『仮面ライダーガッチャード』 第32話「現る大王!人形たちのジレンマ」:感想

2024年4月21日
■方向性がわからない
・前回の予告の時点で「いきなり仮面ライダーレジェンドの敵が出てきたなぁ」と思っていましたが、本編ではもっと唐突で投げやりでした。
レジェンドを見てない人は冒頭からわけがわからないし、見ていた人でもなんでこうなってるのか全然わかりません。

・それでいて話はクロトーと、あとラケシスの話しかほぼしてないのが更に不思議でした。
二人に寄ったせいで、せっかく出てきたラスボス候補の冥黒の王とハンドレッドの幹部?が「出てきただけ*2」な扱いになってしまいました。
冥黒の王なんて初登場なのに「クロトーをパワーアップさせた人」という印象になってしまいました。
クロトーがパワーアップしたからハンドレッドは顔見世だけでしばらくは冥黒の王やクロトーのほうを進めるのかなと思っていたら、やっぱりハンドレッドのほうを先にやるみたいで最後の最後まで理解に苦しむドタバタした展開が続きました。
なんでこんな構成にしたのか全く理解できませんでした。ハンドレッドやレジェンドのほうに焦点を当てたいなら冥黒の王はまだ出さなくていいし、クロトーやラケシスの話も後でやるほうがスムーズだと思います。

■マジで何を言ってるんだ?
・クロトーと宝太郎の会話が本気で意味がわからなかったです。
宝太郎「決着をつけるかはおいておいて、とりあえず出るために協力してくれ!」→「協力したってことは仲間になる気があるってことでいいよな?」
クロトー「誰が協力なんてするか!」→「仕方ない。今だけだぞ」→「馬鹿め!出るために利用しただけだ!(でも別にドライバーを奪おうとはしない)」

・1話の間に言ってることがひっくり返っていてびっくりしました。
宝太郎はクロトーの考えは否定しないから休戦しようと提案しておいて、終わったら自分に都合の良い考えを押し付けていましたし、クロトーは休戦に賛成しただけで特に考えは変わってないはずなのに最後には罵倒し出して意味がわかりませんでした。
話の大筋とも大して関係ないし、マジで何だったんでしょう…? クロトーのほうは「自分の変化を認めたくないがゆえの虚勢」とかのつもりだったのでしょうか?

■宝太郎
・お説教で見せ場があったはずなのにサイコパスっぷりが一層際立っていてドン引きしました。
ホムンクルスであるクロトーにも救いの手を差し伸ばすが、全く興味がない人間の犯罪者相手だと助けようとは欠片も思わないし先輩たちの捕縛を手伝おうとも考えずに満面の笑みでケミーを眺めてる姿は相変わらずヤバいと思いました。
主人公でなかったら終盤になって倒したラスボスの力を吸収して「俺は人間を滅ぼしてケミーの世界を創り出す!」とか言い出しても違和感がなさそうな人物です。

・それでいて今回もホッパー1は欠片も出さないところが実に歪だと思いました。
迷宮に閉じ込められたとかホッパー1と会話する絶好の機会じゃないですか。上手く使えばホッパー1と仲良くしてる姿をクロトーが気を許すきっかけにつなげたりもできたでしょう。
ホッパー1は内田さんが望んで生まれた存在ではないんでしょうけど、事情はどうあれホッパー1というキャラクターが生まれてしまった以上は少しでも有効活用することを考えてほしいです。

■坂本浩一監督
・坂本監督だったのでアクションはいつもより良かったです。
ドレッド弐式は素手のほうがかっこいいですね。尖った爪や肩が肉弾戦では強そうでした。ただ、やっぱり棍棒はかっこよく見せるのは難しいですね。どうあがいても振り回すだけなのでかっこいいとは素直に思えませんでした。「がんばってるな」と思うのが精一杯でした。
UFOXもやっぱり無理でした。動けないのでどうにもなりません。想像はしてましたけど初登場回と大差ない動けなさでした。

■配信の仮面ライダーレジェンドについて
・配信当初に視聴していたのですが、2話しかない上に内容も全然終わった感じがしなかったのでこれまで書かなかったのですが一向に続きが出ないまま本編に出ることになったので配信の感想も軽く書いておきます。
といっても特に印象はありません。別企画かと思うほどガッチャードとは関係ない世界観とキャラクターで、スピンオフというより「『レジェンド』という全く関係ない番組とのコラボ企画」のような印象でした。
しかも2話しかないので「これで玩具を売れるつもりなのか…?」という感想が一番強かったです。


次回はハンドレッドの幹部が暴れ、仮面ライダーレジェンドも本編に登場するようです。
「本編とは関係ない番外編です」と露骨に出してる感じがするので私から言うことが特に無いです。「こんなことやらされて大変だね」と言うほどガッチャード本編スタッフに好意的な印象も持ってないので「これで販促になると思ってるのか…」と今更な疑問を感じるばかりです。





コメント

2 件のコメント :

  1. 更新お疲れ様です。
    この分だと、レジェンド関連の話を含めてあと二回は坂本監督が撮りそうな感じがしますね。
    クロトーの着地点としては、戦いに意味や使命を持つのではなく、戦うことそのものに意味を見出だすという、戦闘狂のキャラとしては無難なおとしどころかなと思いました。
    ただもう少し捻りが欲しかった気もします。主さんはどう思いますか?

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    1. 匿名さん、こんにちは。

      >この分だと、レジェンド関連の話を含めてあと二回は坂本監督が撮りそうな感じがしますね。

      あと何話レジェンド編が続いて、坂本監督が何話撮るのかは知りませんが、少なくとも次回は今回と同じ座組のようですね。

      >クロトーの着地点としては、戦いに意味や使命を持つのではなく、戦うことそのものに意味を見出だすという、戦闘狂のキャラとしては無難なおとしどころかなと思いました。

      真面目に返答するなら「少し前進したがまだ逃避の真っ只中」という印象です。
      「戦うために自分は創られた→戦力外通告された自分に何の価値があるのか…→他人の決めた戦いじゃなくて自分で選んで戦うぞ!」
      という流れだと解釈していますが、今回の結論の時点では結局「戦わないと価値が無い」という最初に決められた枠組みからは抜け出せていないと思います。
      戦うことを選ぶにしても健全な形の思考としては「自由を得るために戦う」という風に目的は別にあって戦いを手段として用いるか、あるいは「(求道者など)戦いそのものに意義を見出すか」といった形になるのが望ましいと私は考えます。もちろん戦わない道もOKです。
      まだ「クロトーはこれでいい」と肯定できる段階にはなれていないと思っています。

      いろいろ言った割には結局、冥黒の王の与えた力に取り憑かれてしまったのでたぶん今回の結論の先の話はあるのだろうと思っています。

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