『借りぐらしのアリエッティ』:感想

2011年12月31日
『借りぐらしのアリエッティ』を見た。
あんまり面白くなかった。冒頭の冒険部分は楽しかったんだけどそれ以降は「いつ盛り上がるの?」と思ってるうちに終わってしまった。

初めの初”借り”のところはファンタジー感が溢れててワクワクした!
B級映画の基準だったらあれだけ楽しめれば、まぁ良しとするくらいに楽しかった。身近なものも小人目線で見るとこうなるっていうのは親しみがあるものなのに意外性があって面白い。ファンタジックな世界だけど小人たちの行動は現実味があるのが良いね。

初めは良かったんだけどその後はもう…
小人は他にいるのか?とか、引越しってできるもんのなの?とか作中での常識が小出しにされちゃって話にのめり込めなかったのも原因だけど、一番の原因はアリエッティと病弱なおぼっちゃんに感情移入できなかったこと。

というのも、アリエッティとのファーストコンタクトである『怖がらないで。』の言い方がすげえ怖かったからだ。あれは殺人鬼が怯える子どもに『怖がらなくて良いよ。』と言いながら近づいていくときの声色だ。おかげで第一印象が最悪だ。そんな青年に興味を持つアリエッティが「あちゃ~あんなのに騙されちゃって。」と思えて、アリエッティにも感情移入できなくなってしまった。あれがまともな声優使ってたら印象もだいぶ変わったと思うな~

といっても、それだけで全体のパッとしない印象は変えられないと思う。別離で終わるビターなエンドにするなら視聴者がアリエッティか青年に感情移入できる構成にしないといけない。だけど小人という絶滅に瀕した種族の話や青年の病気の設定、それに病的なまでに小人に固執するお手伝いさんと視聴者がついていけない要素が多すぎる。「人間も大変だけど、小人も大変なんだな。」って話ならともかく馴染みのある人間側のほうが内面に問題を抱えすぎている。お父さんは比較的普通でわかりやすかったから、もう少し上手く仲立ちさせたら良くなったかなぁと思う。

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