『仮面ライダーガッチャード』 第47話「大激突!宝太郎VSスパナ」:感想

2024年8月4日
■ツッコミ回避!…ならず
・最初に「いや、今ケミーを抹殺しても冥黒王に対抗する力がないから今やるべきことじゃないだろ」というツッコミへの回答がありました。
「暗黒の炎で多重錬成してその力で冥黒王を倒す」という考えは既存の範囲でできることでは悪くない回答でした。

・ただ、ツッコミどころは消せませんでした。ニジゴンがいるからです。
スタッフは忘れてるみたいですが、ニジゴンのレインボーブレスって「暗黒の力で強制的にマルガムに錬成されることを防ぐ」力があるんですよね… スパナが多重錬成だ!ってやろうとしてもレインボーブレス1発で終わるんですよ。ご丁寧にあの場に101体のケミー全員いますし…
「いやいや、あの状況ではニジゴンはレインボーブレスを使えないんだよ」と言えば解決できなくもありませんが、そうすると今度は「じゃあレインボーブレスを封じれば冥黒王たちも錬成し放題だね。1体封じればレインボーブレス自体使えなくなるし」と新たなツッコミどころが生まれてしまうでしょう。

■宝太郎とスパナの方もガバガバ
「相手を説得するのは言葉だけじゃない」
…それが本当ならいつになったら宝太郎たちはアトロポスやグリオンをできるんですかね? 何度殴り合いましたっけ? 相手を選ぶことなら既に明確に敵対したスパナとの関係には何の役にも立たない理屈だと思います。別に言葉で説得しても問題なかったですよね? そもそも宝太郎の力自体はスパナも戦う前から認めていたみたいですし。個人的には宝太郎はスパナを説得できておらず、ただ力づくでケミーを奪い返しただけで、むしろ宝太郎たちのほうが「俺を説得するのは無理だ」とスパナに説得されてしまったように見えるくらいでした。

・個人的には宝太郎が徹底してスパナに賛同して力を貸してるスパナ手持ちのケミーたちを無視しているところが台無しだと思いました。ケミーを無視したら宝太郎の話が崩れるでしょうに。スパナにだけ目が行って主人公すら無視してるのはお粗末です。

・突然生えてきた子供スパナの博愛思想は初耳でした。それがなんで他人を見下し、ケミーを道具扱いするようになったのでしょうか?
「両親が死んだときににその考えを捨てたんだ」としても、じゃあエンジェル回で復讐にケリをつけたはずの後に変化が見られないのはどういうことなのでしょう? 普通なら博愛思想に戻ってもおかしくないはずなのですが。

・結局、人間の問題は解決できそうもないところもかなりガバガバに見えました。
たとえ実際に冥黒王たちを抹殺しケミーを絶滅させて新規の錬成も不可能にしたとしても、ケミーを求める人間や錬金術を危険視する人間は消えないと思います。「もういないから安心してください/ケミーの力を求めても無駄です」と言ってもそれで納得するほどの知性があったらこんな暴動は起きてないでしょう。
スパナ的にはこれが一番解決したい問題のはずなので大問題だと思います。

■そしてグダグダは続く…
・結局、今回で解決しなかったことが個人的には一番拍子抜けでした。
味方としては別に要らないんだけど、いるだけで展開の邪魔になるだけ邪魔です。秩序のためにキャラとして消えてほしいです。出涸らしはさっさと鍋から取り出されてゴミ箱に捨てられてください。

■公式からダメ
この展開をやろうと思った意図は大きく3つ。

①まず大前提として最終章ではこの番組のベースにある宝太郎の夢「人とケミーの共存」について改めて宝太郎に考えさせたかったこと。そしてその結論の出し方は戦い(行動)によって答えを見つけていってほしかったこと

②その戦いには「人々とケミーを守るため」という大義名分ではなく、宝太郎自身の意志・ワガママとして向かっていって欲しかったこと

③そして、いつもいつも宝太郎の前でカッコつけて、我慢して、大人ぶってるスパナの本音を引き出したかったこと
by湊P。

・もう「何言ってるんだろう…?」と思うくらいに違う話が書いてあって困惑しました。
①の『「人とケミーの共存」について改めて宝太郎に考えさせたかったこと』って今回も何も考えてませんでしたよね? スパナのことしか考えてなくてケミーの話なんて改めて考えるどころか1ミリも出てきてなかったと思います。
②の『その戦いには「人々とケミーを守るため」という大義名分ではなく、宝太郎自身の意志・ワガママとして向かっていって欲しかったこと』はもう文章自体が理解不能です。宝太郎が自分の意思やわがまま以外で動いたことが一度でもありましたっけ??? わがままの権化みたいな存在だと私は思ってましたよ。
③はもうそんなスパナ自体が初耳なので反応のしようもありません。本音以前に建前すら私は理解できてませんよ? 「ケミーハ道具ダ」とか機械的に言ってただけで「なぜそう思うのか?」「それで具体的にはどうしたいのか?」といった基本的な部分すら具体的には伝わってきてません。表面的だろうが本気でそう思って活動してるならもっと早く宝太郎と衝突してないとおかしいですよ。
もうツッコミどころかスタッフの正気が疑わしくなってきました。


次回は今度は雑にアトロポスを片付けるみたいです。もう残り3話なので前後回ですら無さそうです。
予告の感じだとリンネとアトロポスが融合して新しい強化フォームを手に入れるみたいです。レインボーガッチャードの時点で戦力に困ってないのでマジェードもどうでもいいです…
以前から想像していたような「敵が勝手に内輪もめして面倒なやつを消してくれました」という雑な片付け方になりそうで驚きも嫌悪感も何も湧いてきません。
アトロポスを心配するグリオンも芝居なのか本気なのかわかりませんが、どっちでもいいので関心がありません。
これまでの経緯から予想してたことですが、ものの見事にこの期に及んでもスタッフが何がしたいのか全然伝わってきませんし、物語としてもゴールが一向に見えてきませんね。







コメント

9 件のコメント :

  1. 初めまして。的を得たツッコミや公式の説明も絡ませた指摘から、一つ一つの仮面ライダー作品が持つメッセージ性についてしっかりとした考え方を持っているなあと感じつつ読ませていただいております。
    現在のガッチャードはともかく、各キャラが持つ意志や背景が大きすぎて収まりきらなかったり、露骨な販促のためにストーリーが疎かになっているのは否めないところもあると思います。
    勝手に不安になってるだけかと言われたら、そうなのですが・・・。特に令和ライダーに入ってからストーリーの流れに対する酷評ぶりがひどいようなので、見なければならないという圧迫感もありそうで精神的な面が心配です。これまで通り総評も書かれると思いますが、そこにおいて、ストーリーについて書けることがないというのなら、文章力を上げるもどうもないのでは、と思います。アクションやデザイン辺りは良いところも点在していますので、一概に言えないのも承知ですが・・・。
    気分を害してしまいましたら申し訳なく思います。それでも貴方には貴方なりの見続け感想を書く理由があるでしょうし、私も私なりに仮面ライダーを追い続けるつもりですので。いわゆる「嫌なら見るな」などと押し付けるのは当然してはならないことではありますし。
    そういえば、映画のフューチャー・デイブレイクはご覧になられましたか?評価は高めのようですが、抜け目がなく、作品の中にある感情や勢いに流されない貴方の評価を見て改めて考えたいと思っておりますので、ご検討のほどよろしくお願いいたします。

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    1. 匿名さん、はじめまして。

      >これまで通り総評も書かれると思いますが、そこにおいて、ストーリーについて書けることがないというのなら、文章力を上げるもどうもないのでは、と思います。アクションやデザイン辺りは良いところも点在していますので、一概に言えないのも承知ですが・・・。

      内容が薄ければ文章も少なくなるだけなので大した問題は無いと思っています。戦隊とライダーは各話感想のほうがメインですしね。

      >映画のフューチャー・デイブレイクはご覧になられましたか?

      見ていません。見る予定も特にありません。ご期待には沿えないかと思います。

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    2. ご回答ありがとうございます。これからも拝読させていただきます。

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  2. 脚本家・Pの頭の中では描写できてるつもりだったが、実は現場で勝手に削減されてる…みたいな箇所がかなりあるのかもしれないですね

    宝太郎とスパナは二人とも何考えてるかよくわからないので展開への期待とか予想とかよりも「この二人はどういう思考回路なんだろう」と最序盤で考えるようなことを今になっても考えさせられてます
    そういう点でスパナというキャラクターには全く期待していなかったので、101体錬成の話は私も思ったよりいい解答が来たなと思いました
    面白いかは別として、こういう視聴者には想像できない展開は嫌いじゃないです

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    1. >脚本家・Pの頭の中では描写できてるつもりだったが、実は現場で勝手に削減されてる…みたいな箇所がかなりあるのかもしれないですね

      そういう可能性自体はあり得ます。
      実際ガッチャードがそうだったかというと私はそう思いませんが。そもそもが本来のシリーズ構成の内田さんがろくに序盤を書けないという異常事態が起きていますからね。できてるつもりだったどころか錬金術の設定など「無いと困るものが存在してない」という制作状況だった可能性も考えられると思っ知恵ます。

      >そういう点でスパナというキャラクターには全く期待していなかったので、101体錬成の話は私も思ったよりいい解答が来たなと思いました

      101体錬成はガッチャードにはトップクラスにマシな設定だと思います。
      他がガタガタなだけですし、101体錬成自体も「スパナにできるなら冥黒王にもできるのでは? それで勝てるなら3人のうち誰かが他の2人を倒して完全体になるために既にやってるのでは? 本当にそれで勝てるの?」という疑問もありますが。

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    2. 私が馬鹿なだけかもしれませんが、全ケミーの力を使うのは無駄にプラチナでやってるのでなんか違いがわかりにくいなって思ってます、101体錬成

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    3. プラチナですか? プラチナの時点ではニジゴン無しで100体分だったからレインボーガッチャードの間違いですかね?

      まぁ何にしても具体的なところはよくわかりませんね。
      プラチナやレインボーは「フォームを作るのに他のケミーの協力が必要だった」だけで全ての力を丸々使えてるわけではなく、その点101体錬成なら全部のケミーの力をフルに使えるから強いって話なんですかね。
      単に「いや、強さはレインボーと変わらないんだけど、スパナはレインボーガッチャード使えないから101体錬成が必要なだけ」という可能性も考えられるので細かいところはわかりようがないと思います。

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    4. 全ての力を丸々使えるわけではない、後から考えるとそうなのかなって思いました
      真面目に考え始めると頭おかしくなりそうですねガッチャード

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    5. そうとでも考えないと辻褄が合わなくってきそうなんですが、好意的に考えてみても仮説に合わない部分が透けて見えるので一向に納得がいかないんですよね…
      私は真面目に設定を考えるのは無謀だろうと思っています。

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