『仮面ライダーゴースト』 第16話「完璧!白い仮面ライダー!」:感想
■平凡な中に非凡さが冴え渡る
・今回も至って普通でした。
新しいライダーのネクロム登場や次の展開の前振りになる眼魔界の説明やタケルとアランの衝突など必要なものだけ詰めて特に味付けしないまま並べただけでした。あらすじを見るだけで充分な内容でした。
・そんな中でも驚くことようなことができるのが福田さんの非凡さだと思います。
来る意味ないと思ったら本当に意味がなかったアカリと御成。やっつけフォームチェンジ、やっつけで英雄対面。この辺はいつもどおりで慣れてしまったので乾いた笑いしか出ないのですが、今回は驚かされました。
・まずはこの台詞です。
カノン「アラン様とお兄ちゃんは親友だったんだよ」
口で直に説明?! あまりの説明台詞に二度見してしまいました。普通は「まるで昔のタケルくんとお兄ちゃんみたいに」と比喩表現を使ったり、カノン「仲がとっても良かったの」 アカリ「親友だったってこと?」と会話形式にしたりして違和感を紛れさせるのですがド直球でした。
・お次はこの台詞です。
タケル「友達ならわかり合える」
友達じゃない相手だったらどうするつもりだったのでしょうか…? 相手とわかり合えるかどうかを知り合いの友達かどうかで判断するというのは私には全く理解できない価値観です。そんなのタケルが自分で話してみて判断することだと思います。タケルの話を聞くだけ聞いて「理解不能だ」と言っているアランのほうが物分りがいいように思えます。
・最後にこの台詞です。
アラン「人間同士いがみあってばかり」
そんな描写はゴーストにはなかったですよね。というかむしろ龍馬アイコンの話の薩長同盟や英雄との対話など話せばわかるという展開をやったばかりです。
幽霊や魂など非現実世界の話が中心なのに、いきなり一般論を持ちだされても困ります。それ以前にアランもジャベル相手にしょうもない小競り合いをしてましたよね?
・ありきたりな展開ばかりの消化回かと思っていたら、耳を疑うような台詞がぽんぽん出てきました。これが福田さんの真骨頂なのでしょうか。常識に囚われない斬新な手法に戸惑いを隠せません。
■3人目のライダー・ネクロム
・「目薬→注ぎこむ→憑依」という発想はなるほどと思いました。
目薬というかっこよさとは程遠いモチーフを上手くゴーストと結びつけています。この点は感心しました。
・ですがそれ以外は特に何も感じませんでした。
ギミックもアクションもとても普通です。新しいライダーだけど特に代わり映えしませんでした。撮影スタッフは2戦目のゴースト登場シーンのバイクの上での変身だけ撮って満足しちゃったみたいです。
・特に疑問だったのは「倒しても別の眼魔に憑依して生き返る」というギミックをここで使ったことです。
ここで使うよりも数話後で「ようやく倒せた…と思ったら復活した!」という展開のほうが絶望感が出たと思います。初登場で普通に強くて苦戦している状況では埋もれてしまうと思います。ネクロムはよっぽど早く退場する予定なんでしょうかね?
次回は卑弥呼アイコンだそうです。
次回予告を見ていて「あ~、このよくわからないからキャラを大げさにしている感じはゴースト初参加の人だな」と思ったら長谷川圭一さんでした。また別な意味で「あ~」と声が漏れました。ただでさえキャラと物語がぶれている最中での長谷川さんの投入。いったいどんなことになるのでしょう。
謎を引っ張って進展なし。相変わらず一匹狼のマコトが独り相撲する展開で、謎を隠してましたね。前回素直になったのは続ける気はなかったようです。
返信削除友達を和解のきっかけにするのは結構なことです。しかしその直後にみんなを守るため必殺技出すのは矛盾してました。アランからも倒すつもりだったと認識されてるのに、タケルは自覚してません。和解発言の時の押し付けがましい口調、ロビンに「相容れないから戦え」と忠告されたことから、流されてる印象があります。
いがみ合いと言えば西園寺ですが、あれは自業自得で終わってます。ゴーストの倫理観なら、「分かり合えないのは悪人だけだ」と言い切っておかしくないはずです。やはりアランに上から目線させたいのが見え見えですね。勝手にネクロム持ち出す、マコトを簡単に殺そうとするなど、アランは筋の通ってない小物臭さがします。スペリオルじゃない幹部でこれはひどい。
好き放題させたからアランは、最後噛ませにして構わないと思いますが、このはた迷惑なプッシュはいつまで続けるのかと嫌になってきます。
>しかしその直後にみんなを守るため必殺技出すのは矛盾してました。
削除あれは不思議でしたね。とてもあっさりしていて覚悟が軽く見えました。
台詞なり芝居なりでタケルの苦渋を挟む必要があったと思います。
>アランは筋の通ってない小物臭さがします。
アデルが出てなければ最高幹部に見えないこともなかったと思います。
なぜこの状況で他の幹部を出したのか不思議です。後釜が提示されていたらスリルがなくなると思うのですが。
>このはた迷惑なプッシュはいつまで続けるのかと嫌になってきます。
ネクロムの活動時間制限の設定から猛烈に嫌な予感がします。
「あー、時間切れだわ。時間切れさえなければ倒せたのになー本当に時間切れさえなければなー」みたいなネクロムもゴーストも誰もかっこよく見えない展開を毎回やりかねないと思っています。
新ライダー登場回なのに全くワクワクさせなかったのは確かに非凡かもしれません。英雄との対面に至っては以前カブトのときにやってた本編終了後のミニコーナーと大差ありませんでした。タケルがアイコンを無理矢理使役させるネクロムに憤る描写がありましたが、あんなシーンをわざわざ入れた以上は尚更タケルと英雄との会話シーンを色濃く描いて、アランとの価値観の違いを鮮明に対比させるべきところなんですが、そういう常識的な発想を福田さんに求める僕が間違ってるんですかね。
返信削除次回予告を見たときは私も全く同じ感想でした。恐らく事前情報がなくとも、「もしや長谷川さんか?」と気付いたかもしれません。私は平成ウルトラシリーズの頃から長谷川を知ってますが、自分の個性を出したがる傾向はあったものの、作品全体の空気を損ねないような配慮はちゃんとしていたと思います。円谷プロの方がその辺の管理を徹底していたとか、そういう製作環境の違いですかね。
>尚更タケルと英雄との会話シーンを色濃く描いて、アランとの価値観の違いを鮮明に対比させるべきところなんですが
削除普通そうするんですけどね…
福田さんが自分で入れた設定であろうに英雄との対面が嫌々やっているように見えるのはなぜなのでしょう。
ウルトラマンは見ていないのでそちらはわかりませんが、ウルトラマンは1話完結であるのに対し、ライダーは”捨て回”が多いからでしょうかね。
後のメイン回の前振りと販促ノルマさえ盛り込めばストーリーの制限が薄いのかもしれません。ゴーストは1話完結が基本ですが、どうでしょうね。
「友達だったら分かり合える」と言う発言は「友達じゃなかったら分かり合えない」とも聞こえて危険な考えだなと思ってしまいました。一応「正義は一つじゃない」とロビンに諭されていましたが。個人的な欲を言えばもう少し直球でない言い方をしてほしかったですが。平成一期で正義のあり方は結構テーマにしているので、はっきり台詞にされると今更感があります。
返信削除バイクに乗りながらの変身シーンは格好良かったです。変身シーンは。爆発もあいまって坂本監督みたいだなと思いました。その後のバトルはあまりに平凡でしたが。坂本監督またライダーやってくれませんかね。生身アクション癖とか問題もありますが、アイテムを魅せようとするスタイルは好きです。
ドラマはマコト面倒臭いなあ、としか思いませんでした。前回の軟化はなんだったのかと。予想通りと言えば予想通りですが。
これでは連続ドラマの意味がありません。というわけで、長谷川さんにはいっそのこと自分のカラーを思いっきり出して欲しいと思います。キャラに合わせて窮屈になるより自分の得意なことをやってもらったほうが少なくとも単体では面白くなりそうです。なんてことを考えてしまうほどドラマは退屈です。
>「友達だったら分かり合える」と言う発言は「友達じゃなかったら分かり合えない」とも聞こえて危険な考えだなと思ってしまいました。
削除この点を自覚的にやっているのか何とも判断がつかないところがすっきりしません。
そもそもタケルが積極的にわかり合おうとした事例が見当たらないのでタケルがそういう考えを持っているのかもあやふやに感じます。私にはわかり合おうとしている人がいきなり抱きつくとは思えません。
「マコトが話し合おうとしているから、事情はわからないけどマコトに協力する」というのなら友達の延長線上として理解できそうですが、マコトにそんな素振りはないんですよね…
>坂本監督またライダーやってくれませんかね。
私も最近そう思うこともあります。
TPOをわきまえない生身アクションは最低ですけど、アクション自体はクオリティが高めだと評価しています。最近のライダーの気の抜けたアクションに比べたら、余計な生身アクションがついてきても坂本監督のほうがマシかなと思ってしまいます。
>長谷川さんにはいっそのこと自分のカラーを思いっきり出して欲しいと思います。
ん~ 私としては、今の話が薄味なので新しい味付けを加えてほしい、という点では同意します。
しかしそれを長谷川さんにやってほしいかというと私は否定的です。
なぜかというと、長谷川さんが持ち味を出したがるのはゲストだからです。悪役やゲストに力を入れてレギュラーキャラにあまり興味を持たない印象があります。今のゴーストの大きな問題はレギュラー陣の薄さなので長谷川さんではそこの改善は見込めないのではないかと私は考えています。
今までそうだったからゴーストでもそう、とは限らないので具体的には次回を見て判断しますが。
ネクロムはブレイドで言うレンゲル的な立ち位置に見えましたね。
返信削除今回、アランが言っていた通り 仲間であるはずの眼魔を平然と捨て駒にしていましたし、個という概念が無いように感じられました。
ネクロムは強い代わりに稼働時間が短いようですね。本気でアランを倒すならばスナイパーを潜ませておいて隙を突くのが最適ですが、タケルたちは絶対にやらなさそうですね。
>個という概念が無いように感じられました。
削除私はそう考えるのはまだ早いと考えています。
今回犠牲になったのは雑魚眼魔だったからです。雑魚眼魔=素体、であった場合、重要な中身を守るために素体を使い捨てることに不思議はありません。またアランは王族?であるため、雑魚眼魔の命など眼中にない可能性もあります。肉体という概念が薄いようなので、肉体に対する執着がないだけという可能性もあります。
>本気でアランを倒すならばスナイパーを潜ませておいて隙を突く
タケルたちの場合やらないと思いますが、”できない”という面もあると思います。
ネクロムはエネルギー切れでもそれなりに動けるようなので、たとえ武器があってもアカリや御成で致命傷を与えることは難しいでしょう。かといって、ゴーストかスペクターどちらかが一人で時間を稼いで…、とやろうにも現状ではネクロム相手に粘ることは困難のように見えます。
そういう視点も有りましたね。
削除将軍っぽい人が平然と復活してましたし、肉体の有無は大して問題ない可能性が有りますね。
ネクロム相手に粘った上で狙撃するのも、現状では、スペクターにロビン・フッドを貸して、強化フォームになるぐらいしか策が有りませんし、今回の感じからして恐らくタケルは拒絶するでしょう。
今回は不満は多々あれど、画面外で変身させられるスペクターだけは、なんとも不憫でなりませんでした。
返信削除ゴーストと並んで変身……と思ったらカメラはゴーストをアップ、スペクターの変身音声だけ左のスピーカーって……。
今回は目に見えて噛ませだったので、せめて変身シーンくらいかっこうよく見せて欲しかったですね。
販促期間が終わってしまいましたからね…
削除販促対象であろうフーディニもあんな扱いでしたからましてスペクターでは。ゴーストと変身アイテムが同じであることが災いし、普通の2号ライダー以下の扱いになってしまいました。
相変わらずひねくれたレビューですね〜。しかしいくらライダーが好きなわけではないとはいえ、一回視聴しただけでよくここまで論理的且つ冷静に粗を発見して整理できますね。管理人さんはプロの脚本家ですか?
返信削除いいえ、脚本家ではありません。ただの素人です。
削除ゴーストの場合、基本的に通して見るのは一度ですが早送りで全体の流れを再確認したり、気になった箇所を見直すことはあります。
ネクロム残念でしたね。二週目ですがこんなに薄味を通り越して、無味だったとは思いませんでした。
返信削除「偉人の力はすごいな!!」と満足していましたが、肩の触手を伸ばして攻撃だけって…
初見でグリム兄弟が、文学者だと分かった人はいたんでしょうかね。
文字型のエネルギーを飛ばすとベートーヴェンとカブるから却下されたんですかね。
登場して速攻一話で、チート能力と弱点が出てきたのもダメでしたね、どちらも一気に出すのは論外です。弱体化が早かったのも納得ですが早すぎます。
>文字型のエネルギーを飛ばすとベートーヴェンとカブるから却下されたんですかね。
削除ゴーストのフォームチェンジは使い分けすら酷いんですよね…
>登場して速攻一話で、チート能力と弱点が出てきたのもダメでしたね、どちらも一気に出すのは論外です。弱体化が早かったのも納得ですが早すぎます。
ゴーストの強化フォームの出番が早いのかと思ったらそういうわけでもありませんしね。勝ち負け以外で差異を表現できないんでしょうね。