怪獣大決戦! キョウリュウジャー 第41話『ヤナサンタ! デーボスせかいけっせん』:感想

2013年12月16日

【ストーリー】

■怪獣大決戦
・世界各地に現れたデーボスクローンに対して、5体のロボットで大バトル!
これだけでも燃えるのに、デーボスの登場シーンが素晴らしかったです。
いつもの建物の影からひょっこり現れるパターンから、定番の夜の摩天楼に現れる怪獣に、ゴジラを彷彿とさせる海からの登場と登場シーンだけでも魅せてくれます。現代の日本で伝統の怪獣映画に最も近いのは、キョウリュウジャーではないかと思ってしまいました。

■予想の裏切ることと期待を上回ること
・今回は構成ノルマ自体は、ほとんどがクリスマス前の一大販促用だったはずです。
しかし内容はいつも以上に詰まっていました。全部のロボを出す無理難題から、これだけの話につなげられるのは本当にすごいことだと思います。

・特筆すべきは一話の中での起伏です。
まさかのデーボス復活、しかも強化版→力を合わせて圧倒するキョウリュウジャー→デーボス大量発生→分断されても都合良くレッドだけ勝つも、それはドゴルドの罠だった→ドゴルドの罠にはまったふりをして、騙し返す空蝉丸→ハッタリにハッタリで返して、ペースを戻すキョウリュウジャー→戦いはまだまだ一進一退。次回を乞うご期待。

予想を裏切る展開と期待を上回る展開が折り重なっています。
物語においてサプライズは重要ですが、予想を上回ってもいけないし、期待を裏切ってもいけない。その点、今回のキョウリュウジャーは見事でした。
デーボス細胞の大安売りという大きなウソを下地に使う代わりに、
チームを分割する理由・カーニバルに変身できなかった理由・ハッタリにはハッタリ・空蝉丸とドゴルドの対比・そして子供(とスポンサー)のための親御さんにNOと言わせないクリスマス用の殺し文句、と理にかなった内容で構成されています。

・それに虚実の使い方も上手いです。
1+2=12倍だ! なんて根拠の無いハッタリを使う一方で、
レッドだけデーボスをあっさり倒せたのは孤立させるための罠で、他の場所では元ボスらしい強さのまま。
ゴールドを怒らせたほうが強くなれるから、ペラペラ作戦をしゃべって挑発するドゴルド。
と話に必要な説明と現実的な作戦展開を混ぜた展開で進め、
ハッタリが敗れた後は「12倍じゃなくて、21倍にすれば良かったね」と、虚実ない混ぜの内容で締める。ギャグのようで、1話をすっきりまとめる良い台詞です。今回は前編なので話をきれいに終わらせられない分を補っているのでしょう。
これだけしっかり1話の内容を詰めているのに、販促たっぷりのエンターテイメントに仕立ててあるのは異常とさえ言って良いと思います。三条さん、すごすぎです。

■ウッチー、クールでござる
・これに空蝉丸の成長まで盛り込んであるからたまりません。
「拙者、くーるでござる」この台詞が11話のタイトル『ウッチー! クールでござる』にかかっているのは明らかです。
内容もクールなふりをしようとして失敗した11話と対照的に、見事ドゴルドを騙しきりました。話の展開に必要なドゴルドの転落を描きつつ、空蝉丸の成長と過去の克服を描いています。1分たりとも無駄にしない、三条さんのこの姿勢に頭が下がります。

■ラッキューロ
・今回はスクスクジョイロも無しのちょい役でしたが、可愛かったです。
「4巻はもう持ってるよ!」と地面に叩きつけておいて、
「持ってるけど先生の本には違いないか」と拾い直して、ホコリを払ってる姿に愛を感じます。
しかも予告の文面によると「お気に入りのコミックスの映画公開が気になるラッキューロ」と次回も妙なドラマを期待できそうです。
ただ、このタイミングでエンドルフ復活を匂わせてるのが気がかりです。
これまでにも散々「ジョイロは誰でも使えるし、ラッキューロは要らないよね?」という幹部の認識描写があるので本当に心配です。


【アクション】

■ロボのライバルは怪獣
・各ロボ共に1体あたりの時間は少ないものの、プテライデンオーの胸部から放つ電撃やプレズオーのロケットパンチと特徴的なギミックを上手く活かした見事な販促でした。

・そしてそれを平然と受けきるデーボスが良いですね。
由緒正しいプロレス方式でお互いの強さとかっこよさが際立って、たまりません。デーボスが理屈抜きで「強いから耐えられる」ってのが良いですよね。言葉も通じない怪獣だから許される描写です。
知恵と勇気を駆使するロボと荒ぶる怪獣、この組み合わせが大好きです。


前編なのに大満足でした。
次回は3+4+5=543倍の敵vs10大キョウリュウジャー!
ふざけた数字なのに、10人揃ったキョウリュウジャーに勝てる気がしません。
ドゴルドの死亡フラグにエンドルフの復活フラグ、ダンテツの話も進みそうで物語のクライマックス感も高まっています。
いったいどんなすごい内容になるのか楽しみです。

コメント

2 件のコメント :

  1. こーひーかっぷ2013年12月17日 6:03

    いつも楽しく読ませて頂いております。
    今回は文句なしに楽しかったですね。ダンテツを狙っているドゴルドが気になります。ここまできて三条さんが鬱展開を持ち出さないことを祈るばかり。

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  2. > 今回は文句なしに楽しかったですね。ダンテツを狙っているドゴルドが気になります。ここまできて三条さんが鬱展開を持ち出さないことを祈るばかり。
    [色:0000FF]いつもありがとうございます。
    唯一影を抱えていたトリンの問題も解決して、キョウリュウジャー側に全然心配事が無いのが不穏ですよね。
    復活するのがエンドルフとなれば、「怨み」がクローズアップされるでしょう。
    正義の味方に許される怨みといえば「仇討ち」が定番。
    ダンテツが無事では済みそうにない感じがします。[/色]

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