3ＤＳソフト『カルドセプト』それなりに目処が立ったのでレビューを書いてみます。シリーズはＰＳエキスパンションとＰＳ２セカンドのみプレイ。
*今更気づいたけど製品タイトルには３ＤＳって入ってないんだ…整形ババァにしか目が行ってなかった。）

カルドセプト (2012/06/28) Nintendo 3DS 商品詳細を見る

■カルドセプトの面白さ
・カードゲーム＋ボードゲーム。それがカルドセプトです。詳しいゲーム内容はこちらの公式ページをどうぞ。

1）手札が丸見え
自分のターンになると全プレイヤーに手札が見えます。このゲームでは強敵相手には装備アイテムを使って倒すのが基本ですが、手札が見えているので心理戦の要素も入ってきます。
たとえば相手が先制攻撃の武器とＨＰを上げる防具を持っていた場合、敵が武器を選ぶなら自分のモンスターのＨＰを上げて耐えれば倒せる。しかし防具を選ばれたらこっちも武器を使わないと倒しきれない。お互いに知っているからこその駆け引きがゲームを盛り上げてくれます。

2）運と実力のゲーム
・カードゲームなら９０％が理詰めですが、ボードゲームなので運も重要です。
特にこのゲームは土地が重要です。モンスターを配置して、そこの土地レベルを上げると大量のお金をマスに止まった相手から取れます。サイコロ運が良ければ合間を掻い潜って無事突破でき、運が悪いと連続１の目もありえます。
ただデッキが強ければ勝てるとは限らない。運に見放されば勝てない。だけどその運をコントロールするために６マス移動できる魔法など知恵で対処する。確率と実力を支配すること。そこがカルドセプトのデッキ作りの醍醐味ですね。

■衝撃のガイド機能
・あのカルドラ様が可愛くなった衝撃のパッケージ同様、中身も驚きの変貌を遂げています！
ナビが搭載されているんだけどこれがすごい！ シミュレーションゲームだと、たいていこの手のシステムは有名無実なんだけど３ＤＳカルドセプトはかなり使えます。モンスター配置はさすがに色優先でステや能力までは配慮してくれないですが、武器を加味した攻撃力計算やホーリーワードなど歩数指定スペルの計算はゲームに慣れてる私でも驚かされることがあります。
・特に初心者にはこの機能はかなりの助けになります。土地のレベルアップでさえかなり的確で、指定された行動は８５％程度は実戦で採用可能なレベルです。色が会わなくてもいいとか、牽制のための攻撃など”あえて”やる行動以外は人間と遜色ありません。

・ゲーム内マニュアルも膨大なページ数通り、レベルごとの価値上昇倍率まで載っていてほとんどの要素が網羅されています。反面、どれが大切か初心者にはわかりづらいので、できれば紙の取説は初心者向けに絞って１０ページぐらいにして、ゲーム内マニュアルで補完という形だったらもっと嬉しかったかな。

■バランス調整
・以前猛威を振るったスチームギアやミルコメなど強カードは能力据え置きでコスト上昇（スチームギア：６０→８０Ｇ）やミルコメレオは召喚条件に風１など調整が加えられています。土地変化スペルもレベル３以下に限定され汎用性が落ちています。
個人的にはテンペが「ＳＴ４０以下にダメージ」に変わったり、サムライが「ＳＴ４０以上７０％即死」に変わったのが面白いですね。そっちのほうが世界観的にも良いと思います。

・一方、バイタリティやウィークネス等ちょっと使いづらかったカードには１ドローがついて、かなり使いやすくなっています。
全体的にゲームバランスはそれほど変えずに行き過ぎた強さ/弱さを調整した形になっています。

■新要素：雪辱
・３ＤＳ版で初登場した新要素「雪辱」。攻撃をガセアスフォーム等で「無効化」された際に発揮される無効化対策効果です。たとえば武器のライフスティーラー『ＳＴ＋４０。雪辱：対戦相手のＭＨＰ-３０。』やモンスターのシェイドフォーク『雪辱：相手の魔力の３０％を奪う。』などがあります。

・しかし残念ながらあまり有効とは言えないと私は思っています。雪辱は攻撃による破壊or無効化して雪辱を食らうという二択で成り立つはずですが、それが可能なカードは限られています。無効化突破したければ巻物使うほうが便利ですしね。

■新要素：マーケット
・要らないカード３枚と別の２枚を交換できるようになりました！ しかも出したカードのレア度に応じてもらえるカードも変わるので損な取引はありません。ときどき森モンスター限定、アイテム限定などフェアーが行われるのでカード稼ぎ作業中も刺激があって楽しいです。

■キャラがまともになっている！
・パケ絵のカルドラ様を筆頭に男女問わず絵がリファインされています。特にジェム教団の面々は大幅に良くなっています。悪い意味で変わったのは、無表情で厳粛になったアルダ様くらいなので旧シリーズ好きも安心です。
*いちおうヒロイン。左が３ＤＳ版で、右が旧版。）


■オンライン
・ビギナー専用もあるので初心者も安心です。勝利ポイントで制限されているのでずっとやってる人は絶対に入れません。一般用では護符の有り・無しも選べるので護符嫌いor護符ブックも安心です。

・ランキング戦もやっているようです。まだ私は全然オンラインやってないのでよくわからないですが公式ページにランキングが出ていますね。
・回線について：巷ではよく切断すると噂ですが、一回やった限りではラグすらありませんでした。強化されたのか個人の回線によるものなのか。後で充分試してから加筆修正します。

■３ＤＳ機能について
・３Ｄ機能：「カルドセプトに３Ｄなんて必要ない。そう思っていた時期が私にもありました…」前言撤回、けっこう迫力があります。ステージが背景から浮いてる感じがしてセプター同士のバトル！って臨場感が増してます。

・それに何より冒頭のムービー。あれには度肝を抜かれました。ゲームを初めて起動するときは必ず３Ｄマックスで！

・分割画面：上がマップor戦闘画面で、下が手札or魔力などゲーム状況で据え置き機より見やすいです。上下で完全に分かれているので、マップの移動や偵察は上。使用カード選びは下と必要な要素に集中できて快適です。

・タッチペン：必要ありません。全部スライドパッドとボタンでできます。
・すれ違い通信：残念ながらありません。カードプレゼントとかあっても良かったと思います。

■総評
カルドセプトシリーズ好きなら間違いなく買いです！逆に「やったことはあるけど、あんまり楽しめなかった。」という人にはオススメできません。「やってみようかな？でも難しそう。」というシリーズ未経験者はぜひ試してください！全シリーズ中、いや他のゲームと比べても、とっても親切な作りになっています。

・個人的には製作者の姿勢が何より嬉しいです。長く続いた戦略性のあるゲームって、たいてい上級者にばかり配慮して新規層を軽視しがちだけど、カルドセプトはそんなことがない。むしろかなりの手間をかけてチュートリアル機能を充実させている。ゲーム好きな人ならその一点だけでも感動できると思うな。