ニンテンドー３ＤＳダウンロードソフト『ＳＴＥＥＬＤＩＶＥＲ ＳＵＢＷＡＲＳ』の無料版（体験板）をさっそくプレイしました。
以下、レビューと感想です。



■驚くほどにＦＰＳ
・ニンテンドーダイレクトで「じっくりＦＰＳ」と紹介されていましたが、やってその意味がよくわかりました。
確かに流れはゆったりしていますが、システムはＦＰＳになっています。位置取りや仲間との連携、待ちぶせ、奇襲、相手の心理の裏をかく作戦行動、先読み射撃などなど、ＦＰＳのテクニックが求められるバトルに仕上がっています。

■攻防のバランスが良い
・通常のＦＰＳは攻める側が圧倒的に有利です。
背後から奇襲を受けた場合、一方的にやられてしまい、それがストレスになることも多々有ります。その点、このゲームは防御側にもできることがあって、一方的な感じがしません。
魚雷なので弾速が遅く、中距離以上であれば「左後方から魚雷が発射されました」という警告メッセージを見てから回避行動に移っても避けられるのです。先制攻撃されたミスを自分の腕でカバーでき、かなりストレスが軽減されています。敷居を下げると同時に、ゲーム性もあって良いシステムだと思います。

・特に面白いのが弱点の存在です。
本作では艦の中央とスクリューが弱点で、そこに当たると大ダメージを受けます。しかし弱点を狙うと攻める側にもリスクが生じます。どちらも的が小さく、ピンポイントで狙うことになるからです。
そうすると守る側にとっては、相手のおおよその位置がわかれば軌道が読め、更に弱点狙いと絞ると上下左右どちらに避ければ当たらなくて済むか予測しやすくなるのです。大ダメージか、当てやすさか、攻める側、守る側、双方に判断を迫るバランスの取れた良いシステムだと思います。

■チャットはモールス信号！
・本作のチャット機能はなんとモールス信号となっています。
Yボタンを軽く押すと・、長く押すと―となり、この2つの記号の組み合わせで入力するのです。
と言っても、自動的にアルファベットと数字に変換されるので記号を覚える必要はあまりありません。ぶっちゃけ、普通の名前入力みたいなキーボード式を不便にしただけです。
しかし独特の雰囲気は出ているので、これはこれで有りだと思います。戦場だと情報のやりとりや指示があるとチーム格差がはっきりしてしまうので、それを防ぐために意図的に不便にしている面もあるのでしょう。

■引っかかる点
・対戦に同レベル帯のみでのマッチングと完全フリーのランダムマッチがあるのですが、なぜかランダムマッチのほうに「連勝ボーナス」という要素があります。
もらえる経験値は魚雷の命中数や撃破数、生存によって変わるのですが、ランダムマッチだと更に連勝ボーナスがかかり、同レベル帯より経験値が多くもらえます。
こうなると、無料版の初心者が経験値目当てでランダムマッチをやって、カモ狙いの上級者にボコボコにされてやる気を無くすという事態がいずれ慢性化する危険性が高いと思います。なぜそんな不和の種を撒くのでしょう？
不安を感じる発想です。

■オンライン対戦可能
・オンライン対戦は無料版でも製品版と同じものが遊べるです。
対戦は４ｖｓ４のチームデスマッチのみで、まず、国内・世界・ローカルから選べ、それからランダム対戦・同レベル帯対戦の2種類を選べます。
回数制限などは一切ありません。太っ腹ですな。なおフレンドなど特定の人とチームを組むことはローカル以外ではできないようです。

■ミッションは2つのみ
・メインはオンラインでの対戦ですが、シングルプレイもあります。
シングルプレイではミッションをプレイし、クリアすると勲章がもらえ一定数貯めると新しい潜水艦やオプションが使えるようになります。全部で７つのミッションがあるそうですが、無料版は2つ＊３段階の難易度のみ遊べます。
ミッションの内容は、1つはチュートリアルで定番の「リングくぐり」、もう一つは「輸送船団の撃破」です。
ミッション自体はかなりあっさりしていて、実質的なチュートリアルです。あくまで本番はオンラインということでしょう。シングルプレイ目当てで買うのは危険そうです。

■機体制限
・無料版で使えるのは、初期機体とミッションで勲章を集めるともらえる高速艦のみです。
書いてある機体スペックを見る限り、製品版の機体と比べると超えられないほどの壁は無さそうですが性能差はあるようです。1～2時間プレイする頃には無料版で使えるアンロック要素はほぼ解除できます。ちゃんと遊ぶなら製品版を買えばアンロック要素を楽しめますよ、ということですね。

■体験板としては破格の内容
・ひと通りのプレイに、製品版と同等のオンライン対戦も可能。
ここまでプレイできるなら、買うか悩むよりもまずやってみるほうがずっと早いです。体験板としては破格の内容です。

■ゲーム性はシンプル
・操作もわかりやすく、ゲーム性もシンプルです。
対戦はチームも任意で組めないので、そのときのメンバーの腕に大きく左右されます。野良にとっては気楽ですが、安定した勝負やチーム間での本気の勝負を望む人には嬉しくない仕様です。同レベル帯対戦が上位であれば機能してくれるといいのですが。