『仮面ライダーゼロワン』 第05話「カレの情熱まんが道」:感想

2019年9月29日

■初のローテーション回
・いつもよりは見やすかったです。
話がゲスト中心にまとまっていて、間に話の腰を折るようなギャグや主人公たちの唐突な自己主張が挟まっていませんでした。バトルもプログライズキーを取ろうとする迅がいたことで、単純に怪人を倒しておしまいでは済まない要素が加わっていていくらか緊張感がありました。
ショットガンの反動をゴリラで抑えたり、新しいアイテム開発に主人公が能動的に関わっていたり、販促関連もこれまでよりは良かったです。

・情熱の話は全然共感できませんでした。
あの先生はそれほど悪いことをしていたように見えませんでした。「ラーニングさせないといけない」と何度も言っていたということは、その覚えさせる内容の元になるのはあの先生が自分で描いていた頃の作品でしょう。作画もストーリーも元になった部分を作ったのがあの先生の実力であるならば、軌道に乗った後をAIに任せても悪いことではないと思います。言ってみれば種から育てて一度作物が実るまでは自分で育てて、安定したら肥料を与えたり収穫することを他人に任せているようなものでしょう。
問題があるとすれば、事実を隠して「作者が作った作品です」と言って販売することとストーリーを考えている編集者さんへの不義理くらいだと思います。編集者さんはそこまでやってるなら原作を名乗って取り分をもらう資格があると思います。

・最後のオチの「刺激を受けたら創作意欲が湧いてきたからまた自分で描くようになりました」というのもピンと来ませんでした。それで解決していい問題だったのでしょうか。やるならやるで既存の描写を活かして、「新しいヒューマギアを導入したときに『最近ジーペンの絵が変になってきてる。調子が悪いからこいつも交換しようかな』とやっておいて、実はそれがシンギュラリティに目覚めた結果であり、自我に目覚めたAIが或人や先生の気にしていた絵の歪みにたどり着いたことで絵の歪みも大切な個性であると先生が気づいてまたやる気を取り戻す」なんて話にもできたと思います。

■誰だこいつ
・不破はいろいろわけわからない感じになっていました。
性格はまるで或人の友達みたいな態度で「誰だお前?」と言いたくなるほど別人でしたし、バルカンも唐突に現れてはショットガンの宣伝をしては見学し始める、理解し難い存在になっていました。この辺は後から足したのかと思うほど雑でした。

・或人も全然ギャグを言わなかったりしましたが、お笑い芸人設定は後付けでつけられたものなのかなと思いました。最後には少し漫才をやっていたので単に脚本家に要らない設定とみなされただけかもしれませんが。

■フレイミングタイガー
・デザインは悪くないのですが、炎を出すだけで肝心のCGがしょぼいのでかっこよく見えませんでした。
コミック風の演出は悪くありませんでしたがアクションが冴えないのでこちらも出来栄えは今ひとつでした。いろいろ恵まれなかった印象です。


次回は今回出てきた声優ヒューマギアのお話になるようです。
メインは迅が変身するライダーでしょうね。しかしこれで滅を除いても、もう4体のライダーが常駐する状態になるんですね。まだ6話でフォームチェンジも例年どおりに乱発しているのに大丈夫なんでしょうか。粗製乱造にも程があると思います。


コメント

4 件のコメント :

  1. 更新お疲れ様です。

    今回初めての方の脚本でしたね。
    テーマ自体は「正確で疲れないAIが人に取って代わり、あらゆる職業の形式が変わっていく」という設定に沿った面白そうな話だと思ったんですが、漫画家の人がやる気を取り戻す過程が単純で物足りなかったです。
    自分も「デッサンの狂いが逆に持ち味になる」とか「若い頃寝食を忘れて描きまくった下積み時代を思い出す」みたいなのを期待したんですが、或人の説教とゼロワンの戦いを見て意欲を得ていて「ヒューマギアをただの道具扱い」という部分がドラマに活かされていなくてモヤっとしました。
    肝心のアクションにそこまでの人を魅了するような説得力がないので尚更です。ゼロワンのアクションは近年では比較的良い方だとは思うのですが、CGエフェクトに頼った派手さが多くて見入るような殺陣はまだ見れていないように思います。3話以降地味になってきてますし…
    また、一定のクオリティで毎週連載することが重要視される商業漫画の、刹那的なエンタメのあり方に疑問を呈するような話にもできたと思います。ニチアサでは自分の首を絞めるようなもので無理ですかね…

    情熱の話は自分もよくわからなかったです。イズが検索したなら「情熱」とはあくまで感情を表す言葉であって、生理現象として体が発熱することはあったとしてもメインは「何かを続ける原動力」という意味だと理解できると思うんですが。敵の弱点に気づく都合で無理やり感が否めません。
    漫画に絡めるなら「締め切り前でどんなに辛くてもやめられない」という人間の執着と「苦痛ならやめればいいのでは?」というAIの合理的価値観の対比とかも描けたと思います。
    前社長の言葉も取ってつけた感じがして心に響きません。

    ギャグ描写はこのくらいが程よいと感じました。イズとの打ち解けた感じも垣間見えて良かったです。この調子で魚眼レンズやうるさい効果音でごり押すくどい演出が減るといいなと思います。

    4話の感想でも触れられていたことですが、この世界で何が事実として報道されていて、人々のヒューマギアに対する認識や危機意識はどの程度で、或人個人の価値観はどうなのかまだ不透明な部分が多いですよね。迷っている状態ならそれを示してほしいですし、「暴走」と聞いて「何かわけがあったはずだ」も「そんなはずない!人類の夢だ!」もなくフーンみたいな態度なのも謎です。

    もう4人目のライダーなんですね。こんなペースでは失速が心配です。

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    1. >或人の説教とゼロワンの戦いを見て意欲を得ていて「ヒューマギアをただの道具扱い」という部分がドラマに活かされていなくてモヤっとしました。

      ヒューマギアが描かなくなった理由以外にあんまり関係ないんですよね。これはこれまで一度もヒューマギアの持つ道具以上の価値を描けていないから根本的な問題なのだろうと思いますが。

      >CGエフェクトに頼った派手さが多くて見入るような殺陣はまだ見れていないように思います。3話以降地味になってきてますし…

      単純にCGのクオリティがいまいちなんですよね… 私は予算がないならやらないほうが良いと思っています。

      >一定のクオリティで毎週連載することが重要視される商業漫画の、刹那的なエンタメのあり方に疑問を呈するような話にもできたと思います。ニチアサでは自分の首を絞めるようなもので無理ですかね…

      私は説得力が欠片も出ないと思います。漫画は作家性が求められる側面が強いですが今のライダーなんて販促の塊でしかも扱いが下手ですからどうしようもありません。

      >イズが検索したなら「情熱」とはあくまで感情を表す言葉であって、生理現象として体が発熱することはあったとしてもメインは「何かを続ける原動力」という意味だと理解できると思うんですが。敵の弱点に気づく都合で無理やり感が否めません。

      敵の対策自体は或人がバルカンの攻撃を受けた敵の様子を見て言い出したことなので情熱とは因果関係が薄いと思います。

      >漫画に絡めるなら「締め切り前でどんなに辛くてもやめられない」という人間の執着と「苦痛ならやめればいいのでは?」というAIの合理的価値観の対比とかも描けたと思います。

      それをやると或人の考えを否定し、おまけに「ヒューマギアは道具でしかない+奴隷のように使ってもいい」という意見を肯定することになるのでよろしくないと思います。

      >前社長の言葉も取ってつけた感じがして心に響きません。

      私は方向性自体は良いと考えています。
      「ヒューマギアは人類の夢」と唱えて普及させようとしたのは前社長ですし、デイブレイクタウン事故なども前社長の関与が大きいと思われます。そうなると前社長がどんな人物で何を考えていたのかが描写されないと視聴者は一連の出来事の背景を理解しづらいと思います。前社長が死んでいる以上は直接語ることはできません。他人を介して語るほうがいきなり回想シーンが始まるよりスマートでしょう。イズは社長秘書でかつヒューマギアという立場から最適な人物だと言えます。以上の点からああいった形で前社長のことを語るのは効率的な手法だと私は考えます。
      あのシーン自体は普通です。イズが個人的に思考するシーンがこれまで無かったので唐突感は仕方ありません。

      >この調子で魚眼レンズやうるさい効果音でごり押すくどい演出が減るといいなと思います。

      無いほうが私も嬉しいですが、監督の手癖なので或人のキャラに関係なくそういうシーンは有るだろうと思っています。

      >迷っている状態ならそれを示してほしいですし、「暴走」と聞いて「何かわけがあったはずだ」も「そんなはずない!人類の夢だ!」もなくフーンみたいな態度なのも謎です。

      相変わらず何にもわかりませんね。たぶんスタッフにそういう描写が必要だという発想がないからだろうと今は考えています。

      >もう4人目のライダーなんですね。こんなペースでは失速が心配です。

      たぶんこれまでの「メインの販促対象が怪人を倒し、余ったライダーは雑魚を倒す」という流れが「余ったライダーは敵ライダーと小競り合いをする」に変わるんだろうなと私は思っています。

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  2. >>フレイミングタイガー
    あの炎って本物の炎でもCGでもなく、水蒸気をライトで照らしているそうですね。新しい演出に挑戦するのは良いですがぶっちゃけ暗くて何をやっているのかよく分かりませんでした。

    マギアよりも変身時のバッタや隼が家を破壊していたのが気になりました。虎は入り口から入ってきたのに、大人しくできないんでしょうか。

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    1. >あの炎って本物の炎でもCGでもなく、水蒸気をライトで照らしているそうですね。

      公式ページに書いてありましたね。私も特に良い演出だとは思いませんでした。安っぽい感じに見えました。
      最初は完成度が低くても工夫を重ねることで良くなっていくことはあるので惰性で撮り続けるよりは良い傾向だと思います。

      >マギアよりも変身時のバッタや隼が家を破壊していたのが気になりました。

      無駄に壊すのは印象が悪いですね。敵を攻撃して遠ざけるとか盾になるとか意味を持たせてほしいものです。

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