『手裏剣戦隊ニンニンジャー』 第21話「燃えよ!夢の忍者野球」:感想

2015年7月19日

■価値観の壁
・今回はいつも以上に下山さんの価値観がわからず、それが壁になりました。話の展開が何がどうしてそうなるのか、さっぱりわかりませんでした。

・「夢を食べるバクから夢を取り戻す」ここまでは全く問題ないのですが、
「そのために野球勝負に持ち込む必要がある」
まず、ここがわかりませんでした。倒すだけではダメなのでしょうか? 仮にダメだとすると野球勝負で勝っても天晴の夢は取り戻せないはずですが、それはどうするのでしょうか? どういうことなのかまるでわかりませんでした。しかも野球勝負が終わった後はあっさり倒して、普通に夢を取り戻していました。強くないし、始めから普通に倒してしまえば良かったように思えました。
この流れを成立させるためには、「バクは食べた夢を自由に使って戦えて強い。しかも忍者と野球両方の能力を使ってきて手強い。能力を使えなくさせる必要がある→まず野球勝負に持ち込んで力を1つ奪おう」といった流れが必要だと思います。いったいどことどこがつながって話が成立しているのかわかりませんでした。

・もう1つわからなかったのがキンジと五遁手裏剣です。どうして試合中に使えるようになったのでしょうか? 試合とのつながりがわかりませんでした。
話の流れとしては「より高度な術である風と雷は使えるのに、基本の五遁は使えない」で、霞はもっとシンプルに考えたほうが良いかもしれないとアドバイスしていました。この流れなら試合をしている中でキンジの考えがシンプルになっていき、その結果として五遁の術を使えるようになるはずです。シンプルになる理由も、
1)野球少年の夢を取り戻すために必死になった結果、余計な雑念が消えた。
2)キンジはアメリカ出身なので野球好きという設定を加えて、子供の頃から好きな野球をやっているうちに忍者修行を始めた頃を思い出して初心に戻り、その結果使えるようになった。
など、つなげる方法はあったと思います。
そもそも今回修行を始めたばかりなので今回の間にマスターする必要もないはずです。次回の冒頭で使えるようになった姿を見せて、キンジが天才肌だと描写してもいいでしょう。また、我流で風や雷を使えるのだから五遁の術も始めから使える設定にして面倒な特訓描写を避けることもできたはずです。野球少年との出会いは、既に基礎ができているのに更に地道な練習を重ねる努力家のキンジという描写でもつなげられたはずです。

・本編の内容とは別に不思議だったのが、試合中に天晴が目立っていなかったことです。
公式ページの文面によると今回の題材が野球だったのは、天晴の役者さんが野球経験者だったからだそうです。その割には試合中にあまり役者さんが目立っていなかったことが不思議でした。それならもっと天晴が目立って当然だと思うのですが、なぜか忍術のほうが目立っていました。

・選択肢は無数にあるのに、なぜこんなぶつ切りに見える流れになったのか不思議でなりません。
ところどころで理屈をこねるので勢い重視というほど勢いもなく、ギャグ回といえるほどギャグもなく、まだ詰められるところがあるように見えました。忍者野球に、子供の夢、夢を奪われて普通になった天晴。題材自体は面白かったと思います。上手くまとめられないのならば、どれか1つに絞ったほうが面白くなったように思えます。
なぜこうなったのか、これで話が成立しているのか。相変わらず下山さんとの価値観の相違が壁になっているように感じる回でした。


次回は3体合体?の覇王シュリケンジンが登場するそうです。
今回キンジが5人より未熟という話を持ちだしたのに、次回で合体というのは何とも不思議な流れに感じます。何だか無理して特訓や修行を盛り込んでいるように見えてきました。無理してフォーマットに合わせるよりも自分の得意分野に持ち込むほうがクオリティは上がると思うのですが、下山さんの得意分野って何なのでしょう? その辺も未だによくわかりません。




コメント

4 件のコメント :

  1. こん××は。なんだか、意味不明の回でしたね。元々キンジは下地が妖怪ハンターということもあり、
    我流とはいえ忍術も使え、登場当初はニンニンジャーたちを手玉に取ったり、戦闘力では
    頭ひとつ抜けた強さがあったのに、それが冒頭でいきなり基礎ができてないと、下っ端学生のごとく
    降格させられ「?」な感じでした。

    そこで上辺の技術だけではなく、基本や基礎は大事ですよ。というお話になるかと思いきや、
    夢の話になってしまい、何をテーマに物語を展開したかったのかよく分かりませんでした。
    脚本の下山氏は初のメインライターで経験不足もあるのでしょうが、サブのときから話しの
    流れを無視するような傾向があったので、連載書くのが苦手なのかもしれませんね。
    この話しはこの話し。あの話しはあの話し。みたいな、連続性が乏しくブツ切り感があります。

    個人的にはお爺ちゃんがどんどんダメな感じなってきているような。ダメ忍者感が。
    九衛門との決別は「伊賀崎の人間以外に終わりの手裏剣を渡すのを恐れた」という彼の言葉だけなら
    それが九衛門がこの人に指事しても無駄だと思わせたのか。闇落ちの原因作ったり。
    獅子王に関しては「手なずける」「黙って俺についてこい」と、自己中と取れなくもなく。
    このあたりの経緯は、お爺ちゃん側の言い分を聞かないとなんとも言えませんが、
    この人、人材育成能力無いんじゃないのか?と疑ってしまいますw

    お父さんも才能が無かったのではなく、才能を開花させるような指導ができなかったんじゃ
    ないだろうかとか思ってしまいます。実際、子供のことは才能あったらしいし、竜巻の術も
    使えたし、決して無能というワケではなさそうですし。

    1回リセットして、残りの半年でキャラの造詣やテーマや方向性見直してもいいような気がしましたw

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    1. キンジの流れはよくわかりませんでしたね。
      前々回の獅子王のおさらいでも「基本はできてる」と言われていたのに、五遁の術が使えないから未熟というのは納得しがたかったです。それ言ったら5人は今度挑戦する予定の高度な術どころか、風と雷を使えないんですけど… 「牙鬼を封じられる封印の手裏剣を使いこなすためには五行全てを極めなければいけない」など大目標が提示されてるならまだ使いこなせないといけない必然性も理解できるのですが。

      1話ごとのつながりが薄いのは1話完結の戦隊なのでわかるのですが、1話の中でつながっていないように見えることは不可解です。下山さんは人のアイディアを取り入れるのが相当苦手なのだろかと考えてしまいます。

      お爺さんは今のところ口ばかりの老害でしかありませんね。
      20話もやっていれば「お爺さんも影で何かやってるらしい」とか「お爺さんにはお爺さんの考えがあるのだな」とか思えてくるはずなんですけど、何にも描写がないんですよね。せめてピンチを救ったり、影で幹部と戦ったり実力を示すくらいはしてほしいです。

      お父さんの術は謎ですね。急に使えなくなったことに理由が隠されているのか、それともその場限りの設定なのか、判断がつきません。ニンニンジャーはどれが伏線で、どれが使い捨ての設定なのか、よくわかりません。

      作品全体で展開を引っ張るのか、1話1話を楽しくすることに全力を注ぐのか。キャラで行くのか、ストーリーで行くのか。どっちつかずで「ニンニンジャーはここがメインです! 毎回ここは面白いです」と言い切れるところが見当たらないと思います。もう少しコンセプトをはっきりさせて、煮詰めていってほしいなと私は思っています。

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  2. 今回新幹部登場回なのに幹部三人揃って出番無かったですね・・・

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    1. 今回は有明の方のお披露目で、3人での本番は次回からなんですよ!
      と思いたいのですが、これまでの経緯から考えると望みは薄そうです…

      これまでも最初だけは幹部の威勢が良かったです。
      蛾眉雷蔵は最初は孤高の武人キャラだったのが「そろそろ戦ってもいい、九衛門?」とお行儀の良い座敷犬になり、晦は独特の価値観を持つ軍師だったはずがいつしか九衛門と大差ない作戦ばかりでどちらか1人で充分なようになってきました。有明の方もこのパターンをなぞるだけではないかと不安です。
      「2人と3人だと絡み方が違うんだよ!」と希望的観測をいつまでも保てるか自信がありません。

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