■作家性、つぎはぎの凶悪タッグ
・ストーリーは進んだはずなのに、今までで一番つぎはぎ感が酷い回でした。
影で戦い、表では非難される真のヒーローと市民に支持される偽りのヒーロー。
ヒーローと同じ力を持ちながら力に溺れた者。
人々を救う目的のために悪行にも手を染めるも着実に成果を上げる者。
テーマ性ははっきりしているのに、展開がめちゃくちゃで説得力がありません。

・手のひら返しが早過ぎるブラーボ以外にも、仲間を守る姿勢が弱いものいじめと相性最悪の戒斗。
何より紘汰の描写があまりにも酷い。本来であれば、視聴者目線では一番ヒーローに近いはずの存在なのに全然そうは見えません。ブラーボに対して憤り、正義を語るならば、戒斗が参戦した時点でブラーボの相手は任せてインベスの追跡や市民の救助にあたるのが自然なはず。
あれでは、正義よりも自分の感情を優先しているように見えてしまいます。

・作家性は発揮されているはずなのに、鎧武にはまるで誰かが意図的に改ざんしたようなつぎはぎ感があります。脚本そのものに無理があるのか、上層部の横やり・抑圧が悪いのか、演出が脚本の意図を汲めていないのか。
延々と下書きを見せられている気分です。

■インベスの謎
・やはり人間が果実を食べるとインベス化するようです。
インベスに傷を負わされた人間は、身体からヘルヘイムの植物が生える奇病にかかるようです。
インベスが人間を襲う理由が不明でしたが、種まきにあたる行為なのでしょうかね。今回の青龍インベスも人間に一発当てたら興味を失っているので確かなようにも思えます。倒れた相手には追い打ちしないこの動き方自体は戦隊やヒーローの怪人の定番なので、惰性でやっているのか、意図的な演出なのか断言できませんが。

■市民の謎
・インベスゲームでの暴走・2話での巨大化インベスの広場破壊・ブラーボのインベス大量散布。
危機感を持つタイミングは何度もあったと思うのですが、なぜ今まで何の動きもなかったのでしょう。チームバロンに直接非難しに行く点から考えると、沢芽市には警察や市役所は無いようですね。であればユグドラシルに頼るかと思えばそうでもなく、実態が掴めません。

・この作品で市民やユグドラシルを曖昧な存在として描くのが不思議に思えます。
紘汰の標榜するヒーローには守るべき市民が欠かせませんし、復讐が目的の戒斗にはユグドラシルが不可欠です。たとえステレオタイプであっても、一貫した存在感がないと主人公たちの行動概念に支障が出てくるのでは？

■初の錠前交換
・鎧武初のライダー間での錠前交換は悲惨な結果に終わりました。苦戦していたバナナをなぜ渡す。
バロンのマンゴーとの相性で言っても、合わせて重量級のパインにするか、援護可能なイチゴのほうが良いように思えます。フォームチェンジはあからさまに販促見え見えで必要性が不可欠なのに、これはあんまりです。鎧武には投擲系の武器以外ないのだから、長柄の武器が必要な状況を作ればいいだけなのに。

■デザイナーの見分け方
・今回の青龍と次回の初瀬インベスは山田章博さんデザインです。
根拠は山田章博さんのブログと「白虎インベスなど中華系担当」と書いてあることですが、それ以外の確かな根拠も見つけました。
OPの敵デザインのスタッフ名が実は毎回変わっています。今回の場合、山田章博さんだけでした。
普段はメインデザイナーのNiθさんだけですが、別のデザイナーが担当した場合このようにデザイナー名が表記されます。


次回はユグドラシル配下の新ライダーが３人も登場。
これにはワクワクしました。共通武器で斬月・真の短弓を持っているのも興味深いです。従来の４幹部にあたる存在に販促武器を持たせるのは斬新です。初めにドライバーを奪うのは鎧武、あるいはトリックスターの龍玄だとすると、バロンは当分サンドバックが続きそうですね。