『牙-KIBA-』 46~48話感想

2014年9月14日
【46話】
・タスカー編その1
ゼッドがタスクに乗り込む、良い人ほど苦労する回。

相変わらずデュケムさんは真人間でした。
ドルガー卿に突然切りかかったモーリマに対して「お前何してんの?!」って顔したり、あからさまにやる気のないモーリマを疑ったり、至って正常な反応を見せてくれます。
そんなデュケムさんも今回で退場です。ゼッドとの激闘の末にヒューと同じく爆殺されて崖から落ちました。
あんな高さの崖から落ちて生きているわけない… 惜しい人を失いました。

・デュケムさんの穴を埋めるためか今回は良い人が大量投入されています。
シーカーの長老?は事務手続きも完璧、説明も丁寧でとてもまともな対応です。
46話にしてようやく頭にクソがつかないお爺さんが現れました。序盤で亡くなったサギリのお爺さん以来です。

・ミレッドもギトラも思いやりと配慮のある良い人です。
ギトラは独自に考古学を調べていたり、バイオレンスな牙世界では非常に珍しい理性的な人物です。
科学者の集まりのウルバークスでさえ基本ヒャッハー脳だったので驚きです。
ゼッドの横にミレッドが気絶してるのを目撃すれば「貴様、何をした?!」と勘違いしたり、すごくまともな思考回路で安心します。
ちなみにギドラの放った謎のオーラ&炎はあれっきりで本当に謎です。シャード格闘術とかないのであまり気にしないでください。

・これだけ良い人のバーゲンセールでもゼッドの聖人ぷりは揺らぎません。
ギトラに勘違いでいきなり斬りかかられても「まぁ仕方ねえだろ」で済ませる懐の広さ。昔のゼッドだったらみぞおちに一発入れていたことでしょう。

・タスクに来た理由を問われても「戦いを止めようとしないお前らが許せないから」と口では自分の勝手だと言いながらも、ミレッドの解放に力を貸すとこが良いですね。
いつの間にか「自由になりたい…」とかつて自分が抱いた気持ちと同じものを持っている相手を救う側にまわっています。
しかしゼッド自身が誰かに救われたことはありません。
その点が牙世界では異質なんでしょうね。
ヒューもノアも、牙の主要人物は「自分が救われたい」という思いを軸にして動いています。
望んだ力を手に入れても教皇やヘリック、レベッカのように人のためではなく己のエゴのために使うのが普通です。
といってもゼッドも人のために動いているわけではありません。
あくまでゼッドにはゼッドの目的があり、その”ついでに”できる範囲で人助けをしているだけです。
「ついでに人助けをする」というと、とてもヒーローとは思えない響きのはずですが、ゼッドにはリアリティを感じます。

【47話】
・タスカー編その2。
タスカー復活、キースピぽろぽろの超急展開。
この辺りはもう少し話数をかけて丁寧にやってほしかったです。みんな緩すぎです。
こんな展開でもジーコは相変わらずのクソジジイっぷりを見せてくれます。
何が「今はただ見守るのみ」だ! 見守らずに動いて解決したことがあったら教えてほしいくらいです。

・口から願望駄々漏れのノアに、とにかくかっこよくて頼りになるゼッドと展開はシンプル。
それでもミレッド→ドルガーの寝取られラブロマンスは忘れません。ギトラが可哀想でなりません。
しかし実際、どちらが魅力的かと言われると確かにギトラはいまいちな印象があります。
行動力に溢れすぎてる牙世界なので慎重で控えめなギトラは頼りない感じがしてしまいます。
ミレッドも世間知らずながらその辺りを感じ取っていたのでしょうか。

【48話】
・タスカー編完結。
ミレッドの結末はハッピーエンドだったのか、ビターエンドだったのか判断が割れるところです。
私は牙にしてはハッピーエンドだったと思います。
記憶が消えたことは二人にとって悪いことではないでしょう。
ゼッドにとっても当初の目的のキースピ集めには失敗したものの、二人を救うことには成功しました。
レベッカが殺されたり、ネオトピアが国家としては崩壊したり、ギンガも死んだりと結果としては地味に失敗続きだったゼッドにとって大きな一歩です。

・幸せそうな二人をバックに「よかったよかった」と思っていたら、そこに映り込むサラの姿。
そして次回のタイトルが「母と子」。
とても中が良さそうな親子の触れ合いから目が離せません。
やっぱり牙は牙だと思い出させてくれます。

・全51話なので、残り3話。ちょうど次回の配信で終わるみたいです。
怒涛の展開が楽しみです。

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