『仮面ライダーガッチャード』 第40話「邪悪降臨!三倍偉大な冥黒王」:感想

2024年6月16日
■坂本監督の無駄遣い
・アクションが売りの監督を負け回にあててどうするんでしょうか。
最強フォーム登場直後で新幹部登場直後でもあり、脚本も井上さんとなればスタッフもどうでもいい回になるのは想定済みでしょうに。
プラチナガッチャードでいろいろと能力を使ってましたけど、どれも「効きません」で終わってしまい徒労感と時間稼ぎ感のほうが強くなってしまいました。

■王様じゃない三人の王様
・玉座に座ってすらいない王って何ですか???
それは王子とか候補者であって王では無いと思うんですが。「王が一人だなんて誰が言いましたぁ?」なんてしてやった顔されてもむしろ引くだけです。
しかも「我らは三位一体」と言っているのに仲が悪くて更に意味がわかりませんでした。めっちゃバラバラなんですけど?

・と思っていたら東映公式ページに解説がありました。
どうやら「ガッチャード」世界には
「賢者の石」というすっごいパワーを持つ錬金術アイテムがあるそうでして。

それはいま100%の状態ではなく
分裂して「欠片」として存在しているようです。
(復元と言っているので)

そして38~39話で
ギギスト様が、ニジゴン(卵のケミー)のことを
「我が分身」と呼んでいたことから

「石の欠片」は、卵だけではなく
冥黒王たちそれぞれも持っているということになります。

100%だったはずの「石の力」が三分割され
三人の王たちに分け与えられた。

だから同質「三位一体」なのですね。
石の力を分けたって誰が分けたんだよ!?
新キャラが出たばかりなのにその上に上位存在がいることが公式ページで語られちゃいました。自分で自分を分けた可能性もありますが、分けた挙げ句にケンカしたりしてるのでそれも意味不明です。全能であることに飽きてあえて不完全になろうと思った神様でしょうか。

■知る由もない設定の数々
・錬金術を人間に教えたのはジェルマンだそうです。ケミーを作ったのもジェルマンみたいです。
…え? じゃあこの世界の錬金術師って何をしたんですか?? 教わったとおりやってただけなのに悪魔由来だということも忘れたアホたちって理解で合ってます?
しまいにはグリオンも彼らが作った人形だったことになりました。今までのキャラ描写の大半が無駄になりました。人形相手にグダグダやってたミナト先生とかも更にアホさが増しました。
劇場版はデイブレイクの世界をやるらしいのにどうするんでしょう、これ? 本編では大ボスのジェルマンたちと戦おうって展開やってるときに、下っ端人形相手に苦戦したやつの話しても仕方なくありません?

・「ニジゴンが賢者の石の欠片を集めて修復するために創られた」って話もよくわかりませんでした。
ギギストが分身とか封印されるときに奪われたとか言ってたのはどういうことだったんです? そのために創られた存在だけど分身のように可愛がっていたとかそんなエピソードでもあったんですか? 侵略者からそんな話聞かされても知ったこっちゃないんですけど。

・これも公式曰く
配分は、33:33:33。
そして、残りの「1」こそ「卵のケミー」ニジゴン。
だそうなんですが、じゃあ三分割できてないじゃん!
というツッコミどころが生まれています。余っちゃダメでしょ!
そもそも「卵のケミーは、もともと欠片から賢者の石を復元するために作られたらしい」
と矛盾しませんか? 復元のためも何も”余りの1”なら作ってないじゃないですか。何言ってるんですか?
一応、これを言ってるのは部外者のリンネ父なので的外れなデマを言ってるという線も考えられますがそれをやっちゃうと登場人物の大半の発言が根拠なしのデマになりかねないのでガッチャード的には無しでしょう。

・全てに矛盾なく整合性を取ろうとすると、
賢者の石を作った誰かがいて、間違って賢者の石を綺麗に3つに割っちゃったら自我を持ち始めて慌てて余りの1であるニジゴンに復元する力を持たせた。
だけどニジゴンは冥黒王の3人には勝てないから全然まとまってない。賢者の石の作者は賢者の石が無くて何もできないで見てるだけ。
っていうことなんですかね? 錬金術師は人間としてアホなやつしかなれないんですか?

■アホアホ主人公
「う~ん、することないなぁ」(三姉妹退治とか錬金術の勉強やケミーとの共存方法の模索とかいくらでもあるだろアホ!)
「え、ケミーって捕まえ終わったら錬金連合に返さないといけないの?!」(捕獲命令を何だと思ったんだアホ! 解放される前は封印されてたって話も聞いてただろボケ!)
「ニジゴンが料理されちゃった?!」(金属?と鶏肉の区別もつかねぇなら料理人も錬金術師も止めろ!)
知能指数が下がりすぎてて何これって感じでした。メインじゃないとはいえ、井上さんだって7話以上も書いてるのにこれは無いです。

■あっさり再会
・リンネのほうは父親との再会があっさり叶ってしまいました。この手のパターンだとだいたい死に別れになりがちですけどわりと元気でした。
もうやることがアトロポス関連くらいしかないんですけど、むしろアトロポスとの関係を強めるためだったんですかね? スタッフも内心「なんでリンネがアトロポスにこだわるのか全然わかんない!」と思ってたから「父親の件で借りを作る」という結びつきを用意したんでしょうかね。

■スパナの謎理論
「ケミーは危険だ!」と今更言い出すスパナとそれが正論扱いされてることが不思議でした。
一番の危険要素はマルガム化なのでそれをニジゴンで克服できるなら大きな問題は無いと思うんですがどういうことなんでしょう?
そのパワーが危険とか言い出すと、そもそも「錬金術も危険じゃね? 世界に必須なわけじゃないし、三姉妹やグリオンみたいな悪用するやつもいるから抹消したほうが良くね?」と言えてしまうと思います。
卑金属を金属に変えることを目的とする錬金術で、無から有を生み出せるケミーを否定するのはナンセンスな気がします。発電でも緑化でも何でも使いみちがあるケミーはいると思います。スケボーズとかですら輸送とかに使えるでしょうし。
「ケミーが人間の言うことを聞くのか?」という可能性を焦点にしちゃうと宝太郎の主張が受け入れられる余地がなくなりますし、同時に「じゃあ人間も言うこと聞かないやつはいるから人間も滅ぼしたほうが良いね」という話にもなってしまってキリがありません。
論点も着地点も見えなくて今回の中で一番不思議な展開でした。


次回はニジゴンが人間の役に立とうと空回りしたり、ジェルマンと戦ったりするみたいです。
ジェルマンがやられてもおかしくなさそうな雰囲気でしたけど、どうなるんでしょうか? いきなり死なれてもついてけないし、ギギストみたいに死んでませーん!でもウザいし、やっぱりジェルマンには勝てなかったよ…はダメだし、盛り上がる気がしません。





コメント

2 件のコメント :

  1. 感想お疲れ様です。
    ケミーの存在で意見が分かれたライダー達が再び団結して快勝する展開をやりたいのは伝わってくるのですが近年のシリーズ定番の強制変身解除地面ゴロゴロをシリーズライダー全員で1話丸々使ってやるのは不安感しか湧きませんでした。
    頼りの最終フォームも序盤わざわざ無駄に苦戦描写を挟んでいるせいで敵が厄介だなと言っていてもまるで説得力が無いです。
    やはり敵が出てこない理由付けがしっかりしたストーリーを深堀りする回でもない限りは1話1体はかならず必殺技を出して敵を倒すノルマがないと変身ヒーロー物は成立しないのだと地面ゴロゴロを見てると痛感します。

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    1. 匿名さん、こんにちは。

      ありきたりな負けパターンはかったるいですよね。これで逆転するときにそれなりの作戦や工夫があるならまだしもどうせノリか力押しでしょうし。

      ケミーに関する対立もやるのは自由ですけどこれまでにまともに描写したことのない内容なので期待する気は全く起きません。

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