『スター☆トゥインクルプリキュア』3クール目終了時点での感想

2019年11月3日
・スタプリの3クール目終了時点での感想です。厳密には38話視聴後の感想です。

■相変わらず無味無臭
・相変わらず何もありません。メインストーリーもキャラも平坦どころか基準になる軸すら見当たりません。いったいどういうお話なんでしょうか。3クールも経ってるのにこの有様とは逆にすごいです。商業作品としては存在していることが不思議なくらいです。

■正論に勝てない
・スーパー化のきっかけとなった幹部のガルオーガとのバトルは壮絶でした。
プリキュア側が敵の正論に全く言い返せませんでした。「フワを赤ちゃん扱いして守るって言ってるけど、それってプリキュアという絶大な力を持ってて余裕があるからできたことじゃないのか? だいたいお前らフワが可愛くなくても同じように守ろうと思ったのか?」 と指摘されて何も言い返せませんでした。
そりゃそうですよね。実際、追加戦士のユニに対しては「確かにあなたのことを何も知らない。でも知らないから知りたいの」と言っていたのに、敵に対しては何の関心も示したことありませんからね。敵が辛い過去があったようなことをほのめかしても何も聞こうともしませんでした。行動が恣意的なのは明らかです。
最後は「守りたいと思うものを守って何が悪い!」と開き直っておしまいでした。大した正義の味方です。こんなやつらに全宇宙の命運が託されているのでたまりません。

・メタ的にはこんな展開をやったこと自体が理解し難いです。
どう考えてもそんなシリアスな話をする土壌はありません。キラヤバーな話しかしてきてないのにこんな話しても何も生まれるわけがありません。それなのにどうしてこういう話をやろうと思ったのかが不可解です。 ゲスト脚本家が書いたのかと思うくらいスタプリに合っていません。

■ドラマがあることのほうに違和感を感じた
・ゲスト脚本家と言えば劇場版を手掛けた田中仁さんが担当した回が凄まじかったです。
元快盗であるユニと劇場版のキャラの警察官の二人で過去の罪にどう向き合うべきかの話をしました。スタプリではほぼ無いまともな人間ドラマが繰り広げられていました。
一つの回としては良いほうだったのですが違和感がすごかったです。ドラマがないのがスタプリらしさとして定着してしまい、まともなドラマがあるとかえって違和感を感じました。本当にもうどうしようもないんだなと痛感しました。

■フワのMLP化
・赤ちゃんで妖精ポジションだったフワが成長したらマイリトルポニーのようなカートゥーン調の馬になりました。劇場版の宣伝で見かけたときには劇場版のゲストかと思っていたので驚きました。
個人的には全く可愛く見えません。前のワタアメのほうがずっと良いと思います。一般的にはMLP状態のほうが可愛いと受け止められるのでしょうか?

・フワ関連では他にもスタッフとの認識のズレを感じたことがあります。
話の流れからすると成長後のフワは叱られるべき”わがまま”な存在として描かれていたようでした。ローテーション陣で話を跨いでも似た傾向だったのでそういうふうに描くように上から指示が出ているのだと思います。しかし私にはあまりわがままに見えませんでした。
それはわがままの内容が「早く宇宙を救うために必要だと言われたアイテムを探しに行こう」だったからです。一方のプリキュア側が断った理由は「宿題とか学校生活が忙しいから後で。わがまま言うな」でした。どちらに正当性を感じるかと言えば私はフワのほうが正論だと思います。スタプリで日常や学校生活の重要性は描かれた覚えもありません。少し前までは「アイテム探しに外宇宙の惑星まで探検だー!」と言っていたのでむしろ変貌に違和感を感じます。

■スーパー化
・個人的にはかなり地味な印象です。
ティアラをかぶったり、少しスカートが長くなったりした程度で全体の印象はそれほど変わりません。スーパー化したまま戦うならともかく、バンク必殺技専用としてはパッとしない印象を受けます。ケバいのも嫌ですが地味なのも考えものですね。

コメント

8 件のコメント :

  1. >敵に対しては何の関心も示したことありませんからね。
    まほプリかな

    返信削除
    返信
    1. としあきさん、はじめまして。

      シリーズ構成が同じせいか、スタプリのストーリーで感じる問題点のいくつかはまほプリと似通っていると思っています。序盤の時点でも不安に感じましたがその印象は今でも変わっていません。

      削除
  2. 九衛門ファン2019年11月9日 18:03

    管理人さんはどちらかというと敵が救済されたり和解したりする路線が好みのようですね。スタプリは今のところ敵に関心が無いという所はまほプリと同じに見えますが、誰も消滅させず生存しており、追い払っているだけという点では差異はあるかもしれません。あとドラマは無いと語っていますが、ララとAIの絆の物語はありましたし、ユニも性格的には気に入らない面があるとはいえ、彼女も動いてはきています。これまでの伏線も回収してきますし。個人的な見解としましてはプリキュア達はガルオウガの正論に反論できなかったのではなく、敢えて製作者側が反論させなかったのだと思っています。反論し相手の意見を否定してしまえばテーマとしての多様性を否定することになるからです。反論せずに受け入れる否定しないというのが今作の重要ポイントではないかと私は考えています。

    返信削除
    返信
    1. >管理人さんはどちらかというと敵が救済されたり和解したりする路線が好みのようですね。

      一面的にはそうですが本質的にはこだわりがあるわけではありません。
      救済や和解とはすなわち「ドラマ」の有無に関わることであり、ドラマがあるのと無いのとでは有るほうがプラスになると思います。それが理由であって救済や和解に意義を感じているわけではありません。たとえば敵の悪逆さや世の不条理などを描いていたとしてもそこにストーリー上の意義が感じられればそれで構いません。
      特にプリキュアでは毎回のバトルとその前後の登場退場や会話で毎回5分程度は敵の描写や敵とのやり取りに時間を費やしています。OPEDとCMを除くと正味20分ほどですから毎回4分の1もの時間を費やしていることになります。それだけ時間を費やしたものがストーリーにおいて無意味であるか有意義であるか、構成上どちらが望ましいかは考えるまでもないと思います。
      またスタプリはわざわざ幹部の事情などをアピールしているのでストーリーの方向性自体がそういう方向性を目指していると私は考えます。

      >ララとAIの絆の物語はありましたし、ユニも性格的には気に入らない面があるとはいえ、彼女も動いてはきています。

      私はどちらも脇役レベルだと思っています。「これがメインディッシュです」と出されている以上は満足できるものだと思いません。

      >反論し相手の意見を否定してしまえばテーマとしての多様性を否定することになるからです。反論せずに受け入れる否定しないというのが今作の重要ポイントではないかと私は考えています。

      そういう可能性は考えられますが、仮にそうだったとしてもそれができているとは思いません。
      まず反論することが相手を否定することになるとは私は思いません。理解し合う過程では衝突はつきものです。自分と考えが違う以上はぶつかることは避けられません。避けようとすればお互いに距離を取るしかなく、それは理解からも遠ざかる行為であると考えます。作中でもヒカルはこれまでララやユニと衝突することで仲良くなってきたと思います。

      またヒカルたちが理解しようとしているようにも見えません。最近のユニとアイワーンを除くと敵に対して酷く無関心だと思います。これは受け入れているどころか「ただの障害物」とみなして相手の人間性を無視していると思います。
      今の流れでは和解したとしても説得力に欠けるものになるか、「まぁお前らが生きてても構わないぞ」とプリキュアという圧倒的力を背景にした相手を見下ろした態度になる可能性が高いと思います。私がそこにドラマや善性を感じることはないでしょう。

      削除
  3. こんにちは。いつも興味深く拝見させて頂いております。
    特に何が起こるでも変わるでも無いまま淡々と39話が終了し、淡々とラスト10話(いつも通りなら最終回は新作連動なので実質9話)を切ってしまいましたね。

    「12本のプリンセススターカラーペンを集める(1~3話)」→「12本のペンを集めながらフワを育てる(3~31話)」→「フワを育てつつトゥインクルイマジネーションを探す(32話~38話)」→「トゥインクルイマジネーションを5人分発現させる(39話~)」…と中目的らしきものはあったのですが、これらは特に話に活かされる(序盤だけダークペン化されたりしてましたが)事なかったですね。
    <トゥインクルイマジネーション>に至っては接頭語に「(スタープリンセスもダークネストも)よく分かってないけど」がくっ付いてる位中身ふわふわしてましたし…。

    キャラクターに関してはララとユニに力入れてて、えれなとまどかは全く力入ってないのが露骨に画面から出てるのはどうかとおもいます。
    全員が均一に目立つなんて事は尺を考えても無理な事は重々承知していますが、優遇不遇はっきりし過ぎるとそれはそれで困りますね。
    そこまで力入れてるユニも正直ただの過剰設定で特に面白みもないのが更に困ります。
    近年の作品に良く出る<多様性>を描く為の設定なんでしょうが、その割に獣人姿のままやらないのが謎です。

    返信削除
    返信
    1. マッソさん、はじめまして。

      >淡々とラスト10話(いつも通りなら最終回は新作連動なので実質9話)を切ってしまいましたね。

      そうですね。もうそんな時期になってしまいましたね。恐ろしいことです。

      ><トゥインクルイマジネーション>に至っては接頭語に「(スタープリンセスもダークネストも)よく分かってないけど」がくっ付いてる位中身ふわふわしてましたし…。

      それどころか39話でプリンセスが説明し始めたせいで「先に言っとけよ! 宇宙の命運がかかってるんだぞ、ボケ!!」という事態になってしまいました。先々週くらいまで「今トゥインクルイマジネーションについて検索してるから待ってろよ」と延々と先延ばししてきたのは何だったのでしょう。幹部の境遇といい、無駄に星空連合やスタープリンセスの無能っぷりへのヘイトが高まりました。

      >キャラクターに関してはララとユニに力入れてて、えれなとまどかは全く力入ってないのが露骨に画面から出てるのはどうかとおもいます。

      時間は有限なので販促対象やテーマに合ったキャラが優遇されたりするのは仕方ないと思っているのですがそれ以前の問題だと思っています。
      優遇されているはずの主役クラスも薄いし、個人回でさえも本当に個人回なのか疑わしくなってくるようなふわふわな内容をやられると作品全体への疑念が強まります。

      >近年の作品に良く出る<多様性>を描く為の設定なんでしょうが、その割に獣人姿のままやらないのが謎です。

      ヒカルが何も言わないことが不思議でなりません。ユニ自身が気にしてないのかと思おうにも、コスプレ回で「素顔でいられるのは良いなぁ」みたいなことを言っていたので地獄です。スタッフの無頓着さがこれでもかと溢れていたシーンでした。これでは多様性ではなく、「いい加減さ」を描いた作品です。「暴力や権力さえあれば、いい加減でも許される!」なんて現実的ではありますが、わざわざ表明することでもないと思います。

      削除
  4. 総括、楽しみに待っています。

    返信削除
    返信
    1. そのうち書くつもりです。あまりやる気が出ないので完成するのは二週間後くらいかもしれませんが。

      削除

 コメントは承認後に表示されます。
*過度に攻撃的な言葉や表現が含まれている場合、承認されない場合がございます。節度と良識を保った発言をお願いいたします。