者と同じく事情に詳しくないポジションだと思っていましたがいつの間にか一足先に事情通になっていて置いて行かれたような気分でした。
司令官の言動は個人的には引き気味でしたが、他のメンバーは知り合いのラプター以外は引くわけでもなく肯定的に受け止めるわけでもなく、反応が薄めでこれまた感情移入はできず、キャラの人間味のある反応とも取れないものでした。
作品世界とも登場人物ともつながれないまま話が進んでいる印象が続いています。

■ラッキー
・現時点では、発言に行動と結果を伴っていない点がいまいちに感じる原因なのではないかと考えています。「口だけ」の印象になってしまっているように感じます。
キュータマの入手経路は本人の力によるものなのか幸運のおかげなのか判断がつきませんし、前回も因果関係は不明瞭。今回もチャンプに対して言ったことは部分的にすら実現しておらず、具体的に実現するための道筋も謎のままでした。「こいつならやってくれる」と信頼を置けるだけの実績が欲しいです。何か一つでも言ったとおりになれば、他のこともこんな風にやれるだろうと思えます。

■スティンガー
・見た感じ、目的があって敵に潜入しているタイプみたいでした。無難に行くと死にかけの博士の側にいただけで殺していないのですが、博士を殺した真犯人は後で幹部として登場するんでしょうかね。

・レッドが飛び抜けて強いという印象がまだないので強キャラ感は薄かったです。当面のライバルキャラとして立ち回るにはそこがやや不安です。毒は強いけど結果が効くか効かないかの1か0かで面白みに欠けるのが難点です。今回もレッド相手には使わなかったり話の都合に寄るところが大きく、強さの基盤とするには脆いです。


次回、ピンクが初変身するようです。
ラプターの影が薄いからまだオペレーターをやらせておくのかと思っていました。現段階では「こいつも変身するの?!」というほどの意外感は出せない気がします。構成意図に疑問を感じるところがありますが、さてどうなるでしょう。

コメント

8 件のコメント :

  1. 今回も話に絡まない残りメンバーが露骨に空気状態になっていて残念でした。ガルなんて出番が少ないために未だに口調やキャラ性が掴めない状態で、驚くほど戦隊メンバーに対する印象が薄いです。司令官にしろバランスナーガにしろ、尖ったキャラの裏付けとなる描写がまだ足りなすぎると思います。(キャラメイクの稚拙さというより明らかに尺が足りない感じですが)
    一言で言えば「一発ギャグ芸人の寄せ集め」というイメージです。
    唯一ラッキーだけは出番や台詞が多めですが他のメンバーと違って異様に実力や本性が掴みにくく、結果的に他と同じ程度の印象の薄さになってしまってます。
    現状、大人数という最大の売りが魅力よりも足枷になってしまっているように思うので、まだハマリきれていないです。せめてスティンガーの毒から数時間で回復した件にきちんとした伏線や裏付けがあってほしいですね。

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    1. >司令官にしろバランスナーガにしろ、尖ったキャラの裏付けとなる描写がまだ足りなすぎると思います。

      口癖がそのキャラの人となりを表している、と言えるほど特徴になっていない点が厳しいですね。ラッキーなんて話し方は直感重視な感じのわりに、説得したりするときは独特ではあるものの、論理性を基本とするので普段はキャラを作っているように見えることがあります。

      >せめてスティンガーの毒から数時間で回復した件にきちんとした伏線や裏付けがあってほしいですね。

      これは単にスティンガーが最初からそう仕組んでいたというだけだと私は思います。
      今は何らかの目的のために敵対関係にあるけれども本気でキューレンジャーを殺す気はない証でしょう。

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  2. こーひーかっぷ2017年2月27日 17:09

    個々の人物をステレオタイプとして描き、個々の人物じゃ無くて集団として何かを語ろうという作風はスタートレックなどの宇宙ものSFの序盤を彷彿とさせますので、今のところはキャラが理解できない状態は個人的には苦ではなかったりします。ただ、こういう作風が正味20分の映像作品にフィットしているかと言ったら「う~ん」という感じですが…

    なお、ラッキーの唐突なキュウレンジャー好き好きは、おそらく第二話から第三話までにそれなりに時間が経過しているからなのかなと思っていたりします。チャンプが「なんだ、ラッキーか」と言ったり、スパーダが「怖いよ、ナーガ」とフランクなやりとりをしているあたり、しばらく暮らしてみているんだなと取れなくも無いので。

    >>ラプターの影が薄いからまだオペレーターをやらせておくのかと思っていました。

    ここは、5月(かな?)の販促第2ラウンドまでに現在のラインナップを定着させておかなければいけないという都合がありすぎて、スタッフには同情しかありません…

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    1. >今のところはキャラが理解できない状態は個人的には苦ではなかったりします。

      私もストレスというほどではありません。
      「この調子で大丈夫なのか…?」と不安を感じている段階です。
      ただし他のキャラはともかく、ラッキーのキャラを掴めないことについては疑念を深めています。ラッキーはレッドだから主役の中の主役であり、ここ3話もずっとストーリー上の主役を張っているのでもう少し理解が深まっていて然るべきように思います。話をわかりやすくするために口癖を多用しているなら、ラッキーのキャラももっとわかりやすいほうが自然な気がします。

      >なお、ラッキーの唐突なキュウレンジャー好き好きは、おそらく第二話から第三話までにそれなりに時間が経過しているからなのかなと思っていたりします。

      なるほど。時間経過というのはあり得ますね。
      問題点は話について行きづらいこととラッキーがキュウレンジャーの伝説(?)を気に入った理由が伝わってこない点かと思います。頭が単純だから信じたとか、正義感が強いからとか理由はいろいろ考えられるかと思いますが、そこは本編で描写していいんじゃないかなと個人的には思います。

      >ここは、5月(かな?)の販促第2ラウンドまでに現在のラインナップを定着させておかなければいけないという都合がありすぎて、スタッフには同情しかありません…

      人数の多さには同情しかないですね。その点に関しては失敗しても当然くらいに思っています。
      ラプターに関しては4話でもう出すなら1話から何度も前フリを仕込んでおいたり、全くの初登場キャラにし、つなぎのオペレーターは司令官かメンバーに任せ、加入してからラプターをメンバー兼オペレーターにするなどもっと適したやり方はあったのではないかと思うところがあります。

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  3. こーひーかっぷ2017年2月28日 13:04

    時間経過だったとしても、二話三話の冒頭に10秒時間割いて「今回の市民レスキュー大変だった~」とか「チャンプ、今日も訓練ありがとー☆」とか予算極小でできることをやっていないってことは、謎ですね…。

    ネットの「変身講座」がオリオン号の日常として史実でも良いですが、それなら作中でもチェンジ前に「訓練を思い出せ!」とか一言あっても良いですしね。

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    1. そんなふうに文章の間が感じられる一言があるといくらかカバーできるんですけどね。たとえば1話の救助戦のように今回の雑魚戦を冒頭に持ってきてミッションを一つ終わらせてきた流れにすることもできたでしょう。

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  4. 「チャンプは博士の言葉を思い出した!モライマーズを止めに行くんだ!」と思ったらずっとその場で寝ていただけだったのは驚きました。寝ていたっていうのは冗談にしても、いったい彼は何をしていたんでしょうね?チャンプの不自然な間が一番気になりました。
    エリードロンもずっとキュウレンジャーを監視していて、スティンガーのところに直接赴いた割にはスティンガーがジャークマターを攻撃したことは関知していなさそうだったので、奇妙に思えました。


    次回はラプターが変身するようですが、特に妄想好きみたいなそぶりは無かったですし、そもそも彼女の出自もイマイチわかっていない中で変身されてもなんだかピンと来ません。9人もいるんだから1クールくらいかけてじっくり揃えていけばいいと思うのですが、やっぱりすぐに揃ってパワーアップか追加戦士っていう販促スケジュールなんでしょうね。個人的には早くも弊害が出ているように感じます。

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    1. >チャンプの不自然な間が一番気になりました。

      チャンプの反応は意味がよくわかりませんでしたね。
      「邪魔はさせない!」とスティンガーに割り込んだときは大義のために戦うことにしたのかと思いましたが、逃げられた後には「逃すか!」と私情丸出しでした。まだ心の整理がついていないとも取れますが、全体的にどちらにも取れる内容でもやもやするところがありました。母艦に戻った後に一言あったら、どちらを優先することにしたのかわかりやすかったと思います。

      >エリードロンもずっとキュウレンジャーを監視していて、スティンガーのところに直接赴いた割にはスティンガーがジャークマターを攻撃したことは関知していなさそうだったので、奇妙に思えました。

      エリードロンもよくわかりませんでしたね。
      スティンガーを咎めるわけでも大物ぶるわけでもなく、まるで戦ったことを知らないかのような反応に見えました。

      >個人的には早くも弊害が出ているように感じます。

      私は構造的な問題というより、スタッフが基本設定を練れていないではないかと考えています。
      初めからメンバーの登場ペースが決まっているにしては段取りが悪いように感じます。今回のチャンプや前回の二人のようにその回のメインキャラの活躍が薄かったり、ラッキーが目立つわりにはラッキー中心のお話というほど求心力がなかったり、違和感を感じる部分がいくつもあります。5人構成の戦隊でも最初は「レッド+仲間4人」みたいに省略してまとめて各キャラを少しづつ描いていく形が多いのに、キュウレンジャーの場合は9人と段違いに多いのに各キャラの接点とバックグラウンドを曖昧にするのはかなり難しいと思います。この構造にするとどういう課題が生じるかなど事前の練り込みが甘かったのではないかと考えています。

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