『仮面ライダーガッチャード』 第2話「追跡、錬金、スケボーズ!」:感想

2023年9月10日
■説明されてるのに何もわからない
・予想どおりに1話に引き続き錬金術やケミーの説明だらけでした。基本的に退屈でした。
錬金術は説明されても結局何がどうなってるのかわからないのが困ります。現時点での印象だと、錬金術がどうとかじゃなくて”指輪の力”に見えてしまいます。「指輪無しでも物を動かしたりすることはできる。指輪は増幅装置で戦闘に使う」みたいな描写にしたほうが飲み込みやすかったと思います。
わかりにくいし雑な感じがして「『指輪を着ければ君も錬金術師だ!』みたいな感じで子供に売りたいんです」っていう営業からの提案をそのままはめ込んじゃったんじゃないと思うほど面白みを感じません。ちゃんと設定に落とし込めているんでしょうか?

・入学試験は意味がわかりませんでした。
何が模範解答だったのか終わった後ですらわかりませんでした。私には錬金術師以外には解かせる気のない理不尽な問題にしか見えませんでした。
主人公の回答も仕組みがわからないので反発も納得もしようがありませんでした。ケミーがどういう存在かわかってないので「そんな手が?!」みたいな驚きすらありませんでした。
たとえば「ケミーと意思疎通などできるわけがない」みたいな理解が錬金術師の大前提なら主人公の破天荒さが伝わってくるし、重さの変化が可能だったこと自体があの世界基準でも未知の事例だったと飲み込めるんですけどね。
実際には先生が「あいつケミーと話せるみたいだな~」なんて呑気に話しているので特別性が全く伝わってきません。錬金術師的には「試験官と話して問題を変えてもらうなんてズルに決まってるだろ!」みたいな論外の話なのかすらわかりません。

・前回暴れまわっていたケミーたちがもう既に捕まりまくっていることといい、この世界の大前提が全然わからないんですよね。現状の大きな問題はここだと思います。
これだけ説明だらけにしてるのに何も伝わってこないと徒労感が強いです。面白くならないどころか最初からマイナスに突き進んでいるように感じています。

■ケミー
・「ケミーを人の悪意に触れさせてはならない」なのにバイクとして普段使いしてるってどういうことなのかと首を傾げっぱなしでした。
あの先生もケミー融和派でガッチャードに肩入れしてるのかと考えようにも試験が理不尽で錬金術師にさせる気が感じられない点がノイズになります。

・そもそも離れていてもあんあ簡単に悪意に触れてしまうなら共存は無理だと思います
。普通の気温で暴発する銃や爆薬みたいなものでしょう。そんなものを必要がないなら保管庫から出さないのは当然です。
そんなケミーが自由に暮らせる世界なんて人類規模での感情の抑制でもしないと無理だと思います。主人公はディストピアでも作るつもりなんでしょうか?

■年表
120年前:人とケミーによる多重錬成(=仮面ライダー?)が行われた
100年くらい前(絵本):暁の錬金術師が悪魔を撃退した。
10年前:ヒロインの父=1話のおじさんが保管されていた101体のケミーを奪って逃げた。

・1話の段階だと冒頭のオジサンと3人組の戦闘が120年前の出来事で、ウロボロス界では時間の流れが止まっているとかあるのかなと思っていましたが全然関係なかったようです。
今のところ情報がないから物事のつながりが全く理解できません。現代で手一杯の現時点で過去の話を進めること自体も不可解です。

■別人のよう
・前回でも場面ごとの主人公の言動の違いの違和感が強かったのですが2話はもっと酷かったです。
初対面のスケボーに異様な思い込みを見せるシーンには戸惑いました。「このケミーは走りたがってるだけなんだ!」って今見たばかりでどうしてわかったのでしょう??? 悪意に取り憑かれているケミーが話せるとは思えませんし… スタッフはオカルト学生がスケボーを目撃した現場に主人公もいたと勘違いしてないか?と不安になるような豹変でした。

・ワクワクとケミーがいつの間にかイコールになってることにも違和感を感じました。
何やるのかわかってないのにあの教室にワクワクできるなら普通の化学の実験室とかでもワクワクできると思います。セットが想定よりしょぼいのかもしれませんが主人公の基準のわからなさが強まります。

・ヒロインへの態度も1話とも別人のようでした。
1話ではくだらない嫌がらせに結構にキレてたのに、今回は「違う考えでも別にいんじゃね?」とヒロインに対して妙に冷めていて妙に歩み寄ってる態度になっていました。
見れば見るほど主人公の性格がよくわからなくなっていきます。何をどう考えてる人なのでしょう?

■アクション
・オドリマンティスはいきなりフォームチェンジかと思ったらしょぼいCGのみでがっかりしました。あれで売る気なんですか…

・バイクもいまいちでした。
工夫がないわけじゃないんですけど面白くなかったです。クレーンを飛び越えたのが凄さアピールだったんでしょうけどあまり凄いと思えませんでした。クレーンなんて突き破るとか「バイクの分解→再生成を一瞬で行って下をくぐり抜ける」とか他の演出はあったと思います。錬金術でこれというのは個人的にはイメージが合いません。

・ヒロインの錬金術バトルは演出が機能していませんでした。
後付けでCGを足すから撮影監督は何がどうなるのかまるでわかってないんでしょうね。登場人物が誰も彼も棒立ちで「とりあえず邪魔にならないようにしておこう!」と必死でした。おかげで映像としては死んでいました。
主人公が敵の攻撃からヒロインを庇うシーンでも攻撃と演技が全然合ってないせいで危機感も主人公の的確さも何も感じられませんでした。

■怪人のデザイン
・幹部以外の人間も変身するんですね。
デザインは頭と腕と背中の一部以外は共通で前作同様に省エネデザインのようです。新造部分の面積が減り、首から下の縦縞白セーターが目立つせいで個人的にはより一層しょぼくなった印象です。


次回は2号ライダーが登場するみたいです。主人公の人柄も把握できないうちに面倒くさそうなやつが増えるのは不安です。
2号ライダーに描写を割いて主人公が空気になるか、主人公に時間を割いて2号ライダーがよくわからんがウザいやつになるか、どっちも嫌なんですが。





コメント

8 件のコメント :

  1. こんにちは。たった2話にしてガッチャードは危険水域に達してしまった感がありますね…長谷川さん立ち直ってくださいよ。

    令和作品の2号ライダーはどう描いたとしても、自分勝手な闇堕ちしか待ってないので物語上での存在すら危ぶまれます。

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    1. 匿名さん、こんにちは。
      序盤が下手くそなだけだと良いですね…

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  2. 投稿お疲れ様です。本当に前回同様、終始ついていけなかったです。

    ケミーを人の悪意に触れさせてはいけないとありますが、あの距離で触れたことになるならいずれマルガムが大量発生してライダーが何人いても足りなくなる事態になりそうですね。どうするつもりなんでしょうか。

    バッタモードはああやって使うんですね。必殺技も相変わらずゴタゴタしてて意味がわからなかったです。果たして今後は使い所があるんでしょうか。

    先生から出された課題もただただ理不尽に感じました。ライダーとしての資質を見たかったとかそういう風に受け取ってほしかったのかもしれませんが正直理不尽にしか見えません。

    あと一番不可解だったのはケミーによって重さに差があるそうでしたが、公園でのシーンで宝太郎は普通にもってましたよね。公園のブランコに乗せて痩せるようお願いしてるシーンでもあれだけ重いならチェーンが引っ張られたりしていても、おかしくないんじゃないでしょうか。

    前回は酷かったですが今回はもっと酷かったです。こんな状態で面倒臭い2号ライダーを追加したらもっと酷いことになりそうですね。今の所ライダーのデザインしか褒められるところがないのが難点です。

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    1. 匿名さん、こんにちは。

      >ケミーを人の悪意に触れさせてはいけないとありますが、あの距離で触れたことになるならいずれマルガムが大量発生してライダーが何人いても足りなくなる事態になりそうですね。どうするつもりなんでしょうか。

      何かあっても人の記憶は消せばいいので大丈夫です(最悪)。
      早く封印しないと!、と言いたいところなんですけど見えないところで封印が進んでるので全然事態がわかりません。
      「101体のうち90体は捕まえたが、残り11体は現代社会に適応した厄介なケミー/怪人になってしまった(実質的な幹部や怪人枠)」みたいなので2クール目にしたりするんですかね?

      >バッタモードはああやって使うんですね。必殺技も相変わらずゴタゴタしてて意味がわからなかったです。果たして今後は使い所があるんでしょうか。

      「相手との距離を詰めるため」って感じなんですかね? 距離が近くてそこまでやる意義を感じませんでしたが。

      >公園のブランコに乗せて痩せるようお願いしてるシーンでもあれだけ重いならチェーンが引っ張られたりしていても、おかしくないんじゃないでしょうか。

      重いはずなんですけどね…
      頑張れば痩せられるそうですし、主人公が重い重い言うからケミーが気を使って軽くしてあげてたんですかね。

      >こんな状態で面倒臭い2号ライダーを追加したらもっと酷いことになりそうですね。

      話もキャラも全然進んでない状態で面倒くさそうな2号が追加っていうのが不安ですよね。次回は「上が認めても俺は認めない!」みたいな不毛なやり取りをうだうだやってるだけで3分の1が終わりそうです。

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  3. こんにちは。こちらのサイトは以前から拝見させていただいてましたが、今回初めてコメントさせていただきます。

    ブログ主様も他の方も同じようなことを言っておりますが、こんな簡単に悪意に触れるなら共存なんて難しいですよね…現状主人公がただの考えなしのキャラのように見えてしまってどうしても微妙に映ってしまいます。
    あと題材である錬金術も現状は指輪の力の印象が強すぎて「それウィザード(の魔法)とどう違うの?」という感情が…(現在Youtubeでウィザードが配信中な事もありますが)。今のところ錬金術とは名ばかりで魔法と大差なく感じてしまうので何かしら「これなら確かに錬金術っぽいな」という演出、展開を見せてほしいものです。

    ただ、ガッチャードは去年のギーツ、一昨年のリバイスと比べるとOP曲が好みだったのでまだ見る気になれるかなあ…と感じました。あくまでも好みの問題になりますが、ギーツ、リバイスみたいな暗めで落ち着いた雰囲気の曲調はあまりニチアサでは好みではなかったので…。
    ブログ主様はブログ内でOP曲に言及することが全くといって言いほどないように感じましたが、ライダー、戦隊のOP曲についてはどうお考えになっていらっしゃるのでしょうか(望ましいと感じている曲調や好みのOP曲はございますか)。

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    1. 匿名さん、はじめまして。

      >現状主人公がただの考えなしのキャラのように見えてしまってどうしても微妙に映ってしまいます。

      東映公式にも「幼稚で無垢でポエムな夢」と書かれていたのでアホ扱いみたいで合ってるみたいなんですけど、そんなアホを見せられたこっちはどうすればいいのかわかりませんね。「世界の命運はこの少年に託された!」って状況のはずなのにそいつが公式アホって…
      おまけにケミーが暴走した場合の危険性は前回の解き放たれたシーンでも実証済みですし。悪い要素ばかりが実証済みで希望が持てる要素が全然見当たりません。

      >今のところ錬金術とは名ばかりで魔法と大差なく感じてしまうので何かしら「これなら確かに錬金術っぽいな」という演出、展開を見せてほしいものです。

      なんかあると良いんですけど無いだろうなぁと私は希望を捨てています。
      ガッチャードに限らず「錬金術」というネタ自体がそういうものだと思っているからです。「魔法を出したいけどファンタジーにはしたくない」というときに安易に使われるネタという印象です。あとは人工生命体(ホムンクルス)を出したいときですかね。もう錬金術っていうチョイスから期待する気になれません。

      >ブログ主様はブログ内でOP曲に言及することが全くといって言いほどないように感じましたが、ライダー、戦隊のOP曲についてはどうお考えになっていらっしゃるのでしょうか(望ましいと感じている曲調や好みのOP曲はございますか)。

      基本的に書きませんね。音楽にはあんまり関心がなく造詣も無いというのと、基本タイアップでクオリティに期待する気になれないことが書かない主な理由です。
      昔はテーマの歌詞への落とし込み方とかストーリー面で考えることがありましたが、最近はもうテーマ自体が虚無でグダグダなので落とし込むというか歌詞担当だけ深く考えすぎて「そんな話じゃないよね」って思うような”妄想””みたいに聞こえますし…

      ガッチャードに関しては少年漫画のアニメ化板のOPみたいで爽やかだと思いました。最近の誰得オサレ路線よりかはずっと健全だと思います。

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    2. 質問に答えてくださりありがとうございます。書いていない理由を知れて良かったです。

      >最近の誰得オサレ路線よりかはずっと健全だと思います
      誰得オサレ路線…まさに自分が感じていたことだったので非常に共感しました(笑) 朝に流す番組のOPとしてはギーツ、リバイスみたいな雰囲気の曲はどうしても違和感があるんですよね…その点セイバーはOP"は"ガッチャードの様に爽やかで好みでした(あちらはあちらで戦闘中に流されても盛り上がれないという欠点がありますが…)。

      また、これは質問の内容とは離れてしまいますが、返信で書いてくださった文章内に「悪い要素ばかりが実証済みで希望が持てる要素が全然見当たりません」「もう錬金術っていうチョイスから期待する気になれません」「最近はもうテーマ自体が虚無でグダグダ」と今後の期待が早くも最低レベルな事を表す表現が多くて思わず笑ってしまいました。
      まあかく言う私も「これ本当にやっていけるのか…?」と不安になっていますが…。ここ最近のライダーは「最近微妙なの続いてるし今年こそは面白いの出してくれー」と毎年思ってますが、毎年のように微妙なものを出されてるので私も期待しすぎない方が良いのかもしれませんね…。

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    3. 錬金術自体への期待の無さはガッチャードに限らないのですが、そんなネタを安易に使った上に1,2話が錬金術の説明ばかりで取り扱い方も何も面白くなく、錬金術以外の要素は全然見当たらない状況だとガッチャード自体に期待を持つ気が起きません。早く何か面白みがあるものを出してくれるといいのですが。

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