『ノーラと刻の工房・霧の森の魔女』:レビュー

2012年1月5日
ノーラと刻の工房・霧の森の魔女』をクリアした。

ノーラと刻の工房 霧の森の魔女ノーラと刻の工房 霧の森の魔女
(2011/07/21)
Nintendo DS

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思いのほかかなり楽しめた。パケ絵の通り、内容や雰囲気はほんわかしてて癒される。だけど中身は絵柄とは裏腹にアトラスらしい骨太RPG。けっこう歯ごたえがあるのでゲーマーでも満足できる。

このゲームの一番良いところはストレスが全くないこと。本当にテンポ良くサクサク進む。
クリアするまで1週あたりが初回でだいたい10時間くらいなんだけど、次から次に依頼や目的が増えてあっという間にそれくらい過ぎてしまう。イベント配分が絶妙で、一段落したから今日はここまでにしようか~と思ったころにまた次のイベントや依頼が起きてその計画を立ててるうちに1,2時間経っている。大きなゴールが時間制限として決まっている分、小さなゴールがたくさん用意されていて飽きないよう工夫されてる。
特に自分で作ったアイテムや室内の模様替えに対して細かくキャラが反応するところはすごく良い。何の気なしに試しに作ってみたら、仲間が興味を持って『俺も欲しい!』ってイベントが起きたりして、もっといろいろやってみようってやる気が湧いてくる。言われたから作るお使いはつまらないけど、こういうやり方だと楽しいね。

他にも随所に飽きない工夫が施されている。
音楽は『ワイルドアームズシリーズ』でお馴染みのなるけみちこさん。いつもながら良い仕事です。私がノーラを買ったのも、たまたまなるけさんが関わってくることを知ったからです。
BGMは種類が豊富でイベントやキャラごとにころころ変わるからいつも新鮮な感じがする。家にこもっていてもランダムで仲間が依頼に来てくれるから開発のために引き篭っていてもBGMに変化がある。

パートボイスだけど種類はかなりある。仲間の組み合わせだけでなく行ったダンジョンや戦闘の状況でも変わるし、買い物中に放置しても品物についてしゃべったりする。全部聞こうと思ったら相当時間がかかるんじゃないかな。個人的には何より主人公のノーラが明るく元気なことが良かったなぁ。出かけるときには『しゅっぱ~つ♪』。行き先間違えて出戻るときでも『再しゅっぱ~つ♪』と、とにかく明るい。基本的な移動や加工はどうしても繰り返しで作業になりがちだけど、声のおかげでだいぶストレスが軽減された。

戦闘は意外にもハードだ。強めの相手に挑むとあっさりやられる。だけどレベルと装備を整えてきっちりやれば難しくない。早解きしようとすると頭を使わないと勝てないが、のんびりやる分には難しくない。システムと噛み合った良いバランスだと思う。

基本的にはアトリエ系で、依頼や自分の目的に応じたアイテムを作るためにダンジョンに採取に行ったり、家で作ったりする。ノーラ独自の要素として、素材の加工や分解の他に”導刻術”で時間を操ることができる。たとえば花の種の時間を早めて咲かせたり、あるいは逆に枯れた花の時間を巻き戻して元気な花に戻したりできる。これがあるから制作に日数がかかるアイテム(肉→干し肉など)を急いで用意してほしいと依頼が入ってもどうにかできちゃう。だけど術に頼ってると時間がかかるので効率が悪い。
庭で栽培したりもできるので放っといてもできるものは自然な時間経過に任せたり、上手くそこをやりくりするのも楽しい。プレイヤースキルが効率に直結するからやりがいを感じる。

欠点がないよくできたゲームです。オリジナリティという点では厳しいところもあるけれど、「ここは楽しいけど、あそこはどうしても嫌だ。」とストレスを感じることがないのでプレイした人の満足度は高いと思います。
強いて欠点を上げるなら、クリア後の引継ぎでインテリアが持ち越せないことと各キャラEDが薄味なことくらいかな。どちらもプレイ中には関係ないことなのがノーラをよく表していると思います。

何週もしてやり込んでも30~40時間くらいと短めなので、時間がたっぷりある人には物足りないかも。逆に私のようにサクッと時間あたりの質が良いゲームをやりたい人にはオススメです。
パケ絵を見て、「楽しそう。」と思った人なら買って間違いことは保証します!

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