『仮面ライダージオウ』 第1話「キングダム2068」:感想
【ストーリー】
・特にどこが悪いということがなく普通に特に面白みのない1話でした。
何の話かわからないというほど酷くはないけど、そういう話なんだね!と、ばっちり内容を感じるようなこともありません。「この作品はここが魅力です。期待してね!」というメッセージ性を全然感じなかったことが残念でした。
個人的には「まぁ下山さんだからね」という事前予想どおりの印象でした。
・公式ページの白倉プロデューサー曰く、
ライダーにかぎらず、第1話というと、スポンサーや出版社の方にお声がけして関係者試写というのをやります。だそうなのですが、これは「話に脈絡が感じられない」の言い換えなのではないかと思ってしまいます。
当たり前ですが関係者なので悪く言う人はおらず、絶賛の嵐。なかでもよく聞こえた声が、
「理屈抜きで面白い!」
「理屈っぽくないところが良い!」
■信用できない登場人物
・一番引っかかりを感じたのは主人公の造形でした。
本人が言うには「たくさんの人を救うには王様にでもなるしかないだろ!」という論理だそうなんですがそうは見えませんでした。そう決意表明した直後にさっそく「え、でも魔王になっちゃうんでしょ? それは嫌だなぁ…」 とウジウジ言い出したのがまずマイナスです。どうなるかなんて本人次第なのだから「魔王になんて絶対ならない!」くらい言ってほしいものです。そうでないなら決意表明をするべきではないと思います。現実的にしたいなら「魔王になるか良い王様になるかはわからないけど、今目の前にいる人を救うにはこの力を使うしかないんだ!」くらいが妥当だと思います。
・主人公はその前の江戸時代のケンカのシーンでもヒロインに力づくで巻き込まれただけで自分から積極的に関わろうとしていませんでした。
思想が飛躍しすぎていて地に足が着いている感じが全くしません。世界を良くしたいと思うのなら、勉強でも金持ちになることでもまずできるようになるべきことはたくさんあると思います。 そういうのを全くしようとしないで「俺は王様になりたいから大学なんて行きません」と言われても共感できません。努力から逃げている印象のほうが強いです。今のところ信用できる部分が見当たりません。魔王になった歴史の流れからすると「口では救いたいって言ってるけど、本当はそんな気がないから堕落して魔王になったんじゃないの?」という疑念のほうが強いです。
・個人的にはむしろそういうところは現実的にしておいて、「突然一足飛びで夢を叶えられる力が手に入った。さてどうする」という棚ぼたシチュエーションにしたほうが相性が良かったんじゃないかと思います。
これならそれまでが現実的=実現困難な夢であればあるほど棚ぼたが魅力的に見えてきて、「魔王になるかもしれない」というリスクを犯す価値が感じられるようになると思います。
・「俺は魔王になる! ただし最高最善の魔王だ!」っていうフレーズは単純に出来が悪いと思います。それもう魔王じゃないじゃんというツッコミしか入りません。
この言葉を使うなら「これまでに使った人100人中100人が魔王になった呪われたアイテム」とかでないと意味が通じないと思います。
・他にも全体的に登場人物の言動についていけないところが多かったです。
柔道部の先輩?がいきなり路上に投げつける光景は何のキチガイかと思いました。それがわりと肯定的に描かれているように見えたことには更に困惑しました。特にそこに重要性があるようにも見えず、ナチュラルに価値観に相当なズレがあるように感じて大きな不安を感じました。
■不安と信頼の実績
・怪人の扱いも不安でいっぱいになりました。
過去作ライダーをモチーフにした怪人が特徴の1つのはずなのに見た目以外に全然ライダー要素が感じられませんでした。あれのどこがビルドだったのでしょう? もしかして人を無差別に襲ってはボトルにして「ベストマッチじゃないからハズレだ」とか言っていることがライダーらしからぬ悪行だと本気で思っているのでしょうか? ただの破壊工作を行う怪人とどう違うのかまるで伝わってきませんでした。
下山さんはシリーズ構成を担当したニンニンジャーで過去作の登場人物を”老害”として登場させた実績があるだけに今作のオールスター要素が不安でなりません。
【アクション】
相変わらずの残念クオリティなのに自信満々で出してくるので反応に困ります。個人的にはもう止めたほうが良いと思うんですが。
・あと場面展開がド下手だと思いました。
突然場所や時間が変わるシーンが多くて、その度に数秒間、頭がフリーズしました。主人公も何がどうなってるのかと困惑して視聴者とシンクロさせる意図があるわけでもなさそうでした。あれはただの失敗だと思います。
・バトルもカメラをぐるぐる回す演出はただ目が回って気持ち悪くなるだけでした。
アクション自体はそんな悪くなかったような気もするのですがカメラワークのせいでまともに直視できませんでした。
■ジオウ
・ベルトのギミックの見せ方が面白かったです。
普通に装着した状態だとそんなに時計っぽさはないけど、斜めにズラして端に換装アイテムを取り付けると一気に時計の金属ベルトっぽく見えてきました。
ぐるっとベルト全体を回すのも時計の針モチーフが伝わってくるし、動きがダイナミックでなかなか迫力がありました。変身シークエンスのかっこよさという点では歴代でもかなり良いほうだと思います。
・全体のデザインは、顔文字のインパクトのわりにはシックで決まっていると思います。
むしろ最近の原色/ビビッド路線のカラーリングの中では色合いが大人しいほうでまともに見える節さえあるように感じます。
■ゲイツ
・変身後のことはまだ出番がないのでわかりませんが、役者さんの動きのキレが良くてびっくりしました。
変身ポーズの緩急の付け方がスーツアクターさん並にできていました。てっきり特撮経験者かと思いましたが軽く調べた限りだとドラマ出演経験すらほとんどない新人さんのようです。格闘技の経験か何かによるものでしょうか。
行動理念もはっきりしているし、正直言って主人公よりよっぽど好感を持てました。
■怪人
・ビルドがモチーフという点ではわりとそのまま過ぎて微妙な印象ですが、”目の造形”は目を見張るものがありました。
瞳がしっかり有る点と手前のカバー部分と眼球の奥行き感がすごかったです。ライダーは目にあたるデザインはありますが瞳はないのでこの差は良いですね。ライダーっぽさを出しつつ差別化を図るにはばっちりだと思いました。
次回はまたビルドの怪人やビルドの主人公たちが登場するようです。
今回のあっさりしたあれでもう終わったのかと思っていました。これなら今回はビルドのキャラは登場させないほうが良かったんじゃないかと思うくらい薄かったのですが、この状況を引き継いでどうするのでしょうか。当分、主人公たちもオールスター要素もどちらも中途半端で「どっちかに集中したほうが良いんじゃない?」と言いたくなる状況が続きそうな予感がします。
ソウゴの王様になりたいは「生まれた時から決めていた気がする」のセリフからあるように誰かに仕組まれた可能性がありそうですしまだ何とも言えない気がします。今のところソウゴよりゲイツの方が好感が持てるというのは同感です。あと個人的に気になったのですがビルドの世界に来た時世界線が違うはずなのにスカイウォールが有ったのですがこれはどういう事なのでしょうか?なんかディケイド 以上に地雷臭が感じられる1話でした。
返信削除>ソウゴの王様になりたいは「生まれた時から決めていた気がする」のセリフからあるように誰かに仕組まれた可能性がありそうですしまだ何とも言えない気がします。
削除そういう可能性は充分あり得ると思います。
ただ、私はその展開自体が退屈でつまらないと思います。そういう話なら視聴者が期待するのは「枠から逸脱すること」であり、それは1話でやって問題ないことだと思います。何話もかけて予想どおりの展開になっても面白くありません。退屈です。
>ビルドの世界に来た時世界線が違うはずなのにスカイウォールが有ったのですがこれはどういう事なのでしょうか?
私は単純に最終話以前のどこかのタイミングなのだろうと解釈しました。
ひょっとしたらこれから出るビルドの外伝で符合する内容が来るのかもしれませんが。
受験を拒否した時のマスター?との描写から未来で権力だけ握って堕落する様子が目に浮かんでしまいました、進学することが正しいとは思わないですけど、王になるための術や位を得た後の展望が曖昧過ぎる事が気になります、それと王になって変えたいという現在の世界自体が至って平和的に見えるのがまた。
返信削除ジオウのストーリー展開がタイムスリップ物の一種にある「過去を変えても未来は変えることが出来ない説」に基づいて進行するのであれば説得力がある描写だなと思います。
>王になるための術や位を得た後の展望が曖昧過ぎる事が気になります、それと王になって変えたいという現在の世界自体が至って平和的に見えるのがまた。
削除この辺りは説得力を感じませんよね。
1話の範囲だと「今の主人公には世界を変える力はない。だから力が欲しい」なのか、「今でも主人公はかなりすごい。でも世界を変えるにはもっともっと力が必要」なのか、現状すらもよくわかりません。
少なくとも腕っぷしは無いみたいですが戦闘力は王様に不可欠な力とも言いがたいのであまり説明になっているように感じません。
>ジオウのストーリー展開がタイムスリップ物の一種にある「過去を変えても未来は変えることが出来ない説」に基づいて進行するのであれば説得力がある描写だなと思います。
その理屈でいくとどこで話が交わる方法があるのか想像がつかない気がします。
仮に「主人公が強くなって直接オーマジオウを倒す」だとしてもいつの時点のオーマジオウを倒せばツクヨミたちの未来が良くなるのかはっきりしません。
ソウゴがウジウジしたのは変身したら悪い魔王になる可能性があるからじゃないでしょうか?江戸時代のは過去のソウゴは良い人だとツクヨミが分かる為に入れたシーンだと思います。個人的にソウゴが目指す王は、鎧武の始まりの男みたいに現実じゃ出来ない力を持った者じゃないかと思います。最高最善の魔王はギャグとして私は好きです。先輩がソウゴを投げたのはギャグだから特に気になりませんでした。目を覚まそうとしたら君は王のspだ!は面白かったです。アナザービルドは確かに思ったのと違いましたがちゃんと倒して人を助けたので良かった。ゲイツに好感を持つのは当たり前だと思います。ソウゴが消えれば平和になるんですから。なんならソウゴがもっと小さい時に殺せば良い気がします。 質問ですが管理人さんはヒロインの見た目どう思います?私はポッピーが好きなので普通です。1年後には好きになってるかもしれませんが。 最後に私は文章書くの下手なので読みにくくてすみません。
返信削除>ソウゴがウジウジしたのは変身したら悪い魔王になる可能性があるからじゃないでしょうか?
削除これは間違った解釈だと思います。
その前の変身アイテムを使う使わないの時点でツクヨミから「それ使うと魔王になるから止めろ」と言われていたはずです。にも関わらずソウゴは手にし、そして「良い魔王になる」と宣言したはずです。これは文脈としては「アイテムは使うがツクヨミが言うような悪い魔王になる気はない」という意味のこもった行動であると解釈するのが妥当だと思います。つまりアイテムを手にして決意表明をした時点で「悪い魔王になるかもしれない」という疑念は少なくてもあの時点においては吹っ切っていると考えるのが妥当だと思います。
>江戸時代のは過去のソウゴは良い人だとツクヨミが分かる為に入れたシーンだと思います。
そういう意図があったのだと思いますが、優先順位を間違えていると思います。
ツクヨミの理解よりも視聴者のソウゴへの認識を方向づけるほうがずっと重要だと思います。視聴者のほうの認識を決めておけば多少状況を省いても「だってソウゴは良いやつだもんな。ツクヨミが納得するのも当然だ」と文脈で処理できると思います。
>個人的にソウゴが目指す王は、鎧武の始まりの男みたいに現実じゃ出来ない力を持った者じゃないかと思います。
そういう意味でないとソウゴが本物のアホになると思います。現代で絶対的力を持った王様なんて存在しませんからね。「王」というのは「ソウゴの理想とする絶対的な存在」という意味で解釈するのが妥当だと思います。
だからこそ私は「それでソウゴはどんな努力をしてるの?」と疑問に思ったのです。「理想はあるけど理想に近づく努力はしない」なんて馬鹿げていますからね。
>ソウゴが消えれば平和になるんですから。なんならソウゴがもっと小さい時に殺せば良い気がします。
私はそういう意味で言っているのではありません。
人間として好感を持てるという話をしています。仮にソウゴとゲイツの立場が逆だったとしても私は(魔王候補であっても)ゲイツのほうが好感が持てると言ったでしょう。
>ヒロインの見た目どう思います?
髪型と服装が合っていないと思います。
顔立ちはキリっとした自立した感じの印象なのに服装と髪型が深窓の令嬢みたいで境遇と合っていないと思います。
ゲイツは人間としての好感だったんですね。確かに他の未来人がタイムスリップすると考えていない中、一人でジオウ倒しに来たのはかっこいいですね。ヒロインは髪結んだ方が良いと思います。そんなぁーと言ってる時の顔と声は可愛いと思いました。
返信削除演技力は比較的マシなほうだと思います。
削除『ジオウ』始まりました。が、『ディケイド』の轍を踏まなければいいのですが……
返信削除ソウゴを投げてあの柔道部員をよく見ると黒帯なんですよね。
黒帯の人間が受身を取れるかも判らない素人を地面がコンクリな路上(坂道)で巴投げ(おそらく)をかけるなんて、正気の沙汰とは思えませんでした。
アクション監督さんやスーツアクターさんで「これはダメでしょ」と言う人がいなかったのか不思議でした。事が露見したら退部や停学になってもおかしくない危険行為だと思うのですが。
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