『宇宙戦隊キュウレンジャー』 第19話「森の惑星キールの精霊」:感想

2017年6月25日

【ストーリー】

■生真面目
・今回は意図的に全体的に崩してきた印象を受けました。荒川さんのキャラの描き方を見習ったほうが良いとは言いましたが、悪い部分から真似てしまった感じがしました。
キールのキャラやそのノリで話が進むこともオメーガ戦のメンバーに緊張感が感じられないことも、ストーリーの流れと合っていないように感じました。スコルピオと戦っているラッキーの加勢にしろ地球の救援にしろ、急がないと取り返しのつかない緊急事態なのに緊張感が感じられずミスマッチなように思えました。そういうノリは苦手なのに無理してやってる感じがして何とも微妙な気持ちになりました。

■ラッキーの選択
・エリスを助けるために竜骨キュータマをスコルピオに渡した後のラッキーの発言は綺麗事に聞こえました。個人的には説得力を感じられなくてマイナスでした。全部助けるというのは立派な考えだと思います。でももう既にその理想を破っていると思います。
プラネジウムを吸い尽くされると星が爆発するというのは既に説明されていますし、司令たちの言い回しからすると実際に爆発した星も有ると考えるほうが妥当だと思います。そしてキュウレンジャー自身も大量のモライマーズが設置された地球を見て「今すぐ全部解決するのは現実的には無理」という判断を下しています。作中で相反する経緯が描かれているのに全部助けると言われても綺麗事にしか聞こえません。せめて現実と折り合いをつけるために、結果的には失敗するにしても人質を助けた後に竜骨キュータマを奪い返す算段くらいは見せてほしかったです。

■マーダッコ
・前回で異世界で爆散したのでどうやって復活するのだろうかと疑問に思っていましたが、冒頭であっさり復活していました。けっこう無難で適当なやり方に見えましたが荒川さんの書いた内容とすり合わせるのが面倒だったからでしょうか?

・あの足をどこから手に入れたのかが問題だと思います。
異世界まで取りに行ったとするとスコルピオの面倒見が良すぎるし、前もって切っておいたとすると今後も保険をかけておけばマーダッコがいくらでも復活できそうに思えてしまいます。どこに落とし所があるのでしょう?

■ぬいぐるみ
・冒頭で見かけたとき「おっ」と思いました。今年もキャラのぬいぐるみを売るみたいです。ジュウオウジャーで味をしめたのでしょうか。

・販促の仕方はジュウオウジャーほど上手くはありませんでした。
チャンプへのお見舞いに使うのは良いです。ただ、”誰が置いていったのか”がピンと来ませんでした。候補者はスティンガーと小太郎、あとは名も無きモブキャラくらいしかいないと思います。スティンガーも小太郎もあんな可愛らしいぬいぐるみをお見舞いに選ぶとは思えません。新キャラの前フリとでも言われたほうが自然に思えるくらい不自然に見えました。


【アクション】

■逆に新鮮
・タイヨウシシレッドの格闘戦が新鮮に感じられました。普段は武器ばかり使っているから素手の格闘戦が逆に物珍しく感じられました。細かいところでバリエーションをつけていくのは良いことだと思います。


次回は小太郎が復帰する模様です。
直感的にはちょっと早いかなと思いましたが、小太郎は13話のラストで旅立って以来だから5話ぶりでした。5話といえば1クールの半分相当だから早くもないですね。
スティンガーは一人相撲でかなり空回りしている印象なのですが救いはあるのでしょうか? 今のままだとかっこ悪すぎ&役立たずで別にキュウレンジャーに戻ってこなくてもいいかなぁと思ってしまうところがあります。

コメント

6 件のコメント :

  1. 初めまして。いつも興味深く拝見しております。
    本編は毎週5歳の息子と視聴していますが、個人的にはスティンガーが鼻につきます(笑)。初期より、ラッキー達と別行動が多く目立つ存在でしたが、なんと第二章はスティンガーと兄の物語だと公式ブログが認めていますね。サブタイトルでの記載も多い。さらには史上初、本編放映中にスティンガー主演のVシネマが発売されます。途中からキューレンジャーを見始めた方はスティンガーが主役と勘違いしてもおかしくありません。
    スティンガー役の役者さんのtwitterを見ると、八方美人で世渡り上手なタイプのようで、余計に応援する気が失せます・・・
    事務所(ケイダッシュ)の力によるものなのか、制作サイドが心情的にスティンガーびいきなのか、もしかして第二章で消えるキャラだから今のうちに集中的に露出させておくという事なのか。真相は分かりませんが毎週モヤモヤしております。

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    1. はじめまして。ご愛顧いただきありがとうございます。

      >個人的にはスティンガーが鼻につきます(笑)。

      出番が多いですよね。戦隊メンバーの単独Vシネ、しかも放送終了前とはびっくりでした。
      その割にストーリー上の見せ場やドラマが薄いのが辛いですね。追加戦士でよくある主役を食うくらいに目立っているならあとは好みの問題なのですが、一本立ちできるほどの魅力を感じていないので物語に入り込みにくいです。

      >もしかして第二章で消えるキャラだから今のうちに集中的に露出させておくという事なのか。

      なるほど。考えてもみませんでしたが、確かにそれくらいの理由があるほうが納得がいきますね。

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  2. だいぶ初期から思ってたんですが、そもそも毛利さんの脚本のスタイルってキュウレンジャーの番組形式に合ってないんじゃないかと…。
    以前此方の感想で「深刻な背景設定をキャラのノリで押し切る作劇法」と称されましたが、毛利さんが参加した過去のヒーロー作品(『ニンニンジャー』や『仮面ライダー4号』)を振り返ると、細かい点を気にせずギャグと勢いで突破!という単純な作風では無く、逆にキャラの心情や過程を真面目に描写することが多い印象があります。キュウレンジャーのような大人数がゆえにノリとおふざけで荒っぽく転がす作品はむしろゲスト脚本の荒川さんや下山さん向きなのではと思いました。
    しかもラッキーのキャラの複雑さやナーガ、スティンガー、小太郎の「今後の展開に発展しそうな設定」を思い返すと、どうも“キュウレンジャーで”いつも通りの細かい心情や過程の構築をやろうとしている節が見て取れます。毛利さん的にはよっしゃラッキー!とかボナペティー!とかセイザアタックのコントよりスティンガーのシリアスな物語の方が筆が乗っているのではないでしょうか。
    それでもし大人数と細かい作り込みが両立出来て面白いなら素晴らしいと思うのですが(実際そういう意図で毛利さんが登板したのかもしれないですが)、今のところは不安の方が勝っていますね…。頑張って欲しいです。

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    1. そうですね。私も作風が合っていないのではと番組開始前から疑問に感じていて、未だにその印象は拭えていません。

      これまで参加された作品の印象だと「派手さはないけど落ち着いたストーリーを書く人」という印象でした。キュウレンジャーの感じとは真逆ですよね。
      しかもただでさえ戦隊では1人、二人は空気になるキャラが出てきがちなのにキュウレンジャーでは9人(今は11人)ですから余計に毛利さんの印象とは噛み合わないように思いました。
      今のところ、ギャグもシリアスも冴えずに無為に時間が経っている感じで明るい兆しは見えてきません。大変だとは思うのですが、どこか一つでも光るところを見せてほしいです。

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  3. >全部助けるというのは立派な考えだと思います。でももう既にその理想を破っていると思います。

    ラッキーは何かと「俺が絶対守ってやる」「俺が全部なんとかする、敵討ちも手伝う」など、その場その場では立派なことを言うのですが、それが果たせない確率が高く、また、ひょっとして自分がそう言ったことを忘れているのか?と思うほど、果たせないことに対する感性がかなり鈍いように見えます。良く言えば徹底して後ろを振り返らない、ということなのかもしれませんが、個人的には、以前ありとあらゆる闘えない理由を切り捨てておきながら自分にはアンラッキーを理由にそれを許したこと、ガルへの不誠実さなどとも相まって、その言葉を真に受けてはならない、信用してはならないレッド歴代NO1になってしまっております。

    >ぬいぐるみの販促

    ジュウオウジャーのぬいぐるみはかなり好調な売れ行きだったので今年もということのようですが、売れた要因として、単に出来が良くかわいかっただけでなく、「操が作った」というのが結構ポイント高かったように見受けました。
    小さい子のおかあさんが我が家に来たとき、飾られたタスクを見て「あ、それ!」と笑ってちくちく縫う真似をしたんですね。欲しくて探したけどどこにもなかったと。私が買ったときもお店の人の手書きで「ザワールド操がみんなのために作りました!」と宣伝していました。キャラクターにまつわるエピソードがあるのとないのでは思い入れも違うでしょうし、冒頭でさ〜っと流れるだけだとどれだけ販促になったかは微妙だと私も思いました。

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    1. >信用してはならないレッド歴代NO1になってしまっております。

      ラッキーの言葉には責任感や言葉の重みが感じられませんね。
      慎重派のブルーなど参謀ポジションがいればまだメンバー全体でバランスを取ることもできるのですが、現状だと作戦立案と意思決定の全てがラッキー任せになってるんですよね… うかつに刺激すると圧政が酷くなる状況で無鉄砲に動くのは個人的にはいただけません。侵略者の撃退とかだったらまだ良かったのですが。

      >売れた要因として、単に出来が良くかわいかっただけでなく、「操が作った」というのが結構ポイント高かったように見受けました。

      私も印象に残ったところはそこですね。ただ出すだけだと上手くやったジュウオウジャーにはだいぶ見劣りします。
      キュウレンジャーなら救世主なのですから「以前助けた占領地の子供からのお礼」とか、子供を励ますためにメンバーの誰かが作るとか、やりようはあったと思います。
      もっとも今の毛利さんにそんな余裕があるかというと疑問ですが。

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