『仮面ライダージオウ』 第5話 「スイッチオン!2011」:感想
【ストーリー】
・やっぱりフォーゼは空気でした。
このフォーマットはどのライダーに使っても同じ流れになる汎用テンプレートでしかなかったです。敵に狙われたゲストと原作キャラを登場させて、原作キャラがウォッチを渡せばおしまいです。実に無味無臭のクソ展開でした。レジェンドの扱いが酷すぎて、段々登場しないでウォッチを出せたドライブとゴーストはむしろ幸せだったのではないかと思えてきました。
東映公式曰く、
企画段階では、「1つに見えた事件が、フォーゼ怪人・ファイズ怪人2体による別々の事件だった」というコンセプトでした。だそうですが、私にはそもそも一つの事件しか起きていないように見えました。
それをひっくり返し、「2つに見えた事件が、じつは1つだったら?」と提案したのが脚本の下山健人さん。事件が一つだからこそ、たとえば、フォーゼの舞台である天ノ川学園高校に、ファイズの登場人物である草加雅人が現れるみたいな趣向も可能に。
裏が見え見えでファイズの事件にしかなっていなかったと思います。このままだと事件が天ノ川学園の生徒に限られた意味が通らないと思うのですが、果たして次回で補完があるのでしょうか。普通ならあって当然なのですがジオウのクオリティだと怪しく思えてきます。
■相変わらず理解不能
・アナザーと歴史改変関連のことは相変わらず意味がわかりませんでした。
ビルド編を見たときには、とりあえず現代でアナザーを倒して一時的にでも歴史を戻さないとウォッチの入手ができないのかと思いましたが、エグゼイド編でも今回のフォーゼ編でも普通にアナザーがいる状態でウォッチを受け取っていました。どうもウォッチには歴史改変の影響がないみたいです。これだとますますウォッチを持っていない段階で倒す意味がなくなるように思います。でも相変わらずソウゴたちはやる気満々でした。何がどうなってるのか相変わらずわかりません。
・ライダー部もさっぱりでした。フォーゼが存在しないのにライダー部が存在するとはどういうことなのでしょう?
「都市伝説ということになっているみたいね」なんてツクヨミは言ってましたが、そもそもフォーゼ本編では仮面ライダーが元々都市伝説として扱われていたはずなのですが… 都市伝説を調べる部活なんて理由でライダー部が生まれることもないし、まして弦太朗や流星が参加することはあり得ないと思います。大杉先生も顧問になんてならないでしょう。相変わらず原作をろくに見ないで作っているみたいです。
・ソウゴもやっぱり理解しがたいです。
今回は保健室の先生からゲイツたちを仲間扱いされて、「向こうからしたら仲間じゃないんだろうけどな」なんて言っていました。そんな客観視できる人物とは思っていなかったので戸惑いました。相手がどう思っているか想像できる人間なのに「俺は魔王になる!」とか「俺はジオウ止める気ないけど、やばいと思ったら殺していいよ」とか言っていたのですか。
ここまでの描写を全て素直に受け止めるとソウゴは「相手の気持ちを想像しつつもそれを平然と無視して自分の都合で動ける人物」ということになり、個人的な尺度では「サイコパス」としか言いようがなくなります。やっぱり魔王になる素質が充分あるように見えます。
これでいいのでしょうか…? 私の解釈が間違いであることを祈ります。
■さすが下山さん
・今回の台詞には脳髄が痺れました。
「あなたの仲間」ってどこをどうすれば保健室の先生からこんな言葉が出てくるのか不思議でしょうがありませんでした。学校の先生なら「友達」という言葉以外は普通は出てこないと思います。ストーリーのためなら個人を捻じ曲げることを厭わない下山イズムが溢れていると思いました。
・どうしても”仲間”という単語を出したいならライダー部を使えばよかったと思います。
ライダー部なら仲間なんて言葉を使っても違和感はないでしょう。弦太朗の価値観で言えば「ダチ」になるでしょうが、まだ出会ったばかりの相手に使うには軽すぎるから(ライダーというつながりのある)仲間くらいでちょうどいいと思います。
【アクション】
でも派手なエフェクトに頼っているところが多かったので単に予算の都合にも見えます。
■ジオウフォーゼフォーム
・フォーゼフォームのアクションは相変わらずダメでした。
原作では喧嘩殺法という明確なスタイルがあるのに全く関係ない手のロケットで殴りつける戦い方でした。 個人的にはこれでは力を借りる意義が感じられません。ただのロケットが武器のライダーでしかありません。
・必殺技は個人的には有りかなと思いました。
原作のフォーゼの必殺キックがロケットが主要モチーフのはずなのにドリルのほうが目立っていましたからね。ジオウのロケットに変形して攻撃するやり方はモチーフを活かすという点では本家のフォーゼ以上にフォーゼのデザインらしいアクションだと言えると思います。”アナザー”としては有りなんじゃないかなと思いました。
■ゲイツのビルドフォーム
・次回予告の時点でゲイツのもあるんだ、と思いましたがスーツとしては首から上をすげ替えただけみたいですね。
実際動くとそもそもスーツの造形が特にビルドらしくないのでやっぱりいまいちでした。出てもあまり嬉しくありません。
・二回目の登場であるドライブフォームのほうがむしろマシでした。
前回よりかはドライブっぽい動きだったと思います。
次回はファイズ編のようです。
こっちが本編…だといいですね。私は「一つのことをまともにできずに放り投げるやつが他のことならまともにできるとは思えない」という主義なので期待していませんが。
フォーゼとファイズの共通点は朔田"流星"と"流星"塾の流星ということなんでしょうね。
返信削除次回でそれがどのように繋がるのでしょうかね?
今週の話を見て思ったのですがやはりタイムマジーンは便利すぎる気がします。そもそもそれを使ってジオウになる前のソウゴを倒してしまえばそれで全てが片付くわけですし。まぁ多分今回のようにウォズに邪魔されるでしょうけどやらない理由はありませんし。
あと今回襲われた女子高生は全員オルフェノクである可能性がありそうですね(草加に狙われてる、青い炎が出ていたなどで)。おそらくアナザーファイズになった学生も同じく。
今回はレジェンドライダーを出さずにどれだけ存在感を出すかに頑張ってるように思えました。色々と小ネタもあり個人的にフォーゼの扱いはそこまで悪くはなかったように思えます。
今後クウガなど客演が無理な作品が出てくるでしょうけど今回のような感じで誤魔化すのでしょうね。
>次回でそれがどのように繋がるのでしょうかね?
削除私はつながらないんじゃないかなと思っています。
「”流星”が映ったでしょ? だからあれで終わりですよ」だと思っています。今回の範囲ではファイズの登場キャラとフォーゼの登場キャラが全く関わっていませんからね。いきなり流星の話をしても全員が「誰それ?」で終わってしまうから無理だと思います。
>まぁ多分今回のようにウォズに邪魔されるでしょうけどやらない理由はありませんし。
でもやんないんですよね。「やらないこと=できないこと」で統一されているならいいのですが、平然と後からやりだすこともあるので信用できません。
>あと今回襲われた女子高生は全員オルフェノクである可能性がありそうですね
アナザーファイズはオルフェノクだと思います。女子高生は私はまだ保留です。判断材料が足りません。
ファイズのいない世界でのオルフェノクがどういう存在なのか全くわからないので反証がいくらでも浮かんでしまいます。オルフェノクが世間に認知されないほどほとんどいない世界なら草加の人格もだいぶ変わると思いますし。巧とどこで知り合ったのかもわかりません。
>色々と小ネタもあり個人的にフォーゼの扱いはそこまで悪くはなかったように思えます。
そうですか。良かったですね。
第一話の時から思っていましたが、案外協力的なゲイツや、過度な同時変身や真面目なギャグなど、どうもジオウは雰囲気の明るい戦隊を見てる気分になります。
返信削除重いストーリーや分かりづらい設定とミスマッチして、集中して見れない作品になってきてる気がします。
やはり平成一期の作品も扱う様だとわかった所で気になったのですが、アギト編の怪人はどうする気なのでしょうか?
アナザーアギトというライダーが既にいるのに、無視して生み出す気はないでしょうね?
>重いストーリーや分かりづらい設定とミスマッチして、集中して見れない作品になってきてる気がします。
削除私は「重いストーリー」をやるつもりはないだろうと思っています。
たぶん要所要所でノルマとして形ばかりでやるだけで、それが終わったらまた今のような雰囲気になるだろうと思っています。本気でやるにしてはソウゴたちの人間性が薄過ぎると思います。今の状況だと視聴者目線では「深刻ぶってる」止まりで”シリアス”にはならないと思います。
>アナザーアギトというライダーが既にいるのに、無視して生み出す気はないでしょうね?
普通だったらしないでしょうが、ジオウスタッフならやってもおかしくないと思っています。
「アナザーアギトvsアナザーアギト!(どうです、面白いでしょw)」くらいのことは平気でやると思ってます。
あるいは「アギト? 古いからスーツ新調するのめんどくさいし、人気少ないから適当でいいでしょ」と今回のフォーゼ並の扱いで終わる可能性が高いと思っています。プレバンの復刻商品でもアギト関連の商品は他より見かけませんからね。
フォーゼウォッチを何のドラマもなくソウゴが手にしましたが、本当にこれでいいのか?と思わずにはいられませんでした。
返信削除戦兎や永夢は本人が渡しているので、まだ「歴代ライダーの力を受け継いだ」という体裁がかろうじて保たれていたと思うこともできましたが今回はそれすらありません。
たとえ大杉でもいいのでライダーとして戦う姿を見て判断した、とすればまだ納得できたかもしれませんが、単にウォッチを持っているから渡すだなんてあまりにひどかったです。
アナザーフォーゼの体にある年号をゲイツが問題解決の糸口と認識していたのもガッカリしました。
(あれはファンサービス的なデザインにすぎないと思っていたので)
これでは今後は過去に行くヒントは毎回それでいいじゃないか、となってしまいます。
>たとえ大杉でもいいのでライダーとして戦う姿を見て判断した、とすればまだ納得できたかもしれませんが、単にウォッチを持っているから渡すだなんてあまりにひどかったです。
削除それくらいは最低限やるかと思いましたが何もありませんでしたね。
「弦太朗から頼まれた」ってのは個人的には全然ダメです。常識的に考えて、本人が近くにいるのにそんな重要なことを人任せにする意義がありませんからね。大杉が連絡して弦太朗を呼び出すのが普通でしょう。
せめて「大急ぎでウォッチが必要な理由を用意する(タイムスリップ可能なせいでそんなもの無いけど)→大杉が代わりに信頼できるか判定する」くらいは必要だったと思います。
>アナザーフォーゼの体にある年号をゲイツが問題解決の糸口と認識していたのもガッカリしました。
私もびっくりしました。だったら最初からやれっで思いますよね。
ますます「やっぱりこいつら馬鹿なのでは? 馬鹿なせいで問題解決から遠ざかっているのでは?」という疑念が強まりました。
主人公が何もしなくてもお膳立てで強くなれるとは、いやはやすごい作品です
返信削除トラブルはツクヨミたちが見つけたものだし、アイテムは弦太朗が置いていったものをもらっただけ、あげくの果ては変身を妨害する敵をウォズ君が軽〜くあしらってくれるのですから楽なものですねえ
来るなと言ってもついていく、などいかにも積極的に行動しているように見せかけて、実際は周りに流されているだけなんですよね、彼は
それは積極性ではなく、行動の実現力の問題ではないでしょうか?
削除ソウゴには積極性自体は一応あると思います。1話以前には特に何もしてなさそうですが、現状のソウゴは積極的に動いていると言えると思います。
問題は動いても成果が薄いことだと思います。
こんにちは。
削除感想の方で、一つだけ気になったのですが、各ライダーのアーマーは文字通り鎧なので、フォーゼアーマーの戦い方自体は、あれでいいんじゃないでしょうか。
喧嘩殺法は弦太朗の戦い方なので、いくらフォーゼアーマーを装備しようが、ソウゴのバトルスタイルが変更されるわけではないと思います。
ゴーストアーマーは浮遊していましたが、あれはタケルの力と言うよりはゴースト本来の能力の様なのでアーマーにもその能力があってもおかしくはないと思うのですが、喧嘩っぽいスタイルの荒々しい戦い方は、ライダー関係なく、弦太朗のスタイルだと思います。
魅せ方だの、それがフォーゼらしいかはおいておいて。
両手にロケットが装備されているアーマーを身につけたのなら、ああ言う戦い方になるのは当然かと。
武器の解釈としては正しいと思いますが、作品の解釈としては適切ではないと思います。
削除武器ではなく原作(今回ならフォーゼ)に意味があるのがジオウという作品だと私は考えます。武器の形状がロケットであることではなく、「フォーゼの力」であることに意味があるのであって、武器にこだわるのはジオウではないと思います。実際名前もロケットアーマーではなく、フォーゼアーマーですから。
「力を継承する」と表現し、わざわざオリジナルキャストにこだわる姿勢まで見せている作品で「別物でもいいじゃない」というのは作品自体を否定することになると思います。私はその解釈は公式の態度に反するものであり、正しい意見とは呼べないと思います。
仮に「ソウゴはソウゴなのだから戦い方はソウゴ式でいい」という判断をスタッフがしたならば、アーマーなどという形ではなく「原作のスーツ(今回ならフォーゼ)をフォームチェンジとしてそのまま使い、ソウゴ流の戦い方で戦う」というディケイドのような形式になるのではないかと思います。
初めてコメントさせていただくもずくと申します、いつも感想楽しく読ませていただいております。
返信削除フォーゼを描くのであれば「友情」「宇宙」といったテーマは欠かせないと思っていたのですが、先生からぽんとライドウォッチを手渡されるだけでドラマは一切無し。「朔田流星」と「流星塾」に共通点を見出したのは上手いと思いますが、それも朔田流星をメインとしたドラマを描いてこそだと思います。何を持って「仮面ライダーフォーゼ」を最新ライダーと共演させたかったのかが全く理解できませんでした。
そもそも流星はアリエス・ゾディアーツを追って天高に来た交換生だったはずなので、ゾディアーツの存在が無かったことにされれば天高に来る理由も無いと思うのですが、東映はその辺りはスルーなのですかね。アストロスイッチやプレゼンター辺りの歴史も無くなるのであれば賢吾はそもそも生まれることすらなかったはずですし。
ジオウはどこか「設定や辻褄を半端に合わせようとするせいで、ドラマが薄れどっちつかずになっている」という印象です。これならディケイドのようにリマジにしてしまうか、平ジェネのように細かい設定は抜きにしてライダー同士のドラマに重きを置いた方が良かった気がします。
もずくさん、はじめまして。
削除>フォーゼを描くのであれば「友情」「宇宙」といったテーマは欠かせないと思っていたのですが、先生からぽんとライドウォッチを手渡されるだけでドラマは一切無し。
私も原作キャラに直接何かをさせるわけでないなら、その作品のテーマについて触れるのがもっとも正当なやり方だと思います。代理にやらせるにしてもよく「○○(今回なら弦太朗)と同じ目をしている」なんてのがありますよね。
>「朔田流星」と「流星塾」に共通点を見出したのは上手いと思いますが、それも朔田流星をメインとしたドラマを描いてこそだと思います。
フォーゼの流星が登場してソウゴたちと関わるならともかく名前だけでしたからね。
次回で絡めるくらいあるといいのですが望みは薄いでしょうね。
>そもそも流星はアリエス・ゾディアーツを追って天高に来た交換生だったはずなので、ゾディアーツの存在が無かったことにされれば天高に来る理由も無いと思うのですが、東映はその辺りはスルーなのですかね。
歴史改変の結果がさっぱりわかりませんよね。
1,2話のビルドから判断すると「ライダーになろうがならなかろうがそのキャラは似たような道を歩む」というわけではないようですし。これで話を進められても状況が理解できません。
>これならディケイドのようにリマジにしてしまうか、平ジェネのように細かい設定は抜きにしてライダー同士のドラマに重きを置いた方が良かった気がします。
私も今のところ、無難な方向は避けたわりにこれといった独自の方向性を示せていないという印象です。このままだとオリジナリティどころか作品として形にならないまま終わってしまいそうです。
ウォッチの力って簡単にライダー同士で使い回せるんですね
返信削除そもそもゲイツのライダーベルトはどこから来たのかとかベタでゲイツが子孫とかはやめて欲しいなと視聴しながら思ってしまいました
ゲイツの手持ちのウォッチやドライバーの出処はまだ不明なままですね。
削除これは説明を待つ以外に考えようがないと私は思っています。少なくともツクヨミやタイムジャッカーにとっては、ゲイツが持っていても驚くに値しないことであることだけは確かだと思いますが。
身体に刻まれた年号さえなければ、結構いいデザインだとは思うんですけどねぇ。アナザーフォーゼって……
返信削除個人的にフォーゼアーマーで受ける印象はベースステイツではなくロケットステイツなんですよねぇ。
確かロケットステイツの必殺技があんな感じ(ジオウフォーゼアーマーの必殺キック)だったはず……
『555』から乾巧と草加雅人が登場。でも、草加は言うに及ばず巧もなんで生きてんだろう?
>身体に刻まれた年号さえなければ、結構いいデザインだとは思うんですけどねぇ。アナザーフォーゼって……
削除「アナザーファイズが中から出てくる」という点を加味すれば良いデザインだと思います。
フォーゼ単体で考えると、骸骨モチーフの要素が多いのはフォーゼとは特に関係がないのでフォーゼの怪人化としてはいまいちだと思います。
>確かロケットステイツの必殺技があんな感じ(ジオウフォーゼアーマーの必殺キック)だったはず……
ソウゴがきりもみがどうのと言っていたのでそうでしょうね。スタッフがわかってやってるのか本気で取り違えているのかは怪しいと思っていますが。
>『555』から乾巧と草加雅人が登場。でも、草加は言うに及ばず巧もなんで生きてんだろう?
歴史が異なるのだから生きてること自体はどうとでも説明がつくと思います。
オルフェノクでないのなら二人とも普通の人として過ごしてきてもおかしくないと思いますから。これだと「普通の人がなんで女子生徒を追いかけまして首締めたりしてるの?」という疑問点は生じますが。
この世界がどうなっているのかわからない現時点では、総合的には何も答えは出せません。