『魔進戦隊キラメイジャー』 第43話「汚れた英雄」:感想

2021年2月14日

■知らない作品・第二話
・前回に引き続き、何の話かわからん内容が繰り広げられました。脈絡のないインスタントな展開の上に糞みたいな内容が続くせいで、見ている間はずっと乾いた笑いが張り付いていました。

実はガルザは子供の頃に洗脳されていた!
(王宮のガバガバセキュリテイ!&弟の変化に気づかないオラディンは糞! 豹変した弟に何の疑問も持たないくせに創造力だの閃きだのなんて笑わせる)

「充瑠は俺が気づかなかった世界に気づかせてくれた!」(全く心当たりがない…)

王様が殺された…→生きてまーす!→舐めプしてたけどキラフルゴーアローで本気出せば倒せたわ。
(最初からやれ! お前ら何しにヨドンヘイムに来たんだよ! そもそも王様が走って逃げてる時点で時雨が伸びる剣で釣り上げればもっとスムーズだったんじゃないのか?)

大丈夫! カナエマストーンで生き返らせればクリスタリアで虐殺した人も許してくれるよ!(ドラゴンボールより酷い倫理観…)

■本気でわからない
・あともう一つ理解できなかったことがあります。
皇帝が「お前がジャメンタルで満たしてくれたおかげで地上に降臨できるようになったぞ」みたいなことを言っていましたがあれはどういうことだったのでしょう? てっきりガルザを吸収してジャメンタルを得るのかなと思ったら普通にぶっ殺してしまいました。あれだとジャメンタルは残らないと思うんですが何がどうなってるんでしょう? 合体した時点で皇帝もジャメンタルを会得していたのでしょうか。まさか「ジャメンタルと淀み」を混同して地上が淀みで満たされたのをジャメンタルがどうのと履き違えているんじゃないですよね?

■虚無
・実はガルザは子供の頃に洗脳されていてこれまでの言動は全てヨドン皇帝の影響でした!と衝撃の事実が明かされました。つまりガルザなんて人物は存在しなかったし、これまでの描写や戦隊メンバーとの絡みは無駄になりました!

・普通なら「皇帝はコンプレックスを増幅させただけでガルザの心の弱さが原因」くらいにするものですが昔のガルザは全然違ったことが判明したため疑問の余地がありません。
やり方によっては「ガルザだと思っていたあれこれは実はヨドン皇帝の一面だった」という話にしてヨドン皇帝にシフトすることもできたと思いますがそういう回収もありませんでした。
こういう展開は去年のライダーでも見ましたが、やっぱり何が面白いのか全くわかりません。通年ものでそれまでの積み重ねを放棄するメリットは無いと思うんですが。

■最悪の集大成
・今回特に最悪だったのは充瑠だと思います。最序盤以来のウザいハイテンションが文脈のせいで逆効果になっていました。
あれだとまるでこれまでずっとワクワクしてなかったみたいに見えてしまいます。メンバーに対して「すっごくキラキラしてるね!」とか言ってたわりにはこういうテンションにはならなかったということは、そんなことを言いつつも本心では「はぁーこいつらつまんねー 全然ワクワクしねぇ。こんなんじゃヒラメキングなんてなるわけねぇだろ」とか思ってたように見えてしまいます。充瑠の印象は更に悪くなるし、馬鹿にされたメンバーや充瑠を認めた王様たちの格も下がって虚無以下の糞溜まりです。

・ヒラメキングすら雑に扱ってきた結末として当たり前のことなので何がどう悪いとか考える必要性すら感じません。
終盤のクライマックスらしい作品の集大成と言える展開だったと思います。無神経と無気力な展開を繰り返していればこんな邪悪なシーンも出来上がるってもんでしょう。

■クランチュラ
・スタッフはやっぱりクランチュラに裁きを下す気はないみたいですね。
責任がどうとかいう以前に悪行三昧の悪党で捕虜の立場なのだから選択権も何もないと私は思うんですけどね。無駄にヨドンヘイムに連れてきて不自然に逃げられたり、クランチュラを優遇したいというスタッフの意思が強く表れていました。私にはそうする意義が全然わかりません。


次回は「充瑠が死んじゃったよー(泣)」という展開をやるみたいです。
元々どうせ生きてるんでしょ?と思ってしまいますし、今の初耳な展開の連続と湧いて出てくる新設定の渦中ではたとえ死んでてもだから何だという気分になります。
無難に行けばクランチュラが助けてるんでしょうが、充瑠上げに余念のないキラメイジャーなので「ヒラメキングで飛べるようになったから助かった!」とかそんな斜め下の展開もあるんじゃないかと覚悟を決めています。

コメント

2 件のコメント :

  1. はじめまして
    コメント失礼します
    ブログ楽しく拝見させていただいております。

    ガルザは悪くない!洗脳されていただけなんだ!ヨドン皇帝が全部悪い!と全責任をラスボスに押し付けるという最悪な結果になってしまいました。

    先週から唐突に実はガルザは心優しい子だったんですと言われても説得力がありませんし
    そういう展開にするには描写が足りないし、改心までの心理描写を疎かにしすぎで納得できません。

    最近の特撮は悪役を悪のままにせず退場間際に悲しい過去や出来事入れておけばいいと制作側が思っている所がありますが
    それについてどう思われますか?

    個人的に悪は悪のまま倒してほしいと思います。
    そこに至るまでの過程や心理描写が丁寧で納得できるものでない限りは

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    1. 匿名さん、はじめまして。ご愛顧ありがとうございます。

      >最近の特撮は悪役を悪のままにせず退場間際に悲しい過去や出来事入れておけばいいと制作側が思っている所がありますがそれについてどう思われますか?

      まず「最近の特撮」という観点では、それは匿名さんの”認知バイアス”だと私は思います。
      最近の戦隊といえば、キラメイジャー、リュウソウジャー、ルパパト、キュウレンジャー、ジュウオウジャーですが、私は悪役を可哀想扱いした作品はあまり無いと思います。
      キョウリュウジャーのアイガロンやトッキュウジャーのゼットなど諸々の幹部勢、ニンニンジャーの九衛門と3作立て続けに続いたことからそういう印象になっているだけで最近格別多いわけではないと考えます。

      そういう展開が多いか否かはさておき、展開の良し悪しに関しては「整合性は有ると思う。しかしマンネリではある」と私は考えます。
      悪役のキャラ立てをしようとすると魅力的な悪役にするか、悪役以外のところで興味をひくかのどちらかになるのは必然だと思います。悪役として魅力的に描くのは難しいことだと思います。なにせ悪いことばかりするわけですからね。その上、悪党が主役の作品ではなくそれを打ち倒すヒーローが主役なのですから「悪党はかっこいい! 悪事最高!」なんて口が裂けても言えません。こんな大前提の下で悪役を魅力的に描くのは困難だと思います。
      悪役が魅力的に描けた場合でも今度は逆にヒーロー側に魅力が低いように感じられる事例は少なくないと思います。ヒーローものとしてはこれは大問題なのでこういうやり方は肯定できません。

      追加戦士を目立たせるのに一旦悪役にするほうが収まりが良いとか、ポッと出のラスボスに格上感を出すには既存の幹部を踏み台にするほうが手っ取り早いとか、そういう理屈は理解できます。それ自体は合理的な判断と言えると思います。
      ただ、同じことを繰り返していて芸がないと思うのも事実です。そういうわけで私の意見としては「積極的には否定しないが諸手を挙げて賛成する気もない」です。エンタメ作品、販促番組としてはマンネリを続けるのは緩やかな自殺と同義だと思っています。

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