『仮面の忍者赤影』 最終回まで見終わって:総合感想
2026年3月31日
『仮面の忍者 赤影』を最終回まで見終わったので感想を書きたいと思います。
*必要に応じて随時ネタバレがあります。
この”赤影”は「2026年にテレビ放送された東映&LDH制作の実写版」の赤影です。
ちなみに私は昔の特撮版も映画のレッドシャドウも原作漫画もどれも見たことがありません。
以上、説明おしまい。
一言まとめ
ドラマとして特撮アクションとしても普通に面白くなかった。
役者さん目当て以外ではオススメしない。
”バカ影”の方がまだ良かった。
普通に面白くない
・全体としては普通に面白くありませんでした。
元々期待してなかったストーリーは無い方がマシなレベルで、延々と停滞してるメインストーリーと盛り上がらない展開。
それを支える学芸会レベルの演技。
アクションも全然動けない上に、バトル自体が3話に1度くらいのペースでアクションや活劇を求めること自体に無理があると感じました。
アクションがしょぼい
・LDHというと「アクションができる役者さん」と噂に聞いていたのですが、全然でした。
普通に動きが悪くてアクションには全然なってませんでした。
これならニチアサの戦隊やライダーの役者さんの方が上なくらいだと思います。
赤影に出ていた役者さんがしょぼかっただけなのか、
「LDHの役者さんはアクションができる」という話自体が「普通のドラマ畑の人よりもできる」という話で私が求めていたようなアクション俳優並の水準ではなかったという話なのか。
真相は何だったのでしょうね?
特撮は論外
・特撮と呼べるものが最初に登場した”大蝦蟇”くらいしかありませんでした。
その大蝦蟇もとてもしょぼかったので特撮としては論外でした。
これですからね。
造形が前時代的でしたし特撮的な撮り方や演出も普通にクオリティが低かったです。
・もう一つの特撮要素かと思われた金目像はただのキグルミでしかありませんでした。
巨大化してるときはほぼ空しか映らず巨大感は特になく、戦いになるとなぜか人型サイズに縮小して目にも止まらぬ高速移動からの格闘術を繰り出してきて、実態としては普通の全身キグルミ怪人でした。
ストーリーは無いも同然、あるいはマイナス
・エンタメとしては基本的に敵のペースで進むだけの負けイベントの連続で盛り上がりに欠けました。
4話に一度くらいのペースで幹部を倒すんですけど、幹部が「朧谷七人衆」だけに7人+大ボスがいるから倒しても倒しても次が出てきて全然進展が感じられませんでした。
・ストーリーは基本的に人間模様が中心のシリアス路線…だったはずです。
個人的にはグダグダとよくわからない答えが出そうもない問題で悩んでいて昔の”セカイ系”だのと言われていた作風みたいだなと思いました。
・悩みの解答が基本的に「家族」「仲間」「絆」みたいな路線でまた戸惑いました。
よりにもよって「影」を名乗る忍者でそれですか?!
最初は「俺は人質として送り出され親にも見捨てられた存在… 闇に生きる忍者とはそういうものさ…」みたいなニヒル感を漂わせていたはずの主人公が、
同僚になった青影や白影から「俺たち友達だろ?」とか「共に戦い命を賭け合った仲間。それはもう家族だ!」みたいな話を真に受けて、
いちいち「トモダチ…」「カゾク…」とか呟きながら鵜呑みにしていく姿は「主人公って野生児系だったのかな?」と首を傾げっぱなしでした。
これは原作がそういう路線だったから踏襲しただけなのか、ターゲット層に合わせてヤンキーもの系の路線を取り入れたのか、どういう方向性だったんでしょうね?
・真面目にストーリーを見るには辛かったです。
「”影一族”と呼ばれる伝説の忍者一族の長の息子」という設定から出てきたのが、
「子供の頃に姉が父親に裏切り者として殺されたことがトラウマになっててしょっちゅう悩む青年」になることも魅力を感じませんでしたし、
その過去が「実は父親が殺したっていうのは嘘で、本当はなぜか野党に襲われて主人公だけは突然目覚めた火遁の術の力で生き延び、姉を守れなかったトラウマを消すために父親が記憶を書き換えて自分を恨むように仕向けたからでした」
とひっくり返されてより一層戸惑いました。
えぇ… 野党に殺される伝説の一族の長の子供って何ですか…? セキュリティも実力もガバガバじゃないですか…
忍者の一族なら普通は「次期頭領に与えられた命令として実の姉もその手で抹殺したが心の底ではトラウマになっている」とかそういうんじゃないんですか?
「未来を変えれば過去も変わる」
というのが後半でキーワードとして連呼されてましたけど、最終回で出された内容が想像してた内容と全然違ってびっくりしました。
突然「主君である信長のことを兄だと思ったら吹っ切れました」とか言い出していろいろ意味がわかりませんでした。
「未来を変えれば過去も変わる」ってそういう意味じゃないと思うんですけど?
そんな前向きになれば過去のトラウマも気にならなくなるよ、とかそんな程度の話ではないと思います。
信長に父性を感じたようだったのですが、そもそも赤影の実の父親はまだ生きてませんでしたっけ?
トラウマの中心だったはずの父親や姉の話が何も片付いていないのに吹っ切れてて全然話についていけませんでした。
・百歩譲って気の持ちようって話にしても、それなら青影や白影に家族意識を持てた時点で解決することじゃありませんか?
白影なんて赤影たちを守るために奮闘して殉職したんですよ?
そこに反応しないのに最初は老害扱いした信長だけ特別扱いすることは理解できませんでした。
マジで何だったの、あれ?
・個人的にはストーリー周りでは闇姫周りの話が一番戸惑いました。
初登場時以外はろくな出番がないまま時間だけが過ぎていき、中盤になったら赤影を助けて身の上話を始めて話の流れ的に新しい仲間になるのかな?と思っていたら土壇場で「やっぱり止める。敵だった私がいたら出奔した青影が戻って来なくなるだろう」とか言い出して戸惑いました。
忍者なのに何を甘いこと言ってるんだろうというのもそうでしたが、「一族を守るために嫌々戦ってきた」という身の上なのに青影を優先することも裏切りかけて止めることも不思議でしょうがありませんでした。
しかもその直後に最初から敵同然だった金ですぐ裏切る悪徳商人が欠員補充として決まって更にびっくりしました。
敵だったから戦っただけの闇姫よりも、直に赤影を殺そうとしたりした悪徳商人の方が青影の印象は悪いんじゃないですか?
結局普通に青影も反発してたけど、最終的には普通に一緒に戦っていて闇姫のキャンセルが完全に無駄になっているように感じました。
・織田家に仕えるのは止めた割には実の弟は赤影にくっついたままで思いっきり織田家に協力していることも意味がわかりませんでした。
裏切りかけた時点で信用できないと粛清されてもおかしくなさそうなのに、弟が思いっきり協力してたら完全にアウトなのでは?と不思議でしたが、敵側では特にそういう話が出てこず今までどおりの感じだな…と思っていたら結局粛清されて唖然としました。
もう闇姫の心境から一族を守るための思考に幻妖斎たちの考えまで何一つ理解できませんでした。
弟が織田家にいるのはてっきり関ヶ原のときの真田家よろしく有力勢力両方に加担することでどちらが勝っても一族全体は生き残れるようにするって算段なのかと考えてたのにただのノープランでした。
これで何か悲劇のヒロインみたいな雰囲気出されても余計に困惑するだけでした。
バカ影の方がマシだった…
・1話はやたらにギャグ描写が多かったです。
信長のことを「自分の思い通りにならないと不機嫌な態度を示して相手を自分の思い通りに動かそうとする。これはまさしく”老害”」と現代語を使ったり、
赤影が大蝦蟇に食われそうになったところを信長が身を挺して庇って「いいってことよ」みたいな面してたら、赤影から「(わざと食われて体内から攻撃する作戦なんだから)余計なことをするな!」と突き飛ばされて信長が「えぇ…」って表情になったり、
冒頭で信長に対して「最近、金目教と名乗る勢力が拡大して不穏な動きを見せています。いかがいたしましょう?」と秀吉たちが報告する場面で、なぜか信長が槍の稽古をしていて刺さりそうになる槍を秀吉たちがしゃべりながら必死に避けてたり、
1話がギャグ中心だったときには「これじゃ赤影じゃなくて”バカ影”だよ…」と引いていましたが、終わってみればむしろ「もっとギャグを増やしてほしい(切実)」という心境になっていました。
・無い方がマシなストーリーと無いも同然のアクションに比べてギャグの方が実が有ったというのも大きな要因でしたが、役者さんも大きな要因だったと思います。
ギャグ担当だったのが滝川一益役の さんなどベテランで、特に秀吉役の柄本時生さんが良かったです。
竹中半兵衛をスカウトしたときの
秀吉「名軍師と名高い竹中半兵衛殿のお力を貸していただきたい!」
半兵衛「…名軍師?(チラ見)」
秀吉「類まれなる!」
半兵衛「の~?」
秀吉「比類なき!」
半兵衛「の~~~?」
秀吉「~~~空前絶後ォ!」
半兵衛「そこまで言われては仕方ない。この半兵衛の力を貸しましょう」
秀吉「(疲れた~やっと終わった…という表情)
みたいなコテコテのコントですら赤影クオリティにおいてはだいぶ面白い方でした。
赤影に求める内容じゃないし、求めるにしてもギャグは青影の担当だろう?とツッコむべきところでしたが、低過ぎるクオリティの前にはそんな正論を言う気も起きませんでした。
ノスタルジーと絶望
・久しぶりに「見てて死にそう!」と思いました。他に見るものが無い時期でなければ見るのを止めていたでしょう。
20,30年前は土曜夜9時とか8時台のドラマでこういう糞みたいなドラマが珍しくありませんでしたけど、令和の時代になってもこういう作品はあるんですね。
ここ10年くらいはドラマは全然見てきませんでしたが、こういうのはいつになっても変わらず有るのだなとしみじみと感じました。
それが一番の収穫だったかもしれません。
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