ガンダムＡＧＥのＵＥの意図不明な行動について考えていたら、ある仮説が浮かんだ。

まずＵＥを知るために行動を振り返ってみよう。
1）コロニーにて大暴れし、フリットの母親及びコロニー住民を殺害。
2）１話冒頭でカーゴシップを破壊。
3)ディーバに肉薄するも無視。
4）ファーデーンでの戦い。
振り返ってみてもとさっぱり意味もつながりもわからない行動だ。
だがある視点から見ると、関連性が見えてくる。

UEのＭＳの行動には目的性があるように見える。
行動の目標は常に軍事施設、そしてガンダムだ。
敵対的行動を取った相手に対しては攻撃するが、無関係な市民や施設を意図的に攻撃することはほとんどなかった。

そして忘れがちだがＡＧＥの世界は比較的平和だ。
コロニー間戦争の後で、軍事力を持つ余裕もなく軍隊も衰退している。
かつての巨大勢力であったザラムとエウバですら、コロニーの中でサバゲー程度の争いをする程度の戦力しか持ってない。

ここでもう一度、上で挙げたＵＥの行動を考えてみよう。
1）フリットの母親のいたコロニーでの虐殺
フリットの母親はＡＧＥデバイスを持っていた。そして中身も知っていた。
このことから兵器開発に深く関わっていたと推測される。
ガンダム及びＡＧＥビルダーの驚異的な性能は視聴者の知っての通りだ。
もしＵＥがいなかったら、何に使われていただろうか？
想像に固くない。

2）カーゴシップ破壊
ガーゴシップとしか語られていない。
ただの貨物船と見せかけて、偽装して秘密裏に何かを運ぶ気だったという可能性もある。

3）ディーバを見逃した
ディーバは軍艦だが避難民を載せていた。しかもコロニーを抜き出す作業中だった。
かつディーバは今のところ軍艦らしい戦闘力を全く発揮していない。
このことから戦力としてみなさなかったから見逃したのだろう。

4）ファーデーンでの戦い
ガンダムに対しては強力なバクトをぶつけたが、ザラムとエウバにはガフランしか出さなかった。
しかも両勢力相手にはどう見ても手を抜いている。
主兵装の尻尾のビームライフルもサーベルもほとんど使わなかった。
つまり脅威にならない相手に対しては戦う意思がないことがわかる。

平和な社会で過剰な武力を持とうとする者に対して攻撃をしかける。
どこかで見た覚えがある。
そう。ガンダムＯＯの主人公の所属する勢力、ソレスタルビーイング（ＣＢ）だ。
UEとＣＢ、実に似ている。

もちろん被害も出ているし、ノーラに至ってはコロニーごと破壊されている。平和的とは言えない。
だがノーラの破壊も１，２話の矛盾した行動から読み解ける。
UEはコロニーの内部構造を熟知し、さらにコロニーに大穴を開けられるミサイルまで持っていた。
ただ破壊することを目的としていたなら初めから使えばガンダムを起動する暇もなくＡＧＥデバイスごとフリットを亡き者にできたはずだ。
初期目標は、コロニーに潜入し軍事施設を破壊。開発中のガンダム及び研究内容を葬ることだったのだろう。
こうなった原因はおそらくＵＥの誤算にある。

誤算だったことは２つあった。
一つは試験段階だったガンダムが実用レベルに達していたこと。
もう一つはディーバが反ＵＥ勢力によって強奪されたことだ。
ガンダムの抵抗がなければ、なんなく軍事施設を制圧し研究成果もろとも破壊できたはずだ。
またディーバがなければ、ＡＧＥビルダーを持ち出すことはできなかった。
ガンダムがいても作中同様コアを残してコロニーを破壊するプランに移れば、人命が優先されＡＧＥビルダーをシャフト内に持ち込む余裕はなかっただろう。
ビルダーのないガンダムならゼダスやバクトなら充分倒せる。

おわかり頂けただろうか？
UEの意図不明な行動には明確な目的意識があった。
これでガンダムが現れるところ、ＵＥが”後から”現れる理由も説明がつく。
UEはファーデーン内でも人通りの少ない町外れやシェルターのある都市部、武装勢力であるザラム邸宅に来るまでフリットを襲わなかったのも被害を最小限にするための配慮に違いない。

最後に一つＯＯとＡＧＥの興味深い共通点についても触れておこう。
OOと言えば『俺がガンダムだ！』と主人公の刹那が言ったことで話題になった。
AGEでは全く注目されていないがフリットもまた『僕のガンダム』ということに強いこだわりを持っている。
この流れを踏まえてのＵＥ＝ＣＥ説を考えると今後の展開が少し楽しみに思えてくる。ような少しはそんな気がしませんか？