『仮面ライダーガッチャード』 第1話「ガッチャ!ホッパー1!」:感想

2023年9月3日
■主人公を好きになれなかった
・個人的にはいまいちなスタートでした。
全体としては説明的で退屈でした。ドライバーとそれを狙う敵の説明、主人公の説明、ヒロインの説明、ケミーの説明、ライダーの説明に最後は先生の説明と1話で全話分の説明したのかい?と言いたくなるくらいに説明だらけでした。
おかげで萎え萎えで主人公のテンションについていけませんでした。思わずワクワクできる1話には全然なってなかったと思います。タイトルは主人公がホッパーを捕まえそうな感じですけど実際は向こうが勝手に認めてくれて移動から何から全部お膳立てしてくれてしまいました。
「なんか知らんがいろいろ出てきた!」と主人公の目線と合わせられるくらいに説明を抑えて、退屈な説明は次回以降に持っていったほうがスマートだったんじゃないかと思いました。

・個人的には主人公がスベってる感じに見えたのが辛かったです。
好きになれないどころか、現状の登場人物の中で一番好感度が低いくらいでした。印象が特に良くない敵やヒロインよりも低いです。
主体的に動いている割には価値観が伝わってこないところが特にきつかったです。登場してすぐに「何かワクワクすることがやりたいんだよ!」とアピールしてた割にはその後は授業のサボりや馬鹿にしたヒロインに文句を言いに行くなど小市民的な行動が続いて破天荒さがまるで感じられません。ケミーが出現した後も戦おうとするヒロインを止めて「いや危ないでしょ」とか常識的なことを言い始めてがっかりしました。
そこは「今の何?!」と危険な状況なのにワクワクしたりしてほしかったですし、学校の授業は退屈なんてありきたりな反応じゃなく授業でも積極的に質問したりすればどんなことにもアクティブで本当に心の底からワクワクするものを追い求めているんだと伝わってきたと思います。
あるいはヒロインやホッパーの保護にもっと熱心にして「他人の安全>>自分のワクワク」という基準を強調すれば「ワクワクを追求する主人公がなんで他人のために戦うの?」という矛盾を含んだ行動理由を説明しつつ、ヒーローらしさを出せたんじゃないかと思います。
個人的には最初にドライバーを持って逃げてたオジサンが主役のほうが良かったなと思うくらいに魅力を感じてません。ライダーは主人公を好きなれないと辛いので不安です。

■シリーズ構成:長谷川圭一
・シリーズ構成はWやドライブなどに参加していた長谷川圭一さんです。
個人的な印象は「露悪的」で「シリーズ構成に作風を合わせない」人という印象です。シリーズ構成なら自分のこだわりを活かせるでしょうが、露悪性はどうでしょう? 最近のライダーは事なかれ主義的傾向のほうが強い気がするので中途半端な内容にならないか心配です。

・1話と2話の脚本にはなぜか内田裕基さんが連名でクレジットされているようです。
1話からシリーズ構成が書かないってのは異常です。最近じゃ5話くらいまではシリーズ構成が書くことが多いのですが。
作風が長谷川圭一さんっぽくないこともあって、途中から内田裕基さん単独脚本になったりしないだろうな?と疑念を抱きました。


【デザイン】

■仮面ライダーガッチャード・スチームホッパー
・デザインはなかなかかっこいいですね。メタル系で尖っていて色も鮮やかなメタリックブルーで見るからにかっこいいです。
伝統的なツインアイをゴーグル風に落とし込んであるところは特に良いと思いました。

・モチーフは弱いように感じました。ゴーグルやアーマー風のデザインのほうが目立っていて、バッタや蒸気機関車っぽさは特に感じません。
胸の石炭炉っぽいデザインが蒸気機関車なのでしょうけど、実装としてはプリントTシャツみたいなのっぺりしたデザインがダサく見えました。

・バッタモードは存在意義がよくわかりませんでした。
かっこよくもないし、変形と言えるほど原型留めているように見えませんし、浮いているように見えました。
映像面でも活かせておらず、もう出てこなくていいかなという印象です。

■ケミー
・ケミーにマスコットもやらせたいんでしょうかね? 私はきついと思います。
私にはデカいバッタや街中を走る暴走列車を可愛いと思える胆力はありません。冒頭で戦闘用として使っていたこともあって危機感のほうが強いです。
CGはまぁしょぼかったですね。あんま出番ないんだろうなと思う端役はアクリル板を動かしてるようなしょぼさで見てて無言になりました。
まぁどうせ1クール終わる頃には無くなる要素でしょうし気にする価値もないでしょう。

■敵幹部
・モチーフはエジプト風でしたが名前はギリシャの運命の三女神のようですね。「様々な神話の元となった死や運命を司る存在」みたいな設定なんですかね?
3人全員女性とか幹部がケミーを吸収して怪人ポジションになるとか、今のところガッチャードの中では一番独自色を感じています。

■アクション
・格闘戦は良かったです。ただ立ってるシーンでも足さばきを見せて画面を持たせたり細かい小技も効いていて退屈しませんでした。
ヒロインの錬金術もサポートには使えそうで上手く使えればバトルのアクセントに活かせそうでした。

・キックはプロセスがごちゃごちゃしていて良くなかったです。
バッタモードになったかと思えばまた人型になり、脚部にアーマーを集中させるとかギミックがあるのかと思ったら何もなく普通にアーマーを着け直して何がなんだか全然わかりませんでした。

・あとドローンだかGoproだか知りませんが画質が下がるところは良くなかったです。録画に失敗したかと思いましたが配信で確認しても同じでした。


次回は先生に錬金術に説明を受けたり試験を受けさせられたりするみたいです。また説明多めの展開が続きそうですね…


コメント

8 件のコメント :

  1. こんにちは。ギーツで下がるとこまで下がったと思ったら、まだ下があった。そんなガッチャード1話でした。

    特撮番組の初回は説明混じりになってしまうのは仕方のないことです。(説明は二の次にして、世界観全押しするドンブラみたいな例外はあるけど)

    取り敢えず1年間宜しくお願いします。
    あと行動制限も撤廃されたので、首都圏を越えた、いろんな場所で撮影してほしいです。

    返信削除
    返信
    1. 匿名さん、こんにちは。

      >特撮番組の初回は説明混じりになってしまうのは仕方のないことです。(説明は二の次にして、世界観全押しするドンブラみたいな例外はあるけど)

      私は退屈にしてまでやることではないと思っています。
      「謎の世界に飛ばされて謎な怪物と戦うことに!いったいここは何なんだ?!」なんてファンタジーでは珍しくないでしょう。
      説明することで理解が深まり面白くなるのでなければ、説明は後回しにして1話は「この作品はこういうところが面白いんです!」とアピールするほうが健全だと思います。

      削除
  2. 自分も主人公は好きになれませんでしたね…。
    他人にぶつかっても謝らない上にいった…(不機嫌)がちょっとうわぁ…ってなっちゃいました
    更には自分の至らなさが原因で恥を掻いて皮肉を言われてそれに対して一言文句言ってやらないと!はちょっとうん?といった感じです。年相応といえば年相応なのかもしれませんが…。

    返信削除
    返信
    1. おかしいとか問題だとは思いませんけど、普通に印象が悪いです。それを乗り越えるだけの魅力も伝わってこないので「変なやつだけど面白い」とも思えないところが辛いです。

      削除
  3. お疲れ様です。ガッチャ―ド始まりましたね。

    私も今回は説明過多で、ついていけない部分がありました。主人公も葛藤なく、どんどん受け入れていくので、感情移入なんて出来ませんでした。

    ケミーに関する記憶やデータ、彼らが起こした損害を消すことは出来るようですが、ポケモンみたいに野放しでいいのかな?と引っかかりました。
    マスコットというよりも、ブレイドのアンデットのような、自身の力にもなる、早く封印しなければならない存在の方がしっくりきます。
    慣れない場所に来てパニックになっただけで、本当は悪い子じゃない、って話にしたいのでしょうか。

    >キックはプロセスがごちゃごちゃしていて良くなかったです。
    本当にあれは何がしたかったんでしょうね。初期各フォーム、必殺技毎にあの演出をするのでしょうね。

    >シリーズ構成:長谷川圭一
    長谷川さんは、「仮面ライダー」よりも「ウルトラマン」のイメージがあります。「ウルトラマン」の方では、いくつも面白いお話や映画を、書いてらっしゃいますし。owlさんは、三条ファンで井上アンチということは知っているのですが、長谷川さんの作風についてもう少し、感想を伺ってもよろしいでしょうか。彼が関わった好きな作品、嫌いな作品を挙げてもらえると、嬉しいです。

    返信削除
    返信
    1. 匿名さん、こんにちは。

      >ケミーに関する記憶やデータ、彼らが起こした損害を消すことは出来るようですが、ポケモンみたいに野放しでいいのかな?と引っかかりました。

      まだ何もしてないので放置するのかどうかもわからないと思います。
      人が散らばると面倒なのでまず記憶を消すことを優先してるだけだったり、記憶を消す担当とケミー対策担当が別なのかもしれませんし。
      あるいは錬金術師は人間とは別物だと自分たちのことを認識していて、人間の被害を重要視していないのかもしれません。事実が何もわからないので何とも言えません。
      ケミーは危険だと思いますが「人間の悪意が悪いだけだからケミーは悪くない」理論で押し切るつもりなんですかねぇ。私は無理があると思います。

      >長谷川さんの作風についてもう少し、感想を伺ってもよろしいでしょうか。彼が関わった好きな作品、嫌いな作品を挙げてもらえると、嬉しいです。

      シリーズ構成を担当した作品を一つも見たことがないようなので好きも嫌いもありません。ローテ参加した作品もライダーとビッグオーくらいしか見ていません。
      記事に書いたように露悪的趣味が強いことと作風に合わせる気がない人という以上の印象は特にありません。

      削除
  4. 公式サイトにマスコット・指輪・呪文・コスプレ・敵女が出てくるから女の子にウケるはずだ!という旨のことが書いてあって気持ち悪かったです

    返信削除
    返信
    1. 「せっかくあるなら活かす」と言うならこれまでのような女性ライダーだけ強化フォームが無いだのプレバンやVシネのみだのといった腰の引けた姿勢は止めてほしいのですがまぁダメでしょうね。東映公式の文章担当者に真面目に期待する気がしません。

      削除

 コメントは承認後に表示されます。
*過度に攻撃的な言葉や表現が含まれている場合、承認されない場合がございます。節度と良識を保った発言をお願いいたします。