■前書き
・正しいゴーストの理解に関しては、公式サイトにゴーストがどんな物語だったのかプロデューサー様のありがたい解説が載っています。正しい解釈が知りたい人はそちらを読むほうが良いと思われます。以下の文章はそれを見てもなお理解できなかった愚か者が書いたものです。
*全体の感想なので必要に応じてネタバレがあります。


【総評】

【コンセプトからグダグダ】

「ヒーローは1度死んで甦る!!」公式から抜粋)。
コンセプトの上では「死」がキー要素のはずでしたが、実際の内容からは死も生も全然感じられませんでした。


■タイムリミットの設定は有名無実
・まず最初のずっこけポイントはタイムリミットの設定です。
ゴーストには「99日経つと魂が消滅する」という設定があります。事実上のタイムリミットです。生き返るためには99日以内にフォームチェンジのアイテムである「英雄アイコン」を15個集めて神様に願いを叶えてもらわなければいけません。序盤では1話につき作中で1週間経過し、毎週放送する現実の時間経過に対応していました。しかしこの設定もすぐに有名無実化しました。

・1クールの節目になる12話で雑に残り日数を消化して生き返れないまま期限を迎えたかと思ったら、「死んだ親父の魂と融合した」という謎の新設定により奇跡が起こり、期限が再び99日に戻ったのです。
この時点でタイムリミットの設定は、視聴者にとっては「どうせ死なないんでしょ…」と諦めムードでもうどうでもいい設定と化しているのに更に追い打ちをかけてきます。

・途中から時間経過がスローになり、「1話=1週間」だったのが「1話=1日」に切り替わっていくのです。 
「1クール目の12話で99日経過、2クール目から最終回までの38話+劇場版で99日(2回目)」という誰が見てもおかしいペース配分でストーリーが繰り広げられていきました。こんなペースにしておいて、毎回冒頭のナレーションでは「俺に残された時間はあと○○日…」とカウントダウンしていくのが滑稽で仕方ありませんでした。
更に期限を迎えるラスト2話では「実は主人公はもう人間を超えた存在になっているから、たとえタイムリミットを迎えても消滅しない」という衝撃の事実が明かされます。散々適当な扱いをした挙句に最後に更に放り投げる意味がわかりませんでした。

■死んだ意義は特にない
・キーフレーズでもアピールされているとおり、主人公は死んでいます。死んでいますけど、死んだ意義は特にありません。

・まず死んだきっかけですが、「特に理由もなく正体不明の敵に向かっていって返り討ちにあった」です。
誰かを守るためとか追い詰められて仕方なくとか、そういう理由はありません。一応、主人公の親の仇の同族ではあるのですが、主人公はこの時点では知りません。その場にいたヒロインとか、一般人の郵便配達のおじさんとか守る対象もいましたし、親の仇と気づいたからとか理由はいくらでも付けられたはずなのですが、本編では特に理由もなく戦いを挑んで無駄に死にました。実に不思議な展開です。

「主人公は死んでるから変身できるようになったのではないか?」と思われる方もいるかもしれません。普通ならそういう設定がありそうですが、ありません。生きてても変身できます。
幽霊なので透明になったり、壁を通り抜けたりはできました。しかしそれがしたいだけなら主人公の仲間に幽霊を用意すればいいだけでしょう。

「主人公が死んで生き返ることに物語上の意義があるのではないか?」と思われる方もいるかもしれません。これも全く感じられませんでした。
普通死んだら「もうやりたかったこともできない…」とショックを受けたり、「絶対生き返ってやる!」と決意に燃えたり、「壁を通り抜けられるなんて幽霊の身体って便利だな!」と違う方面で感銘を受けたり、人それぞれの反応を見せるものです。ところがゴーストは違いました。本当に何の反応も示さないのです。死んで生き返った直後も、しばらく経った後も、生き返れる期限であるタイムリミットが半分以下になったときにも全く反応を示しませんでした。見ていて「本当に死んでるんだよね」と誰かに確認したくなるほど不可解な反応でした。

・これに限らず、主人公に人間味が感じられませんでした。
タイムリミットが迫っても慌てる様子も達観した様子もなく、何の人間模様もありませんでした。後悔や焦りといった言葉がこれほど無縁なキャラクターは珍しいと思います。とても一度死んで生き返るために戦っている人物とは思えません。

・序盤の時点で既に死んだ設定に意味があるのか疑問に感じる内容でしたが、それは最後まで変わりませんでした。最後に生き返った後も疑問だらけの展開でした。
生き返った主人公は死んでる間はできなかった念願の「食事」 をして喜びます。それ自体はいいのですが、問題はそこまでの過程です。
食事に関しては事実上のクライマックスを締める重要なシーンなのに、食事がしたいという描写があったのが35話になってからでした。最後を締めくくる重要な展開の前振りをこんなあっさり済ませることが理解しがたかったです。

・こういうものは開始時点、生前の姿と対比させてこそ意義があるものです。
一般化して言えば「日常の象徴」なのですから、事前に帰るべき日常を描いておかないと話になりません。食事に焦点をあてるならば、「生前は食事なんてどうでもいいと思って一人で冷めたご飯を食べていたけれど、今はみんなと食べる食事を幸せなことだと感じる」。こういった前後での変化が必要です。
しかしゴーストで描かれた生前の姿は第1話の冒頭5分程度、実家で偉人に関する本を読んでいたところだけです。これでは比べるも何も不可能です。最終回まで見終わっても「主人公は…変わったのかな? 昔のことを知らないからわからないや」と思ってしまう作品は初めてです。

・唯一の死んだ意義は主人公が最終的に「神に等しい存在になった」ことでした。
神曰く、「いくつもの魂が結びついた結果、自分と同等の存在になった」だそうです。そのために主人公が死んだのかというと、そんな話ではなかったと思います。


「英雄の力をその身に纏い運命を切り開け!」(公式より)

・ここで言う英雄とは宮本武蔵、ニュートンなどの「偉人」のことです。
今作ではライダーたちは偉人の魂のこもった「アイコン」 をベルトに入れることでフォームチェンジを行います。販促とアクションに関わる重大な設定です。

■偉人がしょぼい
・これが偉人関連で一番困ったところです。
偉人だの英雄だのと呼ばれてるのに、作中では全然偉大に見えません。

■早くも戦力外通告
・戦力的には悲惨です。
いわゆるフォームチェンジにあたるため、強化フォームが出た時点でお払い箱になってしまいました。具体的に言うと23話です。全50話なのでまともに出番があったのは話数の半分以下です。
ただフォームチェンジが使われなくなって出番がなくなるだけならまだマシだったのですが事態はもっと凄惨でした。強化フォームに「偉人を具現化して戦わせる」というゴーカイジャーのバスコみたいな能力があったため、主人公が強化フォームで戦う横で雑魚の相手をさせられたり、ボスのやられ役に使われてしまいました。雑魚掃除に駆り出される偉人。偉人って何でしょう?

■戦い以外も…
・「偉人は強いから偉人なわけじゃないし!」と言いたいところなのですが、ストーリー面でも活躍がありません。
2クール目からは「偉人の心をつなぐ」といって、アイコン内の偉人と会話できるようになりました。しかし抽象的な一般論ばかり言ってきます。ライダーでよくあるわりとどうでもいい回のゲストと同レベルの話です。
3クール目からは更に悪化し、主人公に問いかけをしては自分は回答を示さずに主人公の回答に頷くだけという扱いになってしまいます。 自分はわかってないのにわかっているふりをしているみたいでかっこ悪いです。
最後はお決まりの主人公をヨイショするだけの存在に落ちぶれます。

・こんな偉人に讃えられるなんて主人公はすごいですね。
見ていて「設定上どんなに賢いキャラを出そうと作者の知能は超えられない」という言葉を思い出しました。

■もはやギャグ
・文字にするとまだマシなのですが、実際にはギャグにしか見えません。
その見た目は全身黒タイツにフォームチェンジの換装パーツをつけて、デフォルメした目や口のパーツをつけただけ。そして声は全員同じ、声優の「関智一」さんです。15人いる偉人全員です。女性である卑弥呼も男性の関智一さんの声でしゃべります。同じ場所にいて会話するときも全員同じ声です。ラスボス戦で一人ひとりが交代で攻撃していくシーンでも声は全員同じでした。あれほど間抜けなラスボス戦はこれまでもこれからもないと思います。

■コンセプトは投げ捨てるもの
・ここまで基本コンセプトを投げた作品は初めてではないかと思います。
一部のコンセプトを無視したり空気化する程度なら過去にもありました。しかしここまで、わざと逆行しているのではないかと思えるほど積極的に投げ捨てている作品は見た覚えがありません。

・プロデューサーの発言においてもキーワードの存在感がないことが異常さを裏付けていると思います。
プロデューサーの説明を見てもなお、幽霊の設定や偉人の存在意義が感じられません。「死と偉人をテーマにした作品を募集」という企画にこれを提出したら門前払いされると思います。いったい何がどうなっているのでしょう? プロデューサーさえ基本コンセプトを重視しないなんてあり得ないことです。私の頭ではストーリーも企画もまるで理解できませんでした。

・コンセプトが消滅しているので、必然的に決め台詞も有名無実化していました。
主人公のタケルの決め台詞は「命燃やすぜ!」なのですが、最後まで命とは何のことなのかわかりませんでした。やる気を出すという意味かというとそんなことはなく、文字通り寿命を減らして戦うということかというとそんなこともありません。
決め台詞と言えば、後半では同じ台詞でも違った意味に聞こえるシチュエーションが定番なのですがそういうのもありませんでした。というか毎回同じ意味なのかどうかすら私にはわかりませんでした。こんな経験はライダーに限らず初めてです。

【ストーリー】
・基本コンセプトの扱いがこのざまなのでストーリーも推して知るべしです。
具体的にどう酷かったかは長くなるので下の感想に書きました。ここでは物語の中心になる主人公のタケルについて書いていきます。
主人公のタケルが中心でそれ以外は敵も味方もタケルのおまけでしかないのですが、肝心のタケルに全く好感を持てませんでした。

■人間味がない
・個人的に一番辛かったのはここです。主人公のタケルが気持ち悪くて仕方ありませんでした。
自分が死んだことにすら反応を示さず、後半では「これが喜び…!」などと感情を語る姿はまるでロボットか宇宙人のようでした。人間味を感じないどころか本当に人間なのか疑わしく思えてくるレベルでした。本編と比べるとキャラ崩壊しているムービー大戦のほうがよほどまともな人格なように見えました。

■デリカシーがない
・他人への関心も薄いことが不気味さに拍車をかけていました。
他人の記憶を読み取る能力を使ってゲストが悩んでいることを突き止めたら、そのまま「あなたは○○のことで悩んでいるんですね!」と話しかけたときには思わず「気持ち悪っ!」と思ってしまいました。デリカシーがないにも程があります。ストーカーだと思われないことが不思議です。それを周りの仲間も全く咎めないし、言われた側も反応が薄いことが更に不気味でした。

■一般論しか言わない
・絶望してるゲストを主人公が説得するお決まりのシーンがゴーストにもあります。
大きく違う点は主人公が語るのが一般論だという点です。 バックグラウンドになる主人公の経験や思想が感じられないので説得力がありません。

・とりわけ酷かったのがラスボスの説得でした。
ラスボスは皇帝である父親に冷遇され、自分は親に愛されていないと思い続けた結果心が歪み、父親を殺して帝位を奪い、世界を滅ぼそうとしました。そのラスボスに対して主人公がかけた言葉が「子供を愛さない親なんていない」でした。具体的な体験から愛されていないと思っている相手に抽象的な一般論で語りかけるセンスが異常です。これで説得に成功することはもっと異常ですが…
更に理解しがたいのはこの次の回です。
主人公が突然、超能力で自分が生まれた時の両親の様子を垣間見て「俺は愛されていたんだ…」とつぶやきます。前回でラスボス相手に「子供を愛さない親なんていない」と言い切っていたのに自分は愛されていたことに自信がなかったそうです。相手の事情を知った上でそんな一般論みたいなことを言うからには親の愛によほど自信があるのかと思っていたらそんなことはありませんでした。同じ脚本家が書いた連続した回で矛盾しているように見える言動が出てきて愕然としました。いったいどんなロジックなのか、未だに仮説すら思いつきません。

■見ていて不安になる
・正義感や理性が見られないところも怖かったです。
身内と知り合いにはこだわる一方、他人には冷淡でした。一般人が被害にあってもほとんど関心を示していませんでした。ラスボス戦で大量に人が死んでも気にせず、個人的感情で動く姿が恐ろしかったです。

・私は良心的な人格も公平なルールも持たない超人に恐怖を感じます。
ヒーローが強大な力を持っていても恐れられないのは、その矛先が悪党以外には向かないという信頼があるからだと思います。その信頼がないヒーローは悪党より恐ろしいと思います。悪党にもルールがあるからです。「自分の利益のためならどんなことでもする」、「依頼を受けたら誰でも殺す殺し屋」など悪党にもいろいろありますが、裏を返せば利益にならないことはしないし、依頼がなければ積極的に殺しません。最低限のルールがあります。
「何となく」で行動するヒーローはこの最低限のルール以下だと思います。特に根拠も判断基準もなく「お前が悪い!」といって襲ってくるヒーローは「顔がムカつくから殺す」と言って殺そうとする悪党と大差ないと思います。見ていて不安になる存在はヒーローものには不適格だと私は思います。

【アクション】

■今年も挽回ならず
・ここ数年ずっと低迷しているライダーのアクションですが、今年もダメでした。むしろ更に劣悪になったと私は思います。

・「ゴーストと言えばこんなイメージ」と連想できる動きがありませんでした。
思い浮かぶのが必殺技前の決めポーズ程度で、格闘戦のスタイルなどは全然浮かんできません。ワイヤーで釣ってふわっと動く幽霊っぽい動きがそうだったのかもしれませんが、アクション的には全く面白くない上に早々に使わなくなりました。何でも「子供が怖がる」というクレームが来てボツになったそうです。

・特に絶望的だったのがフォームチェンジです。
フォームごとの個性が全然ありませんでした。武器は大剣・大太刀小太刀の二刀流・ナギナタ・銃・二丁拳銃・弓・ハンマーなど様々な形態があったのにフォームごとの能力や戦い方の差別化ができていませんでした。そのせいでフォームチェンジの最大の魅力である「状況に応じた最適な戦い方」を見せることに失敗していました。

・とりわけ酷かったのが遠距離タイプのフォームです。
電撃を放つエジソンフォーム、弓を使うロビンフッド、二丁拳銃のビリーザキッド、剣と銃を変形させて使い分ける龍馬など射撃武器を使うフォームだけでも4種類ありました。使用する武器自体が異なるのに、どうしてそのフォームを選んだのか理解に苦しむ状況が多々ありました。定番としては「電撃は形がないからトリッキーな攻撃や広範囲攻撃ができる。弓は威力や精度に優れる。二丁拳銃は素早い相手に当てるために広範囲にばらまいたり、多人数戦で有効」など見た目や特徴に応じた差別化が図られます。そういう個性が全く見られませんでした。
「(刀を持っている相手に電撃で対抗して)金属には電気が有効だよね」と言ったベタな使い方をした場面が作中で最も有効活用されたように感じたシーンでした。こんなありふれた使い方がまともに見えるのはどうかしています。

■パーカーでフォームチェンジ
・これもいまいちでした。
私は最初はイケるかと思っていました。アイテム数が増えたのでフォームを増やさないといけない。しかしスーツを作るのは大変。かといってドライブのようなパーツの極一部だけ換装するやり方だとビジュアル面で物足りない。こうした問題を解決する上で「フォームをパーカーとして扱い、パーカー(&マスク)を着せ替えることでフォームチェンジを表現する」というゴーストのアイディアは省エネに有効なのではないかと思いました。

・しかし実物を見てみるとやっぱり物足りなさを感じました。
全体のフォルムに変化が少ないのは厳しいですね。マンネリ感が出て、映像の刺激が弱まってしまいます。服なので後ろから撮ったときに背中が素っ気ないのもマイナスでした。といって背面にワンポイント付け加えようとするとコストがかさむでしょうし…


・マスクの印象も弱かったと思います。
共通である黒地の部分のほうが目立っていて、フォームごとに異なる模様と色よりも黒地が目立ってしまったように思います。

・個人的には映像で目立つ”胸部”が変化なしという点が大きいように感じました。
肩パーツは変化があるのですがあまり目立たない印象でした。部分的に変えるならオーズのように胸部と頭部を中心に変更するほうが有効っぽいです。

■ガンガンセイバー
・初期武器のガンガンセイバーのデザインとギミックは良かったです。
初期状態はライダーでは珍しい幅広の大剣、刃の向きを変えると銃、刃を分割すると二刀流、分割した刀身を縦につなげるとナギナタと単独で4種類のモードに切り替わります。更に別売りのオプションパーツを付けると、弓やハンマーにもなります。変形するマルチ武器が好きな身としてはとても魅力的なデザインでした。個々の形状も面白く、パーツを追加するとまた違う形になるところがワクワクします。

・ただ、実際のアクションは冴えませんでした。
アクション全般が低水準だからどうしようもありません。フォームチェンジに付随する以外では戦闘中に組み替えることもほとんどありませんでした。そして12話で登場した強化フォームに新武器、しかも機能が被る銃剣タイプが登場したため早くもお役御免になってしまいました。せっかく良い感じの武器だったのに残念です。


【個人的感想】

■一貫性はあった

・全体の感想を書くにあたって自分で書いた各話の感想を見なおしたのですが、読み返してみると意外な発見がありました。

・全体的に1話の時点で危惧していたことがそのまま表面化していたことが判明しました。
タケルが何を考えているのかわからないとか、仙人とユルセンの役割が被ってるとか、アクションが微妙っぽいとか、序盤の感想に書いていたことが最初から最後まで変わっていませんでした。多くの場合、序盤の時点で思ったことは良くも悪くもそうはならないことが多いのですがゴーストは8割型そのままでした。ある意味では一貫性があったと言えそうです。

・つまり1話で引っかかりを感じた人は見続けないほうが無難な選択である、と言えるでしょう。
最後までその違和感は解消されませんし、ワンランク上の何かへと昇華されることもありません。

■シリーズ構成回はそんなに少なくない
・「シリーズ構成の福田さんが登板した回が少ない」という印象があったので、それも確認してみました。実際にはそれほど少なくありませんでした。

・登板回数は全部で22話(全50話)でした。
同じ平成2期で比べても、フォーゼが48話中22話、ウィザード53話中25話、W49話中25話、なので少ないことは少ないですが特別少ないとは言うほどでもありませんでした。

・少ないように感じるのは、3クール目~4クール前半でほとんど登板しなかったことが原因です。
1クールごとに数えてみるとバランスの悪さが一目瞭然です。 以下が実際にクールごとの登板回数を数えてみた結果です。
*各クール12話ずつ(1~12話、13~24話)をクールの境目としています。

1クール目12話中9話
2クール目12話中5話
3クール目12話中2話(27,28話:ディープスペクター登場回)
4クール目14話中6話(親子入れ替わり回の2話とラスト4話)

・3クール目の2話のみが圧巻です。
前後で登板した話数を列挙してみると、「19,20,23,27,28,39,40,47,48~」となっています。単純に数えても11話も間が空き、復帰した39、40話の親子入れ替わり回がかなりどうでもいい回だったことから除外すると、47話まで18話も間が空いたことになります。11話空けたらシリーズ構成交代かと思われても無理はないですね。
逆に1クール目は12話中9話と多めです。ペース配分が異常だったのは確かだと言えるでしょう。1クール目から3話減らして3クール目に代わりに持ってくれば各クール5~6話ずつになり、とても普通なペースになります。

■各クールを振り返ってみての感想
・1クール目はお悩み解決でアイコン集めが主でした。
流れは単調だったのですが、過剰販促があるので1クール目は諦めていたこと、そして「少なくとも15個集まれば今の展開が終わる」という短期的ゴールが設定されていたため、今思えばまだ見やすい時期でした。

・2クール目はタイムリミット設定の無意味化&アイコン集めもう一週という地獄のスタートでした。あれは凄まじかったですね…
しかし実際にはアイコン集めは18話の卑弥呼で終わりでした。前文の文頭に「幸いにも」と付けたいところなのですが、全体を俯瞰して考えるとそうは言えませんでした。

・2クール目後半~3クール目中盤は具体的な目標がなく、グダグダでした。
アイテム関連とメインの変遷に絞っても、23話でグレイトフル入手とアランの生身化、28話でディープスペクター入手とガンマイザー参戦、30話でフミ婆死亡とアランのたこ焼き化、33話でムゲン入手とあっちこっちに話の振り幅が大きかったです。全話見た上で振り返ってみても、この頃にどこを目指していたのかわかりません。群像劇でもやりたかったのでしょうか。

・4クール目の後半までは感情集めでした。
グダグダが終わった代わりにアイコンマラソン再びでした。感情集めはタケルの非人間性が強調される上に新しいアイテムも何もなく、その上ラスボス候補のガンマイザーが雑魚化していくばかりと壮絶でした。アイコン集めがよっぽどマシだったように思えてきます。

・4クール目終盤ではようやくデミアプロジェクトが終わりました。
実際に数えてみると、デミアが始まったのはキュビが初登場しその裏で会社を乗っ取った19話からなんですね。そして終わったのは45話でした。19話から45話… 実に壮大なお話でした(棒)。

■これ以上悪いことなんて起きるわけが…
・毎年こう思って見てきましたが死亡フラグでした。
「実写畑の特撮未経験シリーズ構成+新米プロデューサー」の相乗効果により見たことのないほどのクオリティの作品が出来上がりました。正直言って一番驚いたのは、こんなクオリティのものがスポンサー付きで放送された事実そのものに対してです。テーマの描き方、全体のストーリー構成、各話の展開、キャラクター、アクション、その全てが見たことがないほど酷かったです。

・この総評を書くのにも時間がかかりました。
前半は何をどうすれば伝えられるのかわからず、何度か書き直しました。「何が酷いって? 極一部を除いて全部だよ」とだけ書いて投げたくなりました。結局はテーマを絞っての箇条書きになったのですが、これもいまいちです。問題外の物をどう表現すればいいのか、それはとても難しいことだとわかりました。ゴーストは闇なんて上等なものではなく、「虚無」なので興味本位が覗きこむ人が少しで減ることを祈ります。