『超宇宙刑事 ギャバン インフィニティ』 最終回「インフィニティ」:感想

2026年7月19日

終わんない物語

・終盤になっても全然終われそうもないのに次回作の予告が始まった時点で予想はしてましたけど、完結しませんでした。 
中途半端なところでこれで一段落ってことにして、ラストも「主人公の変身アイテムだけが壊れた状態で見つかる」という思わせぶりなクリフハンガーで終わりでした。
プロジェクトREDの構想を聞いた時点で思った「あわよくば続編をやりたい」「ウケなかった作品は切り捨てて、ウケた作品を何度も再利用できるようにしたい」といった考えが透け透けです。
他ならぬMCUがそれで致命傷負ってるのになんでわざわざそんな絵に描いた餅を目指すんでしょうね…

・作品自体の感想としては普通につまらなくてがっかりでした。
そりゃアザゾルスどころかデスギャバンとの決着すらついていないんですからレイジたちに次の動きがあるのは当然でしょう。何の意外性もありません。
「だからどうした?」と反応したくなる展開を引っ張っても何も面白くありません。
決着つけずに引っ張るだけでも萎えるのに、後先考えないインパクト重視の単純な展開で良い内容ですら面白くできないってどうしようもありません。

 

小競り合いを引っ張った意義は感じなかった

・前回の時点で「え?再生中ボス軍団まだ引っ張るの?」と思いましたが、引っ張った中ボス軍団は冒頭であっさり片付けられて拍子抜けでした。
これなら前回のラストで倒しちゃって良かったんじゃないですかね…
流れが半端なせいでデスギャバンが現れたことまで唐突になってしまいまいました。
前回のラストで中ボス軍団を倒して、中ボス軍団が倒されたから「しょせんあいつらでは無理か…」とデスギャバンが現れて戦闘開始の方が導入がスムーズだったと思います。


アクションは比較的良かった

・Dジャンプからの2人のギャバンのコンビネーションは、ストーリー的には「いや、みんな次元渡りできるんだから全員で戦えばいいだろ」と思ってしまうのでマイナスでしたがバトルとしてはそこそこ面白かったです。
ギャバンのつながりや次元間通信があるからできることであり、「デスギャバンは各次元のギャバンのことをよく知らないから攻撃を予測できない」みたいな対比にも部分的にはなっているように感じました。
シンプルに絵面としても派手だしどんな攻撃をするのかワクワク感も感じられました。
個人的には2話前のギャバン集結よりずっと意義が感じられました。

・片手にそれぞれ持った剣と銃のコンビネーションもスマートで良かったです。
「距離が離れる=仕切り直し」みたいな間がなく、銃と剣で絶え間なく戦闘が続くバトルは臨場感があって面白かったです。

・1話以来のブースターも今回はかっこよく使えていたと思います。
ブースターを使うシチューションとしては1話と大差ないと思います。
やっぱり戦う相手がダメでしたね…
動けないエモンズじゃ緊張感が出せません。
エモンズはこの作品のダメなところの象徴だったなと改めて実感しました。


本質をわかってない気がした

・レーザーブレードは個人的にはピンと来ませんでした。
炎の鞭からレーザーブレードになることもピンと来ませんでしたし、ギャバリオンブレードでやっても良いことだと思うのでわざわざ別にしたことも理解できませんでした。
そもそも論で言うと、レーザーブレード自体はあくまで「ギャバンの象徴」であってそれ自体は良いものってわけではないと思います。
スターウォーズのライトセーバーとかガンダムのビームサーベルとか有名どころでも似たような武器は昔から珍しくないと思います。
レーザーブレードの良さっていうのは、「出た、レーザーブレード! これで勝ちだな!」っていう強さの象徴や予定調和のもたらすカタルシスが重要であり、それは繰り返しによって生み出される視聴者との信頼関係が本質だと思います。
わかりやすく言い換えれば「期待を裏切らない爽快感の約束」です。
いきなりポッと出でやっても「なんか見たこと無い技が出た!」とか「あ、そういうこともできるんだ」で終わってしまってギャバンにおけるレーザーブレードの再現には全くならないと思います。

・1ミリ秒とか言っておきながら変身前に撃たれて死にかけることでも思いましたが、インフィニティのスタッフがギャバンの良さや視聴者が期待するものを全然わかってないんじゃないかなと感じてしまいました。
別物なら別物でギャバンインフィニティ独自の良さを出してくれれば私はそれで良かったのですが、肝心の良さが全然出てる感じがしなかったのでどこにも救いが見当たらないように感じました。


唐突なレイジの過去

「レイジは実は不良でした」という話が急に出てきてびっくりしました。
個人的には必要性がだいぶわかりませんでした。
A)「あの聖人のようなレイジも昔はワルでした」という意外性を出したかった。
B)ガトウさんの恩人感を高めることでガトウさんを殺したデスギャバンへ怒るレイジに説得力を持たせたかっただけ。

どっちでも通る気はしますが、どっちも最終回でわざわざやる内容だとは思えません。
いったい何がしたくてわざわざ入れたんでしょうね?

「ガトウさんを殺したのがデスギャバンだった」という話は普通に困惑しました。
っていうか倒れた時点で致命傷だったんじゃなかったんですね。
前までの回想の時点でガトウさんが「何ボケっとしてんだ。犯人を追え!」とか言ってたのは
「助かるかわからない俺の治療なんかより犯人を捕まえる方が重要だろ!」とか
「俺がもう助からないことは見ればわかるだろ? だったら感傷に浸ってないで警察官としてやるべきことをやれ!」
みたいな叱咤だと思っていたので「いや、治療すれば普通に助かりましたよ?」みたいな雰囲気が急に湧いて出てきて混乱しました。
そんなところを前提を覆されても驚きよりも戸惑いが先立ちます。

・デスギャバンの行動としては、「巨悪」というよりも「そうやって儀礼的なことをして自分を追い込まないと割り切れない人間的弱さ」の方を私は強く感じました。
これは正しい印象なのかどっちなのか判別がつきません。
なんかレイジが救うべき相手として同情してほしい感じの流れだったから情けないやつとして見える方向性で合ってるんですかね?


ようやくギャバンインフィニティという作品が見えてきた感じ

・怒りに任せて叫びながら殴りかかっていたのに大佐の通信を受けたら、戦闘中に手を前に突き出して「ちょっと待った!」とやってからその場でピョンピョン跳ねて落ち着きを取り戻すシーンは初めてギャバンインフィニティらしさを感じた気がしました。
怒りの感情で変身するわりには普段の言動からは激情を感じないなぁと思ってきましたが、やっぱりこういう「個人的な動機は持っていても意識的に抑えて正義のために戦うヒーロー」というのがやりたい人物像だったんですね。

・「俺は闇マクールを楽しんでるぜ!」はちょっと何言ってんの?と思いましたけど、雰囲気はなんとなく理解できました。
感情ネタで定番の「喜怒哀楽」をメイン3人で怒り=レイジ、哀しみ=刹那、楽しみ=キキで割り振っておいて、4人目の追加戦士は「恐れ」でわざと「喜び」を除外していましたからね。
不良でありずっと怒りを抱えてきたレイジがガトウさんや別次元のギャバンとの交流を通して喜びにも目覚めたレイジは怒りだけでなく喜びのエモルギーも併せ持った存在であり、怒り=闇、喜び=光で高次元とアザゾルスという宇宙の理も踏み越えた存在である。
そういう感じのことを言いたかったんだと思います。

・一番ピンと来ないのは別次元への移動能力=闇マクールという構図だと思います。
この辺は導入部分がバラバラになってたりレイジの個人的な心情を隠してきたりしたことが原因だと思います。
本来は「レイジがギャバンに選ばれたのは次元移動者のデスギャバンを追いかけさせるために高次元が抜擢したからである」
「レイジが次元移動できるのは闇マクールを浴びたからである」
って事情から始まってるから出来事としては筋が通ってるんですよね。
視聴者的には見てきた流れが真逆だから全然ピンと来ないんですけど。
レイジの方に「ギャバンがたくさんいればすげぇことができるはずだ!」みたいな強い思い入れや次元移動に使命感や職務とは関係ない個人的な楽しみを感じている様子があったらもっと馴染みやすかったと思います。

・しかしまぁ最終回になってようやく作品像が見えてきたのでは遅過ぎますね…
気分的には1クール目が終わるかどうか、良くできた作品だったら6、7話くらいの読後感です。
「いろいろやってるのはわかるけど何がしたくてやってるんだ?!」みたいな方向性の見えなさに困惑を覚える作品だったなら一つのカタルシスとして成立しなくもなかったんですが、実際には「何がしたいんだかまるで見えてこない。何のために今何をしてるんだ?」と手応えのなさに戸惑うタイプの作品だったのでカタルシスは全然感じられませんでした。


終わった気がしない

・結局、時間を割いてきたギャバンたちの存在意義や面白さも、怪盗フェイドや斬鬼長官の存在意義も大して感じられないまま終わってしまいました。
「これまでよりはマシだった」という相対的な満足感があるだけで最終回にふさわしい内容が有ったとは思えません。
これで一段落と言われても一段落した気すらしません。
次回作にすぐに続かなかったら「これ打ち切りだろ」と思っていたことでしょう。
最終回なのに不完全燃焼どころか「まだ何も始まってないだろ…」という印象のままでした。
最後まで「面白いとは思えなかった」で終わってしまって残念です。



・全体の感想は後日また別の記事として書くつもりです。





コメント

4 件のコメント :

  1. ラスト2話は盛り上がりに欠けて話しも小難しくて子供たちは飽きて途中から遊びながら観ている状態でした。
    クライマックスの次元を移動しまくるバトルはそこそこ楽しんでいましたがラストは本当に最終回?と子供たちは??でした。
    怪盗周辺も中途半端に風呂敷を広げかけてそのままにして何がしたかったのか。
    今後、最近のアニメのように分割にして数年後に2クールやったり最終的に他のプロジェクトRED達と共にアベンジャーズ的な感じにして広げていくのか不明ですがこれだけで終わらせるつもりではない事は伝わりました。
    しかしリアルタイムで観ているターゲット層の子供たちはその頃にはもう特撮を卒業しているかもしれないのであまり数年単位で引き伸ばさずに最終回なのだから最終回らしくきれいに気持ちよく終わらせてほしかったとも思っています。

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    1. 焼津のウサギさん、こんにちは。

      >しかしリアルタイムで観ているターゲット層の子供たちはその頃にはもう特撮を卒業しているかもしれないのであまり数年単位で引き伸ばさずに最終回なのだから最終回らしくきれいに気持ちよく終わらせてほしかったとも思っています。

      映像作品としての完成度の話に関しては百害あって一利なしで説明するまでもないでしょう。
      商業的にもターゲット層の特性を考えると引き伸ばすのは無理があると思います。
      やるならウルトラマンゼロみたいに何度も主役を張らせるような「ウルトラマンゼロというキャラは同じだけど年齢によってどの作品に出てたウルトラマンゼロを見てたかは異なる」状況でもないとまず成立しないと思います。
      同じシリーズやタイトルで成立するというならそれこそ「戦隊」がやってきたことですからね。
      私は現実的には数年単位の長期的視野ではなく、「オメガホーンにも出せばギャバンインフィニティの玩具がまた売れるチャンスができるじゃん! その次の作品にも出せばもっとだ!」くらいの都合がいい皮算用でしかないんじゃないかなと考えています。

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  2. コメント失礼します。
    ここ一ヶ月くらいの展開で嫌な予感がしてましたが、なんというか、未完成品をお出しされたような気分でした…
    生煮えのカレーとか、野菜切ったのを並べただけの野菜炒めとか…

    スポンサー関係のトラブルで途中で打ち切られた作品…とか言われれば納得するんですが、いくらProjectREDだから…と言われても未完成品は未完成品です。ちゃんとギャバンはギャバンで最後までやり切って欲しかったです…

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    1. 完成度の低さはだいぶ問題でしたね。
      「現地のギャバンなんていない毎回全然違う次元に行って事件を解決する」
      なんて流れなら最終回で別世界に行ったり、次回作に出てこようと違和感ありませんけど、実際には全部ギャバン次元でしかなくてマルチバースをメインにやっていたようにも見えません。
      何のために何を犠牲にしたのかさえ不明瞭なので納得感が薄いです。

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