『仮面ライダーゴースト』 第1話「開眼!俺!」:感想

2015年10月4日

【ストーリー】

■やるべきことはやった
・シリーズ構成は福田卓郎さんです。
私は全く見たことがない人です。検索したところ、トリックのスピンオフの矢部謙三など色物系の実写ドラマが中心のようでした。それが良い方に働いているのかはまだ未知数です。

・1話としてはやるべきことはやっていたと思います。
どういう設定で敵はどんな存在なのか、主人公は何を何のためにするのか、当面の目標の提示と必要なことは入っていました。かなりぎゅうぎゅうで説明ばかりに感じるところもありましたが、これだけ詰め込めば仕方がないかとも思います。

・しかし描写が上手いかというと疑問があります。サブキャラの好感度がいきなり低いことが気になりました。レギュラーキャラであろう御成とアカリがうざく感じました。1話の時点だと仙人とユルセンのほうが良かったです。正直な感想としてはこの2人がいれば御成とアカリは出なくてもいいと思いました。敵もただ暴れるだけの頭の悪い暴力でしかなく恐ろしさを感じなかったこともマイナスです。
人物描写の点は不安があります。全体的に台詞が固く、自然さに欠けていました。
ノルマの多さで良さが発揮できなかった可能性もあるので、次回以降で挽回してほしいです。

■アイコンの入手経路
・アイコンの入手経路は面白そうでした。
身近なものがあるきっかけでアイコンに変化するという設定は話を広げられそうで良かったです。玩具の品数が多い最近のライダーに適した設定のように感じました。


【デザイン】

■ゴーストはかっこいい
・ゴーストはかっこいいと思いました。
素体にパーカーと仮面を被せるデザインは憑依というモチーフを感じさせてくれましたし、フォームチェンジとも相性が良さそうに見えました。素体の段階では不気味で敵と大差ないのに、パーカーと仮面がつくと雰囲気が一転するのはライダーっぽくて良いと思います。

・武器も面白そうでした。見た目がかっこよくギミックもあり良さ気です。
大剣から分離して二刀流にしたり、銃にもなるみたいです。使い方次第で輝きそうでワクワクします。大きさのせいで取り回しが悪くならないかはまだ心配です。

■敵は微妙
・敵のデザインは良いところも悪いところもありました。
悪いところはあまりかっこよくないところ、恐くないところです。敵も素体の共通デザインを導入しているせいか全体の色合いやシルエットが似通っていて没個性的に見えました。

・良いところはモチーフが取り込まれているところです。佐々木小次郎なので額や肩にツバメの飾りがついていたり、宝蔵院胤舜だから白い頭巾や数珠があしらってあったり、よく見ると発見があるデザインになっています。自然といろいろな角度から映すことになる特撮アクションと相性が良いと思います。


【アクション】

■まだ保留
・アクション全体としてはまだよくわかりません。
置きにいってるようなところが見受けられたり、動きが固かったです。これは主人公のキャラクター性を反映しているからなのかもしれないので、主人公が戦い慣れてからが本番なのかもしれません。今の時点では期待も不安も半々です。

■必殺技はかっこよかった
・ムサシの必殺技はスイッチを入れるタイミングがかっこよかったです。
最近はこれみよがしにアップにしてスイッチを押すものが多かったので攻撃中に自然に押す形がとても良いものに感じました。

・必殺技関連は動きもエフェクトも良さそうに見えました。キックのほうはまだ未完成だと思っています。あの小ジャンプキックが完成形だったら意外です。受け入れるまでに時間がかかるかもしれません。

■バイクはおかしかった
・バイクで登場する流れは違和感だらけでした。
ワープして場面転換かと思ったら、敵は先に来ていて主人公がいつの間にか手に入れたバイクに乗っていて呆気にとられました。
「敵は主人公が来るまで大人しく待ってたの?!」
「主人公は幽霊なのに普通のバイクに乗れるの?」
「それ以前にそのバイクはどこで手に入れた?」
と、?マークが脳内を駆け巡りました。撮影スタッフは何も感じなかったのでしょうか。
たぶん、脚本段階ではバイクを入手するまでの過程があったのに撮影段階でカットされたのでしょうね。私は必要なシーンだったと思います。入れないならバイクシーン自体をカットして、海岸に直接つなげればいいのにと思いました。


新しく始まった仮面ライダーゴースト、1話としては無難な仕上がりで期待と不安が半々くらいです。
良い方向に転ぶのか、悪い方向に転ぶのか、判断はしばらく先になりそうです。

コメント

12 件のコメント :

  1. 詰め込み過ぎなところはありましたが、なかなか良い一話でした。まあ一話から駄目だったライダーはほとんどないですけど。
    主人公が既に死んでいるという設定にしてはあっさり生き返ったり、深刻さがないストーリーでした。このままコミカル路線でいくのでしょうか。コミカルでも一貫して明るい作風ならシリアス路線にギャグを挟んで流れを悪くするよりも安心して見ていられるのでいいと思います。ここぞというときに真面目になれば普段とのギャップで魅せることができますし。
    戦闘も力が入っていて良かったです。動きの小さいキックは地味ですが、ドライブのトライドロンを使ってのキックがほとんど使われなかったことを考えると、販促用の武器を使う前の技として手間をかけずに何回も使用できていいかもしれません。

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    1. >主人公が既に死んでいるという設定にしてはあっさり生き返ったり
      これはどういう意味でしょうか?
      「今回の敵の攻撃で死んで、今は幽霊状態で一時的に現世に存在している。アイコンを集められないと98日後に完全に死ぬ」と私は理解しているのですが。
      仮にベルトの力(?)で一時的に復活したことを指しているのであれば、どういった内容であったなら深刻さが出るとお考えでしょうか?

      キックがあまり大掛かりでないことは私も望ましく感じます。
      ドライブやオーズのようにCGを使わないと不可能なものだと使用頻度自体が減ってしまいますので。ただ、ゴーストのキックもCGエフェクトはそれなりにありますし、宙に吊ったりCG以外の手間もありそうです。撮影が簡単かどうかという点は半信半疑です。

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  2. 「生き返る」というのは言葉の綾でした。「戻ってきた」ですかね。主人公が死んだということを受け入れる暇もないくらいに駆け足で現世に戻ってきたので、「一度死んだ」ということが思ったよりフィーチャーされていない印象でした。既に死んでいるといういくらでも重くできる設定をさらっと語ったことで、深刻な雰囲気にするつもりはないのかな、と思ったので。シリアス風ではなさそう、ということでシリアスに描いたほうが良かった、という意味ではありません。誤解を招く書き方ですみませんでした。

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    1. そうですね。そういった疑問も浮かんでも不思議はないと思います。
      私がそう考えなかった理由は「1話ではストーリーを描こうと思っていない」と感じたからです。描写のほとんどが世界観や設定の説明に充てられいて、人物描写はあまりないように見えました。

      たとえば主人公です。主人公について描写するならばいろいろあったはずです。主人公は一般的に見て普通の人なのか変人なのか。ゴースト(not眼魔)についてどう思っているのか。何のためにゴーストハンターの修行を続けているのか。

      特に興味深いのは正義感の描写がなかったことです。眼魔と遭遇してからの主人公の行動は「アカリを庇う→逃げる→逃げろと言われても戦うことを選ぶ→死ぬ→生き返って戦いたい→港のレストランで周りの被害を顧みず戦う」と正義感に基づく行動が見受けられません。
      唯一正義感らしきものはアカリを庇ったことですが、これは正義感なのか友達だからなのか現段階では判別できません。
      どちらかというと戦う理由をぼかそうとしているに見えました。逃げられる状況で御成からも逃げろと言われているのに戦うのは普通ではありません。敵にアイコンを取られたから、逃げるとアカリたちが狙われるからなど理由があれば戦っても不思議はありませんが、特に見当たりませんでした。それなのに逃げずに戦うことを選んだのか、それがなぜ「自分を信じる」ことになるのか。主人公の行動概念が謎に包まれています。

      世界観や設定、当面のゴールなど外堀を固めるのが1話の目的であって、ストーリーと呼べるものは全く始める気がなかったように感じています。なので私は現段階でゴーストがどういう物語なのか考えるのは時期尚早であると考えます。これから先、シリアスにすることもそうでなくすることもどちらも可能だと思います。

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  3. 御成とアカリの声がキイキイしていて少しうるさく感じた事以外は可もなく不可もありませんでした。寧ろ、ドライブのくどいギャグに辟易していたので先週、今週と落ち着いて見ることができました。不安な点としては、ウィザードのようなシリアスなシーンに場違いなベルト音声が噛み合わず、結果としてドライバーの音声を小さくしたり省略するといった本末転倒な展開が起こらないことを願うばかりです。

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    1. あり得ることだと思います。シリーズ構成の福田さんがこの手の販促番組の経験がないようなので、なおさらこの独創的なベルト音声を扱えるのか不安があります。今はそうならないことを祈ります。

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  4. 個人的には粗が目立つことはあまりありませんでした。
    ただ一部仙人の声が水の音で聞き取り箇所(急にフランクな話し方になった所です)がありました。
    仙人と話すたびにあの場所へ行くわけではないでしょうから今回だけだと思いますが。

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    1. なるほど。特に気にしませんでしが、確かに聞き取りづらい感じですね。音声とBGMと環境音のバランスが悪いように感じます。

      仙人も主人公の家?に引っ越してきたので、あの場所はもうない可能性が高いと思います。これ自体は気にしなくて大丈夫だと思います。

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  5. アカリは私もあまり好ましくない人物として受け取っています。

    バイクはアギトみたいに主人公の私物ではないでしょうか?

    アクションに関しては同意見です。

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    1. アカリはなぜいきなりマイナス要素をぶち込んできたのか不思議です。いきなり人の話を聞かないで自分の趣味を押し付けてきたら第一印象が最悪になって当たり前だと思うのですが。次回の物理関連の新アイコンの前ふりなのでしょうが、それならそれで主人公が宮本武蔵の話をした後に「アカリはまた物理の本を読んでるの?」と話をふるなどやりようがあったと思います。

      バイクは消去法で行くとそうなると思います。主人公の物でないと仙人が用意したか、泥棒したかになってしまいますので。
      問題はどういう過程を経たのか想像しづらいことです。主人公の私物のバイクが置いてある場所を考えると、主人公の家=お寺しか浮かびません。しかしそうなると主人公はお寺のほうまで戻ったのに、アカリたちにまったく話しかけずに直行したことになります。「アカリたちはそのとき行方不明になった主人公を探していた」など理由は考えられますが、主人公の考えがわかりづらいものになってしまいます。
      戦うこと>自分の状況把握やアカリたちと話すこととなり、戦闘狂みたいになってしまいます。主人公の描写がほとんどされていない状況でやるにはかっ飛ばし過ぎに思えます。想像してみても自分も納得しづらい考えしか浮かびません。

      これの何が問題かというと、視聴者が「状況についていけない」状態になることです。
      バイクに乗っているシーンに場面転換した瞬間に「そうか、これは主人公の私物で主人公はバイクを取りにお寺まで戻ったんだ!」と理解できる視聴者がどれだけいるでしょうか。想像し難いものを視聴者の想像に任せるのは作劇として下策です。お寺の前に止まっているバイクに乗るカットを挟むなど考えを誘導するカットが必要です。それを怠ったままあんなぶつ切れな状態にしたことは信じがたいことです。

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  6. まだ1話なので本編描写に何か言うことは控えますが、アカリ、御成、仙人、ユルセンと4人も濃いキャラが主人公の周りにいて、それぞれ大事なキャラクターのようなのでごちゃごちゃしないかが少し心配です。

    ゴーストチェンジは簡単なのかと思っていましたが、アームズチェンジよりもCGが大変そうなので期待しないほうがよさそうですね。あとはそれぞれのフォームに特徴が出るといいですね。
    それとバイクですが、公式サイトにユルセンが呼ぶもしくは自律走行で来るとなっていたので、取りに行かなくてもいいみたいですね。それなら描写しろよって話ですが。

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    1. 個人的には仙人とユルセンが共存していることが意外でした。
      どちらも説明役で役割が被っているように思えます。今後差別化が図られるのか気になります。

      そうですね。思ったよりもパーカーを着るまでの寸劇が凝っていましたね。たぶんそう遠くないうちに、パッと光ってフォームチェンジ終了といういつものパターンになるだろうと思っています。

      バイクは呼べば来るのですか。何で現世の物を持っているのか気になります。初めからずっとバイクが変形した状態なら明らかにこの世のものではないので説明は省いてもいいかもしれませんけど、普通のバイクで登場して変身した途端に形が変わったら混乱します。
      ユルセンが用意したなら「バイク?!どこから出したの?」「気にするな、行け!」など寸劇で終わらせちゃえばいいと思うのですが。いろんな意味でなぜバイク周りを省略したのか理解に苦しみます。

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