A級ボンクラ映画 映画『ダークシャドウ』:感想

2013年5月25日
ティム・バートン監督・ジョニーデップ主演の映画『ダークシャドウ』を見ました。




【全然ダークじゃない。だけど・・・】

・ダークシャドウなんて言ってますが全然ダークじゃありませんでした。
アダムスファミリーとか、永久に美しくとか、そういう感じの明るいフリークス映画です。
この辺りはけっこう面白かったです。超人とも異能とも違う普通にしてるだけなのにおかしな行動が愉快です。

・主人公のタイムスリップ設定も笑えます。
吸血鬼なのに信仰心があって、電源が入って急に光ったマクドナルドの看板を見て『メフィストフェレスか?!』と驚いたり、夜間の車のライトを見て『悪魔の目玉か。さあ来い、ルシファー!』と仰々しく構えたり、時代錯誤なギャグもジョニーデップの演技だと様になってて、余計に笑えます。

・定期的にそういうギャグ地味た化け物描写が入るので、誰でも見れて退屈しないデート映画と言えるでしょう。なんですが・・・

【どうしてこうなった?】
・全体的に明るい映画。のはずなんですが根幹部分がやたら暗く、かつ脚本についていけません。
ジョニーデップ演じる主人公は宿敵の魔女のせいで吸血鬼にされ、人を殺さずにはいられない業を無理やり背負わされた悲劇の主人公です。『人を殺す度に、私の魂もまた死んでいるのだ。』と本人も作中で語っています。そして終盤、殺人が暴露されて警察や町の人に追われることとなります。宿敵を倒したものの吸血鬼化の呪いは解けず、大切な家も燃え尽き、全てを失った… 悲劇の主人公とはいえ犯した因果からは逃れられません。

【明るいバッドエンド】
・と思ったら、最後は恋人も吸血鬼になって『永遠にラブラブできるぜ、イェイ!!』で終了。
・・・どうしてこうなるの? このままだと吸血鬼が二人に増えて、おまけに続編用のももう一人いて人類大迷惑なんですけど。

・ラストバトルでいきなり『実は私は狼男だったのよ!』(女だけど)と告白したり、母親の幽霊がバンシーだったり、使用人のおばあさんはボケ婆さんに見えて実は…と思ったらマジでただのおばあさんだったりと、全くついていけません。最初に下僕にした使用人も『私が解放するまで…』なんて伏線張っておいて、下僕のまま放置ですし、何なんでしょう?

【まとめ】
・先の展開とか何も考えず、30分前の展開も忘れて、目の前で起きてることだけ見てれば面白い映画です。
デート用とか、飛行機内で退屈しのぎに見るにはうってつけだと思います。

・まともに見るには展開が大雑把過ぎてきついです。特に吸血鬼って設定がネック。ここで一気に萎えます。この設定だけ除いてタイムスリップと超人設定だけで、話を作ったほうが良かったんじゃないでしょうか?
ティム・バートンのバランスってどうも苦手です。


コメント

0 件のコメント :

コメントを投稿

 コメントは承認後に表示されます。
*過度に攻撃的な言葉や表現が含まれている場合、承認されない場合がございます。節度と良識を保った発言をお願いいたします。