『快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー』 第7話「いつも助けられて」:感想
【ストーリー】
・メインの進展は薄く全体としては見なくても問題ないような幕間回でしたが丁寧な作りで楽しめました。
初美花を掘り下げつつ、快盗のコスチュームに精神的な意味での「変身」という意味も加えた点が良かったです。形式的になりつつあった金庫破りも意味のある展開で消化できていて緊張感がいくらか戻ったと思います。派手さはありませんが、細かいところを補強しつつ1つの回を成立させていて、これはこれで大したことだと思います。
・後半のバトルでの警察と快盗の交代は少し雑なように感じました。
一応、出てきた市民を避難させることがパトレンが撤退した理由なんでしょうが、敵が怪人しかいないので避難誘導するよりも怪人を倒すほうが有意義なように見えてしまい、説得力が弱かったです。雑魚を出して市民だけだと危険な状況にするとか、体内で毒ガスを吸って弱っていたから救助する必要があったとか、もう一歩踏み込んだ理由がほしかったです。
■多次元もの?
・ギャングラー幹部の会話は今回も興味深かったです。
私の聞き間違いでなければ「前の世界」という発言がありました。文字どおりに受け止めればギャングラーは別世界からやって来た存在みたいです。警察がギャングラーを抹殺することに抵抗がないのこともそれが理由なのかもしれません。
ギャングラーにとってすら超常的な力を持つルパンコレクションも、元々は別の世界からもたらされたオーパーツという設定なのかなと思いましたがどうなんでしょう?
・個人的には今回の怪人も「美味い料理を食べた人間はもっと美味い」という思考をしていて、グロテクスさと怪人らしい異次元のスケール感を感じられて良かったです。
【アクション】
・ちゃんと販促できていて感心しました。
今回のロボの換装は警棒&銃からヨーヨー&銃の組み合わせで、そのままでは見た目や機能の変化が少なくバトル面では微妙な要素だったと思います。それを敵に「鞭で縛り上げてくる」という要素を加えることでヨーヨーを使って縛り返してお返しする流れし、換装パーツの存在感を際立たせていました。そのままだと意味のない物に話の流れによって意味を感じさせる。これぞ販促というものだと思いました。
次回は早くも快盗の正体が警察にバレる模様… ですがこの手のパターンだとむしろ最終的には「気のせいだった。あいつらは関係ないや」と正体から遠ざかることのほうが多い印象があります。本当にバレるのでしょうか?
個人的には節約回のように見えたことが気になりました。
予告の範囲だと怪人は見当たらず、巨大戦も雑魚で乗り切るように見えました。8話にして節約とは珍しいことです。しかし予算はおおよそ最初から決まっていて途中で尽きるものですから早いうちから計画的に節約していくのは良いことだと思います。それも今回のようにストーリーのほうでメインディッシュを用意できるときに節約しておくことは合理的だと思います。この印象が買いかぶり過ぎでなく期待に応えてくれたら、グッと評価が上がるでしょう。
脚本がルパパトをこれまでずっと書いてきた香村さんではなく別の人で、しかも金子香緒里さんという他作品でも聞いた覚えのない人であることは不安材料です。ただの捨て回になるのか上手く消化できるのか、いろいろ気になる回になりそうです。
>文字どおりに受け止めればギャングラーは別世界からやって来た存在みたいです。警察がギャングラーを抹殺することに抵抗がないのこともそれが理由なのかもしれません。
返信削除1話で「異世界から来た犯罪者集団」と咲也が言っていました。異星人と共存し、そのための法律によって犯罪者の人権も考慮しなければならないタイムやデカレンとの違いですね。人里に降りてきた人食いクマより凶暴で悪知恵もあり通常の攻撃も効かない厄介な害獣といった感じでしょうか?
ルパンとそのコレクションももともとは異世界からというのも十分ありえるかなと私も思います。
>8話にして節約とは珍しいことです。
同じ宇都宮Pのシンケン8話を思い出します。あの回も女性幹部と初顔合わせ&十臓初登場で豪華に見えますが実はゲスト怪人なしで全員参加の化かし合いの回でした。その前の7話も流之介以外が毒にやられて1人で打開する話だったという流れも似ているような気がします。
>金子香緒里さんという他作品でも聞いた覚えのない人であることは不安材料です
サブライターはまた新人とベテランの組み合わせのようです。今回はいきなり新人さんに個人のエピソード回を振るのではなく、ある程度お膳立てしたプロットを用意してそれに沿って書かせるのかなと思いました。ジュウオウのマリオさんが誘拐される回くらいに無難にまとめてくれればいいんですが。
>1話で「異世界から来た犯罪者集団」と咲也が言っていました
削除1話の時点で触れていたんですね。聞き落としていたようです。
>今回はいきなり新人さんに個人のエピソード回を振るのではなく、ある程度お膳立てしたプロットを用意してそれに沿って書かせるのかなと思いました。
私はそれくらいから始めたほうが良いと思います。
失敗を前提にするにしても、好きにやらせて得られるものは多くないと考えます。
感想お疲れ様です。
返信削除初美花の掘り下げ回で初美花の過去の回想からの立ち直りはもちろんのこと、コレクション奪還のほうもちゃんと筋道を立てて、計画を練っていたのは好印象でしたね。一方で咲也が物語の進行上、色々と割を食っているのはかわいそうだなと思うところはあります。まあ怪盗VS警察の物語を進めていくことが優先事項だと思うので、しょうがないかなとは思うんですけどね。
話は変わるんですけど、先週東映チャンネルで配信が終わった轟轟戦隊ボウケンジャーは管理人様は見られたことはあるのでしょうか。よろしかったら感想とかをお聞きしたいのですが。
>まあ怪盗VS警察の物語を進めていくことが優先事項だと思うので、しょうがないかなとは思うんですけどね。
削除一度くらい警察側を中心に立てる回を入れてくれると安心できるんですけどね。
>轟轟戦隊ボウケンジャーは管理人様は見られたことはあるのでしょうか。
ずいぶん前ですが全話見たことがあります。
個人的には「可もなく不可もなく」です。
メンバー全員にそれぞれ対応する悪役&組織を用意することでメンバー全員を主役級に扱った試みは面白かったです。
しかしデメリットも予想どおりのものだったことは残念でした。回が変わるごとにキャラの優遇の入れ替わりが激しくて疲れるところがありますし、戦隊メンバーも悪役も個人回ごとに間が空くので展開がスローペースに感じられ、続きものの話への興味を保ちづらいところもありました。特に終盤はそれぞれのクライマックスの連続が続いて「もう揉め事はいいよ…」と食傷気味でした。
良いところと悪いところが表裏一体なので評価しづらい作品だと思います。
魁利や透真ほど「今」と「過去」の切り替えが出来てないのか初美花は結構過去に引っ張られるが故に情を見せてしまう節があるようです。
返信削除意図して描写しているかは現時点では測りかねますが、子供時代の描写も込みで初美花にとっての過去描写は基本ホラー寄りのトラウマとして描かれていた様に思いました。
軟派でチャラ男の様相を見せている朔也ですが、ここまで一方通行で終始初美花には袖にされ続けているのを見てると逆に肩入れしたくなってきますね。
作中では明言も描写も無かったのですが、今回の事件の前に襲われた店にいた人々や今回の事件で囚われていた人々の数と吐き出された人の数が合わないのはそういう事なんでしょうね。
ロボ戦は描き方が従来のそれに近いからかパトカイザーは今のところ安定して面白く出来てるのは好印象です。
>金子香緒里さんという他作品でも聞いた覚えのない人であることは不安材料です
お名前で検索した所、「日本脚本家連盟スクール第50回(2016年度)放送新人賞最終審査対象作品」に入選していたお方だそうです。
審査員には東映(TVドラマの方)と東映アニメーションのプロデューサーも外部審査員で入っていた様なのでざっくり言えばヘッドハンティングと言うかお抱え脚本家として育成していく腹積もりなのでしょうね。
戦隊は小林靖子氏が“卒業”してからと言う物の基本下山氏・毛利氏・香村氏がどの作品でもローテ登板してて人の少なさが露呈してたので新しい人を育成兼ねて起用していくのは良い事だと思います。
>子供時代の描写も込みで初美花にとっての過去描写は基本ホラー寄りのトラウマとして描かれていた様に思いました。
削除ホラーですか。トラウマという点には異存ありませんがホラーの意味するところが私にはよくわかりません。どういった意味でしょうか?
トラウマ=恐怖心に由来するもの、だと思うので恐怖を内蔵しているのは当然のことのように思えます。
>軟派でチャラ男の様相を見せている朔也ですが、ここまで一方通行で終始初美花には袖にされ続けているのを見てると逆に肩入れしたくなってきますね。
利用されるだけだと気の毒なので何か報われると良いですね。
凍らされた人など一連の事件が片付けば2人が付き合うのに何の障害もないと思うのでそれで終わりかもしれませんが。
>作中では明言も描写も無かったのですが、今回の事件の前に襲われた店にいた人々や今回の事件で囚われていた人々の数と吐き出された人の数が合わないのはそういう事なんでしょうね。
映像に意味を求めるならそういうことになるでしょうね。
これ以前のギャングラーの事件で死人が出ていることは明示されていると思うので今回も犠牲者が出ていても何の不思議もないと思います。
>お名前で検索した所、「日本脚本家連盟スクール第50回(2016年度)放送新人賞最終審査対象作品」に入選していたお方だそうです。
そうなんですね。知りませんでした。ありがとうございます。
「日本脚本家連盟スクール」という単語に聞き覚えがあるので調べてみたら、『キラキラプリキュアアラモード』のローテーションに参加していた黒須美由記さんという方も別の年度の受賞者でした。何かしらのパイプがあるのは確かなようです。