英題で正解 映画『ヘルプ 〜心がつなぐストーリー〜』:感想

2013年5月19日
映画『ヘルプ 〜心がつなぐストーリー〜』を見ました。
ヘルプ~心がつなぐストーリー~ [DVD]
ヘルプ~心がつなぐストーリー~ [DVD]
(2012/09/19)
エマ・ストーン、ヴィオラ・デイヴィス 他

商品詳細を見る


ストーリーはあえて語りません。この映画に興味を持った人なら間違い無く期待通りの内容だと思っていますから。

■英題で正解
・普段は『英題のままのカタカナタイトルなんて手抜きだ!』と言っている私ですが、この映画に関してはこれで正解だったと思っています。日本語訳では言葉の問題から絶対に訳しきれません。

・原題の『the HELP』は主題である家政婦を指す言葉であり、そのまま『助けること』も意味しています。
この言葉が実に意義深い内容になっています。

・自分の子供を養うために他人に預け、一日の大半を裕福な白人の子供を育てるのに一生を費やす黒人家政婦たち。能力は認められているにもかかわらず、黒人差別から蔑まれ役に立つ道具としてしか扱われません。
疑問を感じた白人の主人公は、家政婦達の仲間を助けたいと立ち上がった彼女たちの手助けを受けて、不遇な実情を本にして世間の感心を引いて物語は幕を閉じます。最後は誰もが明るい方向に向き、悪役は報いを受けて、ハッピーエンドと言っていい明るい内容なんですが、そこで再度このタイトルが効いてきます。

・黒人たちの希望となったのですが、あくまで希望でしかありません。虐げられる黒人たちは誰もが皆、彼女たちの勇気を讃えます。だけど誰も救われたとは口に出しません。
依然黒人差別は無くならず、本に関わった黒人家政婦たちは差別主義者に命を狙われ、仕事も失ってしまいます。

・誰かが誰かを助け、助けられた誰かが今度は別の誰かを助ける。そうやって世界はより良い方向に向かっていくのだと希望を持たせる内容でいて、同時にこの先苦難が続くこともはっきりと認識させてくれる。教訓的でありながらも暗くないバランスの取れた素晴らしい映画でした。

コメント

0 件のコメント :

コメントを投稿

 コメントは承認後に表示されます。
*過度に攻撃的な言葉や表現が含まれている場合、承認されない場合がございます。節度と良識を保った発言をお願いいたします。