ラリった親父の更生記録 映画『フライト』感想
デンゼル・ワシントン主演の映画『フライト』を見ました。
フライト [DVD]
(2013/07/19)
デンゼル・ワシントン、ドン・チードル 他
商品詳細を見る
お気に入り度 6/10
■あらすじ
・デンゼル・ワシントン演じる主人公はベテランパイロット。機体トラブルによる墜落の危機を回避し、一躍英雄となる。ところが、彼の血液からアルコール反応が出たことから世間の態度は一転していく…
【アル中でヤク中の更生記録】
■予告と違う!
・予告編を見るとこんな謎が謎を呼ぶサスペンス調に見えますが、本編見るとそんな映画じゃないとすぐわかります。だって冒頭のシーンが、いきなり事後。それも「今日もフライトだ、ちくしょー! ヤった上に二日酔いで気分は最悪だ。でも大丈夫、俺にはコレ(麻薬)がある!。さあ、今日も元気に操縦しよう!」(意訳)
こんな有り様です。もう既に完全にクロです。
■どう見てもクズです
・その後も副操縦士からは「こんなのがパイロットで大丈夫か…?」という顔をされるも、乱気流を見事抜けて腕をアピール、したかと思えば操縦中に更に酒を飲む始末。少し見直しては裏切られるパターンが何度も続きます。
■どうしようもないクズです
・何度も反省と失敗を繰り返し、復縁しかけた元妻にも逃げられ、挙句に裁判に備えて10日間も断酒をして誰もが見直したその夜、裁判前夜にまた飲みます。それも一度は「いや、今飲んだらまたダメになる。」と一度は手に取った酒瓶を机に置き直した…と思ったらわざわざ戻ってきて、翌日迎えに来た弁護士が血まみれの主人公を見つける始末です。その対処法も麻薬に詳しい友達を呼んで、特効薬(麻薬のカクテル)を決めてファイト一発! 何一つ成長してません。
■最後の良心
・そんなどうしようもない人間のクズの主人公ですが、最後に立ち直ります。
他人に嘘をつき、自分にも嘘をついてきた主人公。妻に逃げられ、息子に嫌われ、弁護を頼んだ同僚にも呆れられる最低の人間です。そんな彼にも裏切れないものがありました。
・査問委員の質問、全てに嘘を突き通し、誰もが主人公の無罪を確信したとき、ある質問が投げかけられました。
「トリーナはお酒を飲んでいたと思いますか?」
彼女は同僚であり、愛人でもあったスチュワーデスでした。そして事故の際、子供を庇って亡くなった英雄でした。しかしアルコール中毒の前歴があったため、彼女に疑いが向けられたのです。そんな彼女に罪を着せるのか。悩んだ末に主人公は勇気ある決断をしました。
・刑務所で中毒患者としての自分の経験を語る主人公。その顔は外で自由に暮らしていた頃よりも晴れやかです。
物語は、最後に息子が尊敬する人へのインタビューに訪れたところで終わります。「あなたは何者ですか?」
最後の問いかけの答えようとする主人公。彼が何と答えたのでしょうか。
【感想】
■予想は裏切られたけど、悪くない映画
・予告編の感じから、良い情報と悪い情報が錯綜し、誰が正しいのかわからなくなる。そんな法廷サスペンスだと思っていました。のっけからいきなり裏切られました。
・ですが、序盤の見せ場、飛行機トラブルのシーンはスリリングで緊迫感がありました。
ここのシーンだけは的確に指示を出す主人公がかっこよく見えます。それ以降はダメダメのダメダメです。
主人公なので必然的に映画の大半は主人公の飲んだくれな姿が映し出されることになります。でも意外と退屈しないんです。この辺りはさすがは名優デンゼル・ワシントン&ロバート・ゼメキス監督です。映像作りと演技がしっかりしていて、物語的には壊滅的に面白くない展開でさえ見られる映像になっています。
ダメ人間が更生するまでの物語として割り切れば、かなり良い映画だと思います。
■ここだけは納得がいかない!
・ただ一つ、個人的に納得がいかない点があります。
それは主人公が査問会で告白する決心を固めるシーン以降です。決心する前に「神よ、私に力を。」とつぶやいてから告白を始めるのです。その後の刑務所のシーンでも神への感謝をほのめかしています。これが納得いきません!
・なんでそこで神なんだ?!
主人公が以前は信じていたけど信仰心を捨てた経緯でもあるならともかく、いきなりです。下半身不随になった副操縦士が神について語っていて最低限の伏線は張っていましたが、そんな程度でアル中が改心するわけありません。副操縦士に面会した直後に主人公が怒鳴った「救ったのは俺だ!!」 あの発言は間違っていないと思います。
・最低のクズの人間だけど、人に罪を着せるほど腐っていなかった。人としての最後の一線を踏みとどまれた。それで良かったと思います。人間性の話を宗教に置き換える理由が、私にはさっぱりわかりません!
(2013/07/19)
デンゼル・ワシントン、ドン・チードル 他
商品詳細を見る
お気に入り度 6/10
■あらすじ
・デンゼル・ワシントン演じる主人公はベテランパイロット。機体トラブルによる墜落の危機を回避し、一躍英雄となる。ところが、彼の血液からアルコール反応が出たことから世間の態度は一転していく…
【アル中でヤク中の更生記録】
■予告と違う!
・予告編を見るとこんな謎が謎を呼ぶサスペンス調に見えますが、本編見るとそんな映画じゃないとすぐわかります。だって冒頭のシーンが、いきなり事後。それも「今日もフライトだ、ちくしょー! ヤった上に二日酔いで気分は最悪だ。でも大丈夫、俺にはコレ(麻薬)がある!。さあ、今日も元気に操縦しよう!」(意訳)
こんな有り様です。もう既に完全にクロです。
■どう見てもクズです
・その後も副操縦士からは「こんなのがパイロットで大丈夫か…?」という顔をされるも、乱気流を見事抜けて腕をアピール、したかと思えば操縦中に更に酒を飲む始末。少し見直しては裏切られるパターンが何度も続きます。
■どうしようもないクズです
・何度も反省と失敗を繰り返し、復縁しかけた元妻にも逃げられ、挙句に裁判に備えて10日間も断酒をして誰もが見直したその夜、裁判前夜にまた飲みます。それも一度は「いや、今飲んだらまたダメになる。」と一度は手に取った酒瓶を机に置き直した…と思ったらわざわざ戻ってきて、翌日迎えに来た弁護士が血まみれの主人公を見つける始末です。その対処法も麻薬に詳しい友達を呼んで、特効薬(麻薬のカクテル)を決めてファイト一発! 何一つ成長してません。
■最後の良心
・そんなどうしようもない人間のクズの主人公ですが、最後に立ち直ります。
他人に嘘をつき、自分にも嘘をついてきた主人公。妻に逃げられ、息子に嫌われ、弁護を頼んだ同僚にも呆れられる最低の人間です。そんな彼にも裏切れないものがありました。
・査問委員の質問、全てに嘘を突き通し、誰もが主人公の無罪を確信したとき、ある質問が投げかけられました。
「トリーナはお酒を飲んでいたと思いますか?」
彼女は同僚であり、愛人でもあったスチュワーデスでした。そして事故の際、子供を庇って亡くなった英雄でした。しかしアルコール中毒の前歴があったため、彼女に疑いが向けられたのです。そんな彼女に罪を着せるのか。悩んだ末に主人公は勇気ある決断をしました。
・刑務所で中毒患者としての自分の経験を語る主人公。その顔は外で自由に暮らしていた頃よりも晴れやかです。
物語は、最後に息子が尊敬する人へのインタビューに訪れたところで終わります。「あなたは何者ですか?」
最後の問いかけの答えようとする主人公。彼が何と答えたのでしょうか。
【感想】
■予想は裏切られたけど、悪くない映画
・予告編の感じから、良い情報と悪い情報が錯綜し、誰が正しいのかわからなくなる。そんな法廷サスペンスだと思っていました。のっけからいきなり裏切られました。
・ですが、序盤の見せ場、飛行機トラブルのシーンはスリリングで緊迫感がありました。
ここのシーンだけは的確に指示を出す主人公がかっこよく見えます。それ以降はダメダメのダメダメです。
主人公なので必然的に映画の大半は主人公の飲んだくれな姿が映し出されることになります。でも意外と退屈しないんです。この辺りはさすがは名優デンゼル・ワシントン&ロバート・ゼメキス監督です。映像作りと演技がしっかりしていて、物語的には壊滅的に面白くない展開でさえ見られる映像になっています。
ダメ人間が更生するまでの物語として割り切れば、かなり良い映画だと思います。
■ここだけは納得がいかない!
・ただ一つ、個人的に納得がいかない点があります。
それは主人公が査問会で告白する決心を固めるシーン以降です。決心する前に「神よ、私に力を。」とつぶやいてから告白を始めるのです。その後の刑務所のシーンでも神への感謝をほのめかしています。これが納得いきません!
・なんでそこで神なんだ?!
主人公が以前は信じていたけど信仰心を捨てた経緯でもあるならともかく、いきなりです。下半身不随になった副操縦士が神について語っていて最低限の伏線は張っていましたが、そんな程度でアル中が改心するわけありません。副操縦士に面会した直後に主人公が怒鳴った「救ったのは俺だ!!」 あの発言は間違っていないと思います。
・最低のクズの人間だけど、人に罪を着せるほど腐っていなかった。人としての最後の一線を踏みとどまれた。それで良かったと思います。人間性の話を宗教に置き換える理由が、私にはさっぱりわかりません!
コメント
0 件のコメント :
コメントを投稿
コメントは承認後に表示されます。
*過度に攻撃的な言葉や表現が含まれている場合、承認されない場合がございます。節度と良識を保った発言をお願いいたします。