『仮面ライダーガッチャード』 第38話「虹の彼方に」:感想

2024年6月2日
■展開が飛びまくり
「っていうお話にしようかと思ってるんだ」と話している草案レベルのプロットをそのまま脚本にしちゃったようなぶつ切りっぷりでした。展開を羅列しただけで登場人物の自然な反応やつなぎになる展開が入っておらず、お話になってません。
脚本会議でいった何を話したんでしょうか? 「なんでこうなるんですか?」とか「このキャラは何を考えた末にこう結論付けたんですか?」といった初歩的な質疑応答すら行われた痕跡が見当たりません。

・謎の卵ケミーことタマゴンことニジゴンもめちゃくちゃでした。
卵が入ってたなんて初耳なんですけどぉ?と思っていたら先生たちには周知の存在でびっくりしました。101体目のケミーでガッチャドライバーの中に組み込まれていたそうです。
なるほど、宝太郎の中に卵が宿っていたのはドライバー経由だったんですね~ …って、そんなものを黙って押し付けるなよ!!! 人間に組み込んでマルガムになったらどうするんだよ!? そりゃ序盤の先生たちも「そんなもの使うな」みたいな態度になるわけですよ。リンネ父が一番のキチガイに躍り出てきました。

・とびきりヤバかったのは今も昔もタマゴンのさじ加減ひとつで決まってるところだと思います。
今までの宝太郎の活躍はタマゴンのおかげで、レインボーガッチャードも宝太郎は全く関与せずにタマゴンがやる気を出したから変身できるようになっただけなんですよね。完全におんぶに抱っこです。タマゴンの機嫌を損ねたら世界が終わるでしょう。
そしてそんなタマゴンが”分身”でしかないギギストもバリバリ残っています。分身でこれなら本体はもっとすごいんでしょうね~

「錬金術って自由でいいんだ!」って台詞にもびっくりしました。
普通過ぎません? 勝手に「錬金術は物を動かすしかできない」って枠にはめたのはスタッフのほうなんですけど…
っていうか敵の投げた槍を剣に変えるくらいなら前にもやってますよね? 傘立てを刺股にしたり、変形したオブジェをルービックキューブに変えるほうが独創性が高いと思います。

■宝太郎
・前回のラストでは「悩んでいた自分を助けようとしてホッパー1が死んだ。自分のせいだ!」と絶望していたはずなのに、タマゴンによって「ギギストは怖いけどここにいれば安全だし、もう戦わなくていいよ」とギギストが怖いって話に勝手に変えられていました。宝太郎もその話に乗っていたのでマジで謎な展開になっていました。
宝太郎の心と知識までタマゴンに合わせられているところが特にヤバいと思いました。「君は自分の力だと思っていたようだが変身できるのも錬金術も全部俺の力でお前の力なんてどこにもない。お前はただの凡人だ」と衝撃の事実を告げられたのに「ふ~ん、そうなんだ」って程度で受け流していました。「俺には戦う力があるんだから怖くても俺がやらなきゃ!」って使命感で動いていたタイプや「俺は特別な存在なんだ!」と自惚れていたタイプだったらしばらく戦えなくなってもおかしくない衝撃のはずなんですけどね…

・宝太郎の心境や反応が脚本上から抜け落ちてる上に宝太郎の良さを描くチャンスまで潰してるところが救いようがないと思います。
そんな不自然な反応だからこそ、「今まで君が助けてくれてたんだね、ありがとうタマゴン!」とお礼を言ったり、「タマゴンは自分を弄んでいたんじゃないか」「いつか裏切るんじゃないか?」と疑うこともなく「これからもタマゴンと一緒なら大丈夫」と根拠のない全幅の信頼を置く宝太郎の姿を見て、予想外の反応に驚いたタマゴンが「君なら僕の想像を超えられるかもしれないね」と力を託す。そんな展開にもできたと思います。

・マルガム戦になっても相変わらず何の葛藤もなく、「タマゴンいるし、なんとかなるだろ!」と前とどう違うのかまるでわからない態度のまま必殺技を撃っていて呆れ果てました。スケボーズを殺したときの経緯を覚えてないんですか? 覚えてないなら何を後悔したり恐れていたりしたんでしょうか。
てっきり最初の謎の光でホッパー1たちが助かったことを感じ取っていて「殺しても治せるから大丈夫だ!」と確信を得ていたのかと思ったらそんなことは全然なくて安心しました。やっぱりただのアホです。これからも万事、結果オーライで済ませていくんでしょうね。
何も考えずに「なんとかなるだろ!」で最悪の結果を招いたやつが、「何も勝算はないけどなんとかなるだろ!」で立ち直る展開の面白さが全くわかりませんでした。私は不安しか感じないんですが…

■リンネ
・ホッパー1に絵本のことを教えたことを死ぬほど悔やみ始めて戸惑いました。
リンネってそんなキャラでしたっけ? 悔やむことはあってもやることがある状況なら「これ以上犠牲は出させない!」と必要なことをできるタイプだと思っていました。
「自分のせいでホッパー1が死んでしまった… 悲しいから宝太郎が死にそうだしスパナも戦ってるけど放っておこう」ってどんな心境なんでしょう?

・個人的にはホッパー1で落ち込むくらいなら、そんなことより父親の安否について疑問を持てよと思いました。
あれだけこだわっていた父親が生きてるのか死んでるのか、どこでどうなってるのかもわからない状況にどうして無反応でいられるのでしょう?
あまりにも無反応だから、てっきり「そんな私情は挟まない! 私は錬金術師だから!」みたいな決意を固めてるのかと考えてたんですがホッパー1のことではメンヘラってて意味がわかりませんでした。

■スパナ
「暗黒の炎は我から受け継がれたものだ」ってギギストが言ってましたけどどういう意味なんでしょう?
スパナの暗黒の炎は両親の死を見て激情に駆られたスパナから勝手に吹き出したものに見えたんですけど? 実はギギストはスパナの先祖とかまた知らない設定があるんですか?

■最強フォーム?
・レインボーガッチャードが登場しました。
見た目はゴテゴテ系で平凡ですね。今のところ特にこれといった特徴も見当たりません。クロスホッパーとどう違うんでしょうか?

・アクションは全然ダメでした。全く動けてません。
怪人のほうがよほど軽快に見えるくらいで、CGメインの演出すらまともに合わせられていませんでした。
おまけにギギストですら賞味期限切れなのにポッと出のモブ雑魚だから余計に盛り上がりません。

・ライダーキックの音階状のファンシーな効果音も作風に全く合ってないと思いました。
玩具スタッフが考えたなら作品側が何も趣旨を理解できてなくてヤバいですし、撮影スタッフが考えたのなら玩具も上層部の意図も全くわかってないのがまかり通っていてもっとヤバいと思います。

・タイミング的には最強フォームだと思うのですが、レインボーガッチャードは最強フォームなんでしょうか?
疑問に思う理由は「ホッパー1の立場がない」ことです。変身に使うカードはニジゴンの2枚に専有され、マスコットの座まで奪われてしまいました。これではホッパー1の立場がありません。ずっと相棒だったはずなのに見学専門になってしまいます。

・剣にでもなるのかな?とも考えましたが最近は最強フォーム用の専用武器が無いんですよね。必殺技のときだけカードを使われるような惨めな存在になってしまうのでしょうか…


次回は最後のケミー集め!だそうです。
個人的には「まだあったんだ…」&「本当にこれで全部なの? まだあるんじゃないの~?」のダブルパンチなので全く関心を持てません。







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