『蒼穹のファフナーEXODUS』 第14話「夜明けの行進」:感想

2015年10月3日

■最初の犠牲者
・これまで死亡フラグを積み重ねてきた広登がついにいなくなってしまいました…
今回も延々と死亡フラグを立てていてトドメの怪しい友軍部隊と前ふりはたくさんあったのですが、やっぱり辛いですね。芹も一度機体が停止してから復活してたので広登もSDPで生存という可能性もなくはないですが、シュリーナガル防衛戦でザインたちが来る前の絶望的状況でも誰もSDPを発動してなかったので望みは薄いでしょうね。

・芹のほうも心配です。ただでさえ同化能力のせいで日常生活を送れなくなっているのに広登まで失っては絶望してもおかしくありません。SDPの副作用が同化能力だけにフェストゥム化しないか心配です。

・かなり暗い内容の今回でしたがタイトルは「夜明けの行進」でした。
普通なら明るい兆しを予感させる題名です。「夜明け前が最も暗い」と言いますが、そのせいでしょうか。この先は明るい未来があると信じたいです。もっともファフナーの夜がいつ明けるのかはわかりませんが…

・次回のタイトルの交戦規定アルファも人類軍側が行うものを指しているのではなく、対人類軍用にナレイン将軍や竜宮島部隊に出される指示なのでしょうね。フェストゥムが作り出した暗雲が晴れた後に照らされる光景は青空に似つかわしくないものになりそうです。

■内通者
・フェストゥムだけでなく人類軍側の工作である可能性も高まってきました。交戦規定アルファに積極的でないだけでまだ何もしていない基地司令まで人類軍は暗殺していました。誰に利する行為をしているのか怪しいです。ナレイン将軍の敵=フェストゥム、とも限らないことが事態をややこしくしています。今回の戦闘で人間への不信感が募ってきた頃に内通者が明らかになり、更にどろどろしていくのでしょうね。

■総士の言葉の意味
・今回総士が「彼らの地平線と交わり、彼らの調和で再び存在を得た」と言っていました。これはもしかしたら作品全体のテーマ性に関係している言葉なのかなと思いました。

・現状では人類軍とフェストゥムなど自分以外を徹底的に排除しようとするキャラ、それとジョナサンやビリーの兄、暉に里奈など、思いが内向きに閉ざされていて自己完結の傾向が見られるキャラが多くいます。総士の言う他者との関わりを重視する考え方とは真逆です。死んだ広登は積極的に外と関わり、自分の持つ平和を分け与えようとしていました。流れとしては無関係とは思えません。それが織姫が度々言っていた「祝福」のように感じています。

・「祝福」とは自分の持つ何かを他者に与えることで、「同化」は自分の地平線に相手を取り込むことではないかと考えています。
例としては1期の総士です。総士は痛みをフェストゥムに教えました。その行為は今では祝福と呼ばれています。痛みは一騎に付けられた目の傷のことでもあり、総士にとって重要なアイデンティティでした。見ようによっては総士は自分の一部を分け与えたとも言えるでしょう。

・その点では一騎はやはり今のままでは祝福できる状態ではないのだと思います。
今の一騎のアイデンティティは自己否定に基づく献身です。人のために命を使い、それをもって自分の存在意義としようとしています。広登のように人に尽くして結果的に死を迎えるならばその思想は祝福足りえるかもしれませんが、一騎の献身ではダメだと思います。祝福にはただの思想や知識ではなく、その人の根幹を成すものでなければいけないと思います。一騎は大切に思えるものが命しかないから命をかければ価値のある行為になると考えているに過ぎないと思います。短冊に書いた「生きる」という言葉のように、自己犠牲以外の別の何かが一騎の祝福になるように思えます。

・真矢が今の旅路のことを「失ったものを取り戻そうとしている」と評していました。一方、竜宮島のこれまでの方針は「失わないための戦い」でした。過去と現在の違いはあれど、原状回復と現状維持で大差はありません。今回のシリーズのタイトルのEXODUSは既存の状態から抜け出し、先を目指すという意味が込められているように感じています。
前進するといっても自分たちだけが進歩すればいいというものではなく、他者と交わり互いに認め合うことで成し遂げられるものなのでしょうね。現状の最終ゴールであるアルタイルとの接触がその試金石になるのでしょう。

・今回の流れで、真矢が総士たちの地平線と言われていたことが少し心配です。
変性意識の冷静さで目立ちませんが、真矢は穏やかで他者を思いやる余裕を持っていて島の平和を体現したような性格ではあります。確かに地平線という表現は適格だと思います。しかし安全圏がないこの状況でそう呼ばれるのは死亡フラグに思えます。
死ぬことはなくても真矢に何か起きないか心配です。人間と戦うであろう状況で銃を持ち、一騎と総士の戦闘力と比較して無力感を募らせています。悪い意味で責任感に駆られそうで不安です。
言ったのが真矢が好きな総士だったので、もしかしたらただの遠回しのラブコールかもしれませんが。そうであってほしいです。




コメント

4 件のコメント :

  1. 今回、ナレイン&竜宮島メンバーがフェストゥムと交戦していたことは明らかなはずです。

    それでも、彼らは撃った……第一話冒頭での出来事がそこまでトラウマになっているということでしょうか?

    後、GEOなら第一話長尺版のDVDなどが高確率で見つかるそうです。先に概要だけネットで見たのですが、その時に同化されかけたミツヒロが謎の復活を遂げたそうです。

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    1. そのようですね。放送では流れなかったハワイ戦でディアボロ型に酷い目にあったらしいです。明確に寄生されてる様子もないのに殲滅するなんて相当だったのでしょうね。

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    2. ニコ動では、元少佐のパイロットはHAEのころに核を撃った人ではないか(弓子に治療を受けていた時の台詞)とかトップのババアは既に同化されているのではないかという推測(それぐらい人類軍の行動が有り得ない)が出回るぐらいです。

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    3. ウォルターはニコニコではありませんがそんな話を聞きました。私は漠然と1期の竜宮島占拠かなと思っていましたが、弓子という点を考えると劇場版のほうが適切なように思いました。

      ヘスターは怪しいですね。交戦規定アルファの乱発など行動の意義がわからないですし、同じ強硬派であるはずのバーンズにも不審がられていました。同化されてるほうがよっぽど筋が通ります。人間に焦点があたっている現状からすると、ひょっとしたら本当にただ狂っただけかもしれませんが。

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