『仮面ライダージオウ』 第10話 「タカとトラとバッタ2010」:感想

2018年11月11日

■何の話だったんだ…
・前回時点での予想どおり、ふわっとした話のまま終わってしまいました。
アナザー映司がどんな人物なのかも伝わってきませんでしたし、黎斗も単独でしか機能しておらずコラボした意味が感じられませんでした。
アナザー映司も紛争地帯での経験があることは同じようですが、そこから挫折せずに「自分独りの力に限界があるなら政治家になって救おう」と決意した映司ということなのかなと思いましたが、それ以上のイメージは伝わってきませんでした。「ちょっとのお金と明日のパンツがあればいい」という国会議員ってどんな人なんだろうなと思いましたがそこも何もイメージが伝わってきませんでした。「なぜ捕まった国会議員が映司だったのか?」という点を掘り下げるだけでもキャラクターは描けたと思うのですが。オーズのテーマである「欲望」に触れておきながらキャラの動機すら感じられない話だったのは消化不良感が強いです。

・解決策もいま一つでした。
当時の新聞を調べて前社長殺害事件を知るって、それができるならこれまでの回でもやればいいのにと思っていたことだったので興ざめです。「歴史が変わった=過去の時点で何か起きている」なのですから関係者が判明した時点で調べて然るべきだと思います。ツクヨミに役割ができたのは良いことだと思いますが流れが雑で歓迎できません。

・結局、ソウゴの潜入調査が特に役立たなかったのもすっきりしませんでした。
映司たちの救出にもアナザーオーズ打倒にも特に役立っていたように見えません。ソウゴ自身の欲求を満たす以外に何かなし得ていたのでしょうか?
黎斗への三行半も前回の最初に被害者を出している時点でアウトではないのかという点が疑問でしたし、「判断するのは俺じゃない!」という発言もゲイツは判断した結果倒すと言っていたのにソウゴは受け止めずに無視しているし、”みんな”なんて影も形もないしで全然説得力を感じませんでした。どこまでもふわっとしていていまいちでした。
この前後編での毛利さん版のソウゴはやっぱりサイコパスという印象しか持てませんでした。

■タイムジャッカーのマシーン
・明らかにキバのキャッスルドランでした。
以前にウールが乗っていたマシーンがイグアナストライカーっぽく見えたのですが間違っていなかったようです。

・キャッスルドランやイグアナストライカーなどライダーの巨大戦要員というと「不遇」というイメージが強くて余計なニュアンスを感じてしまいます。
襲ってきても「なんで正義の味方だったあいつらが?!」という印象を受けません。むしろ納得感があります。本当だったら「敵に使われるなんて?!」とショックを受けるべきなのでしょうがそんな気持ちになれません。

■巨大戦
・珍しくCGがまともに見れるクオリティでした。
ライダーの巨大戦といえば常に「5年前のクオリティ」くらいがいつものことだと思っていますが今回は普通に楽しめるレベルでした。生身のアクションは相変わらずなのにCGだけ何があったのでしょう? 制作会社が変わったりしたのでしょうか?


次回は鎧武編のようです。
「ライダーにならなかった紘汰」はただのフリーターかフリーター上がりの正社員になる気がするのですがどうなんでしょう。戒斗も本編でも行動が意味不明で痛々しかったのにライダーが無くなったら相当ヤバいと思います。

個人的には次回も毛利さんという点に嫌な予感を感じています。
今回ゲイツが出奔してようやく金魚のフンを卒業できるかと少し期待しましたが、「ローテーション陣だけで作った連続した話」となると話が違ってきます。この手のパターンの場合、シリーズ構成の書く本筋に影響がないようにローテーション陣が書いた数話の範囲だけで完結してしまうことが多いです。ゲイツもあと1,2話の間に出戻りすることになって「ふらふらしてばかりでゲイツは何がしたいんだよ?」と余計にゲイツのキャラクターがぶれることにならないか不安です。

コメント

13 件のコメント :

  1. いつもの如くですが「俺の大事な民に何してくれるの」とヤミーを倒したソウゴですがヤミーって前話で人間から作り出されたのを見てたはずですよね?良い魔王になると言うのは口先だけに聞こえました。
    アナザーオーズを倒した時に何故か転がったゲンムウォッチっぽいものですが過去の世界に存在したのは謎でした。もし過去に遡って空のライドウォッチ渡したとしても2010年時点で完成しているのは変かなと
    後は使ったウォッチ以外は家のフォルダに残したままに見えましたが袂を分かったゲイツが持って行かなかったのが不思議でなりませんでした。

    返信削除
    返信
    1. >良い魔王になると言うのは口先だけに聞こえました。

      ソウゴの王の定義がわからないのでどう考えらればいいのか私はわかりません。一般的な定義とは違うと思うのですが。

      >アナザーオーズを倒した時に何故か転がったゲンムウォッチっぽいものですが過去の世界に存在したのは謎でした。

      あれはゲンムウォッチなのですか? アナザーオーズウォッチかと思っていました。

      >後は使ったウォッチ以外は家のフォルダに残したままに見えましたが袂を分かったゲイツが持って行かなかったのが不思議でなりませんでした。

      どうしてでしょうね。盗むのは悪いことだからでしょうか。ゲイツの価値観がわからないので判断しかねます。

      削除
    2. 〉あれはゲンムウォッチなのですか? アナザーオーズウォッチかと思っていました。
      すみませんおっしゃる通りアナザーオーズウォッチぽいです
      ただ何で勘違いしたんだろうと思ってウィザード編を見直して見たらそっちは体から出た後しっかり壊れてバラバラになってたんですね
      転がってもそのままだったので勘違いしてしまいました

      削除
  2. 前半の屑ヤミーとの戦闘の後、ゲイツだけやけに体力を消耗してたのは何故だったんでしょうね。傷は治ってもダメージはまだ残っていたんですかね。

    今回はオーズアーマーの方は元のオーズの能力をそれなりに再現していたのに、相対するアナザーオーズの方はそういう様子が微塵も無かったのが残念でした。それに案の定というかタカヘッドの透視能力みたいなやつはスルーされてたり、いろいろ中途半端ですね。

    唯一面白いと思ったのは、オーズ本編の映像流用が記念すべきタトバキックお披露目回だったことでした。「歴史改変されなくてもどの道カザリに邪魔されちゃうんだよなあ」と笑ってしまいました。他のフォームは最低でも初登場回くらいはちゃんと必殺技決めてたのに、タトバキックだけなんで終始ああいう扱いだったんですかね。今にして振り返ると、基本フォームの必殺キックの軽視はオーズから既に始まっていたのかなと…

    返信削除
    返信
    1. >傷は治ってもダメージはまだ残っていたんですかね。

      ヤミーにすら押されていて弱すぎでしたね。理由が他に思い当たらないので私も負傷のせいだろうと思いました。

      >それに案の定というかタカヘッドの透視能力みたいなやつはスルーされてたり、いろいろ中途半端ですね。

      オーズの頭パーツは基本的に不遇なのである意味では原作再現かもしれません。
      どちらにしてもジオウの他のフォームに比べればマシなほうだったと私は思います。

      >「歴史改変されなくてもどの道カザリに邪魔されちゃうんだよなあ」と笑ってしまいました。

      私も同じことを思いました。歴史改変で邪魔されなかろうがどうせ倒せないんですよね。

      >今にして振り返ると、基本フォームの必殺キックの軽視はオーズから既に始まっていたのかなと…

      う~ん、微妙なところだと思います。オーズの前のWもキックの扱いは良かったとは言い難いと思いますし、逆にオーズの後のフォーゼはキックの扱いは良かったほうだと思います。
      私はオーズ自体(正確にはシリーズ構成の小林靖子さんの作品)がバトルや販促の扱いが良くない傾向にあると思っているのでライダーシリーズ全体の傾向として捉えるのは不適格ではないだろうかと考えます。

      削除
  3. ソウゴの王様になるとかいう発言や考え方には全く共感も感情移入もできないので
    正しい王様だとか間違った王様だとか、そういうことを言われても全く心が動かないんですよね

    返信削除
    返信
    1. ほとんどの視聴者に縁の無い話を接点を作らないままやっているのでどうにもなりませんね。比較対象のオーマジオウが王様というよりただの虐殺者なので比較対象として成立しているとも思えません。そもそも歴史は変えられるみたいですからソウゴの言っているように「オーマジオウにならなきゃいい」でしかありませんし。かといってオーマジオウになりさえしなければソウゴが良い王様になれる保証もありません。ソウゴの人格を描かないと何も始まらないと思います。

      今回は檀黎斗という悪い王様が比較対象としていましたがソウゴの行動もおよそ正当性を感じられる内容でなかったため特に良い結果が出ませんでした。

      削除
  4. 名無しの星2018年11月12日 1:54

    お久しぶりです。エグゼイド以来のコメントです。
    ビルドも今作品のジオウ(現状では)もイマイチでライダーへのモチベーションは今もなおイマイチな状況です。そちらも言うようにレジェンド扱いもそうだし設定の矛盾があり過ぎます。少し愚痴ってしまいました。
    しかしこれまでのレジェンドたちを見て思うのがライダーになった歴史が消えても本人らの人格や人物関係などがライダーでなくなっても差して変わらないのかの説明がないから、今回の映司だと「ちょっとのお金と~」等のセリフはオーズを見てた身からすると良いけど、どうして今立場になったのかがわからないから嬉しいけどモヤっとするんですよね。
    前はイグアナで今回はドランが出ましたけど実はメンバーごとにタイムマジーンを持っているのでスウォルツも乗り物も過去ライダーに関するものででるかと。どちらも主人公が使うものでしたからイグアナだけでなくドランまで出ると知って「いいのこんなことして?」と思いましたね。
    ジオウの歴史改変の設定で白倉Pがツイッターで捕捉を呟いてましたけど、タイムジャッカーが改変するとそのライダーだけでなくそれに関する存在(怪人など)や設定が消えて世界観までも変わるという正にそのライダーの番組(メタ的な意味を込めて)そのものが無くなることらしくそうすると後の時間で次のライダーの物語(番組)が始まる……ということらしいですけど正直ピンとこない説明でした。リプライした人への返信でディケイドが並列ならジオウは直列の平行世界だとか色々言ってましたけどやっぱりピンときませんでした。ホントにわかって説明してるのか…。
    とりあえず私は「この物語はジオウのお話であり実際の過去作品とは一切関係ありません。」ということだと思っておくことにして置きました。
    そういえば先の話の脚本と監督を知ったんですけど、12月前半の14話までだと脚本は全て毛利さんになるそうです。監督は11、12話(鎧武編)は上堀内佳寿也13、14話は諸田敏だそうです。
    長くなってしまい失礼しました。

    返信削除
    返信
    1. 名無しの星さん、お久しぶりです。

      >今回の映司だと「ちょっとのお金と~」等のセリフはオーズを見てた身からすると良いけど、どうして今立場になったのかがわからないから嬉しいけどモヤっとするんですよね。

      現状の扱いだと歴史改変した状態でレジェンドを出した意味が感じられませんよね。「たどり着いた結論が同じ」というのは同一性の保持の面から良いとして、そうするならば「過程」が最も重要なドラマになると思います。「同じ過程を経て、同じ結論に達しました」じゃ何も変える意味がありません。違う過程を経ても同じ志に至ることに意義があるはずです。

      >どちらも主人公が使うものでしたからイグアナだけでなくドランまで出ると知って「いいのこんなことして?」と思いましたね。

      そう思うのが正常な反応だと思います。

      >ということらしいですけど正直ピンとこない説明でした。

      私は全く鵜呑みにする気がしません。
      そもそも「次回作が始まるのは前のライダーが無かったことになるから」という理屈自体がおかしいと思っています。たとえばビルドの番外編である『クローズ』はまだ販売されていません。この時点で筋が通らないと思います。



      削除
  5. まさかヒナの怪力が戦闘面で生かされるとは思いませんでした。オーズでは基本ギャグで生かされることが多かったためちょっと新鮮でした。

    ゲイツはこの先タイムジョッカーに引き込まれる感じになるのでしょうかね?

    次回は二人目のソウゴが出てくるとのことですがこれはカブトのワームだったりするのでしょうかね?アナザーガイムの鎧がキャストオフしてアナザーカブトが出てくるとか





    返信削除
    返信
    1. >まさかヒナの怪力が戦闘面で生かされるとは思いませんでした。

      使うのはいいのですが前編で捕まるときは抵抗しなかったり、今回でもまた捕まりそうになったときには無抵抗だったりムラがあったのは良くないと思いました。

      >ゲイツはこの先タイムジョッカーに引き込まれる感じになるのでしょうかね?

      どうでしょうね。普通なら既に敵対した時点でその可能性は無いはずですが、ゲイツなので「協力してジオウを倒そう」とか言われたら「その手があったか!」とかアホなこと言い出してホイホイついて行ってもおかしくない気もします。

      >次回は二人目のソウゴが出てくるとのことですがこれはカブトのワームだったりするのでしょうかね?

      「同一人物がもう1人いる」というとカブトを思い出しますね。充分ありえると思います。
      ただ、タイムトラベルものなので単に「過去に行ったソウゴがその時代の自分と出会う」という線や「また別の自分(たとえば次回の前編のソウゴが次々回の後編のソウゴに出会う)」という線も考えられると思います。
      いずれにしても「いつものソウゴ」を描けていない段階でやっても話が面白くならないと思いますが。「こいつは別人だ!」と言うためには普段のその人を知らないと判断できませんからね。

      削除
  6. L.E.D.ガイスト2018年11月16日 11:12

    ゲイツとの戦闘前にソウゴが言った「この前はやりすぎちゃってごめん!」という台詞はおかしいと思いませんか? 10話全体を見るに9話とは時間的開きは1~2時間程度だと思われるし、日付も変わっていないはずです。ソウゴにとっては1分前や1秒前ですら“さっき”ではなく“この前”になるのでしょうか? ソウゴの主観時間はどうなっているのでしょうか……


    檀黎斗ってあんな計画性も展望もなく父親にコンプレックスのある人物でしたっけ? 『エグゼイド』の黎斗に比べて『ジオウ』の黎斗は無能に見えました。


    『オーズ/OOO』本編終了時の映司ならともかく、オーズやグリードが存在しない世界の映司が政治家になっているのにはしっくりきませんでした。

    返信削除
    返信
    1. >ゲイツとの戦闘前にソウゴが言った「この前はやりすぎちゃってごめん!」という台詞はおかしいと思いませんか?

      時間経過は奇妙だと思います。叔父さんのおつかいがあった以上「実は数日経っています」という線はあり得ないでしょうから。
      ソウゴの言葉選びもおかしいですがソウゴはおかしい人物だと思うので何とも言えません。一般常識はありませんし敬語も使えていませんし。
      こじつけるなら「ソウゴは王様になるのが夢なほどスケールの大きな人物である。よってタイムスケールも大きく、常人ならさっきのこともソウゴにはずっと前のように感じられる。普通の人とは人生の密度が違うからである」といったところでしょうか。

      >檀黎斗ってあんな計画性も展望もなく父親にコンプレックスのある人物でしたっけ?

      描写もありませんし、同一人物でもありませんから考えようがないと思います。
      関連性がありそうな点といえば、エグゼイド本編で子供の頃の永夢から送られたゲームアイディアに嫉妬したという話がありました。アナザー黎人の場合は永夢ではなく父親にそういったコンプレックスが発現したということかもしれません。
      私はそもそも黎人がゲームにこだわっていない時点で完全に別人だと思いますのでエグゼイド本編と比べても意味がないと思いますが。

      >『オーズ/OOO』本編終了時の映司ならともかく、オーズやグリードが存在しない世界の映司が政治家になっているのにはしっくりきませんでした。

      おかしいかおかしくないかで言えばおかしいとは思いませんが、どうしてそうなったのか経緯はまるでわかりませんでした。

      削除

 コメントは承認後に表示されます。
*過度に攻撃的な言葉や表現が含まれている場合、承認されない場合がございます。節度と良識を保った発言をお願いいたします。