『王様戦隊キングオージャー』 第20話「王と王の決闘」:感想

2023年7月16日
■全然盛り上がらない…
・最後までギラの活躍が他力本願メインで萎えました。王座に着くことくらいは自力でやってほしいです。
「王様戦隊」だけに王様に支えられる姿を描きたかったとか、「王であるカグラギにかしづかれるギラこそが真の王!」みたいなつもりなのかもしれませんが個人的にはピンと来ません。
ギラの主張を正当化したいなら「大臣が槍をラクレスに渡そうとするが民衆が阻止しギラに槍を渡す」みたいな感じのほうが合っていたと思います。
ギラの大一番の見せ場だったはずなのにいつもどおり全然パッとしませんでした。こんなので「王様になったギラにご期待ください!」みたいに言われても困ります。

・大臣の割り込みは反則だからダメだろと思いながら見ていました。と思ったらカグラギも介入してきてもっとドン引きしました。なんで反則合戦になってるんですか?
これなら決闘じゃなくて助太刀も横槍もなんでも有りの総力戦にしたほうがギラの支持層の厚さが描けて都合が良かったと思います。

・ギラ周り以外も話の腰が折れすぎて全然盛り上がりませんでした。
カメジームの乱入や雑魚との小競り合いもラクレスとの決闘再開も最初にラクレスを打倒した時点で流れ作業になっていて緊張感がありませんでした。「思わぬことからカメジームの正体がバレる。誰も予期しない展開」というのは良かったと思うのですが、その後の流れが整然としすぎて台無しでした。
クワガタオージャーのスーパーモードはカメジームが呼んだダイゴーグ相手に使うほうがマシだったと思います。その前に素のクワガタオージャーでクラウン状態のラクレスを倒したのだからダメ押しは要らないでしょう。

・一番の見せ場であろうギラの王としての器を示す場面が全然無く、最後まで悪役ごっこのままで失望しました。今やらないでいつやるんですか! こんな主体性の人物が王になるなんて嫌です。
ラクレスが結局死なないことにもうんざりしました。もう再登場しなくていいんですけど… 
A)悪役としてバグナラクを支配して倒されることでバグナラクとの和解にも役立つ!
B)本当に死んでて、死体を操るスカラベ幹部のヘイト稼ぎに利用される。
C)「ラクレス城のヘラクレスシュゴッドの起動には王族の命が必要!」とかいう話になってギラが自分を犠牲にしようとしたところで生贄になりに現れる。
ラクレスの再登場はこの辺りでしょうか。

・東映公式の親衛隊の隊長に関する文面を見て、また頭を抱えました。
また、ラクレス王政が打倒されたことによって、一つの弊害が生じてしまいました。
それは、「側近ドゥーガをどうするか問題」。

ボシマールがカメジムだと判明した一方で、残ったドゥーガはどうすればいいのか…。
脚本会議で議題に上がったこの問題を解決する方法は、「ドゥーガに職探しをさせよう!」でした。
…なんでそうなるのか全く理解できません。「前王を信望していた側近の処遇」なんて新王の格を示す絶好のチャンスだと思います。
「過ちは正せば良い。もし私が道を間違えたらそのときは頼んだぞ」とか「これからは王ではなく民に仕えよ!」と導くなり、「自分は王としては未熟だから指導してほしい」と頼んでギラの真剣さをアピールするきっかけにしたり、有用な使いみちはいくつもあると思います。

■ルールがわからん
・ギラのときと同じく崖落ちで生死不明のままなのに決闘裁判は勝ったことになっているのが実に不可解でした。
この理屈を適応するならギラは生きてるとバレた時点で「お前は決闘に負けたから一生牢獄にいないとダメだ」とリタに取り押さえられてないといけないと思います。
なんでギラは野放しで決闘を挑む資格すら持っているのに、ラクレスのほうは1戦目の要求は無視され負けまで確定されてるんでしょう???

・そもそも今回冒頭の流れ自体も理解し難かったです。
決闘を申し込まれたら化け物と同盟を協力して他国を侵略した王様にも猶予が与えられるってどういうことですか???
カグラギが妹との結婚を認めていることも不可解でした。あの時点でラクレスは手錠を着けられてる状態だったのですから結婚を断り、妹を人質に差し出す約束も反故にする口実も充分あったと思います。
こんな状況だろうが結婚させるからにはカグラギにとってもメリットがあるのかと思っていたら特にそんな話は出ませんでした。何がどうなっていたのでしょう。全然わかりませんでした。

■スパイ
・ラクレスの悪政はスパイを炙り出すためだったのだ!みたいな雰囲気でしたけど、そのために悪政を敷く理由が理解し難かったです。
あの大臣がそれほど揉め事を引き起こしていた印象がありません。ここまで犠牲を払う価値があったんでしょうか?
それにスパイがそれほど重要な存在なら疑わしい王宮関係者を全員追放するほうがマシだと思います。政治から戦力まで王様主導の体制なのですから王様がいれば国政はどうにかなるでしょう。「野放しにするとまた別人に化けるかも…」なんて心配をするときりがないですし。
常識的に考えれば他にも理由があると思うのですが、有るのでしょうか? お話がガバガバに見えて信用する気になれません。

■ラクレス王の秘密完結
・…何だったんでしょう、これ? 全3話を最後まで見終わったはずなのに特に理解できた気がしません。
ラクレスの真意もこの世界の秘密も特にわかりませんでした。プロトオージャカリバーやキングオージャーゼロの起動秘話がそんなに重要だったんでしょうか???

・最後にテロップで「これは2話と3話の間のエピソードです」って説明が出てきてまた驚きました。
え?! ギラに「民は道具だ!私こそが国だ!」と邪悪な演説を行い、バグナラクの侵略が始まった後のお話だったんですか??????
プロトオージャカリバーも王冠も何もないのに見切り発車で始めて、ゴッドカブトの洗脳も大急ぎで完了させてたんですか… 本編よりだいぶ前の話だとばかり思っていました。
ラクレス王のガバガバプレイの肉付けにはなったと思いますが、そこの肉付けの必要性が私にはわかりません。

■オージャクラウンランス
・槍を使ったアクションは珍しいので少し期待していましたが剣との違いがわからない戦い方でがっかりしました。前半の盾と二刀流で畳み掛けるシーンのほうがよほどかっこよかったです。
見た目も三角コーンみたいでかっこ悪いのにアクションもパッとしないのでは楽しくありません。個人的にはギラが王冠を被っているはずなのに必殺技のときにもう一つ王冠が出てくることに違和感を感じました。


次回はギラの戴冠に伴って各国の王様と料理対決などで競い合ったりするみたいです。
このタイミングでギャグっぽいお話をやる方針には相変わらずついていけません。ギラが民のために何ができるかを示すほうが国政的にも視聴者的にも優先だと思います。




コメント

2 件のコメント :

  1. こんにちは。ギーツの各グランプリのグダグダを見るように、一風変わった対決のルールを扱うのは、東映には無理なのかもしれませんね…

    本格的に夏に突入したので、しばらくは本筋を進めないつもりなのかな。

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    1. 匿名さん、こんにちは。

      >ギーツの各グランプリのグダグダを見るように、一風変わった対決のルールを扱うのは、東映には無理なのかもしれませんね…

      理論上無理だとは思いませんが、できそうな感じは全然しませんね。最初から扱わないなら問題ないんですけどやろうとした結果こうなるのはダメだと思います。

      >本格的に夏に突入したので、しばらくは本筋を進めないつもりなのかな。

      時期的にはあり得ると思いますが、キングオージャーの構成から考えると今そんなことをしてる場合ではないと思います。
      バランスを考えるなら「敵側の動きは夏休み明けまで無し。ギラの王様としての話にあてる」くらいが現実的だと思います。

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