キョウリュウジャー 第42話『ワンダホー! せいぎのクリスマス』:感想

2013年12月23日

【ストーリー】

■空っぽの手で掴むもの
・今回はキョウリュウジャーでは珍しい説明回でした。
退屈になる説明を、寡黙なダンテツと内面描写の少ないダイゴの心情の吐露と重ねて演出にする。
トリンがダイゴをキングと呼んだことのない理由やいつも良いタイミングで現れるダンテツなど、細かい部分を伏線として機能させる。
いつもながら三条さんの鮮やかな手腕には感心します。

・個人的には今回のおかげで、ダイゴのことがわかった気がします。
何も与えられず、全て自分で手に入れたから自然と自信に溢れている。
しかし他人が持っているものへの憧れはある。自分には無いものでも、それを守ることに意義を感じる。
全てを自分の血肉として持っているから、その手に何も持っていない。空っぽの手だから守れるものがある。
考え方は正義のヒーローそのものですが、はっきりと人格として感じられました。

■ダイゴ⇔ドゴルド
・今回の流れから考えるとこの点は、ダイゴとドゴルドで正反対なのでしょうね。
他人の物を守ろうとするダイゴと奪おうとするドゴルド。
しかし理由は同じ、「自分の持っていないもの」だからです。
ドゴルドの場合、「今自分の持っているもの=仲間」に気づけるかどうかが鍵になりそうな気がします。

■今週のラッキューロ
・今回は後ろの小芝居で、塞ぎこんでるキャンデリラに「キャンディ食べます?」と勧めていたのが印象的でした。
強欲の化身かと思うほど自分本位で物を集めていたラッキューロが人に分け与えている。これってけっこう大きな変化だと思います。

・最近ダーク化してないアイガロンといい、幹部陣の変化も見どころです。
ただ、この状況で以前嵐を巻き起こしたエンドルフが帰ってきたことが余計に気がかりです。ドゴルドにまで愛着が湧いてきたので、楽しい心配事が増すばかり。まるで、あと2クールくらいありそうな気分です。


【アクション】

■組み換えにもドラマあり
・販促回なので引き続きロボが勢揃いでした。
スピノダイオーたち3体が加勢に来る展開が思いのほか素晴らしかったです。
加勢が来れば有利になるのは当たり前。それを合体という形で目に見える形にし、デーボス軍と対照的に仲間の大切さを描く。同時に換装の強さにつなげることで販促もばっちり行う。
最新玩具のギガントブラギオーは単独で倒すことでさらに強さを際立たせる。都合よく加勢に来た理由も元はデーボス軍の策略によるものなので、全然都合よく見えません。
販促用のアクションシーンなのに、内容がみっしり詰まっててすごいです。

・個人的には、プレズオーが最後に倒したことが気になります。
この流れなら換装した3体が倒し、ブラギオーが倒すほうが自然なはず。最近のスピリットレンジャーの描写と合わせて考えると、意味があるように思えてなりません。

■2列名乗り
・今回の10人での名乗りシーンがかなり印象的でした。
学校での写真撮影みたいに前後2列にずらして並んでいました。
これまでの戦隊でも、7人以上で並ぶと引き画になってしまってインパクトが薄まってしまう問題がありました。キョウリュウジャーもこの点は変わらなかったのですが、それも今回の名乗りで解決されたように見えました。
距離感の問題を克服するだけでなく、前後に並んでポーズを取ることで立体感と躍動感が生まれ、より一層かっこよくなりました。この点はどうしようもない問題かと思っていましたが、やれるもんですね。
ストーリー展開以上にここで驚かされました。


次回はソウジの個人回兼一新されたデーボス陣営のお披露目回のようです。
巨大化して戦うドゴルドさんも気になりますが、謎のフードの敵も気になります。あれは以前登場したシノビンバやカリュードスのようにエンドルフの生み出した部下でしょうか。かなりの強敵だったので10人いるキョウリュウジャーの分散にはちょうど良さそうですね。
中だるみなんてどこ吹く風のキョウリュウジャー。最後まで突っ走ってくれそうです。

コメント

2 件のコメント :

  1. こーひーかっぷ2013年12月24日 6:03

    プレズオーが一番苦戦していたのは、巨人戦経験不足トリオが搭乗していたのも原因なのかな、と脳内補完しながら見ていました。ハワイの人口からしても、そこまで感情が集まるはずも無く、たまたま強い個体だったということも無いはずですし。
    終盤でこんなに盛り上げられると、後残すところ6話というのが信じられないです。ダンテツにもフラグがビンビン立っていますが、何のフラグなのか検討もつきません…大仕事といったあと、トリンの顔に出た一瞬の戸惑い、そして返される名残惜しそうな表情。嫌な予感が…
    キャンデリラがエンドルフを止めるシーンが印象的でした。なんだかんだで仲良し4人組でしたからね。エンドルフが姉さんが一番強いかもと、意味深なことをボソッと言っているのが気になります…

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  2. > プレズオーが一番苦戦していたのは、巨人戦経験不足トリオが搭乗していたのも原因なのかな、と脳内補完しながら見ていました。ハワイの人口からしても、そこまで感情が集まるはずも無く、たまたま強い個体だったということも無いはずですし。
    [色:0000FF]そうですね。特に弥生は不安がっていましたから、実力不足も考えられると思います。[/色]
    > 終盤でこんなに盛り上げられると、後残すところ6話というのが信じられないです。ダンテツにもフラグがビンビン立っていますが、何のフラグなのか検討もつきません…大仕事といったあと、トリンの顔に出た一瞬の戸惑い、そして返される名残惜しそうな表情。嫌な予感が…
    [色:0000FF]終わっちゃうんですよね。ウィザードみたいに52話くらいやってくれて全然構わないんですが。
    何のために世界中のメロディを集めていたのか、なぜ今になって帰ってきたのか。気になりますね。[/色]
    > エンドルフが姉さんが一番強いかもと、意味深なことをボソッと言っているのが気になります…
    [色:0000FF]あれはキャンデリラの感情が「喜び」だからではないかと私は考えています。
    怒りや怨み、哀しみは有限ですが、喜びには限界がありません。
    違いは自家生産できる点です。
    たとえばキャンデリラが人間を苦しめることに喜びを感じるようになった場合、人間の感情に左右されず際限なく力が湧き出てくる可能性があります。
    こうなると対抗馬になりうるのは、似た性質の「楽しみ」を持つラッキューロに思えます。
    11人目のキョウリュウジャーもありうるのではないかと密かに楽しみにしています。
    [/色]

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