戦隊とは何か。三条さんの回答 キョウリュウジャー 第12話『ブットバッソ! せっしゃとキングどの』感想

2013年5月6日
【ストーリー】
■誰の色にも染まらない
・今回の内容は三条さんの考える『戦隊とは何か』を表していたように思えます。
前半の5人の格闘を交えながらの変身シーン。キングと空蝉丸の和解。6人揃っての変身シーンのサンバと和風エレキごちゃ混ぜの音楽。一貫して、各人の個性をそのまま貫いていました。
融和ではなく、それぞれの個性を保ったまま協力して戦う。戦隊の多くが『一人では力及ばずとも5人の力を合わせれば何倍にもなる。』という乗算のような考え方だったのに対して、『一人でも戦える戦士にコンビネーションが加わる。』足し算に近い考え方に思えます。

・敵幹部も5人で色も対応させてあるのもそういう理由なんでしょうね。個人の力なら敵幹部のほうが優っている。だけど同じ目的のために戦うことはあっても、彼らは力を合わせることはない。
シアンなどかつての戦士がどれだけ強くてもデーボスを倒しきれなかった理由や充電戦隊5人揃うことがトリンの悲願だった理由もそこにあるのだと思います。

・レッド&ゴールドvsタンゴセックの共闘シーンのアクションもそういう意図があったように思えます。
コンビネーションではあるけれど、どちらが決めるという考えはなくその場その場で判断して最善を尽くす。隙があれば相棒に任せず自分も決めに行く。

・各色それぞれに個性があり、色が混じりあうことがない。それは単体で各色に変身できる平成ライダーを担当した三条さんにとってのライダーと戦隊の違いを表現したものだったかもしれません。

【アクション】
■最初から最後までクライマックス!
・冒頭の格闘しながらの変身シーン。ダイゴと空蝉丸の生身剣戟。劇場版クオリティの雑魚戦。熱い合体技。そして感動的するほどかっこいい巨大戦。どこを取っても手に汗握る展開でした。1クールの終わりを締めくくる素晴らしい内容でした。

■カメラワーク>爆発&CG>ワイヤー
・ラストの戦闘はテレビではほとんど使わない劇場版御用達の採石場まで使った通り、かなり予算かかってます。
その予算をワイヤーアクションじゃなく、カメラワークとエフェクトのほうに使ってくれたのが嬉しいですね。
ザクトルスラッシャーの動きに合わせてぐるっとカメラも回る動かし方も痺れましたが、アームドギアでのコンビネーションが圧巻でした。いつもの戦隊と全然違う高低差に視点変更からの遠近感まで使ったあの演出。定番になってほしいくらいかっこよかったです。

・たいてい予算があると、派手な絵を撮る=普段できないワイヤーアクションにしがちですけど、個人的にはワイヤー嫌いです。ワイヤーは特撮だとあまり使えないですけど、ハリウッドの実写映画ではありふれてますからね。
『この番組は何だ?特撮だろうが!!』と言っているようで痺れます。さすがは坂本監督。アメリカまで特撮を伝えに行った実績は伊達じゃないですね。でも生身病はほどほどにお願いします。

■ライデンキョウリュウジン!
・いや~、かっこよすぎでしょう。
個人的にはキョウリュウジンの厚みのある足を最大限に活かしてくれたのが感無量です。
まず地面を踏みしめる重厚感溢れるダッシュからの合体シークエンスが熱い。合体だけでかっこいいなんて思ったことないですもん。
・お次は敵を鉤爪で抑えこみながらの岩盤貫通→唐竹割り!
ヒーローらしい真っ赤な足ダークな黒地の翼との対比がすごく良いです。

・かっこいいので出番が多いほうが嬉しいですけど、一方でクオリティを下げないよう、ここぞ!というとこだけで出してほしいような複雑な心境です。


ひとまず第一部が終わって、次回は息抜き回。
5人のコスプレ、ダイゴは女装?!のっさんの昭和感に、異形の腕がケレン味溢れるプテライデンオー・ウェスタンと見どころたっぷり。かも?

コメント

0 件のコメント :

コメントを投稿

 コメントは承認後に表示されます。
*過度に攻撃的な言葉や表現が含まれている場合、承認されない場合がございます。節度と良識を保った発言をお願いいたします。