『仮面ライダーアマゾンズ』 第1話「AMAZONZ」(TV版):感想

2016年7月9日
・そのうち見ようと思っていましたがTV版をやるというので見てみることにしました。
amazonの公式ページのほうで1,2話は無料配信になっているので当初の予定ではオリジナル版(40分超)とテレビ版(正味25分程度)と比較してみようと思っていましたが、1話を録画失敗していたので今回はオリジナル版のみの感想です。

■見たことあるやつ
・1話は面白くなかったです。
というのもエンタメ要素が薄い上に、どこかで見たことある作風だったからです。それが何かというと劇場版のライダーです。予算が多くなって好きに撮っていいとスタッフがよくやるミリタリー風の映像が延々と続いていました。鎧武の劇場版やエターナルでやってたみたいなやつです。見ていて「これ、ライダーでやる価値あるの?」と思うのですが、それが1話の間、延々と続いていました。こういうのは好きじゃありません。やるならライダー抜きでも見られるクオリティにしてほしいです。

・1話でライダーにあたるアマゾン(オメガとアルファ)が出るのは3分にも満たず、あとは大半が銃火器を持った人間vs雑魚怪人でした。
人間のバトルが面白ければまだ良かったのですが大したことはありませんでした。ドラマ面では「死んでも困らないぽっと出の傭兵部隊vs雑魚」という構図がマズかったです。どっちが勝ってもどっちでもいいです。まだ名前すら覚えてない人たちを人質にして「死んじゃうかもしれませんよ? 可哀想でしょう?」と訴えかけられても困ります。想定されている気持ちの置き所がよくわかりませんでした。

■モグラ獣人
・1話で比較的盛り上がれたのはモグラ獣人でした。
人間に味方しているアマゾン(実験体)として登場していました。原作の流れを踏まえているし、登場したときの意外性もあって面白かったです。

・ただ、良くないところもありました。
モグラ獣人がいるせいでますます傭兵部隊の存在意義が怪しくなっていました。部隊のメンバーが言うにはモグラ獣人がいなくても勝てるらしいのですがそんな風には見えず、かといってモグラ獣人と人間のコンビネーションが映像として見られるわけでもありませんでした。モグラ獣人も人間も怪人相手に何がどう有効なのか伝わってきません。曖昧なルールのままバトルが繰り広げられることが退屈でした。ルールを知らないスポーツを見せられてるような感覚でした。大型の武器とか罠とか、「これが決まれば人間でも倒せる!」って感じのする物があったほうが流れがわかりやすくて良かったと思います。

・モグラ獣人が蜘蛛型怪人の複腕を引きちぎったり、心臓を抉り出したりするところはアマゾンのイメージ通りの感じがして興奮しました。
でも特定の箇所以外は普通の殴り合いや揉み合ってるだけのシーンが多く、期待していたよりも刺激がありませんでした。もっとアクションシーンでは3分に一本腕が飛ぶくらいのを期待していました。けっこうマイルドでバイオレンスという感じではありません。そこらのアクション映画のほうが悪役の腕を折ったりしてる分、よほどバイオレンス感があります。

■ドラマも…
・ドラマ部分もいまいちでした。
明らかにアマゾンが生まれた実験に深く関わっている主人公?も、最後にアマゾンアルファであることが明かされる謎の男も、最初から”明らかにこいつらには何かありますよ”と明け透けなのに前半から最後まで引っ張っていました。出てすぐにわかる要素で引っ張られても退屈です。

・トンボ獣人のほうは逆にあっさりでした。
もっと引っ張るかと思ったら1話の間に回収されて驚きました。1話はトンボ獣人をオチにして傭兵部隊の雑魚処理を通して世界観と設定を描いていき、最後にトンボ獣人の覚醒と乱入するアマゾンアルファで締める形にしたほうが良かったじゃないかと思いました。オメガやアルファに変身する人物の話は2話以降で間に合うと思います。オメガにアルファに傭兵部隊に野良アマゾンと、話を複走させすぎて話が散漫になっているように感じました。


1話の段階だと特に見どころがなく、気になる点もあまりなく、正直言って「こんなものなの?」と思う内容でした。個人的な印象としては「ライダーの前後編の前編」という印象です。いつもどおりのライダーで前編では後編で解決する要素の羅列だけで何も進みません。後編であろう2話では話がテンポ良く進むと良いのですが。一見映す価値がないように見えたシーンも意味のある前振りだったと思えることを期待します。


コメント

8 件のコメント :

  1. 序盤の数話をまとめて見ていた自分はすぐ入り込めたんですが、一話ごとの感想だとそうなりますか…。配信されてる媒体からして、まとめて見た方が面白いタイプかもしれません。正直次の第2話も合わせて、ようやくスタートラインと言えるので。

    アマゾン怪人は強さにランク付けがされており、それで駆除班(傭兵の皆さん)でも倒せるかどうかが決まるとか。今回のランクはA~Eの内のどれだとか、このランクなら報酬も高いとか、会話してたのがそれですね。モグラアマゾンはCランク程度なので、高いランクと戦う時には戦力を借りる必要があるとか。
    要するにランク次第で人間でも勝てる雑魚戦闘員か、ライダーで対抗できる怪人か決まるとのこと。この辺は自分も初見ではわかりませんでしたが。

    後々の話も、2話構成が結構多かったりしますね。今回みたいにピンチで締めるのが主になってくる構成と言えます。

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    1. 設定はわかるのですが、お話の構成と面白さがよくわかりませんでした。
      ランクの話で言えば、最後のアマゾンが2体同時に現れた場面の面白さがわかりませんでした。Aランクが圧倒的に強くて勝てそうもないことはわかりました。さっき手こずったのと同じ相手+更に格上の敵がいるわけですから勝ち目がありません。逃げないのが不思議なくらいでした。モグラアマゾンも全然歯が立たず、他に切り札があるわけでもなく、やられるのを待つだけに見えました。個人的には駆除班が全滅しても「そういう話なんだ」としか思わない段階なので、間延びして退屈に感じました。敵の強さの描写はAランクの話が出た時点で終わっているし、このシーンに時間をかける意義がわかりませんでした。

      前半20分で1話の内容を終わらせて、残りで2話以降の内容に進んで支障ないように思いました。

      >後々の話も、2話構成が結構多かったりしますね。今回みたいにピンチで締めるのが主になってくる構成と言えます。

      2話構成で面白いならそれで良いですが、1話みたいにいつものライダーの前後編みたいな間延びした構成になるなら嫌ですね。テレビじゃできないことをやることを売りにしておいて、特に理由もなくテレビと同じような構成では看板倒れです。

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  2. 1話は間延びがすごかったですね、TV版はTV版で圧縮されすぎていました

    これから今の2期ライダーに比べてキャラクターの建った人物のドラマが続くのでそういう面では面白いです
    しかし、ランク制度が意味を成しているかといったらそうでもないですね
    駆除班のモチベーションという以外の機能は示していません

    自分は13話まで見て、作品のテーマが理解できストンと落ちたような形でした
    書く話少しずつテーマを持ってやってることは感じられ、面白い表現だなと思わされるシーンも今後は多いです
    全て見終わって管理人様がどう思われるのか気になるところであります

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    1. >1話は間延びがすごかったですね、TV版はTV版で圧縮されすぎていました

      少なくとも1話に関してはTV版が見られなかったことが残念です。
      24分でも内容が足りてないくらいだと思うのでまだマシだったのではないかと思っています。

      >ランク制度が意味を成しているかといったらそうでもないですね

      ランクは期待していません。
      「下位ランクだけど強い」とか「ランクでは評価されない能力」とか、バトルものだとランクは上位ランクが倒された時点で有名無実化するものが多いですからね。そんなものだと思います。

      >自分は13話まで見て、作品のテーマが理解できストンと落ちたような形でした
      書く話少しずつテーマを持ってやってることは感じられ、面白い表現だなと思わされるシーンも今後は多いです

      そうなのですか。1話は間延びしていたと評される方にそう言われるとこの先は期待してもいいかなと思えてきます。

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  3. 返信ありがとうございます

    ランクはおっしゃる通り今後有名無実化します

    >そうなのですか。1話は間延びしていたと評さ>れる方にそう言われるとこの先は期待しても
    >いいかなと思えてきます。

    個人的には平成1期の作品を見終わった感覚そのものです、個々の話は間延びやうーんと思えるものが多くともラストまで見ると全体が一つのテーマでつながり評価できるようになるというそんな感覚です

    最低限最近のライダーより深く伝わるメッセージがありました、しかし所詮はライダーです、期待は上げすぎず見た方が楽しめるのは間違いないです

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    1. >個々の話は間延びやうーんと思えるものが多くともラストまで見ると全体が一つのテーマでつながり評価できるようになるというそんな感覚です

      13話で全話単独脚本という点を踏まえると微妙ですね。派生元が元だから仕方ないのかもしれませんが。シーズン2も発表されている点が大きな不安材料に感じます。

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  4.  個人的な感想としては、BSのカット版が初見の自分にとってアマゾンズは不純物が少なくスッキリした印象を受けました。やはり40分と20分弱なのは大きいですね。

    >殴り合いや揉みばかり

     これはもう設定上仕方が無いのではないかと思います。毎回固有武器やフォームチェンジを持つライダーと違ってアマゾンズは敵怪人もライダーも皆怪物らしさを優先させてるので武器は無し+猛獣の様な戦闘スタイルなど、毎回CGを多用してるニチアサと比べれば絵的に少し地味に感じるのは当然かと。
    最も登場キャラは皆立ってますしそれほどゴチャついてない戦闘シーンは自分は気に入りましたけどね。

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    1. >毎回固有武器やフォームチェンジを持つライダーと違ってアマゾンズは敵怪人もライダーも皆怪物らしさを優先させてるので武器は無し+猛獣の様な戦闘スタイルなど、毎回CGを多用してるニチアサと比べれば絵的に少し地味に感じるのは当然かと。

      個人的には逆の考えですね。
      何も対策せずに素手vs素手で戦わせたら間延びすることはやる前からわかっていたはずだと思うからです。ウルトラマンや昭和ライダーなど前例はたくさんあります。それでもやるなら何か解決策があるのだろうと期待していました。
      たとえばグロ描写がその1つになり得る存在でした。出血や部位欠損があれば直接決め手にならない格闘戦にも意義が感じられます。これはオリジナルのアマゾンでもそうですし、ロボットアニメなどでも多用されている手法です。
      それ以外にも「戦闘時間を短くする」というアプローチもあり得たと思います。1話ごとの時間をいじれるくらいですから、間延びするくらいならバトルを短時間で済ませてしまうのも有りだと思います。
      その他にはドラマ面でのアプローチもできたでしょう。「敵怪人は一向に消耗しない一方、駆除班やモグラ獣人は消耗していく」なんて緊張感を出すこともできたと思います。

      意味がないシーンに意味を持たせるのが演出の役割だと思うので、私はそこでの妥協はあまり考えたくありません。

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