誰か殺して! 映画『プロメテウス』:感想

2013年5月13日
名作SF『エイリアン』のルーツを描く。が謳い文句の映画『プロメテウス』を見ました。

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ノオミ・ラパス、マイケル・ファスベンダー 他

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確かに看板に偽り無し。エイリアン1に至る背景が一部明かされています。冒頭と最後の5分だけで…
残りは以下の成分でできています。
 1)楽しい宇宙船旅行&洞窟探検。
 2)自称天才科学者のボンクラーズがZ級映画並のアホ展開でばったばった死んでいく。
 3)エイリアンのルーツってリプリーも含むのかよ!最強女伝説。

いや~素晴らしいSF(Super Fucking)ですね。見ていて退屈しませんでした。予想を裏切る展開とはこういうのを言うんでしょうね。
この映画がどんな映画か一言で言うと>『吹き替えは剛力彩芽。字幕は戸田奈津子。』映画好きならどんな映画か想像がつくでしょう。本編もそれに相応しい内容となっております。

【あらすじ&感想】
楽しい楽しいピクニック
・始まりは宇宙船の船内から。ここのシーンは実にSFで楽しいです。
他のクルーがコールドスリープする中、映画を見たり、バスケットボールをドリブルしながら船内を点検したり、外国語のお勉強までします。宇宙っぽいですねー

・お次は惑星発見→着陸→謎の洞窟探検。ここも素晴らしいです。予算がかかってるだけあって造形がお見事。絵を見てるだけでワクワクします。

ここからが地獄(ここまで20分)
・いつも通りに何か怪しげな物体とか発見します。さぁ、ここからが地獄です。
アホが『こんなとこにいられるか!俺は先に帰るぜ!』とテンプレ乙なことを言ったと思いきや、その死に方が酷い。普通に迷子になって、後から帰ったクルーに置いて行かれる始末。「磁気嵐が起きてるから止むまでそこで待機。」と言われたら、なぜか真っ暗な洞窟をどんどん探検。不安なのになぜじっとしない。

・ついに蛇型フェイスハガーに出会ってしまいビビる二人。一人は予算一兆円のプロジェクトに選抜された天才生物科学者なので、まぁ大丈夫だろうと思ったら超展開。
『蛇かな?美しい。→ちょっかい出して威嚇される(口オープン)→怖がってるのかな?(さらに手を延ばす)→ガブリンチョ!→ギャー取ってくれー!!→絞め殺される&ナイフで切って酸性血液で仲間も死亡。』
・・・未来の生物学者はアホでもなれるようです。

・無事船内に戻った科学者たちも負けてません。なんか不自然な細胞がついてる宇宙人の死体を持って帰る。
『電気与えたら再活性するんじゃない?→頭良いねー!→暴走→電気切れよ!→切れないよ!無理だよ~→電源ぶっこ抜く。』(この間、全員マスクは下げて防護服まで脱いで完全生身。)
・・・衛生関連もバカばっかか。

■女=最強伝説

・ここからはヒロイン無双です。
遺跡で拾った怪しげな液体で人体実験された旦那と前日にやっちゃった奥さん(ヒロイン)が妊娠しちゃいます。
冷凍睡眠から覚めて2日なのに妊娠3ヶ月とか宣告されちゃいます。そう、もうおわかりですね。いつものアレです。
ここからが素晴らしい。科学者らしく明らかにおかしいと思ったヒロインは助けを求める…ことはせずに全力で手術室へダッシュ!局所麻酔撃って、手術台に乗ってお腹ムズムズしながらボタン操作してセルフ手術。途中痛いのでもう一本麻酔追加!なんかイカみたいなの出てきたけど構わずUFOキャッチャーで見事ゲットッ!!暴れるイカエイリアンに怯えながらもへその緒を素手で引きちぎり脱出!こうしてヒロインは危機を脱したのだった。
かっこよすぎだよ、この人。

■続ヒロイン無双
・お腹開いてホッチキスで止めただけのその足で船長室に殴りこむと、そこには死んだはずのスポンサー=大企業のヨボヨボ爺の姿が!実はいっしょにコールドスリープしてて、この星にいる人類の創造主に長生きの秘訣を聞きに来たそうです。というわけで、ついでにお前も来いとスポンサーに言われたので痛いお腹をさすりながら遺跡でコールドスリープ中の巨人に会いに行きます。

・目覚めた巨人は挨拶代わりに首コキャ→進撃の巨人と化します。哀れ、ジジイ死亡。登場してから10分も経ってないよ…
その間に我らがヒロインは…逃げるんだよー!!!とみんなを置いてジョジョばりの全力ダッシュ。見事生還します。こんなバイタリティがあるヒロインならお腹の傷なんてもう塞がってるに違いない。

・宇宙人さんは人間が大嫌いらしく睡眠前から計画してた地球撲滅作戦のために宇宙船で大海原へ!と思ったのにヒロインにチクられて、母船でKAMIKAZE!されちゃいます。
この後は愉快な追いかけっこです。U字型の宇宙船がゴロンゴロンと斜面を転がり、ヒロインと最高責任者のオバさんが逃げます。オバさんは真っ直ぐ走って見事にペッチャンコですが、ヒロインは転びながらも頭脳プレイ!横に転がって難を逃れます。こんな程度の描写で頭が良く見えるのがこの映画の恐ろしさです。

続々ヒロイン無双今殴りに行きます
・無事生き残ったもののクルー全員死亡。宇宙船も破壊。酸素も少ないと絶望的状況です。
とりあえず酸素確保すんべとオバさんが脱出に使った救命ポッドに行くと、なんとあのイカ赤ちゃんが生きてました!しかも元気に育ってます。親がいなくても子は育つんですねー
おまけに巨人さんも生きててなぜかまっしぐらにそっちに向かってるよと、地味に生きてた首だけアンドロイドから通信が入ります。機転を効かせて巨人を罠に嵌めたヒロインは、巨人とイカの濃厚な絡みを尻目にさっさと逃げます。卵産みつけて二体とも動かないシーンが賢者モードみたいで嫌です。

・アンドロイドが『実は宇宙船まだ他にもいっぱいあるし、俺、宇宙船操縦できるからマジ役に立つよ!』と言われたのでアンドロイドを助けに行きます。
『ひゃっほーい!これで地球に帰れる。主人のジジイも死んだし自由だー!』と喜ぶアンドロイドにヒロインは冷淡な事実を突きつけます。
『いや私が行くの地球じゃないから。あいつらの母星に行くから。』
・・・さっき殺されかけたのに、そいつらが何万人といる母星に行くってどういう神経?と一瞬思いましたが、ヒロインのこれまでの行動が脳裏をよぎって思い直します。いいや、ヒロインなら可能ですね。

■本編始まり(残り3分)

・ゲッターばりの壮大な旅に出たヒロインを眺めつつ、舞台は二人の愛の巣へ。
巨人から見慣れた姿のエイリアンが這い出てきて、おぎゃー!と鳴いて終了です。TVのエヴァの最終回の如く脳裏に『おめでとう。おめでとう!』というナレーションが流れましたよ。


いや~どうですこの壮大なストーリー。
どうせ死ぬんだろうなと思う登場人物が全滅するまでに1時間もかかるなんて予想外でしたよ。脚本だけならZ級並です。ストーリーの詳細はwikipediaの項目に怨念を込めて書いてあるのでそちらを御覧ください。間違っても映画を見て確認しようなんて思わないでね。

最後にヒロインから地球に向けたメッセージを引用して締めたいと思います。
『プロメテウスの視聴者からの最後の連絡。他の視聴者は全滅しました。このブログを見ても絶対に映画を見ようと思わないでください。これは死の映画です。私はプロメテウスの生き残り。(この映画の意味を)探し続けます。』
 

コメント

5 件のコメント :

  1. いつも特撮感想を楽しく読ませていただいております。
    宜しければ当方ブログとリンクを戴ければ幸いです。
    さて、この映画ですが、owl0079様に大体言いたい事を言われてしまい、付け加える余地がございませんw
    正直、最後の部分さえあればそれで事が足りてしまうのが何ともいえないですね・・・

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  2. ぴーすけさん、初めまして。
    よく来ていただいていますね。
    お申し出の件については、今のところ特定のサイトへのリンクを貼るつもりはありません。
    せっかくのご提案ですが、お断りさせていただきます。

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  3. >お申し出の件については、今のところ特定のサイトへのリンクを貼るつもりはありません。
    >せっかくのご提案ですが、お断りさせていただきます。
    承知いたしました。
    ちなみに此方のブログからのリンクも不可と言うことで宜しいでしょうか。

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  4. > ちなみに此方のブログからのリンクも不可と言うことで宜しいでしょうか。
    それはご自由にしていただいて構いません。
    リンクを張るのも外すのも、特に連絡は必要ありません。

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  5. ありがとうございます。
    早速のリンクの方させて戴きます。

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