プーチンには見せないで。漫F画太郎 『罪と罰』2巻:感想

2012年5月13日
漫F画太郎の『罪と罰』2巻を読んだ。
限定版 罪と罰 2 (バンチコミックス)限定版 罪と罰 2 (バンチコミックス)
(2012/05/09)
漫F画太郎

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今回も表紙詐欺です。俺の漫画に猫耳幼女なんて出るわけねぇだろ!糞して寝ろ!です。それどころか金貸しババアもほとんど出てないので表紙絵に映ってる人がほぼ誰も出てません。まさに詐欺。

肝心の中身と言えば、前回のクライマックスの続きで2ページ目には見開きで「ま ん なかー!」と叫ぶババアのアソコのあアップという衝撃的過ぎる展開から始まります。それどころか、次のページは真ん中の真ん中に原作 ドストエフスキーの文字を入れている。ロシアの人ごめんなさいとしか言えないよ。さらに全く同じ構図で作画 漫F画太郎を入れる。まるでかの文豪と自分が同列であるかのように見せている。プーチンが来日するときには回収しておかないと戦争じゃ済まないと思う。

のっけから地獄絵図と化している本作だけど、この後もひどい。
画太郎先生に珍しく新規作画(漫画なのに新規作画ってどういうことだよ。)があったかと思えば女子大生に向かって「パンツを30円で売っただと?!俺なら3万で買ったのに!」とか「シミ付きがついてるからいいんじゃー!!」と叫ぶセクハラ教授。ラストの10話は計20ページ近くもババアとのガチンコセックスが続く心折設計。コミックバンチに検閲という言葉はないのだろうか。この漫画が18禁にならないのはおかしいと思います。

まさに禁書と言える画太郎のコミカライズだけど、まともな原作解釈もあるから侮れない。
原作に登場する理屈をこねて自分を正当化するインテリ飲んだくれのマルメドーラフ。このクソ親父はなんと原作そのままの台詞で登場させている。演説に対するヒロインの反応が素晴らしい。「なげーよ!!死ね、アル中くそ親父!!」だものw 原作読んだ人なら誰もがそう思う流れをやってのける。原作レイプしながらも愛のあるこの展開、漫☆画太郎の底力を感じさせられる。
また漫画としての演出が素晴らしいんだ。4ページにも渡ってキモい親父の顔とアホな演説を聞かされる。しかもこの4ページはもちろん吹き出しの中だけ変えたコピー!内容的にも絵的にも読者のストレスが溜まりきった次の瞬間、見開きで炸裂するヒロインのビンタ&罵倒。コピーすらも活用する巧みな漫画術には感動すら覚える。どうして他の漫画家はコピーを使わないんだろうかとさえ思えてくる。

この漫画はふざけている。存在していることが不思議なくらいだ。だけどこの漫画にはここにしかない魅力が詰まっている。

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