ダンボール戦機ウォーズ 最終回感想:シリーズを振り返って
テレ東で放送していた『ダンボール戦機ウォーズ』が最終回を迎えました。
3年続いたテレビシリーズもひとまずこれで終了となります。
シリーズを振り返ってみると、ウォーズの躍進には驚くばかりです。
無印とWは日野脚本だったためストーリーが壊滅的で、CGアクションとLBXだけを楽しみに見ていました。
それがウォーズになってからはストーリーまで面白い!
擬似戦争を通じて少年たちの人間模様を描く内容から、代理戦争・負けたら死ぬリアルな戦争への葛藤とスケールアップしていくダイナミズム。
前2作からは想像もつかない骨太なストーリーになりました。
いつでも手放せるロボットを使って、若者の変化と成長を描くホビーアニメとしてもキッズアニメとしても完璧な内容です。
不可能を可能にする狂人・山野淳一郎博士を中心としたドタバタ劇からは想像もできない展開です。
中でもロイくんの存在はすごかった。
主人公たちと同じ学生でありながら、内戦下で育ち代理戦争によって救われたバックグラウンドを持っている少年です。
彼の存在が主人公たちに困難な現実と向き合うきっかけを与え、物語を大きく変えました。
戦火に怯え、砲火が止む度に死体を片付けていたと淡々と語る一方で、戦況が落ち着いたわずかな間に友達とLBXバトルをするのが何より楽しかったと嬉しそうに語るロイ。
どちらも彼にとっての当たり前の光景だったことが伝わってきます。
止むことのない戦争を止めたもの、それが主人公学生を利用した代理戦争でした。
その結果、国は2つに分断され友人とも生き別れとなってしまいました。
悲しげな表情でそう語った後に彼は自分の気持ちを主人公たちに語ります。
「それでも僕はこの代理戦争のシステムを守りたい。問題もあるし理不尽なこともある。そうであっても本当の戦争よりもずっと良い。僕はこのシステムに感謝している」と。
感情を交えながら語る姿にリアリティを強く感じました。
正しいか、間違っているかではない、誰にも否定できない彼の価値観が感じられました。
キッズアニメとは思えない踏み込んだ内容に衝撃を受けました。
ダンボール戦機はテレビシリーズでなければ出せない面白さだったと思います。
CGアクションは毎回違った見応えのある動きでした。
それだけに留まらず、日々進化していくその姿が作中で機体を操る主人公たちの姿と重なって生き生きとしていました。
まとまった期間で作る劇場版や2クール作品ではこうはいかないでしょう。
「未来は今よりもきっと良くなる」明るいけれど根拠に欠けるキッズアニメの作風にリアリティをもらしてくれました。
3年というスケール感も存分に活かしていました。
シリーズ3作全てで悪役の主張は似た内容でした。それに対し、各主人公が答えを出す。
このフォーマットを繰り返すことで、作品をまたいだ群像劇のような趣があります。
だんだんとストーリー展開が良くなっていったことも功を奏しています。
作中での時代の流れとあいまって、1作目から続く主人公の意思が引き継がれ、深まっていくようで感慨深いものがありました。
バトスピの馬神ダン2部作もそうですが、長期クールで複数の作品に跨って続く話は良いですね。
時間の流れと積み重ねがあって、主人公の歴史にも適度な空白がある。大河ロマンのような壮大さを感じます。
ゲームをやってアニメ版の良さをより深く理解できました。
ゲームではディ・エゼルディ撃破後の流れが大きく異なります。
美都親子の救出劇の代わりに、アラタがポッドから出れなくなるシーンがあります。
ここで割れ目に飲み込まれるアラタを助けるのはLBXとクラフトキャリアーです。
ゲーム版はあくまで「LBXのプレイヤーのアラタ」という側面を重視しているようです。主役は最後まで商品であるLBXなのです。
それに対しアニメではアラタたちはポッドから降り、危険を顧みずに自ら助けに行きます。
ロボットに頼らずとも自分の足で歩み出す主人公たち。
原案のゲーム版には全くない描写なのに、しっくり来ます。
アラタ以外にも島を離れる生徒がいたのもアニメオリジナルです。
このおかげでリアリティがぐっと増しています。
主役のアラタを中心に描きながらも、周りもしっかり描いている点が素晴らしい。
ヒカルは特に良かったです。
美都先生に「お父さんが無事で良かったですね」と声をかける。
父親との確執があったヒカルから当たり前のようにこの言葉が出るとは驚きです。
出番はこのシーンと旅立ちを告げるアラタに驚くシーンくらいですが、わずかなシーンでヒカルの成長を描ききっています。
EDでは背景画だけで全てを語っています。
若者は兵士から少年に戻り、LBXは兵器から玩具に戻る。
基地やラボ、Wの主戦場だった宇宙からLBXたちがジオラマへと戻っていく姿はシリーズの終わりに相応しい光景でした。
終わってしまう寂しさもありましたが、良いものが見れた充足感のほうが強かったです。
ひとまずダンボール戦機シリーズはこれでお終いです。
ですがまだホビー誌での外伝小説や新しいプラモは続いていくそうです。
春からは再放送も予定されているそうです。
再放送に関しては無印とWのストーリーは酷いので、ウォーズで見始めた人ががっかりしないか正直不安ですが。
いつかまたシリーズが再開することを信じて待ちたいと思います。
3年続いたテレビシリーズもひとまずこれで終了となります。
シリーズを振り返ってみると、ウォーズの躍進には驚くばかりです。
無印とWは日野脚本だったためストーリーが壊滅的で、CGアクションとLBXだけを楽しみに見ていました。
それがウォーズになってからはストーリーまで面白い!
擬似戦争を通じて少年たちの人間模様を描く内容から、代理戦争・負けたら死ぬリアルな戦争への葛藤とスケールアップしていくダイナミズム。
前2作からは想像もつかない骨太なストーリーになりました。
いつでも手放せるロボットを使って、若者の変化と成長を描くホビーアニメとしてもキッズアニメとしても完璧な内容です。
不可能を可能にする狂人・山野淳一郎博士を中心としたドタバタ劇からは想像もできない展開です。
中でもロイくんの存在はすごかった。
主人公たちと同じ学生でありながら、内戦下で育ち代理戦争によって救われたバックグラウンドを持っている少年です。
彼の存在が主人公たちに困難な現実と向き合うきっかけを与え、物語を大きく変えました。
戦火に怯え、砲火が止む度に死体を片付けていたと淡々と語る一方で、戦況が落ち着いたわずかな間に友達とLBXバトルをするのが何より楽しかったと嬉しそうに語るロイ。
どちらも彼にとっての当たり前の光景だったことが伝わってきます。
止むことのない戦争を止めたもの、それが主人公学生を利用した代理戦争でした。
その結果、国は2つに分断され友人とも生き別れとなってしまいました。
悲しげな表情でそう語った後に彼は自分の気持ちを主人公たちに語ります。
「それでも僕はこの代理戦争のシステムを守りたい。問題もあるし理不尽なこともある。そうであっても本当の戦争よりもずっと良い。僕はこのシステムに感謝している」と。
感情を交えながら語る姿にリアリティを強く感じました。
正しいか、間違っているかではない、誰にも否定できない彼の価値観が感じられました。
キッズアニメとは思えない踏み込んだ内容に衝撃を受けました。
ダンボール戦機はテレビシリーズでなければ出せない面白さだったと思います。
CGアクションは毎回違った見応えのある動きでした。
それだけに留まらず、日々進化していくその姿が作中で機体を操る主人公たちの姿と重なって生き生きとしていました。
まとまった期間で作る劇場版や2クール作品ではこうはいかないでしょう。
「未来は今よりもきっと良くなる」明るいけれど根拠に欠けるキッズアニメの作風にリアリティをもらしてくれました。
3年というスケール感も存分に活かしていました。
シリーズ3作全てで悪役の主張は似た内容でした。それに対し、各主人公が答えを出す。
このフォーマットを繰り返すことで、作品をまたいだ群像劇のような趣があります。
だんだんとストーリー展開が良くなっていったことも功を奏しています。
作中での時代の流れとあいまって、1作目から続く主人公の意思が引き継がれ、深まっていくようで感慨深いものがありました。
バトスピの馬神ダン2部作もそうですが、長期クールで複数の作品に跨って続く話は良いですね。
時間の流れと積み重ねがあって、主人公の歴史にも適度な空白がある。大河ロマンのような壮大さを感じます。
ゲームをやってアニメ版の良さをより深く理解できました。
ゲームではディ・エゼルディ撃破後の流れが大きく異なります。
美都親子の救出劇の代わりに、アラタがポッドから出れなくなるシーンがあります。
ここで割れ目に飲み込まれるアラタを助けるのはLBXとクラフトキャリアーです。
ゲーム版はあくまで「LBXのプレイヤーのアラタ」という側面を重視しているようです。主役は最後まで商品であるLBXなのです。
それに対しアニメではアラタたちはポッドから降り、危険を顧みずに自ら助けに行きます。
ロボットに頼らずとも自分の足で歩み出す主人公たち。
原案のゲーム版には全くない描写なのに、しっくり来ます。
アラタ以外にも島を離れる生徒がいたのもアニメオリジナルです。
このおかげでリアリティがぐっと増しています。
主役のアラタを中心に描きながらも、周りもしっかり描いている点が素晴らしい。
ヒカルは特に良かったです。
美都先生に「お父さんが無事で良かったですね」と声をかける。
父親との確執があったヒカルから当たり前のようにこの言葉が出るとは驚きです。
出番はこのシーンと旅立ちを告げるアラタに驚くシーンくらいですが、わずかなシーンでヒカルの成長を描ききっています。
EDでは背景画だけで全てを語っています。
若者は兵士から少年に戻り、LBXは兵器から玩具に戻る。
基地やラボ、Wの主戦場だった宇宙からLBXたちがジオラマへと戻っていく姿はシリーズの終わりに相応しい光景でした。
終わってしまう寂しさもありましたが、良いものが見れた充足感のほうが強かったです。
ひとまずダンボール戦機シリーズはこれでお終いです。
ですがまだホビー誌での外伝小説や新しいプラモは続いていくそうです。
春からは再放送も予定されているそうです。
再放送に関しては無印とWのストーリーは酷いので、ウォーズで見始めた人ががっかりしないか正直不安ですが。
いつかまたシリーズが再開することを信じて待ちたいと思います。
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