『仮面ライダージオウ』 第16話 「フォーエバー・キング2018」:感想

2018年12月23日

【ストーリー】

■面白いつもりなのか…?
・「最初からこうすれば良かったんだ」とソウゴが言ったときには腰砕けになりました。視聴者はずっと思ってきたことなので作中でそれを言ったらおしまいです。スタッフはこれで面白いつもりなのでしょうか。

・展開も酷かったです。
当然の疑問を放置した結果、当然の末路を迎えていました。
 元々どこからともなくベルトが現れたからまた新しいベルトがソウゴの目の前に現れるのでは?→ウォズが持ってきました。
 タイムジャッカー放置していいの?→思いっきり悪巧みしてます。
酷すぎて開いた口が塞がりません。ソウゴたちが馬鹿過ぎてこんなのが”ヒーロー”で大丈夫なのか不安で仕方ありません。

・ここ1クール強の集大成であったであろう本筋の話が壊滅的なように見えました。
ソウゴが再びベルトを手にする理由が全く噛み合っていなかったと思います。ソウゴは台詞で「民を守るため」とか言っていましたが実際には狙われているのはソウゴだけであの子供はソウゴのせいで巻き込まれただけです。ソウゴが無抵抗に死んでいれば傷つかずに済んだでしょう。そのせいでご立派な台詞と裏腹に「自分の身を守るために再びベルトを手にする」という真逆で身勝手なシチュエーションになってしまいました。本気でスタッフの正気を疑う展開でした。

・ゲイツも散々引っ張り回した挙句にあっさりデレて拍子抜けでした。
しかもタイムジャッカーなどを放置したせいでソウゴが追い詰められたので仲間としてもポンコツです。まさに2号ライダーという感じでストーリー展開に振り回されていて、見ていて「2号ライダー空気化の瞬間である」とウォズの口上が脳内で聞こえてくるようでした。ゲイツも使えそうなウォッチが手に入るかも怪しいですし、もうソウゴに尻尾を振るだけの存在ですね。

・個人的にはそもそも「王様になる=ライダーの力を使って戦わないといけない」ということが大前提になっていることについていけませんでした。
ベルトがないとできないのは最善最高の魔王になることやタイムジャッカーと戦うことだけで、一般市民を幸せに導く王様にはなれると思います。そうでないとソウゴがベルトを手にする前から「王様になる」と言っていたことと矛盾すると思います。それがなんで急に「ベルトを手放したからもう王様にはなれない…」って話になってるのか理解できませんでした。
「夢で見たように特別な存在になって世界を破壊するものと戦うのが自分の目標だった」という話だとすると、序盤で何度もやっていた「君を○○に任命する!」という台詞がおかしくなると思います。あの夢と全然関係ないですよね。特別な力が必要なら一般人を巻き込んでも意味がありません。ソウゴが戦いのことを常に考えているのか、戦いの後に王になったときのことを考えてるのか、言動がブレてると思います。

・それでも話が動いた分だけこれまでよりは面白いことが大問題だと思いました。
これが相対的に面白く見えるようでは世も末です。年度末だからといって作品まで行き詰まる必要は無いはずです。


【アクション】

 ・格闘アクションはしょぼかったです。クオリティがそれなりになってきたCGのロボ戦のほうがずっとまともでした。

・特にやられ役のゲイツがただのサンドバックで惨めでした。生身なのでメタ的な理由でやられることのないツクヨミのほうがよっぽど強いように見えました。敵の必殺技まで撃ち落としてましたし。
ゲイツだけでなくジオウとゲイツのコンビネーションも微妙だったのはますますよろしくなかったです。カッシーンとディケイドのコンビネーションのほうがよほど形になってるってどういうことですか。ソウゴとゲイツの話の後にこれでは格好がつきません。
アクションが演出としてマイナス方向にばかり働いている現状は深刻だと思います。元々アクションやバトルはストーリー上では「無くてもいい」と言われかねない存在なのに本当に無いほうがマシな存在になっては死活問題です。


次回からは新展開で新しいライダーが登場するようです。
冷めた心境では「だから何?」ですけどね。レジェンドが出ても何の波風も起こらず、既存の主要キャラさえ描けていない作品に新キャラが出たからって何になるのでしょうか。



コメント

12 件のコメント :

  1. ここ最近ゲイツが全然活躍しないのが個人的に気になりました。戦い以外では所々見せ場はあるのですがある程度訓練を積んだであろうゲイツよりも普通の高校生であるソウゴの方が強いせいで益々惨めに感じてしまいます。それに加えてカッシーンの攻撃をファイズフォンで撃ち落とすツクヨミでさらにゲイツの弱さが際立っていました。

    あとディケイドでちょっと気になったのですがウィザードのフレイム状態で水を操っていたのですがこれってつまりネオディケイドライバーはフォームチェンジなしであらゆる技を使えるという事なのでしょうか?

    次からは未来のライダーが出てくるらしいのですが、もしかしてレジェンドライダーはもう出てこないのですかね。

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    1. >それに加えてカッシーンの攻撃をファイズフォンで撃ち落とすツクヨミでさらにゲイツの弱さが際立っていました。

      惨めでしたね。後半の時間稼ぎでも速攻で地面に這いつくばっていたゲイツよりもツクヨミのほうがよほど善戦していて立場がありませんでした。

      >これってつまりネオディケイドライバーはフォームチェンジなしであらゆる技を使えるという事なのでしょうか?

      どうなんでしょう? 私にはわかりません。
      オリジナルのウィザードがフォームチェンジしないと使えないのか、それとも魔力の消費や合ったタイプのほうが威力が増すからといった理由があってやってるのか、その辺りの設定を知らないのでわかりません。

      >次からは未来のライダーが出てくるらしいのですが、もしかしてレジェンドライダーはもう出てこないのですかね。

      私はまた出るだろうと思っています。根拠は特にありません。
      レジェンド編として何話も続けてやるかはわかりませんが、終わるまではときどきやるんじゃないかと思います。

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  2. なんで今更!?は誰もが気にするポイントでしょうね。普通なら、何かしらかの制約をつけて捨てられない事情を作るというのが定石ですが…(ベルトを捨てることで誰かの命が危ない、捨てようとしても謎の力で手元に戻ってしまう 等)
    魔王になってしまうので、ベルトを手放す→やっぱり最高最善の魔王になる!の流れも納得行く感じでは無いし。ソウゴの人となりが読めないので、どう転んでも納得出きなさそう…

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    1. 普通だったら
      1)最初からツッコミどころを潰すために「そういうことはできません」と説明する描写をやっておく。
      2)ずっと無視して触れず、「やらないからにはできないからなのだろう」という雰囲気に持っていく。
      3)やるなら「なぜやらなかったのか(これまでは無理だった説明)」と「なぜできるようになったか」の説明
      のいずれかは最低でも必要だと思います。
      設定的にもソウゴの人格関連でも全然思い当たるところがありませんし、劇中の描写としてゲイツたちが2話の頃は「ベルトを使うな」と迫っていたので最悪だと思います。タイムジャッカーの脅威などまっとうな理由はいくらでも付けられたと思います。

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  3. 私はアクションとかあまり詳しくない方ですけれど、素人目に見ても諸悪の根源はやはりスーツのデザインにあると思います。特に今回の高架橋下みたいな狭い場所での乱戦とか、絶望的なまでに不向きだと思いますよ。全体的にジオウのフォームチェンジって肩から上のパーツが大きすぎる気がしますが、やっぱり装着変身フィギュアも売り出すのが前提だと、どうしてもこうなるんですかね…

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    1. 動きが悪くなるのは確かなんですがそれで説明がつかない部分もあると思います。
      監督によって明らかに動きの質が異なることがありますし、動かなくていい必殺技などまで冴えないのは動けないせいではないでしょう。

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  4. こんにちは。ウォズ曰く転換点だそうですが、何がどう転換したのかよく分からないお話でした。
     
    もともとソウゴは「自分が50年後に最低最悪の魔王になって民を苦しめている」という未来をツクヨミから映像付きで知らされており、オーマジオウにはならないよう決意していた訳で、未来に行く前から彼の夢は「オーマジオウになる」のではなく「オーマジオウとは間逆の最善の魔王になる」というものだったはずです。
     
    今回の未来旅行とその後のすったもんだの結果、彼はゲイツの説得その他の状況から「最善の魔王になる」事を再度胸に誓ったようですが、単にジオウとゲイツがベルトを交換しただけで、状況としては結局過去に行く前と何も変わっていないのではないでしょうか?
     
    オーマジオウにならないようにするためにはベルトを捨てればいいというアイデアは視聴者もいの一番に思いつく事だったと思うのですが、それを今になってやるというのは私もどうかと思いました。結局ジオウとして戦い続ける道を選ばせるのであれば、剣のレンゲルバックルのようにベルトを捨ててもどこかから自然と復活して手元に戻ってくるみたいな演出を早いうちにやっておいた方が良かったような気がしてなりません。
     
    あとOwl0079さんも触れられていますが、ソウゴの中で王様になる事と仮面ライダーの力を保持し続ける事がイコールになってるのは私も不思議だと思います。実現可能性という話はこの際とりあえず置いておくとして、ベルトを失っても一般人(非ライダー)の王として善政を敷けばいいだけの話なのに、なぜベルトが無いと王になれないんでしょうね?この作品世界内での「王」の定義とは何なのか、「王」という単語の意味する所がいまひとつよく分かりません。
     
    ゲイツは…彼の目的は2068年で散った戦友のためにソウゴがオーマジオウになる事を阻止する事であったはずなのに、自分の未来を垣間見てベルトを使う事を拒否するようになったソウゴを逆に炊きつけ、ジオウに変身するよう説得するとは思いませんでした。嫌がる本人を無理矢理変身させようとするとは…。いくら身の危険が迫った緊急事態だったとは言え、目的を忘れてないですか?
     
    ソウゴを説得する中でゲイツは「もしお前がオーマジオウになったら俺が絶対に倒す」的な事を言ってましたが、そもそもゲイツら未来人はオーマジオウに勝てないから過去の世界に来て若い頃のソウゴに干渉してる訳でしょう?「俺が絶対倒す」のであれば、ゲイツは2018年でじゃれてないで今すぐ2068年に戻ってオーマジオウを倒すべきだと思います。
     
    まあ、オーマジオウの部下のカッシーンにすらてこずるような力しか持ってないばかりか、オーマジオウになる前のジオウにすら小競り合いでは負けてるような有様なのに、一体どうやってカッシーンよりはるかに強いであろうオーマジオウを「絶対に倒す」つもりなのか私には全く分かりませんが。
     
    製作側はソウゴとゲイツの熱い友情・深い信頼的な事をやりたいのかも知れませんが、現状ではゲイツが目的を失念し根拠の無い自信で出来もしない事を安請け合いするただの馬鹿にしか見えないので辛いです。
     
    タイムジャッカーも相変わらずよく分かりませんでしたね。邪魔なソウゴを排除するためカッシーンを洗脳して襲わせるような描写がありましたが、なぜ自分達で手を下さないのか?本人たちに戦闘能力がまるで無いのならともかく、時間停止能力に加えて車を弾き飛ばすような謎のサイキックパワーまであるのに、生身のソウゴを襲うのにわざわざオーマジオウの手先を洗脳する意味が分かりません。
     
    またソウゴの完全排除を狙うにしても相変わらずやる事が中途半端すぎて、本気で襲う気があるのかどうか疑わしく感じてしまいます。以前Owl0079さんが仰っていたように、タイムジャッカーはオーマジオウ誕生を阻止するべく妨害工作をしているのではなく、ジオウにウォッチを集めさせるために敵対関係のようなポジションからアシストしてるとしか思えない内容でした。
     
    次回はウォズが変身する新ライダー登場のようですね。年が明けたら歴代主役ライダーの最強フォームのウォッチをまた順次全て出す予定らしいですし、販売スケジュールが異常なまでにパンパンなのでバンダイも東映も大変です。番組内容もいよいよ販促ノルマをこなすだけの30分のバンダイおもちゃカタログと化しそうですね。

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    1. ジャイゴさん、こんにちは。

      >状況としては結局過去に行く前と何も変わっていないのではないでしょうか?

      私も状況と対処法は2話の段階から変わってないと思います。
      やらないからにはソウゴたちはそうしないという話だと思っていたのですが結局ベルトを捨てるという話になって理解に苦しみました。

      >この作品世界内での「王」の定義とは何なのか、「王」という単語の意味する所がいまひとつよく分かりません。

      今までの感じからすると一般的な定義である「圧倒的な力を持って支配者となった者」という意味だろうと私は解釈しています。少なくとも毛利さんの範囲ではそうでないと、オーズ編で檀黎斗の名乗った”王”に反応した意味がおかしくなると思います。どう見ても黎人はソウゴの目指す王様ではありませんでしたからね。

      >現状ではゲイツが目的を失念し根拠の無い自信で出来もしない事を安請け合いするただの馬鹿にしか見えないので辛いです。

      思想も実力も下る一方に見えるのは問題だと思います。落ち目の人物の言う強気な発言なんて誰も信じません。ドラマの構成が破綻していると思います。スタート地点もゴール(今回)もめちゃくちゃでどこから間違っているのかすらわかりません。

      >ジオウにウォッチを集めさせるために敵対関係のようなポジションからアシストしてるとしか思えない内容でした。

      今回もそんなことでないと説明がつかないような行動でしたね。
      何がしたいのか何ができないのか判断がつきません。今回はタイムジャッカーにとっては裏切りにあたるはずのウォズに対しても態度は半端でした。ソウゴにベルトを渡そうとして明らかな反逆行為をしているのだから「こっちの味方じゃなかったのか?」なんて悠長なことを言っている状況ではないでしょうに。

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  5. 1話からのジオウの戦いはずっとアナザーライダーとのものであったにも関わらず、それらを生み出しているタイムジャッカーをゲイツもソウゴもいまだに脅威と捉えていないことには驚きました。
    ゲイツは彼らがオーマジオウと異なる派閥であることは十分に把握しているはずなのですが、ソウゴが力を失った途端、全てが終わったと言わんばかりに未来へ帰ってしまいましたし…。

    ソウゴはまた別の問題でもガッカリしました。それはジオウがレジェンドライダーからその力や想いを託された存在であるにもかかわらず、あっさりとそれを放棄したことです。少なくとも
    結局彼にとっては単なる道具に過ぎなかったのだな、と感じてしまいました。

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    1. >1話からのジオウの戦いはずっとアナザーライダーとのものであったにも関わらず、それらを生み出しているタイムジャッカーをゲイツもソウゴもいまだに脅威と捉えていないことには驚きました。

      ソウゴたちにとってのタイムジャッカーが何なのか相変わらず意味不明ですよね。
      ここまで関わらせる気がないなら、たとえば「ソウゴたちはアナザー事件の黒幕(タイムジャッカー)に気づいていない」という流れにして、「歴史改変という事柄から未来人の仕業だろうと推測し、ソウゴの件が片付いた今回ゲイツたちは未来に戻って調査することにした」とでもすればよかったのにと思います。こうすればゲイツたちを口実にできるのでなぜ次回から新展開になるのかも都合がつけやすいでしょう。

      >少なくとも結局彼にとっては単なる道具に過ぎなかったのだな、と感じてしまいました

      ソウゴたちにとっては何の思い入れもありませんからね。
      実際、作中では「アナザー怪人を倒すのに必要なアイテム」としてしか扱われていませんし、レジェンドとの関わりもほとんどありません。鎧武編で台詞にあったように「ウォッチを持ってる人」でしかないのも無理はないと思います。作中ではむしろ自然な流だと思います。レジェンドをアピールしている作品としては不可解極まりありませんが。

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  6. 士についてあまり触れられていないのでコメントします。
    4話も出た割りにジオウの本筋に関わってないのはどうかと思いました。唯一やったことはディケイドライドウォッチを渡したことですが、それも特に物語があった訳でもなく雑でした。
    最後くらいはジオウと共闘するかと思ったら最後まで敵側で、なぜかそのまま去っていきました。ディケイドを知らない子が見たら完全に悪者です。
    結局士は何をしに来たのか最後までわかりませんでした。この4話は士を出さなくても成立したような気がします。

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    1. 片頭痛さん、はじめまして。

      士について触れていないのは、私がジオウのレジェンド出演自体に意義を感じていないからです。実質的には単発のゲストキャラ同然だと思っているのでそのキャラが話に関わっていなければ特に触れることもありません。片頭痛さんもいなくてもよかったと感じたように、私も存在意義を特に感じなかったので士についての感想は特にありません。

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