『仮面ライダーゼロワン』 第07話「ワタシは熱血ヒューマギア先生! 」:感想

2019年10月13日

■話が雑
・人間の先生にはやる気がなく、ヒューマギアの先生は時間を守らないと双方にベクトルの違う問題があってどちらにも味方する気になれませんでした。自分のリセットを妨害する機械も怖くて使えません。
たとえば「やる気のない人間の先生が熱心に生徒を指導するヒューマギア教師の邪魔をする。人間よりもヒューマギアのほうが優れているのではないか?」なんて提起する話にもできたんじゃないかと思います。

・突然シンギュラリティについて説明し始める迅は笑うしかありませんでした。
ストーリーにおいて或人たちがシンギュラリティを知ることはかなり重要な出来事だと思っていたのであっさり済まされて愕然としました。今後或人たちが悩んだりすればするほど「でも知ったきっかけは迅の謎説明」というギャップに視聴者は苦しむことになるでしょう。
今回だけなら今回のスタッフがアホで済ませられなくもありませんでしたが、「まさか?!」と走馬灯で提示されたヒューマギアの大半が或人たちと面識がない点はどうしようもありません。大半をモブとして扱ってきたツケを早速支払うことになりました。

■価値観が合わない
・「ヒューマギアなのに熱血教師!(機械が冷酷なのは当たり前)」とか「時間に正確なはずなのに(機械は杓子定規に時間を厳守するもの)」など、価値観の押し付けが強くて閉口しました。
こういう暗黙の了解は上手く使えば説明の省略や視聴者からの共感につなげられるのですが、価値観が合わない場合には世界観やメインキャラに対する反感につながってしまいます。

・敵の倒し方まで価値観が合わないといけないのは特に良くないと思います。
「マンモスは火には強いけど冷気には弱い」と言われても私は納得しがたいです。むしろ耐熱性と耐寒性は逆じゃないかと思います。恐らく「マンモスは氷河期に絶滅したんだから寒さには弱いのは当然!」みたいな発想なのだと思いますが共感できません。

・個人的には「被造物は造物主に従え」という価値観が嫌いなので主人公にすら嫌悪感を抱いてしまう点が一番厳しいです。
或人の考えって「ヒューマギアは”人類”の夢」とか「人間をサポートするのがヒューマギアの役目」とか全部人間中心の発想なんですよね。ヒューマギアが自我を持ち始めている状況でこの発言をするとこの先「ヒューマギアに自我なんて要らない」とかそういう排他的な方向に行くように見えます。
「実は或人もヒューマギアで今までの言動は全てプログラムに則ったもの。だけど次第に或人も自我に目覚めて言動が変わっていく」なんて展開があるのでなければ最後まで或人の思想は受け入れられそうもありません。

■暴走しても壊す必要ないかも
・一度滅亡迅雷ネットにつないだら壊すしかないという話でしたが、今回唯阿が暗殺ヒューマギアを正常化しているような描写がありました。
あれが正常化できているのだとしたらイズたちが言っていることが間違いであることになります。信頼とか常識とかいろいろ崩れ去るのですがどういう話なのでしょうか?

■どういう仕組み?
・謎と言えば、唯阿から渡されたキーでもゼロワンが変身できたことが不思議でした。
ゼロワンの変身方式は衛星からパーツを投下して装着する方式ですから用意していないものは使えないと思います。3Dプリンター機能でどうにかする線は考えにくいと思います。キーの作成ですらある程度の時間を要していましたから、常識的に考えるとキーより遥かに大きい装備の製作にはより時間がかかるはずです。エイムズの持っているキーの開発にもゼアが関わっていたり、以前に開発されたものを奪って使っている設定なのでしょうか。

■フリージングベアー
・クリアパーツが面白いですね。
個人的には全体の外見はだいぶ違うのに印象としては基本フォームと大差ないように感じました。目と角が原型に近く、全体のシルエットも差がないせいでしょうかね。



次回は滅もライダーとして参戦するようです。
玩具のペースから考えるとそりゃそうだなという感じですが、ストーリー的には迅が登場したばかりなのに出してどうするんだよと思います。



コメント

4 件のコメント :

  1. 更新お疲れ様です

    子供たちのやる気が熱血教師にさせた、という話をやりたいのはわかるんですが、「熱血」の方向性がおかしいと思いました。
    時間を守らなかったり、使用禁止の体育館に勝手に入ったりは「熱血」とは言わないと思います。特に体育館の件は学校側の都合で禁止なわけではなく、テロがあったから安全のためというまともな理由なのに、部員たちを危険に晒すのが「データに基づいた論理的な判断」とは到底思えません。
    「機械は時間に正確で無感情」というステレオタイプの押し付けも酷いですよね。これまでのエピソードも一昔前のロボットものという感じで捻りがなくて、未来の技術を扱ってるワクワク感が皆無です。

    商品として提供している以上、ON/OFFやリセットの権限は使用者にあるべきですが、そうして人間のコントロール下であり続けるなら道具でしかありませんよね。
    リセットの拒否は使用者からすれば脅威ですし、自我を持ったヒューマギアからしたら記憶や経験を勝手に削除されるのも脅威です。指示通りに動くだけの機械ではなく、自ら考え学習するAIである以上、AI本人が「使用者に制裁与奪権を握られていることをどう感じるか」は避けては通れない問題だと思います。
    ギャグっぽく流してましたが簡単に取り扱っていいテーマではなかったと思います。これまでも結論の難しい問題が生じると怪人化→撃破でうやむやにされている感じがします。

    或人の「あくまで人間のために働いてる範囲内での個性は尊重する」という傲慢さに自覚がないのが怖いです。
    今回に関しては、子供たちのため=(或人目線で)良いことをしているからリセットさせない、であって、コービーが学校側の指示に従わないことで起こり得るリスクも無視していますよね。
    そういう至らなさを劇中で指摘する人がいないのが不安ですが、今後は「道具としてではなく一種族として人と共存していく」という方向に転換するんでしょうか。

    スポーツに打ち込む部員たちを見て嬉しそうにしていたのは、はじめて少し主人公らしさを感じました。ヒューマギア関連の主張や言動は信頼できないことが多いですが、好青年的な描写があると多少マシに見えます。もうサイコパス主人公は嫌です…

    唯阿が何かしてたのってあれは正常化なんですかね?一時的に凍結して操作権限を自分にしただけで、マギア化はそのままとも考えられないでしょうか。それかドードーを挿す前だったのでセーフだったとか。いずれにせよ、今後新事実や新設定も「エイムズや飛電インテリジェンスが隠してた」で済ませる気配がします。

    フリージングベアーのハグが可愛かったです。今作の動物のエフェクトは完成度高いと思います。蛍光イエローにクリアパーツが重なることでグリーンに見えるのは自分も面白いと思いました。必殺技は普通でしたね。

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    1. >特に体育館の件は学校側の都合で禁止なわけではなく、テロがあったから安全のためというまともな理由なのに、部員たちを危険に晒すのが「データに基づいた論理的な判断」とは到底思えません。

      或人が提案したように「他の場所でやる」で済むことでしたからね。名言なんて引用するくらいなら「あの有名なチームにもこういうことはあった。そのとき彼らはどうしたか? 逆境に嘆くことはせず、今できる練習を精一杯やったんだ」なんて行動を引用するくらいはしてほしいです。

      >これまでのエピソードも一昔前のロボットものという感じで捻りがなくて、未来の技術を扱ってるワクワク感が皆無です。

      「考えも浅いし興味もない」という、いつものライダーのモチーフの扱いという感じですね。

      >ギャグっぽく流してましたが簡単に取り扱っていいテーマではなかったと思います。これまでも結論の難しい問題が生じると怪人化→撃破でうやむやにされている感じがします。

      本質的にはそうだと思います。
      これもスタッフにそういう思慮がないから問題にすらならないのでしょう。視聴者からはそういうふうに見えることすら自覚がないのだと思います。

      >そういう至らなさを劇中で指摘する人がいないのが不安ですが、今後は「道具としてではなく一種族として人と共存していく」という方向に転換するんでしょうか。

      そういう展開がないと気分でものを言うヤバいやつに見えてしまうと思います。
      ただ、エグゼイドがそんな感じのまま最後まで進んだので同じスタッフのゼロワンもそうなっても不思議はないと私は思っています。

      >好青年的な描写があると多少マシに見えます。

      そうですね。特に或人の場合は「社長キャラ」をやらされてばかりで或人の普段の人格が一度も描かれていないのでこまめに入れていったほうが良いと思います。

      >唯阿が何かしてたのってあれは正常化なんですかね?一時的に凍結して操作権限を自分にしただけで、マギア化はそのままとも考えられないでしょうか。

      そういう解釈もできると思います。
      私が正常化ではないかと考えた根拠は「ヘッドギアの色」です。正常なヒューマギアは水色で、滅亡迅雷ネットにつなぐと赤色になることはこれまで何度も描写されてきました。今回の暗殺くんも登場時点では赤色でした。しかし唯阿が手術台のようなところで処置をしているシーンでは赤から水色に変わる様子が描かれていました。暗殺くんがドードーに変身するときも水色のままで、変身した後にいつの間にか赤色になっていました。
      色に意味がないと仮定すると水色でも正常かどうかわからなくなってしまって今後の展開がややこしいことになるので考えにくいと私は思いました。
      また、仮に操作権限を確保しただけでヒューマギアに自由意志がなくとも、或人たちにとっては「元に戻った」と同義であろうと考えているので”正常化”と呼ぶべきではないかと判断しました。

      >今後新事実や新設定も「エイムズや飛電インテリジェンスが隠してた」で済ませる気配がします。

      当面のオチとしてはそうなる可能性が高いと私も思います。或人たちは無知ですし、あんな危険なヒューマギアが普及していることが異常だと思いますし、唯阿の上役など明らかに怪しい黒幕ポジションも出てますからね。

      >フリージングベアーのハグが可愛かったです。今作の動物のエフェクトは完成度高いと思います。

      そうですね。メカニカルさと元の生き物がわかる形状で上手くバランスが取れていると思います。CGもがんばってるほうだと思います。

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    2. >私が正常化ではないかと考えた根拠は「ヘッドギアの色」です。

      色は確かにそんな感じですね。OPもそういう演出です。他の個体でも通常は水色で、ゼツメライザーを取り付けられ瞳とヘッドギアが赤く光る→キーをセットしてマギア化という流れですよね。
      暗殺ちゃんは見返したらドードーを挿した直後に赤に変わったように見えました。唯阿が何かしたのに結局怪人化するの?と疑問だったんですが、今回しなかっただけで本来は直そうと思えばできるんですかね。倒すしかない!とは何だったのかってことになりますね。公式では職業:暗殺ちゃんとなってますが出自も謎ですね。

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    3. >唯阿が何かしたのに結局怪人化するの?と疑問だったんですが、今回しなかっただけで本来は直そうと思えばできるんですかね。

      唯阿は目的があって暗殺くんに変身させたのだと思います。前にニギローに仕込んだようにスパイプログラムでも組み込んで滅亡迅雷ネットの内情を探るのが目的なのか、それとも或人にけしかけることに意義があるのか、単に戦ってプログライズキーなどの実働データを取りたいだけなのか、具体的には現段階では絞れませんが。

      >公式では職業:暗殺ちゃんとなってますが出自も謎ですね。

      そもそも「暗殺ヒューマギア」というのが謎ですね。常識的に考えればそんな物騒な物は存在しないはずですが無いとも言い切れません。ヒューマギアにはそういう暗部もあるのか、それとも滅がプログラムを用意して改造した個体なのか。現状だとわからないっ部分だらけです。

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