『快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー』 第30話「ふたりは旅行中」:感想

2018年9月2日

【ストーリー】

■魁利の葛藤
・今回も圭一郎の正しさに魁利が葛藤していました。
兄に対するコンプレックスと憧憬、それと同時に快盗として活動していることの正当性まで揺さぶられるので魁利にとってはかなりショックだったのだと思います。他の二人は失った人を取り戻せばそれで幸せな人生を取り戻せると言えますが、魁利の場合は取り戻しただけでは兄へのコンプレックスとくすぶった生活環境は変わりませんからね。魁利が一番「これでいいのか?」と悩むのは納得です。

・今回の感じだと快盗の正当性については、結果よりも方法の正しさが焦点になるんでしょうかね。
個人的には迷子への魁利の解決策も現実的で有りだとは思いました。しかし考えようによっては「探し出す」という困難な方法からの”逃げ”ともとれます。今回の内容からすると作品全体としては魁利たちの手法に否定的な印象も受けます。
でも視聴者目線では納得しがたいところもあります。ザミーゴの被害者を救う方法は今のところ、コレクションでの救済とひょっとしたらザミーゴ本人を倒せば戻るかもという二つの方法しか提示されていません。魁利たちは特に安易な方法に逃げているわけというのは乱暴な気がします。まだ知らぬ第三の方法があり、それに魁利たちは逃げているから気づいていないということなのでしょうか。単に「死んだ人が戻ってくるわけないだろうが」という冷淡な事実で終わらせるとは思えないのでどういうふうになるのか気になります。

■圭一郎の活躍
・強盗団相手に圧倒していたことは地味に良いと思いました。
警察は普段は快盗相手に出し抜かれることが多いので客観的な実力が伝わりにくいです。こうやって一般人相手に戦って優秀さを示すことには意義があると思います。

・個人的にはスプラッシュを渡す理由も良かったです。
 ただ単に快盗でなければいけないという1か0かの状況ではなく、「飛行機型の快盗のほうが”早く救助活動できる”」というベター論だったところが良かったです。この状況であれば「快盗は信用できないから自分で行く」という判断も妥当な選択肢に入ります。少なくとも状況としてはルパンレッドは「奪いに来た」わけですからね。向こうから襲ってきた状況で相手を信用しないのは妥当な判断と言えるでしょう。
以前暴走した経緯もあり、状況も良くない中で最善の判断をさせるのは圭一郎の思慮がよく感じられて素晴らしいシーンだったと思います。


【アクション】

■せっかくなので
・今回のアクションはシチュエーションを活かした内容が面白かったです。
怪人関連は全体的にはギャグ仕立ての展開でしたが、誘爆するから火器を使えない状況を踏まえた近接武器のみのアクションがユニークでした。快盗も警察も基本的に合理主義だからこういう状況でもないと銃も使わないほうが不自然でしょう。こういう「必要はないけどあったほうが面白い工夫」にはとても好感が持てます。
剣を持った状態でのルパレンの名乗りもかっこよかったです。

 ■ルパンカイザースプラッシュマジック
・スプラッシュは顔のデザインからするとパトレン用なのかと予想していましたが、とりあえずルパンカイザー用としての登場でした。音声は合体時もパトレン仕様だった気がするので後でパトレン側に渡るのかもしれません。

・今回のバトルではマジックのほうがメインという印象で、スプラッシュのほうはあまり印象に残りませんでした。これもパトレンが使ってからが本番だからなのでしょうかね?


次回はゴーシュの実験が実を結びそうで真面目な回かと思いましたが、脚本が大和屋さんで公式のスチール写真もコスプレだらけなので話自体はギャグっぽそうです。金庫関連の要素がノルマとして盛り込まれているだけっぽそうです。

コメント

8 件のコメント :

  1. スプラッシュをルパンが使ったのは販促テコ入れです。最新カタログ等でもルパン用の武器として紹介されていますのでパトレンに戻るかは微妙です。
    パトレンの売上不振が深刻で、劇中販促の差を見れば当然ですが追加ビークルも恐らくシザーよりクレーンが売れなかったので、マジックの対としてパトレン用に企画したスプラッシュもルパンが使うことで売上アップを図るようです。

    今回のお話はそんな事情を突きつけられた香村さんを始めとするスタッフが、いかにルパンの手に渡ることに説得力を持たせパトレンの株も下げないかというお題を逆手にとって、だからこそ出来る熱い展開に昇華させたものだと思います。

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    1. なるほど。それでテコ入れだと断定する情報源はどこでしょうか?

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    2. 春に出回っていたカタログバレにはパトレン用の追加ビークルとして紹介されていたのが今はルパン用に変更になっていたからです。
      ルパパト販売不振は先日のバンナム決算で名指しされ、パトレンが特に深刻なのは白倉氏が某イベントで「パトレンのおもちゃを買って下さい」と発言したことや各種玩具ランキングです。

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    3. それだと「売上不振」についての根拠にはなっても「スプラッシュがルパレン用になったのはテコ入れのため」という説の根拠には足らないと思います。
      現時点で「これから先もずっとスプラッシュは快盗の所有物である」という根拠は何でしょうか? ネタバレならば説明は不要です。

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  2. いつもはコレクションを奪う→敵が弱体化して一気にトドメという流れですが、今回はコレクションを奪った後の方が厄介だったという点は面白かったですね
    描写自体はギャグ調でしたがバトルにバリエーションを持たせてくれるのは相変わらず流石だなと唸るばかりです。

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    1. そこも良かったですね。全体的にギャグ調でバトルもノリが軽めでしたが、シリアスに「このやっかいな敵をどう倒せばいいのか」と苦戦する展開も見たくなる内容でした。

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  3. 説明が足りなかったようですが「ルパン用に変更」されていたのはバンダイの商品紹介です。
    それ以上はネタバレになりそうなので失礼します。ただし私もいずれどこかの段階でパトレンに戻る可能性が皆無とまでは思っていませんし、むしろいつか戻ることを望んでいます。

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    1. >それ以上はネタバレになりそうなので失礼します。

      そうですか。わかりました。

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