『暴太郎戦隊ドンブラザーズ』 第5話「たてこもったイヌ」:感想

2022年4月3日
■話が普通に面白くない
・ブラックがメインの話か、5人が集まる話かと思ったらなんだか全体的にぎこちない内容でした。目の前に相手がいるのにお互いモノローグ主体でその上展開がぶつ切れで説明的でした。台詞以上の意味があるシーンが少なく、ドラマとしては退屈でした。

・そもそも登場人物の言動も思考も浮世離れしていてついていけませんでした。
ハルカは漫画のネタのために自分はおろか他人も危険に晒しても平気でしたし、犬塚もスピード違反や他人の宅配を勝手に食べることには抵抗がなくて引きました。
二人とも自己中心的に動いているせいで雉野の小心者キャラが霞んでしまいます。小心者キャラは大義のためなど大きな目的のために動いている中で一人だけ個人的なしょうもないことで動くから目立つのであって、みんなが勝手に変なことをやっている中ではただの地味な変な人で真人間にすらなれません。
猿原に至っては台詞がなくて空気な上にタロウにけなされて散々でした。これまで「変人だけど有能だから許されてる」だったのに、無能なアホ扱いされたらもうその場にいる価値がありません。猿原にいったい何を期待して見たらいいのでしょう?

・犬塚の話をダシにして桃井タロウの話に落着するのも個人的にはどうかと思いました。
「人質にされて警察に包囲されてる中、犯人の誕生日を祝う」という奇妙なシチュエーションなのに誰一人ツッコまないことに違和感を感じました。普段は個性的で自分勝手なのにそういうところでは空気を読むんですか?
しかも誕生日のエピソードでわかったのは”桃井タロウ”の話で、ドンモモタロウの奇行は何もわからないままでした。冒頭でもハルカが「今度こそ真意を突き止める!」とわざわざ蒸し返していたのに結局何もわからないのでは余計にイラっとします。

・5人集まったから正体探しは終わるのかと思ったらまだ続くみたいでそれもうんざりでした。
私はもう飽きました。そもそも正体を知ったからどうなるって目標が見当たらないので探す意義がよくわかりません。
ハルカが桃井タロウを探していたのは自分の地位を取り戻せると言われたからだったはずですが、なぜかドンモモタロウの真意を突き止めることを優先し始めていて意味がわかりません。漫画のことよりもドンモモタロウのことが気になりだしたのかと思ったら、ブラックに人質にされたときには「漫画のネタになるかもしれない!」と考えていて優先順位が意味不明です。冤罪を晴らしたいのか、次回作をヒットさせて盗作疑惑を払拭したいのか、ドンモモタロウを調べたいのか、いったいどれが一番やりたいことなんでしょう? どれも平行して進める事項には見えません。ハルカは自信家で失敗することなんて考えないタイプで、”プランB"なんて考えるタイプではないと思うんですが。

・話の流れからすると次回からはブラックの冤罪晴らしにみんな全力を尽くさないと変だと思います。幸せにしたいだの誕生日を祝うくらいなら冤罪を晴らしてあげたいと思うのが当然でしょう。逆にそうしないなら何がハッピーバースデーだって話になると思います。
でもやらないんでしょうね。そういうところで雑にされると個々の展開に付き合う気がなくなります。嘘つきがたまに本当のことを言っても信用する気にはなりません。本当のことが何度か続いたらようやく信じ始めるのは普通の反応でしょう。

■手抜きじゃないらしい
・犬塚の彼女のイメージ映像と雉野の奥さんが同じ顔に見えて、ただの手抜きか本当に同一人物なのかどっちなのだろうと疑問に感じました。
東映公式に

ドン5話で、犬塚翼が回想した彼女の夏美が、雉野つよしの愛妻みほちゃんに妙に似てたのも気になりますが……
と書いてあるので少なくとも見た目はそっくりということで良いみたいです。

・この件とは直接関係ないのですが作品自体に黄色信号が灯っているように感じてきました。
私のイメージだと井上が細々とした設定のこねくり回しにまともに付き合うとは思えません。一方、プロデューサーはやる気満々のように見えます。井上のストーリーや世界観を放り投げてきた実績と前作のゼンカイジャーで脚本とのすれ違いで悲惨なストーリー展開を迎えた白倉プロデューサーの実績を鑑みると不安しかありません。

■巨大戦
・2話ぶりに巨大戦が有ったのですがとてもあっさりしていました。攻撃はほぼバンクで終了でとても短かったです。
同じくらいあっさりしてる等身大戦もそうなんですがキグルミがもったいなく感じます。こんな雑に新規造形を使い果たした挙げ句に中盤以降はダラダラと引き伸ばされたら最悪です。割り切るならもっと有効活用して、「戦隊の方に新鮮味がある序盤は既存のキグルミを使いまわし、戦隊に新鮮味がなくなる中盤以降に新規造形の怪人を投入する」とかしたほうが良いんじゃないかと思います。

・怪人が巨大化するのは敵幹部が介入した場合のみかと思っていたんですがそうでもないんですね。
ということはあの世界では欲望をこじらせて突然鬼ににある上に巨大化して暴れだすのがよくある出来事なんですね。すごい物騒だと思いました。そりゃ幹部たちもとりあえず殺すって発想になるわけだと納得してしまいました。
タロウたちが原因を取り除けていない点と合わせるとかなりよろしくない気がするんですけど大丈夫なんでしょうか? 今のところ安全を考えると抹消するほうが良いように見えます。ちゃんとケアするから再発はない!って言うならわかりますけどタロウは犯人を放置するどころか鬼化を早めているように見えますし。


次回は雉野が調子に乗ったりするみたいです。
展開が見え見えであまり興味が湧きません。予想外のことや別のストーリーが進んだりするのでしょうか。

コメント

4 件のコメント :

  1. こんばんは。 この脚本家、世界観が独特でついていけません…
    ブルーは刑事達と一緒にいた場所からどうやって4人がいる倉庫に入れたのか謎でした。
    ブラックの器物破損や他人の宅配物を勝手に開ける行為は度を越えてると思うのですが、こんなのがメンバーでいいんでしょうか。
    なぜあの場面で誕生日を祝うのか、意味不明を通り越して怖さすら感じました。

    戦闘は短いですし、CGの都合もあるんでしょうが、リュウソウブラックにチェンジしすぎでしょう…

    これからは何も考えずにノリと勢いで見た方がいいのかなって思ってます。

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    1. 匿名さん、こんにちは。

      >ブルーは刑事達と一緒にいた場所からどうやって4人がいる倉庫に入れたのか謎でした。

      これは本編で入るシーンがあったと思いますが?
      ハルカが出てきて「逃走用の車を用意しろ!」と言って中に戻るところで猿原が割り込んでハルカと一緒に中に入っていっていました。なんでハルカが驚きもせずに中に入れたのか、なんで警察は突入しなかったのかは謎ですが。

      >ブラックの器物破損や他人の宅配物を勝手に開ける行為は度を越えてると思うのですが、こんなのがメンバーでいいんでしょうか。

      他のメンバーも勝手に部屋を掃除したりする縁キチやコーヒーを飲み終わってからタダにしてくれと言い出すキチガイなので今更だと思います。
      個人的には犬塚の行動概念が不思議でした。罪悪感を感じて後で弁償するつもりで他人の宅配物を盗み食いするくらいなら、前に殺していたヤクザ?の脳人から財布を奪ったりすればお金は手に入ると思います。あとはワープできるなら勝手に店に入って商品を取ってその分の代金をレジに置いていったりするほうがよほど罪悪感を感じずに済むと思います。化け物扱いして殺すことを躊躇っていなかったので脳人殺しなら犬塚にとって問題にならないはずです。

      >なぜあの場面で誕生日を祝うのか、意味不明を通り越して怖さすら感じました。

      変人のタロウと張本人の犬塚はともかく他のメンバーは不可解でしたね。
      猿原なんてタロウに馬鹿にされたばかりですし、犬塚にも特に同情を見せた覚えがありません。ハルカなら「犯人の誕生日を祝う? 変だけどこれも漫画のネタになるかも!」と変な方向で参加したり、雉野なら「誕生日か。そりゃ誕生日くらい祝ってほしいよな…」と同情したり、とるべきリアクションはあったと思います。キャラの個性で売っているようなのに話の都合で急に操り人形になって気味が悪かったです。

      >戦闘は短いですし、CGの都合もあるんでしょうが、リュウソウブラックにチェンジしすぎでしょう…

      イヌとキジは元のCGが酷いので必要性はできますが扱いが雑なのはダメだと思います。こんなに多用するならイヌは最近の戦隊で少ないブラックよりグリーンやブルーのほうが使いやすかったと思います。見込みも実装も全然ダメなように見えます。

      >これからは何も考えずにノリと勢いで見た方がいいのかなって思ってます。

      ノリというか井上の価値観を前提にしないと見づらいと思います。「人間としての価値:変人>>常人」といった具合に普通じゃない価値観が作中ではまかり通っているので常識的な価値観で見ているとついていけないと思います。

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  2. 主要メンバーが異常者の集まりだから謎っぽい戦闘中レッドが豹変するのも大した事無いように見える

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    1. 作中で重要なことには見えませんね。問題があるとすれば怪我するとか殺されるとかそういう話ですが今のところ本気で問題視しているようには見えません。
      「わけがわからん」というならあの世界や敵幹部、鬼に介人など謎だらけですし、どれ一つとして誰も興味を持った様子がありません。

      視聴者目線で主人公が信頼の置ける人物かどうかは、私にとってはそれなりに重要です。

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