『仮面ライダーアマゾンズ』 第2話「BEAST INSIDE」(TV版):感想

2016年7月14日
・今回は無事にテレビ版を録画できたのでオリジナルと見比べてみました。
先にテレビ版を見て、その後にオリジナルを見ました。せっかくなのでテレビ版を見た時点での感想とオリジナルを見た後の感想を両方書きました。
どこがカットされたのか知りたい人のために確認できた違いを羅列して書いておきます。


【TV版を見た時点での感想】

■アクション
・短くてテンポが良かったです。1話の冗長さとは真逆でした。
一発ごとに吹っ飛んだりちぎれたりして何が致命打になるか予測できない緊迫感がありました。
駆除班がやっぱり要らない感じですね。トンボアマゾンへの攻撃もそうですが、全然効いているように見えず退屈です。こんな感じにアマゾンどうしのバトルを中心にして続けてほしいです。

・カメラは上半身が映るくらいが良いですね。
腕だけアップの場面など寄りめだと、どこがどう動いているのかよくわからないカットがありました。もうちょっと引きめで撮ってほしいです。

■ストーリー
・薄かったです。
とても小林靖子さんが書いているようには見えないほどストーリーの面白さが感じられませんでした。宣伝文句で聞いたことがあるような内容しかまだやってません。仁に悠に駆除班とメインキャラを3組出したら、そりゃ一人あたりの話の進み方も1/3にしかなりませんね。現状だとキャラクターのドラマメインで進めるつもりなのか、アマゾンなど設定や世界観メインで進めるつもりなのかさえ判断がつきません。

・一番キャラが立っているように感じたのが仁の彼女さんでした。
仁に着いて行くという行動方針がはっきりしている一方、頼まれた以上に悠の面倒を見たりしていて人間味が感じられました。
キャラ的にはいつ死んでも問題なさそうな脇役なので、そこに注目してしまう自分のピントがズレていそうで心配です。

■アマゾンの謎
・今回の秘書の説明だとアマゾンたちはアマゾン細胞から創り出された人工生命体であって、改造人間ではないらしいです。
そのわりには人間社会に馴染めているのが不思議でした。普通に考えると常識に欠けていて社会の中で悪目立ちして会社に補足されると思います。人工生命体なので知能を図るための実験が行われていても不思議はありませんが、4000体全部に人格を形成させたり教育を施したとは思えません。データを取るだけならそんなに必要ないでしょう。本当に人工生命体なのでしょうか? 怪しいです。

■話がわかる人は好き
・「(実験体の数は)約4000」と聞いたときに、これは途中でアマゾン抹殺装置ができて雑に処理されたり、「仲間を数百体食べて強くなった共食いアマゾン」が強敵として現れたりするんだろうなと思いましたが機先を制されました。こういう話が早い展開は好きです。
アマゾンマンションが登場する次回だけで何体死ぬのでしょう。しかしながらアルファもオメガも駆除班もビームなど大量殺戮に便利なものは使えそうにありません。どうやって数をこなすのかが気になります。銃弾一発で死ぬ程度じゃアルファたちの出番ないですし。「奥にまだ○○体いるはず→目的地に着いたらアマゾンの死体の山を目撃。アルファ『遅かったな。もう終わったぞ』」って定番のタイプでしょうか?



【TV版とオリジナルの違い】



■基本的な構成の違い
オリジナル版:全40分(2話のみ)。
テレビ版:OPやCMを除いて正味で約24分。EDの代わりにOPがある(歌は同じ)。

時系列に大きな変化はなし。
基本的にはカットのみ。一部のシーンで順番の入れ替えが行われている。

■2話での傾向
アマゾンの説明を除いて、駆除班周りの台詞が大幅カット。
竜介のモノローグがほぼ全滅。
美月、七羽などサブキャラの台詞も必要最低限。
アクションはダメージのない小競り合いがカット。

■カットされた部分(表記のない部分と全体の流れはほぼそのまま)
・冒頭のコウモリ戦。
駆除班の台詞ほぼカット。竜介のランク確認や竜介へ語りかける仲間もカット。
オメガが跳びかかってはコウモリにあしらわれる小競り合いがカット。コウモリさんはいきなり羽根を千切られて殺される。(テレビ版だとオメガが圧勝して強そうに見える)

・オメガを気絶した後の駆除班による「投降しろ」などのアルファへの問いかけカット。
竜介に襲われるモグラだけ残して、竜介への語りかけもカット。
「アマゾンって何なんだ?」、隊長「俺も知りたいよ…」というやりとりを除いて、駆除班周りの台詞を短縮。
その後の人間に戻った竜介のモノローグ全カット。

・学校で美月が母親に電話をかける前の同級生のいじめ描写カット。電話をかけるところからスタート。

・仁と悠の会話、仁が食事を運んでくるところ短縮。
「腕輪なしでどうやって抑制していたのか」と話すシーンで、「注射をしていた」と話すときにオリジナルにはない注射ケースの映像が挿入されていた。

・「一度目覚めたら薬はもう効かない」の後、鶏を絞めるシーンがカット。「お前は間に合ったけど」の台詞もカット。

・駆除班アジト、秘書のアマゾンの説明だけ残して部分部分で短縮。
「竜介は期限が切れたってわけか」と怒る隊長などカット、竜介からの電話までワープ。
電話の後、出撃する駆除班を見送って「緑と赤は現状では保留です」とつぶやく秘書、カット。

・「駆除…、するんですか?」の後の駆除班の運転手さんの台詞ほぼカット。
シーンの順番を入れ替えて隊長の「金のために駆除班やってる」の話を直結。(オリジナルは仁が竜介のところにやってくるシーンを挟んでいる)

・オメガ変身前、仁の彼女が屋上で「自分の力で生きなきゃ」と悠に語りかけるシーン全部カット。その後の変身直前まで見守る姿もカット。

・竜介に食われた人の「お前に食われるんだったら…いいか」カット。


【オリジナルを見た後の感想】

■カットして正解
・全体的にはTV版のほうが見やすく、完成度が高いように見えました。
映画でもそうですがディレクターズカット版はだいたいが無駄に長くて面白くありませんね。オリジナル版ではアクションは間延びしたところがありましたし、ストーリーは駆除班がネックでした。駆除班の話は時間がかかるわりに内容がありきたりで面白くありませんでした。再編集時にカットされるのも当然だと思います。
3話以降は最終話を除いてほぼ30分以内の上映時間になっていますので、TV版で重要な場面がカットされる可能性は少なくなりそうです。間延びしたシーンが減ってテンポが良い分、テレビ版のほうが楽しめるのかもしれません。

・カットと言えば、次回予告をカットしないことが不思議でした。
次回予告は削って、本編の時間を増やすほうが良いと思います。最近のアニメでも本編の時間を確保するために次回予告は削ったり簡易版にしたりして、ネット配信で次回予告を済ませているケースも珍しくありません。アマゾンズも元々ネット配信がメインだったのですから、そういう形にするのも有りだと思うのですが…?

・逆にカットして良かったのかと疑問に感じるところもありました。

1つ目は竜介のモノローグです。
理性を保っているモグラ獣人という例外がいるので、通常のアマゾン個体を説明する上でアマゾン化に伴う龍介の変化には意義があると思います。「人間の状態だとまともでもアマゾン化すると凶悪になる」という点は仁や悠の危険性を描写する上で必要だと思います。「一旦理性を取り戻したけど結局本能に逆らえなかった」という竜介の描写をカットしてしまって大丈夫なのでしょうか?

2つ目は学校でいじめられる美月です。
悠に優しくする理由など美月の言動に関わる背景だと思うのですがいいのでしょうか? 平成ライダーのようにヒロイン自体が空気になるなら無くていいと思いますが。

3つ目は仁が鶏を絞めるシーンの台詞です。
「アマゾンになる前から自分で殺したものしか食べない」という台詞を聞いたときに、「アマゾンになる前ってどういうことだ?」と疑問に感じました。秘書の説明によるとアマゾンは細胞から創り出された人工生命体だったはずです。まるで元々は普通の人間だったような口ぶりです。「アマゾンとしての本能が目覚める前から」という意味なら通らなくもないですが不自然な感じがします。
腕輪も要らないですし、「仁は例外」(そもそも実験体ではない?)ということなのでしょうか?
いろいろな疑問が浮かんでくる台詞でしたが、カットしてしまって問題ないのでしょうか?

最後に独り言を言う秘書です。
駆除班が出撃した後に「緑と赤に関してはわかりません。現状では保留です」と言う場面、あれは誰に向かってしゃべっているのか謎で、伏線のように見えましたがカットして問題ないのでしょうか? 後で秘書が裏切ったりするなら前振りとして必要だと思うのですが。

いずれも後の話でやる他の描写で補完可能だと良いのですが。


コメント

10 件のコメント :

  1. ちょっと期待外れでした。駆除班の面々のことについてイマイチ分かっていないので、かつての仲間を駆除することについての躊躇に対して心情的に乗り切れませんでした。七羽は「私は仁の生き方に共感した」とかキャラ紹介そのまんまみたいなことを喋り出すし、「これが大人向け?」と思ってしまいました。期待値が高すぎたのでしょうか。ミリタリーっぽくて死人が出て暴力描写があったら大人向けだって勘違いしてるんじゃないの?と感じました。

    ただアクションはそれなりに楽しく見られました。撮り方などに工夫を感じましたが、そこまでお金がかかっているようにも思えなかったのですが、どうなのでしょう?ニチアサライダーでもこれくらい普通にやれそうなものだと思うのですが。あと駆除班の攻撃が早くも効いていなかったのには笑ってしまいました。こんな役立たずならもっとモブっぽいキャラのほうがよかったんじゃないですかね。まだ2話しか見ていないのでなので何とも言えませんが。

    アマゾンは劇中の話だと人工生命体のようでしたが、描写で見ると人工細胞を埋め込まれた人間、のように感じました。私の読解力の問題なのかどうなのか分かりませんが、どうなのでしょう。まあまだ2話なのでもう少し楽しみに見ます。

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    1. >駆除班の面々のことについてイマイチ分かっていないので、かつての仲間を駆除することについての躊躇に対して心情的に乗り切れませんでした。

      そうですね。スタッフとの間にギャップを感じました。
      現段階ではそれほど感情移入できてません。

      >七羽は「私は仁の生き方に共感した」とかキャラ紹介そのまんまみたいなことを喋り出すし、「これが大人向け?」と思ってしまいました。

      七羽はどのくらいのポジションなのでしょうね?
      出たり出なかったりするくらいの脇役ならあれくらい簡単でもいいと思いますがメインキャラだったら駆け足だと思います。

      >ニチアサライダーでもこれくらい普通にやれそうなものだと思うのですが。

      バイオレンス描写を除けば可能だと思います。
      最近は全く冴えませんが理由がわかりません。スーツの造形の問題ではないと思うのですが。

      >あと駆除班の攻撃が早くも効いていなかったのには笑ってしまいました。

      トンボはBランクだからなのでしょうね。
      個人的には武器が効かないのはともかく、駆除班が特に気にせず攻撃し続けていたのが不思議でした。攻撃が効かないことに焦ったり、攻め方を工夫したり、何かしら反応するのが自然だと思います。「毎回部隊内で死人が出るのが当たり前」という感じでもなさそうでしたし、いまいちわかりません。
      駆除班には撮影スタッフの趣味という以上の意味があるんでしょうかね?

      >アマゾンは劇中の話だと人工生命体のようでしたが、描写で見ると人工細胞を埋め込まれた人間、のように感じました。

      私も人間ベースで改造されたように思いました。
      秘書が嘘を言っている可能性も充分あるので人工生命体というのが嘘なのか、それとも何か設定があるのかどちらなのでしょうね。
      アマゾンなのかすらわからない仁や変身を繰り返しても正気を保っているマモルなどもいますし、アマゾン関連は謎が多いです。

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  2. ここも含めてですが、プライム版を見た人達のスレを見た後で、テレビ版を見た人の感想を見ていると、失礼ですがどれも薄っぺらい感想ばかりだなぁと感じました。
    テレビ版を見た人達の反応を期待していただけに、がっかりしてしまいました。
    面白さが感じられないというより、楽しもうという気持ちがないのでは?
    正直、最初から粗探しをするために見ているように感じました。
    あまりの酷さに読んでいて怒りが込み上げてきたので、失礼ながらコメントさせていただきました。

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    1. お言葉ながら、批判したいなら記事をよく読んでから書くのが最低限のマナーだと思います。「プライム版を見た人達のスレを見た後で、テレビ版を見た人の感想を見ていると、」と仰られていますが、私は1話と2話はアマゾンプライムで配信されているオリジナル版を見た上で記事を書いています。
      最初から粗探しをしようとしているのはあなたのほうだと思います。

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  3. 一話からプライムビデオでの配信を追っていましたが、正直なところ詳細な設定や駆除班のアイデンティティーに関連する部分はリアルタイムで公式サイトが更新されていくことで補完されていたと感じられました。
    ネット配信が前提としてあったということと、全13話という縛りの中での措置であったと思います。Owlさんは、普段物語がその番組内で整合性が取れているか、描写がきちんとされているかに多く視点を向けているように見えるのですが、アマゾンズに関しては物語の中で明かされない部分などが公式サイトに記載されていたりするので、最後まで見た段階で公式サイトを見てみると面白いかもしれません。今見ると終盤までの展開が全部乗ってしまっているのでご注意ください。

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    1. はい、仰るように基本的なストーリー展開に関わる部分はその根幹、アマゾンズで言えば映像作品内で語られるべきだと思っています。
      たとえば、駆除班のメンバーがお金を必要とする具体的な理由や加入経緯などは本編内で語られる必要はありません。それは2話で隊長が言っていた「正義や理想ではなくお金のため」という説明だけで充分だからです。
      逆にアマゾンたちが人工生命体のわりには社会に馴染めている点はいずれ説明が必要だと思います。「実験体は人混みにまぎれていて見つからない」ことが基本設定の1つだからです。

      最終回まで見終わってからは興味があったら資料集なども見ます。
      本編で語られていないのに「公式サイトに書いてあったやつ」と脳内で処理してしまうと感想を書くのに支障が出る恐れがあるので最終回までは極力避けます。

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  4.  どうも、アマゾンプライム版を見たことが無いので(どんな手順を踏んで見るのか分からない為)BS放送の方を視聴しています。別段特にこれがイマイチだとか、手を抜いていると思えることはなく、深夜特撮、画面全体が薄暗く感じる特有のノリがあるので、自分としては面白く感じます。仁の野性味あふれる、ふてぶてしい演技を見て、こんな感じのヒーロー久しく見ていないなぁと思いました。ラジレンジャーで主人公のお二人がゲストで出演した際も、仁は仁でした。脚本どうこう・見せ方どうこう、は分かりませんが、何も考えず楽しめるのが、いいですね。

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    1. >アマゾンプライム版を見たことが無いので(どんな手順を踏んで見るのか分からない為)BS放送の方を視聴しています

      1話と2話はアマゾンのアカウントを作るだけで見れますよ。
      アカウントはメールアドレスだけで、名前とかは適当に埋めれば作れたと思います。あとはログインした状態でアマゾンズの配信ページに行けば見れます。

      >深夜特撮、画面全体が薄暗く感じる特有のノリがあるので、自分としては面白く感じます。

      そういうのがお好みでしたら『牙狼』も合うと思います。
      今ならテレビ東京でシリーズ第一作目のHDリマスター版を放送していますよ。

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    2.  なるほど、ありがとうございます。
      しかし仁を演じている方が以前、スーパー戦隊にてゴーブルーをやっていたとは、時間の流れを感じます。
       後、すいません地域的な問題でテレビ東京は映りませんが、『牙狼』は2005年に放送されていたのを食い入るように見ていたのを覚えています。話の幹がしっかり直立していればどんなに時間がたってもおもしろいですね。

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    3. >しかし仁を演じている方が以前、スーパー戦隊にてゴーブルーをやっていたとは、時間の流れを感じます。

      そうなのですか。知りませんでした。
      最近は昔出た人のカムバックがけっこうありますね。

      >話の幹がしっかり直立していればどんなに時間がたってもおもしろいですね。

      しっかり作られたものは時間が経っても保ちますね。

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