『仮面ライダービルド』 第28話「天才がタンクでやってくる」:感想

2018年3月25日

■安心のビルドクオリティ
・前回の時点で「どうせタンクタンクで逆転して終わりでしょ?」と思っていましたが安心のビルドクオリティにはそんな心配は不要でした。
本気を出せばラビットラビットでも勝てそうでした。助けたからもう本気出していいよとなった瞬間、パンチがもろにクリーンヒットしたせいで要らぬ文脈が生まれてしまいました。おかげで逆転の一手のはずのタンクタンクが「まぁ無くても勝てるけどね」みたいな状況で登場してしまい微妙な空気でした。このいろいろやるけど結果的にパっとしない状況を生み出すところがビルドらしいと感じます。

・ラストの引きも信頼と実績のビルドクオリティでした。
「問題が起きた。このままだとストーリーが破綻する。さぁどうする!」 そんなときに頼りになるものと言えば、そう、”超能力”です。ブラッドスタークが人間の顔や声を変えられる能力を持っているのですからそれを使えばいいだけですよね。途中で予想がつくくらい実にわかりやすく説得力のある展開でした。
超能力は本当にすごいですね。おかげでネビュラガスだのライダーだのが大したことない存在に思えてきます。超能力に対抗できる気がしません。

■これは必要なの?
・幻徳や戦兎の言っていることは相変わらず何言ってるのか理解できませんでしたが慣れっこなので気になりません。しかし紗羽が裏切った理由の説明は不思議でした。理由自体は別に問題ないのですがスタッフの意図がわかりませんでした。

・「東都に引き渡されかけた」とわざわざ言わせたことが個人的には不思議でなりませんでした。
そんなことを言わせたら自分の身の安全のために付く側を変える打算的な人物に見えてしまうと思います。「打算的な理由で味方になった元スパイ」なんて紗羽に似つかわしくない肩書だと思います。あんな発言を入れなければ、純粋に仲間意識で裏切ることにしたことにできたと思うのですがスタッフは何を思って台詞を入れたのでしょう?
話の流れからすると余分にしか見えない内容で首を傾げました。

■ルールは守ろう
・実に教育的な内容だったと思います。
「悪者でも約束は守る」なんて教育的なんでしょう。まさかパンドラボックスの影響で凶暴化したと語られていて実際いきなり戦争を仕掛けてくるような卑劣漢が「約束は守らないとダメだよ」なんて言い出すとは全くの予想外でした。そんな歪な倫理観になるとはパンドラボックスの影響はとても恐ろしいものだと実感できました。ただ凶暴になるよりずっと怖いです。

・北都首相は代表戦の約束を破る気満々だったのはどう解釈すべきなのか迷います。
単純に個人差と考えることもできますが、ブラッドスタークの介入の影響とも考えられます。これまでのスタークの暗躍っぷりから考えると、スタークの意見がなければ北都首相も代表戦に負けたら普通に約束を守っていたと考えるほうが自然なように思えます。

■いたりいなかったり
・今回も一海の家族は行方知れずでした。
前回触れられた気がしましたが気のせいでした。北都で捕まっている家族なんてやっぱりいないのです。いたら鍋島の家族なんかよりも一海の家族を人質にするほうが断然有効になってしまいますからおかしいでしょう。

・個人的には鍋島の家族でも人質になることが意外でした。
東都市民全員との天秤につり合うなんて驚きです。紗羽にとっての鍋島の存在ってそんな大きなものだったんですね。ビルドの人間関係と命の価値は私には相変わらずわかりません。

・鍋島で人質として充分ならこの先も人質作戦はまだまだ有効ですね。
鍋島なんかよりずっと恩のある密航船の船長さん一家や香澄さんの血縁者もいますし、なんならヘルブロスのようにポっと出の敵キャラでも大丈夫でしょう。終わるまでにはあと20話以上はあるでしょうがスタッフが展開に困ることはなさそうです。

■タンクタンクフォーム
・あまり語ることがありません。
見た目はラビットラビットのマイナーチェンジですし、機能も「戦車だから大砲が撃てるよ」というだけで反応に困ります。

・必殺技はインパクトはありました。
下半身が戦車になってグルグル周りながら撃つとは思っていませんでした。あれを見たときアーマードコアのガチタンを思い出しました。火力と装甲で地味にゴリ押しするところがそっくりでした。まさかヒーローものでこんな光景を見るとは思いがけないことでした。


次回からは難波難重工編(火星編?)に入るみたいです。
「知ってた」としか言いようのない展開で言うことがありません。これが終わったらようやく石動編、もしくは黒幕編に入るのでしょうかね。北都編からずっと消化試合な感じなのでもう怒る気もしません。

コメント

12 件のコメント :

  1. こんにちは

    今週も凄まじい話でした。
    3週間もだらだらと代表戦やっておきながら「最後に勝った奴が正義!東都に攻め混む!」で代表戦を無意味に帰するシナリオには脱帽です。こんなんやるなら素直に「西都が東都に攻めこんだ」とでもした方が万倍もマシでした。

    紗羽が難波を裏切った降りも意味不明です。
    百歩譲って「戦兎たちとの日々に心がほだされた」のはまだいいですが(そんな描写は皆無ですが)、紗羽からしたら何の関わり会いもない「鍋島一家を人質にされたからスパイせざるを得なかったし、鍋島一家を助ける為に3戦目がある事前提でなおかつローグに変身解除させられない前提の時間稼ぎをする」というのは私には理解しかねます。

    そしてローグを倒したのにベルトもボトルも奪わず見逃す東都首相には参りますね。

    今回地味に酷いのは番組のテーマでありビルドの根幹である「異なるボトルの組み合わせで戦うライダー」というスタンスが完全崩壊した事だと思います。

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    1. 匿名さん、こんにちは。

      >こんなんやるなら素直に「西都が東都に攻めこんだ」とでもした方が万倍もマシでした。

      それはもう最初にしたと思います。
      ローグたちが攻め込んできてパンドラボックスを奪いかけて美空に阻止されました。そして何をとち狂ったのか代表戦を申し出て、負けたら素直に諦めようとしたのが今回の経緯だと思います。

      >鍋島一家を助ける為に3戦目がある事前提でなおかつローグに変身解除させられない前提の時間稼ぎをする

      ローグに負ける心配に関しては「防戦一方でも最初から負ける気がしなかった」という線が考えられると思います。
      本気出していいと言われた瞬間にカウンターを入れていましたから圧倒的な実力差があるようでした。途中でやられていたのもお芝居で本当はノーダメージだったのかもしれません。

      時間稼ぎに関しては
      1)龍我なら放っておいても負けるだろうと信じていた。
      2)馬鹿だから2試合勝ったらその時点で終了だと知らなかった。
      3)一海なら龍我の試合が終わるまでに助けだろうと過信していた。
      4)助けようとしたというアリバイ作りができれば充分で、実は鍋島一家が死のうがどうでもよかった。

      お好きなものをどうぞ。

      >そしてローグを倒したのにベルトもボトルも奪わず見逃す東都首相には参りますね。

      期待を裏切らない無能っぷりでしたね。「New幻徳に生まれ変わったから無罪!」なんて法律でもあるんでしょうか? この線でいくと戦兎も葛城時代の罪も不問になりそうですが。どちらにしても前回の葛城時代のことで戦兎を責めた幻徳の発言がアホみたいです。

      >今回地味に酷いのは番組のテーマでありビルドの根幹である「異なるボトルの組み合わせで戦うライダー」というスタンスが完全崩壊した事だと思います。

      私はスパークリングやクローズの時点でもう死に設定になっていたと思っています。

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  2. 箱が盗まれた原因は万丈への盗聴器の方ですかね?
    あのスパイは作戦も箱の情報も全部知ってて主人公の華麗な推理を聞いていたとなると
    スパイも内心楽しんでたんでしょうねぇ
    全部バレてるのにドヤ顔で推理してくるんですから

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    1. >箱が盗まれた原因は万丈への盗聴器の方ですかね?

      そうだと思います。
      そうでないと龍我たちがボトルの盗聴器を見つけたタイミングに意味がなくなってしまうので作劇がおかしくなると思います。

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  3. 恐らく幻徳は元から「(初期の冷戦時代含めて)戦争を終わらせる為なら汚い事でもやる」っていう大義ある人だったんでしょうけど、今までが小者ゲスっぽい言動や見通しが甘くてしょっちゅう失敗する描写ばかりだったので急なマジモードには戸惑いを感じました
    鎧武の貴虎も本当は大義の為に手を汚すタイプでありながら、初期は謎ポエム言い出したり部下に舐められる描写ばかりでネタにされたりしていましたが
    幻徳はついこの前までずっとそんなダメダメな感じに見えたので今ひとつ感情移入しづらくなっている気がします
    これは演出ミスなんでしょうかねえ?

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    1. >恐らく幻徳は元から「(初期の冷戦時代含めて)戦争を終わらせる為なら汚い事でもやる」っていう大義ある人だったんでしょうけど

      その可能性はあるのですが作中で描写された物証が見当たらないんですよね。
      逆に反証になるもので最大のものとして「パンドラボックスの光を浴びたやつは頭がおかしくなってる」と語られていることだと思います。このせいで百歩譲って幻徳がそう思っていたとしても「でも頭おかしくなってるんでしょ? そんなやつに任せられない」と捉えるのが妥当になってしまうと思います。正当性がまるで感じられないので戦兎に対する壁になり得ないと思います。戦兎も幻徳も両方、頭がお花畑という話なら釣り合いは取れますが。

      演出がどうこうではなく、ストーリーとキャラクターが私や匿名さんには理解できない構造になっていると推測するのが妥当であろうと私は考えます。

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  4. 「難波のスパイだった東都政府首相補佐官がドラゴンボトルに仕込んだ盗聴器からパンドラボックスの隠し場所を聞きだした」と言う謎の25~26話の後付がなされていました。
    この理屈だとあのスパイは「本当の隠し場所を知っていたのにわざわざ囮の方にブロス兄弟を差し向けて、それが外れと分かるや否や慌てて待機中のローグを本物の隠し場所に派遣した」となる上に「ドヤ顔で既に看破されてる作戦を説明している戦兎に対して、大げさなリアクションを取った末にふりかけで消滅」と言うとてつもなく頭の悪い話になるのですがこれには一体何の意味があったのでしょう?何度見返しても私には全く想像も及びません。

    紗羽に対する人質が「鍋島(とその家族)」と言うのも全く理解が出来ません。
    その鍋島一家もスケジュールの都合が付くであろう子役しか出てこなかった所を見ると、「紗羽に対する人質」と言う話そのものが場当たり的に付け足した物である可能性は低くないと推測できますが…。
    こんな意味不明な人質ごっこをやるのならば北都編でもやったように猿渡の家族(農場の従業員でも可)を人質にした方が余程整合性もあると思います。
    まぁ西都編の始めですらろくすっぽ機能しなかった(脚本で活用できなかった)「人質」が今更どれほどの役に立つかと言う話でもあるかもしれませんね。

    アクションについてはもう今更言いませんけど1~3本挿しと4本挿しで全くエフェクト変わらないフルボトルバスター・キャノンモードとかラビットラビットもタンクタンクも基本バスターキャノンしか使わないとか正直2週連続で同じ事やられてもなぁ…って感じです。

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    1. >あのスパイは「本当の隠し場所を知っていたのにわざわざ囮の方にブロス兄弟を差し向けて、それが外れと分かるや否や慌てて待機中のローグを本物の隠し場所に派遣した」

      これは「戦兎たちを油断させるため」と考えればそれ自体はおかしくないと思います。疑問点として「ローグ1人で3人に勝てるなら始めから真正面から襲えばいいのに」や「ブロスたちがやられかけていた。陽動作戦のためにブロスたちを失うリスクを犯すのは割りが合わない」などがありますが。

      >「ドヤ顔で既に看破されてる作戦を説明している戦兎に対して、大げさなリアクションを取った末にふりかけで消滅」

      こちらに関しては意味があると考えるなら、「あの補佐官はただ盗聴するように命じられていただけで西都側の作戦内容が伝えられていなかった。会長たちはわざと補佐官に知らせずに戦兎たちに責められて死ぬように仕向けた」といったところかと思います。戦兎たちを油断させるためならともかく、パンドラボックスを無事に奪取できた状況でそんなことをして何のメリットがあるのかは謎ですが。

      >紗羽に対する人質が「鍋島(とその家族)」と言うのも全く理解が出来ません。

      戦兎たちの価値観は理解しがたいですよね。私もさっぱりです。

      >ラビットラビットもタンクタンクも基本バスターキャノンしか使わない

      ソードモードがあるのだから使い分けてもいいはずなんですけどね。
      両方にソードもキャノンも使わせるにしても中身のボトルやフォームによって演出を変えるのも簡単だと思います。

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    2. 仰られている通り、猿渡ファミリーの人間が人質にされているのならば
      赤羽や黄羽の殺害に間接的に関わっている組織の人間でありながら止められずにいた紗羽が全てを背負いこもうとするきっかけにもなり得たんでしょうけどねえ…
      もっとも、前々から戦兎一派は「自分が原因で人が死ぬのは嫌だけど国同士の争いなら仕方がない」というスタンスなので赤の他人が人質にされた話だろうと過剰に首を突っ込んで無駄に面倒な羽目になってただけの話なのかもしれませんね

      誰が人質でも問題無いなんて言ったらそもそも「じゃあその作戦を成功するまで何度もやればいいじゃん」っていう身も蓋も無い話になってしまいますがね…

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    3. もしもビルドが市民だの戦争だの大きなスケールの話をしたいのだとしたら、根本的に話が成立していないと思います。
      市民と漠然と語れるほど戦兎たちは市民に関与していません。戦兎が首相や王様だったら漠然と語ってもいいでしょうがそうではありません。
      あるいは戦兎たちが一市民なら「自分と同じ」ものとして語ることができるでしょうが、戦兎たちは特殊な境遇で同じ一市民ですらありません。

      こういう場合には「市民代表」になり得るキャラクターを用意するのが普通だと思います。ライダーの場合、1話/前後編限りで登場したゲストキャラやビルドでいうところの紗羽や美空のような非戦闘キャラが担当することが多いと思います。
      ところがビルドの場合は揃いも揃って特殊な人物しかいません。これで「普通の人」の話をするのは不可能だと思います。

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  5. L.E.D.ガイスト2018年3月26日 12:20

    展開が見え見えだった28話。


    代表戦に紗羽のスパイネタと続き、また鍋島。ネタをどんだけ使い回す気なんだか……


    幻徳を掘り下げた結果、唯でさえ小さかった幻徳がより一層小さくなりました。


    自分で追放したくせに「東都に帰ってこい」とかほざく氷室泰山。どこまで無能なんだか。先ず、戦犯として逮捕しろよ。


    西都首相・御堂。
    大物ぶっていた当初の姿は何処えやら、中途半端なキャラに成り下がってまぁ……

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    1. >大物ぶっていた当初の姿は何処えやら、中途半端なキャラに成り下がってまぁ……

      あんな結末にするなら最初から傀儡扱いにしておけばいいのにと思いました。

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