映画 『仮面ライダー×仮面ライダー オーズ&ダブル feat.スカル MOVIE大戦CORE』；感想
『仮面ライダー×仮面ライダー オーズ&ダブル feat.スカル MOVIE大戦CORE』を見た。
タイトルのわりにスカル編の占めるウェイトが大きく、スカル編３５分。オーズ編３５分。コア編２０分の構成になっています。コア編の半分はライダー代表としてアクセルが活躍するパートなのでＷ外伝として見ても大丈夫です。Ｗファンの私が保証します。
■仮面ライダースカル
いや～ライダー映画とは思えないほど面白かった。スカル編だけで充分満足♪ おやっさんこと鳴海荘吉＝仮面ライダースカルがかっこいい！特にあの胸から髑髏のエンブレムを撃ち出すライダーキックは異形な感じがすごくイイ！ スカルマンオマージュの石ノ森系ヒーローは多々あれど一番デキが良いんじゃないかな。
ライダーの人を捨てながらも人のために戦う異形のヒーローという思想を主軸に据えたストーリーは王道路線のＷと相性ばっちり。スカルとスパイダー。同じSのメモリで異なる点が粋だねぇ。結果としてハードボイルドなおやっさんは人の道を外れて進むしかなかったが、ハーフボイルドなＷやアクセルは同じくライダーとして悪と闘いながらも、人としての道も大切にする。その違いを象徴するかのような結婚式のシーンが印象的だった。昭和ライダーと平成ライダーの違いを描くという点ではオールライダーにも優っている。
幼少の翔太郎と荘吉との出会いに、シュラウドと荘吉の関係。娘の所長を放っておいた理由と後付とはいえ本編につながる要素を織り交ぜながらも一つの作品として完結させる。これを３５分で済ませるなんて。三条さん、見れば見るほどすごい人だ。
人として化物の力を使うことに拒否感を示していた荘吉がスパイダー・ドーパントの凶行を目の当たりにする。スパイダー・ドーパントを追う荘吉の前に立ちふさがるバット・ドーパントが現れたとき、変身することには既に何の躊躇いもない。このハードボイルドさ！
その場では台詞にせず、前後に散りばめて匂わせることで、言わされた台詞ではなく登場人物の性格として描写する。このやり方が痺れるね！
それと生身の格闘戦が良い味出してる。荘吉vsマスカレードや荘吉vsマツの超えられない壁がある感じが変身することに意味を持たせている。
スカルやバットが重機に潰されるシーンも良いと思う。変身しても限界があることを示している。
こういう全体の下支えになる部分って重要だよね。
■Ｗについて
Wの一番好きなところは、敵のドーパントが全て変身者が自分の意思で変身していること。個人的には変身するときにメモリを身体に刺すシーンが気に入っている。メモリは尖っていて痛そうな感じがする。それが変身者の強い意思を感じさせる。だからこそメモリを壊しさえすればそれ以上生身の犯人にＷは何もしない。武器であり意思でもあるメモリを壊せば野望は潰えるからだ。
「Ｗの作風は『罪を憎んで人を憎まず』だ。」という意見もけっこう見かけるけど、それはちょっと違うと思っている。Ｗはあくまで街とそこに暮らす人々の平和を守るヒーローであって正義の執行者じゃないと思うからだ。たとえ犯人が再び悪の道に走ったとしても、Ｗがまた止めてくれる。Ｗ本編の最終回からはそういう安心感を感じた。
■オーズ編
いや～なんだかね。作品単品としては可もなく不可もなくまとまってるにはまとまっている。井上にしてはよくやったと褒めても良い。だけどテーマ性のあるスカル編と比べると存在感が…
オーズの映画版としては本編とのギャップはそこまでひどくない。人殺しに反応するアンクくらいかな。だけど膨らませてもいない。本当に存在意義が薄い。
ガタキリバとかコンボはかっこよく描けているからアクション面では悪くない。ちょっとスローモーションカット多すぎだけどね。
■コア編
スカル編で提起したライダー論の解答編。かつて復讐のために人を捨てた照井竜＝アクセルがその解答を示すのがＷファンとしてニヤニヤしてしまう。仮面ライダーコアの存在感はまぁ上映時間２０分ないあたりからお察しください。
エクストリームは盾無しで剣だけだとけっこう見られるね。意外な発見。どうしてもＷに目がいっちゃう。
アクセル好きとしては、かっこいいのに決め所の少なかったアクセルグランツァーに見せ場をくれただけで感謝感謝。
オーズもタジャドルのマスクが降りるシーンがかっこよかった。あれって本編でやったっけ？ああいうギミックあるなんて知らなかったよ。
■総評
ライダー映画としては話が面白くまとまっていて、映画！って感じがする良作品。
反面、派手なＣＧとかは少ないので絵的には他のライダー映画より地味に見えるかも。
W好きなら絶対見るべき！Ｗ嫌いな人、ライダー論とか興味ないって人にはオススメしません。
 | 仮面ライダー×仮面ライダー OOO（オーズ）&W（ダブル） feat.スカル MOVIE大戦CORE【DVD】 (2011/05/21) 渡部秀、三浦涼介 他 商品詳細を見る |
タイトルのわりにスカル編の占めるウェイトが大きく、スカル編３５分。オーズ編３５分。コア編２０分の構成になっています。コア編の半分はライダー代表としてアクセルが活躍するパートなのでＷ外伝として見ても大丈夫です。Ｗファンの私が保証します。
■仮面ライダースカル
いや～ライダー映画とは思えないほど面白かった。スカル編だけで充分満足♪ おやっさんこと鳴海荘吉＝仮面ライダースカルがかっこいい！特にあの胸から髑髏のエンブレムを撃ち出すライダーキックは異形な感じがすごくイイ！ スカルマンオマージュの石ノ森系ヒーローは多々あれど一番デキが良いんじゃないかな。
ライダーの人を捨てながらも人のために戦う異形のヒーローという思想を主軸に据えたストーリーは王道路線のＷと相性ばっちり。スカルとスパイダー。同じSのメモリで異なる点が粋だねぇ。結果としてハードボイルドなおやっさんは人の道を外れて進むしかなかったが、ハーフボイルドなＷやアクセルは同じくライダーとして悪と闘いながらも、人としての道も大切にする。その違いを象徴するかのような結婚式のシーンが印象的だった。昭和ライダーと平成ライダーの違いを描くという点ではオールライダーにも優っている。
幼少の翔太郎と荘吉との出会いに、シュラウドと荘吉の関係。娘の所長を放っておいた理由と後付とはいえ本編につながる要素を織り交ぜながらも一つの作品として完結させる。これを３５分で済ませるなんて。三条さん、見れば見るほどすごい人だ。
人として化物の力を使うことに拒否感を示していた荘吉がスパイダー・ドーパントの凶行を目の当たりにする。スパイダー・ドーパントを追う荘吉の前に立ちふさがるバット・ドーパントが現れたとき、変身することには既に何の躊躇いもない。このハードボイルドさ！
その場では台詞にせず、前後に散りばめて匂わせることで、言わされた台詞ではなく登場人物の性格として描写する。このやり方が痺れるね！
それと生身の格闘戦が良い味出してる。荘吉vsマスカレードや荘吉vsマツの超えられない壁がある感じが変身することに意味を持たせている。
スカルやバットが重機に潰されるシーンも良いと思う。変身しても限界があることを示している。
こういう全体の下支えになる部分って重要だよね。
■Ｗについて
Wの一番好きなところは、敵のドーパントが全て変身者が自分の意思で変身していること。個人的には変身するときにメモリを身体に刺すシーンが気に入っている。メモリは尖っていて痛そうな感じがする。それが変身者の強い意思を感じさせる。だからこそメモリを壊しさえすればそれ以上生身の犯人にＷは何もしない。武器であり意思でもあるメモリを壊せば野望は潰えるからだ。
「Ｗの作風は『罪を憎んで人を憎まず』だ。」という意見もけっこう見かけるけど、それはちょっと違うと思っている。Ｗはあくまで街とそこに暮らす人々の平和を守るヒーローであって正義の執行者じゃないと思うからだ。たとえ犯人が再び悪の道に走ったとしても、Ｗがまた止めてくれる。Ｗ本編の最終回からはそういう安心感を感じた。
■オーズ編
いや～なんだかね。作品単品としては可もなく不可もなくまとまってるにはまとまっている。井上にしてはよくやったと褒めても良い。だけどテーマ性のあるスカル編と比べると存在感が…
オーズの映画版としては本編とのギャップはそこまでひどくない。人殺しに反応するアンクくらいかな。だけど膨らませてもいない。本当に存在意義が薄い。
ガタキリバとかコンボはかっこよく描けているからアクション面では悪くない。ちょっとスローモーションカット多すぎだけどね。
■コア編
スカル編で提起したライダー論の解答編。かつて復讐のために人を捨てた照井竜＝アクセルがその解答を示すのがＷファンとしてニヤニヤしてしまう。仮面ライダーコアの存在感はまぁ上映時間２０分ないあたりからお察しください。
エクストリームは盾無しで剣だけだとけっこう見られるね。意外な発見。どうしてもＷに目がいっちゃう。
アクセル好きとしては、かっこいいのに決め所の少なかったアクセルグランツァーに見せ場をくれただけで感謝感謝。
オーズもタジャドルのマスクが降りるシーンがかっこよかった。あれって本編でやったっけ？ああいうギミックあるなんて知らなかったよ。
■総評
ライダー映画としては話が面白くまとまっていて、映画！って感じがする良作品。
反面、派手なＣＧとかは少ないので絵的には他のライダー映画より地味に見えるかも。
W好きなら絶対見るべき！Ｗ嫌いな人、ライダー論とか興味ないって人にはオススメしません。
コメント
0 件のコメント :
コメントを投稿
コメントは承認後に表示されます。
＊過度に攻撃的な言葉や表現が含まれている場合、承認されない場合がございます。節度と良識を保った発言をお願いいたします。