『激走戦隊カーレンジャー』 最終回まで見終わって:感想

2013年12月16日
Youtubeの東映公式ページで配信されていた『激走戦隊カーレンジャー』を見終わりました。
以下、感想です。


【ストーリー】

■意外と王道
・シリーズ構成が『練馬大根ブラザーズ』『シュシュトリアン』を手がけた浦沢義雄さんです。
ですので徹頭徹尾ギャグです。ところが意外とメインストーリーはシリアス、かつ王道の展開で驚きました。
戦隊のパロディをやる一方、主要なところはかなり手堅いです。
おかげでギャグなのに他の戦隊よりもずっと戦隊のフォーマットに忠実な仕上がりになっています。

■1話完結というよりオムニバス
・基本的に1話完結です。
メインストーリーはときどき2話、3話完結の変則構成となっています。
ギャグメインの1話完結で、その分カーレンジャーの面々の成長や変化は少なめです。
そのため主要回を見逃さなければ、連続して見てもときどき見ても印象は変わらない感じです。
1話完結と言うよりオムニバスと言うほうが近いと思います。

■面白い。けどどこか物足りない
・1話、1話は毎回面白いのですが、全体で見るとちょっと物足りません。
カーレンジャーの人格が最初から最後までほとんどぶれないので安定し過ぎてしまいました
要所要所ではドラマがあって、それは面白いのですが、流れも展開も順当で刺激が薄めです。
ギャグなのにしっかりしてるという意外性があった部分が裏目に出てしまったようです。

「普段はふざけてるけど、やるときは真面目にやる」
そんなカーレンジャーの面々同様に、ストーリーも最初から最後までそんな調子でした。
起点になる部分はもっとめちゃくちゃなほうが良かったのかもしれません。


【アクション】

■アクションもしっかり
・ストーリー同様にアクションもしっかりしてます。
同時代の前後の戦隊と比べてもクオリティは高いと思います。

・ギャグ描写がありつつも、戦闘自体は至って真面目。
むしろ戦闘中にいきなりふざける他の戦隊よりも真面目に戦っているように見えるほどです。
各メンバーの人格と戦い方の関連性が薄いせいか、かなり伸び伸びとアクションをしているように見えました。
それが自然で、リアルな感じがした理由に思えます。

■巨大戦もばっちり
・巨大戦もそつがなく、しっかりと作られています。
ギャグか、ドラマか、毎回どちらか入っていて、販促のための消化試合というよくある感じがしません。
それどころかロボットにはかなり力が入ってます。

・1号ロボが5話になって初めて登場し、最初から最後まで1話丸ごと合体→戦闘に充てられています。
カーレンジャーの2号ロボ、VRVロボもそれまでのストーリーの積み重ねに、強敵の登場と熱いドラマが用意されています。
ロボの印象が強い戦隊だとゴーバスターズが記憶に新しいですが、ノルマがゆったりしてる分、カーレンジャーのほうが力を入れているように見えました。


【感想】

■そつなく良くできた良作
・基本がギャグなのにも関わらず、欠点の少ない良作です。
ストーリー・アクション・巨大戦・ギャグ。どれも1つ1つがよく練られていて、毎回楽しめます。

■しかし後味が足らない
・反面、全体で見ると印象が弱くなります。
1話、1話を楽しくするのにリソースを全部つぎ込んだため、1年を通しての積み重ねが足りなくなってしまいました。
改心した敵を許す最後も「これでいいのか? う~ん、これしかないか」
と受け入れられるような、受け入れがたいような結末で反応に困りました。

■リアルタイムとまとめ見で印象が大きく変わる作品
・恐らく、リアルタイムで毎週見るにはうってつけの作品だったのだと思います。
配信の週2話でも若干飽きが出てくるので、DVDなどでまとめて見ると印象が悪くなるかもしれません。
先の展開を気にして見る作品ではないので、ゆったりと1話ずつ楽しむのが最適だと思います。

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