『名探偵プリキュア!』:第一印象
『名探偵プリキュア!』を6話まで見た時点での感想です。
6話というのはプリキットルーペで初めて必殺技を撃った回のことです。
プリキュアは武力担当
・タイトルにもなってる部分なので先に解説しておきます。
本作におけるプリキュアは「探偵」ではありません。
推理パートは変身してない状態で行い、バトルパートになった途端に変身して倒して浄化するだけの武力担当です。
名探偵コナンにおけるキック力増強シューズや蘭姉ちゃんの空手ポジションがプリキュアへの変身に相当します。
よって実態を表した正しいタイトルは「プリキュアになれる名探偵」です。
プリキュアがそんな扱いでいいのか…?と感じる人もいるでしょう。お察しのとおり、そこが本作の歪みの中心にもなっています。
ちなみに作中では「名探偵プリキュア」で一セットの単語扱いで「探偵と言えばプリキュア」であり、「お供妖精を引き連れ、事件を推理し、変身して戦う。それが名探偵プリキュアである」と一部の人間の間では常識になっているようです。
・放送前に考えた当初の想像でも
「推理パートはプリキュアにおける”日常”に相当すると仮定した場合、
変身した状態で推理も行うと日常要素がごそっと欠けることになる。
変身してない状態で推理を行うとプリキュアの出番が推理後のバトルだけになる。
どちらも問題が有ると思われるがどうするつもりなのか?」
と疑問に感じていました。
実際に見てみても「プリキュア(ヒーロー&日常)と推理もの」のバランスは全然取れてないように感じました。
具体例を出していかないとなぜそう思ったのか伝わらないと思うので概論は一旦ここまでにして、具体的な印象を書いていきます。
思ってたより推理してる
・最初見たときの第一印象はこれでした。
プリキュアでテーマ要素というと前作のキミプリのように最序盤から形骸化したり無視されたりすることが珍しくありません。
ました「探偵」や「推理」となると時間がかかるので尚更無視される可能性は高いと思っていました。
実際には今のところは毎回のように話の50%,60%は推理パートに充てていて予想よりもずっとちゃんと推理していて意外でした。
・推理パートの内容も思っていたよりはまともでした。
10分前後で事件発生から解決までやらないといけないので駆け足ではありました
時間の都合で「提示された情報=ほぼ証拠」となりがちで台詞を追ってるだけで犯人がわかる程度に簡略化されていました。
でも答えに辿り着くには情報をつなぎ合わせる必要があるので、未就学児童向けの推理としてはこれくらい簡単でも悪くないんじゃないかと思っています
根本的疑問:子どもは推理を楽しめるのか?
・推理自体はちゃんとしていた一方、「子どもは推理を楽しいと感じるのだろうか?」という根本的な疑問は感じました。
一般的に「推理ものの推理をちゃんと楽しむ人」って少数だと思うんですよね。
私自身もコナンとか金田一少年とか推理ものを見たことはありますが、本格的に推理しながら読んではおらず、「推理パート=キャラクターの活躍パート」くらいにしか思っていません。
それじゃ作品に対して不誠実だろうと思い、何度か本気で推理しようと試みたことはあるんですが考えても当たらないし何より逐一振り返って紙にまとめて仮説を立てる工程を楽しいと思えなかったので推理もの自体への足が遠のいてしまいました。
耳に入ってくる限りでは推理パートを本格的に楽しんでいる人は一般的にそんなに多くないように感じます。
そもそも論として推理主体のプリキュアはウケるのだろうかと根本的な疑問を感じています。
・もしも子どもが楽しめないとしたら、推理パート全体が全然楽しくないのに時間ばっかり取るお邪魔虫になっちゃうんですよね。
実際、私にとっては4話の漫画家のカバン探しがそんな感じでした。
序盤の時点でカバンのある絵画教室の前に来ているのに、なぜか聞き込みをせずにスルーして通り過ぎたことに違和感を感じてそこから話にノレませんでした。
他に有力候補がある状況ならともかく、アテもなく片っ端から歩き回っている状況で人が多そうな近場の施設をスルーする理由が見当たらないように感じて行動が不自然だと思ってしまいました。
こんな具合に推理パートでの言動が的外れなように感じると解決するまで延々と退屈で登場人物に対してマイナスイメージが積み重なっていく時間が続いて辛く感じました。
もしも推理パートに全く興味がなければ事件開始からずっとこんな気分になると思われます。
個人的には推理パートはリスクの高さの割に面白さには貢献できていないんじゃないかと感じています。そんなに推理好きの子どもがいるんでしょうか?
推理が当たろうがバトルにはなる
・お話全体では推理という行為自体に不毛感を感じるところがよろしくないように感じています。
探プリの基本フォーマットは以下の通りです;
依頼者との出会い/妖精レーダー反応からの現場急行など事件発生。
→推理パート。
→犯人はみんな敵幹部の変装で、犯行を言い当てられた幹部が目当ての物を力尽くで強奪して逃走。
→プリキュアに追いつかれた幹部が盗品から怪人を生み出してバトル開始。
→バトルで勝って盗品を奪還。めでたしめでたし。
…はい、ご覧のとおり推理が当たろうが強奪されてバトルになるんです。強奪を防げたことは今のところ一度もありません。
見ていて「どうせ奪うなら最初から強奪すれば推理パート省けるじゃん」とツッコミたくなってしまいます。
実際、メインストーリー中心だった5話はそんな流れでした。探偵がろくに推理しないうちに幹部の方から勝手に正体を現してくれて推理パートをほぼスキップして怪人召喚まで話が飛びました。
他にも3話では強奪からの逃走中に敵ボスから幹部に
「プリキュアを倒して華麗に盗め」と指示が下ったため基本的に戦わずに逃げ切ることは敵幹部的にも無しになってしまいました。
どうせ当たっても強奪されるし、犯人も最初から戦う気がある状況での推理の意義とは…、と推理パートの存在意義に疑問を感じずにはいられません。
現状だと推理しかない
・ストーリーやキャラは現状では薄いです。
なぜかというと答えは簡単で、各話の事件と推理に時間の大半を食われていて、メインストーリーやキャラ描写をやる時間が取れていないからです。
推理パートで推理しつつキャラ描写やメインストーリーを描けたら何よりだったのですが、そんな上手いことは行っていません。普通に滞っています。
推理パートに全体の5,6割を割き、バトルで2割くらいは毎回使っていて、メインストーリーやキャラのお話を入れられるのは事件発生までの冒頭の短い時間くらいです。
悪役会議を筆頭に敵側の話や人物描写の方がずっと多くなっているため、主人公たちよりも敵幹部の方が描写が充実しているのが実情です。
・5,6話では「プリキュアとしてのノルマ」まで入ってきたので主役周りのエピソードさえ全然ピンと来ない大惨事になっていました。
「5,6話と言えば初期二人のプリキュアではロッド入手するタイミングで、ロッド入手イベントと言えば二人の仲違いからの和解が付き物ですよね」
というノルマによって話が動かされていて、めちゃくちゃ唐突でついていけない展開になっていました。
肝心の主役二人の描写を5話までに全然できていなかったため根本的にドラマが成立しませんでした。
「アンナは考え過ぎて動けなくなっていて、ミクルは考えるより先に突っ走っている。これじゃあべこべだ。2人ともそれだけお互いに影響を受け合うほど強い結びつきがあるってことじゃないか!」
と作中のキャラにわざわざ台詞で解説までさせていたのですが、それを聞いてもなお「そんな感じ…だったっけかな? 1話ではそんな描写があったような気がするけどその後あったっけ? っていうかこの数話、推理以外に何してたっけ?」と半信半疑にしかなれませんでした。
見ている間も見終わった後も「この話に必要な下積みが全然できてない。もっと後の回でやるか、最初から6話をゴールと定めて1話からしっかり準備していくのどちらかが必要だった」と思いました。
最序盤にかます最初の見せ場がこのクオリティでは厳しいです。
・ドラマ面では主人公であり、2027年から1999年にタイムスリップしてきたアンナの思いに全然脈絡を感じなかったことが致命的でした。
「パートナーのミクルが学校で自分は知らない友達と楽しそうにしている姿を見て距離感を感じたことと、孤独感と元の時代に帰りたいという思いに苛まれたこと」が原因だったと本人も語っていたのですが、どっちも私はピンと来ませんでした。
主人公のアンナがミクルに対してそこまで依存していた印象が無いんですよね。個人的にはむしろ逆でミクルの方がアンナに依存していた印象があるくらいでした。
「探偵志望で実力や知識はそこそこあるが自信がなく決断力や判断力に欠けるミクル」と、
「知識も実力もない素人だが、行動力と直感力に優れるアンナ」
というコンビである印象止まりで依存している印象も、寂しさをそこまで深刻に感じている印象もありませんでした。
「寂しさは隠していた」で済ませるにしても、その前の話では「この世界が怪盗に危険に晒されてるなら今は帰ってる場合じゃないでしょ! 怪盗問題を解決してから帰ることにするよ!」とヒーロー宣言していたことと正面衝突すると思います。
結局、自分のことが最優先ならそんな人間がプリキュアになれるのかという疑問も湧いてきます。
・こんな具合にお話が断片過ぎて何か一つを肯定しようとすると他に差し障りが出る内容が今のところ多いです。
直感的な印象としては「作品自体が行き当たりばったり」です。
ノルマだからとかそこはスタッフが興味ないからとか本編外の出来事に左右されていて、全体の構成がちゃんとしてないように感じています。
探偵ものだからと1話ごとの推理に延々と時間を割いていたらメインストーリーをやる時間が無くなった。
でもプリキュアだからプリキュアらしいメインストーリーもやらなきゃダメだろとやってみたが、下積みが全然無いからプリキュアではいつもやってる定番の話ですら全然馴染まなかった。
絵に描いたような失敗を平然とやっていることに呆れています。考えるだけでもやる前からわかることだと思うんですけどね…
本来は「ヒーローと探偵」、「探偵と私生活」、「浄化と推理」の相性は悪くないと思う
「探偵、ヒーロー、私生活/我欲」という探プリの基本要素がどれも水と油で、コンセプトの時点で全部の基本要素がお互いにケンカしてるように見えます。
探偵の仕事に必要なのは冷静な思考力と捜査だけでヒーローも我欲も出る幕が無い。
ヒーロー業には探偵は関係ないし、我欲は出てはいけない。
我欲を出すと他人のために働く探偵やヒーローをやってることと矛盾する。
一つをやれば他が止まり、一つを描くと他のところで矛盾を来す。見事な取り合わせの悪さになっています。
元々プリキュアでは「ヒーローと我欲」という基本要素が結局はどちらかが引っ込んで片付けられることが多かったのでこれもまたやる前から予想がついたことでした。
2つだけでも元々上手くいった試しの方が少ないのに更に要素を増やしたらますます悪くなる可能性が高いのは当然ですよね。
しかしながら推理パートが時間を食うことと、他の要素と融和できていないことが問題なだけで本質的には各要素は相性が悪いわけではないと私は思っています。
・ヒーローと探偵は説明するまでもないでしょう。
事件解決や被害者の救済を志すヒーロー路線の探偵は珍しくありませんからね。
・探偵と私生活に関しても明快で探偵もの自体に「私立探偵」というジャンルがあるくらいですからね。
「優秀だが素行や態度が悪いせいで刑事をクビになって探偵をやっている」みたいな探偵もいれば、
「事件ではなく私人一人ひとりの個人的事情に興味があるから好きで私立探偵をやっている物好き」みたいな探偵もいます。
プリキュアにおいても合った理由を設けることは難しくないと思います。
・浄化と推理に関しては推理パートを設けるのではなく、バトル自体を推理と結びつける手も有ったと思います。
「怪人を浄化するには怪人の元になった物の正体を見抜かなくてはならない」
みたいな設定にして、戦いながら怪人の正体を推理していく。
たとえば5,6話の2羽のツバメ像から生まれた怪人なら、
「羽が生えてて空を飛べる」
「タキシードを来ている」
「なぜか同じ怪人が2体いる」
→プリキュア「タキシードは”燕尾”服とも言う… 『謎は全て解けた!』 怪人の正体は学校に有った2羽のツバメ像だ!(浄化技が命中して元のツバメ像が現れる)」
こんな形ならいつものプリキュアをやりつつ、バトルをアレンジしつつ推理を落とし込むことも可能だったんじゃないかと思います。
・長期的に上手くいくかどうか面白くできるかはさておき、実際の探プリのようなこんなにもバラバラでお互いに潰し合うような不毛な関係にはせずに済む道筋は有ったと思うんですよね…
挑戦が上手くいってないだけならわかるんですが、何の試みも見られず、ただ普通にダメになってる現状は一番理解に苦しみます。
EDは今年も素晴らしかった
・EDは昨年のキミプリに引き続き白眉の出来栄えでした。
CGディレクターは高橋友彦さんでキミプリと同じスタッフのようです。
・動き自体は特別良くないのですが、カメラワークや演出、表情など小技を駆使して楽しくしてある点が素晴らしいです。
服の下の胴体部分や動かない髪の毛などよくよく見るとボーンがどうなってるかすら怪しい部位もありますが、目に付く部分にクオリティを集中して重要でない部分は簡略化するのも立派な戦術なので私はそれも含めて良いと思います。
・敵のはずのキュアアルカナシャドウが堂々と一緒に踊っていることだけはシュールだと思いました。
そもそも6話時点でまだ本編では変身すらしてませんし。1話時点では変身前すら登場していません。
でも後から追加ではなく1話のEDから堂々と出しているところも、割り切りを感じてむしろ好ましく思っています。
キャラクター/デザイン
明智アンナ/キュアアンサー
・主人公なんですけど、正直キャラクター性は全然感じることができていません。パートナーのミクルも同様です。
1話時点の印象は「典型的なヒーロー気質」という最近のプリキュア主人公にありがちな”良い子ちゃん”でした。
良い子ちゃん方面では掘り下げがないので特に魅力は感じていません。
・一方、2話以降は「倫理観の低さと素行の悪さ」が目立ちました。
2話ではジェット先輩が必要な説明をしてくれているのに無視して「2人とも同い年だ!」と関係ない話で盛り上がったり、3話では「可愛くしたいから」という必要性に欠ける理由でジェット先輩のお金を浪費して家具を揃えたり、依頼人が漫画家志望だと言っても何の興味も持たなかったのに未来で有名な漫画家だと知った途端に「有名なら読みたい!」と浅ましい考えを露わにしたり、必要性が理解できない素行の悪さがちょくちょく挟まれて不快感を感じました。
倫理観の低さは村山巧さんがシリーズ構成を務めたまほプリやスタプリでも有ったことなので始まる以前から覚悟はしてありました。
ただ、不快なものは不快なんですよね…
キャラクターとしても良い子ちゃん路線や探偵業と合ってないと思いますし、「そういう性格なのだ」と認識していいのかすら怪しく感じています。ただの手癖じゃないでしょうね…?
・最序盤の集大成のはずの6話は実に壊滅的でした。
ドラマがピンと来なかったことも問題でしたが、前回でポチタンが庇ってくれたから九死に一生を得たのに、6話ではポチタンのことは気にせず延々と自分のことばかり気にしていました。
目の前の傷ついたポチタンよりも自分の感情を優先する姿はヒーロー失格だと思いました。
メイン回で掘り下げて好感度が上がるどころかミクル共々ガタ落ちでした。
最後の最後に一言「ごめんね」って謝るだけって… 具体的に何を謝ってるのかもあやふやでかえって印象が悪くなりました。
謝るなら「私がくだらないことに悩んだせいで、ポチタンを2回も殺しかけてすみませんでした」とちゃんと自分の罪を自覚して謝って欲しいです。
・変身前のデザインは最近のセオリー通りって感じでした。
短めの髪型と服装でスポーティーな感じで、変身後は髪が伸びて、服もふりふりドレスになって変化がわかりやすいです。
ドレスやロングヘアをプラスに感じない身としては変身前の方が可愛く見えることもいつも通りです。
ただ、わんプリと比べるとハネ毛などで変身前と変身後のシルエットに面影が感じられて同一性の受け止めやすさはだいぶ上だなと思いました。
・変身前も変身後もデコ出しスタイルなところは可愛いなと思っています。
古めかしい感じがしますが、私はそういうのが全盛期だった世代なので見ていて安心感を覚えます。
・モチーフに関しては何もしっくり来ていません。
服装は探偵らしさを特に感じず、いつものプリキュアって感じですし、懐中時計がモチーフの変身アイテムに至っては更に謎です。
タイムスリップものだから時計なのか、時計だからタイムスリップしたのか、どっちが先なんでしょう?
小林ミクル/キュアミスティック
・アンナ同様にキャラクター性は全然感じられていないので人物像にかいて書けることが限られています。
個人的には弱気でアンナに依存していると思っていたのですが、5,6話の内容が真逆だったので尚更書けません。
・こちらも変身前の方が可愛く見えます。
個人的には”三つ編み”という点が驚きました。
三つ編みって女の子的には「ダサい」というイメージだと思ってたんですけど有りなんですね。
使うにしてもロングヘアーのアクセントとしての編み込み程度で、いかにも三つ編みでございって感じのコテコテの三つ編みは不人気だと思っていました。
個人的にも変身前の髪を降ろしたミドルヘアーと変身後の三つ編みのどちらかがファッション性を感じるかと言われたら変身前の方と答えます。
私の認識が間違ってるのか、挑戦的なデザインなのかどっちなんでしょうね?
・個人的にはミスティックはだいぶ好きなデザインです。
”快活”三つ編み少女という組み合わせが良いです。快活がポイントです。
三つ編みと言えば文学少女だの陰キャ路線で快活との組み合わせはレアです。
更にデコも出ている! 地味な外見のようでてんこ盛りです。
これ発案した人も過激派なんだろうなと思うくらいに尖ってると思います。
・趣味の話以外に真面目な話もしておくと、変身シークエンスにおける表情の豊かさが魅力的だと思います。
基本的にしかめっ面みたいな推理中の様子から打って変わって楽しそうになるところは解放感が感じられて見ているこっちも楽しくなってきます。
変身ものなので変身自体に意義を感じさせることは良いことだと思います。
まぁ探プリという作品自体は変身とか取り扱う気は無いだろうと思っていますが、逆に話の流れにそぐわないとかそんな問題も起きないのでまぁ大丈夫でしょう。
空き地みたいなものですから遊ばせておくより好きに使った方がまだ有効活用です。
・名前に関しては違和感が強いです。
「ミスティック」と言っても単語はmysticの方ではなく”mystique”の方のようです。
どっちにしても一義は「神秘的な(存在)」なので意味合いには大差ないのですが。
いまだにどの辺が神秘的なのかピンと来たことがありません。
ミクル自体は神秘的どころか実直で明け透けなぐらいな印象です。
相方の「アンサー」(答え)が探偵ものとしては字面が強すぎるし、必殺技のときの掛け声も「これが私たちのアンサーだ!」とミスティックがハブられてて歪過ぎると思います。
「キュアアンダースタンディング」と「キュアサーチ」の二人で二人合わせて「アンサー」くらいのネーミングにした方がバランスは良かったんじゃないかと思います。
変身シーンも必殺技も二人セットが前提のようなのにこんなにバランスが偏ってるのか不思議です。
ポチタン
・妖精で赤ちゃんポジション、つまりいつものやつです。
ちょっと違う点は「1話のタイムスリップで力を使ったせいで一時的に幼児化している」という点ですね。
タイムスリップを引き起こしたり怪人を退けたり、パワーを秘めているので将来的にはプリキュアになってもおかしくない実力の持ち主です。
・設定上は上記のとおりなんですが、ただ作中での実際のポジションはだいぶ印象が違います。
赤ちゃんではあるけど誰にも面倒をかけていません。面倒もほとんど見られていません。
推理パート中とか大人しくし過ぎてていてほぼ無言ですし。
スタプリも主人公たちはほとんど赤ちゃんの面倒を見ず、サブ妖精のお供キャラに任せっきりでしたがサブキャラのお世話すら要らないスーパー赤ちゃんです。
・それどころか、むしろ主人公たちの面倒を見る側でした。
生体レーダーを備えていて事件が発生すると、無からおんぶ紐を作り出して電車ごっこの要領で主人公を引っ張って現場へと導いてくれるし、主人公たちが戦闘でヘマして負けそうになったときは謎パワーを放って怪人を退けた後に倒れたりしていました。
更には倒れた直後でもまた戦闘が始まったとなれば、二人に新開発した必殺技用アイテムを届けるために満身創痍の身体で立ち上がって自ら届けに行く献身っぷりでもうどっちが面倒見られてるのか関係が逆転してました。
主人公たちよりよっぽど有能で頼りがいがあってヒーロー性を感じています。
ラテ様など生体レーダーとして頑張る赤ちゃん妖精は過去にいましたが、序盤からこれだけ事件解決に熱心で身体を張ってる赤ちゃんは目新しく感じています。
ヒーローとして主人公たちを食っちゃってる点は全然良くないことだと思いますけどね…
・そんなポチタンさんにも問題はあります。
1話で主人公を拉致してタイムスリップさせた罪状です。
いくらポチタンさんといえど、さすがにこれは悪事と言わざるを得ません。
何の説明もなく片道切符になりかねない道に引きずり込むのはダメだと思います。
ポチタンの真意や目的も、主人公を選んで連れてきた意義も、今のところ何もわかってないので正当性すら掴めません。
ここまでのヒーロー行為も考えようによっては「こいつらしか使える手駒はいないから今死なれちゃ俺の計画が台無しだ!」みたいな必然性に駆られた行動であって打算でしかなかった可能性も考えられます。
心を寄せられるキャラが全然いない現状でポチタンさんまで信用できないのは辛いので早めに潔白を証明してくれると助かります。
森亜ルルカ/キュアアルカナ・シャドウ
・OPとEDに映っている推定キュアアルカナシャドウでアイス食べてる人です。以上。
…マジで作中ではアイス食べる以外にほとんど何もしてないので人物像については何も話せることがありません。
・デザインの第一印象は「オタクにはウケそうだな」と思いました。
金髪ロングだから女児人気も行けなくはなさそうなんですけど、トワイライトとかといいダークカラー系は女児ウケしない印象があります。
女児向けの本番は味方化して推定白ベースのキュアアルカナ・シャインになってからかなと思っています。
ジェット先輩
・発明家のサブキャラ男子です。イケメンポジは…どうなんでしょう?
顔立ちは間違いなく良いのですがショタなので女児にっては対象外な気がします。主人公たちからも全く異性扱いされてませんし。
今のところまほプリの校長のように視聴者向けのイケメンで主人公たちにとっては眼中に無いか、あるいは後でプリキュア化するか、新しいパートナーの変身アイテムに再利用されるのかなと考えています。
・人物としては(主に主人公たちのせいで)そこそこ苦労させられていて、技術面では優秀で理系オタクかと思ったら意外とメンタル面でのサポートもしてくれるので有能な印象です。
ただ、「ジェット先輩ってどんな人物?」と聞かれるとちゃんと答えられない気がします。
主人公たち同様に人物としての描写が少なくて、現状では”ストーリー上の役割を果たしてるだけ”という印象の方が強いです。
ニジー
・最初に登場した敵幹部であり、現状の視聴者向けイケメンポジションでもある青年です。
基本的には「敵幹部です」で済むキャラなんですが、個人的に特筆するべき点としては「現状で一番好感度が高い」キャラだということです。現状の好感度で並べると、
ニジー> ポチタン>> ジェット>>(特に好きじゃないの壁)> ミクル> アンナ>その他
となりました。
…困ったことにニジーは別に憎めない悪役でも何でもない普通の敵幹部です。
悪事しかしないし、その主張に一理有るわけでもないし、怪盗らしく独特の美学とかを持ってるわけでもありません。どう見ても悪党です。
我ながら「イケメン好きで美少女アンチが書いたランキングか?」と思うような偏りを感じる内容ですが、残念ながら冷静に客観的に考えても有意差は出ませんでした。ポチタンとニジーの順位が入れ替わるかどうかくらいです。
そんなやつがなんで好感度が一番高くなってるかが探プリの大きな問題点だと思います。
・なんでニジーの好感度が高いかというと「一番人間味を感じるから」であり「一番行動力があるから」です。
盗みやバトルに優位になれば喜び慢心し、劣勢になれば焦り、負ければがっかりし、ボスの処分を恐れる喜一憂する姿はそれ自体に人間味があります。
目的やそのための行動もはっきりしていて「こいつは今なんでこうしてるんだっけ?」と疑問が浮かぶこともありません。
むしろ「ボスからの処分を恐れるのはボスを恐れているからか? 死にたくないからか? それとも自分が何もなせない低能だと証明されることが嫌なのか? あるいは本気で忠誠心を持っていてボスに失望されるのが嫌なのか?」など思考を巡らせる刺激を感じます。
・キャラクターの描き方としては至って当たり前のことしか書いてなんですが、そんな当たり前の描写すら主人公たちに欠けているのが現状の探プリだと思います。
仮にこれが「6話がニジーが退場未遂になるから、そこに焦点を合わせて視聴者が『ニジー死んじゃうの?!』と動揺できるような構成にしよう」と考えていたなら狙い通りの大成功だと思います。スタッフは腕利きと言えます。
でも主人公たちを差し置いてニジーを目立たせるのはどう見ても悪手です。
主人公たちの動向にこそ興味を持たせるべきで、ニジーの方こそ「よくわからんけど処刑されそうなんて大変だね」と思われるくらいの方がバランスが適正です。
アクション
・アクションは普通でした。
基本的にキミプリと大差ない印象です。特筆するほど良くもなく悪くもありません。
演出家やアニメーターさんの個人技次第という印象です。
・固有能力に関してはがっかりしました。
「変身アイテムが懐中時計型で、数字ごとに必殺技や通常技などギミックを持つ」と描写され、
「必殺技は数字の1に対応していて、主人公たちのキーフレーズ『一歩踏み出す』にかけて踏み込みながら突進する必殺技」
と描かれたときには、「数字ごとに語呂合わせの能力があるのは面白そう」「1が1歩踏み出すでスピードや突進強化なら他の数字はどんな効果になるんだろう?」とワクワクしました。
・実際には今のところ数字は全然使われてません。
変身バンクのときに3,6,9とよくわからないカウントダウン的な名乗り口上がある以外には、二人セットで放つ必殺技とそれぞれの通常技1つずつだけです。
通常技の中身は「アンサーアタック(パンチ)」と「ミスティックリフレクション(シールド)」で語呂合わせすら見当たりません。
技としてもただの強化パンチとシールドなので平凡極まりないです。
余りにも普通過ぎて期待が空振りになった分だけがっかりしています。
この先の期待と不安
・最後に今後の見通しについて書いて終わりにします。
将来性に関してはひとまずは「ルルカ/キュアアルカナシャドウで引っ張れるか」次第かな、と今は考えています。
これも消去法でしかありませんけどね。ルルカ以外に使えそうな線が見当たらないんです…
現状の大半を占めている「推理」を面白くできたり、キャラやメインストーリーにつなげられたらそれが一番良いんですけど、6話までのクオリティの推移からは現実的に可能だとは思えません。
1から6話まで全部シリーズ構成の村山さんが登板してこれですからね…
今よりも良くなる条件がほとんど見当たりません。
タイムスリップは主軸にはなり得ないと思う
・現状掲げられている大目標であるタイムスリップや帰還は現状では面白くなる気がしません。
既に主人公が「この世界を救うまでは帰らなくていい」と宣言しちゃってますから、帰れるチャンスがあっても帰らないか、帰ったとしても「未来が最悪な未来に変わってた! 過去に戻って原因を調べないと!」ってUターンするかのどちらかになる気しかしません。
・タイムスリップを主軸にしたいなら主人公はもっと我欲を強くして
「こんな世界どうでもいいから早く元の時代に帰りたい! マコトジュエルを集めないと帰れないなら仕方ないから探偵をやってやるよ。はぁ~早くもっと事件起きないかな」みたいな不真面目なタイプにして、真面目に探偵やってる相棒とは凸凹コンビにした方がやりやすかったと思います。
こういう形なら「二人でセットのプリキュア」という点も形骸化せず、序盤は「気に入らないけど、こいつがいないと変身できない…」という一緒にいる必然性とジレンマを出せますし、そこからどう変化するかもドラマにできるでしょう。
悪役との関わりも「元の時代に帰してやるから仲間になれ」みたいな展開やそこから主人公がどう反応するか、その展開に至るまでに主人公の心持ちがどう変化したかのドラマも展開できるでしょう。
原義的なプリキュアならそういうエゴを絡めた路線は有りだったはずです。
推理パートは無くした方が良いと思う
・不安要素はメインストーリーなど存在するかも怪しい要素を除くと、やはり推理のクオリティです。
1,2話はそこそこまともだと思いましたが、3~5話のクオリティで既に怪しかったです。
一番力の入っているパイロット版以外の推理ネタの出来が悪いことには強く不安を感じます。
ネタがこのクオリティではどうしようもありません。
・順当に軌道修正するなら「ルルカの目的は何なのか?」「なぜプリキュアが悪の組織に協力しているのか?」といった”謎”を追うストーリーと言い張って推理パートはきっぱり止める方が無難だと思います。
こういう形式なら定番のメイン回以外では決着がつかない幹部との小競り合いも「少しずつ謎を解く」と言い張れてお決まりの展開とは相性が良いと思います。
メイン要素であろう「嘘と真実」もルルカを通してわかりやすく表現できそうです。
・探偵ものや最近のプリキュアの傾向ならストーリーは無しでメインキャラクターのお話だけで進行する手も考えられるのですが、現状だと無謀だと思います。
キャラクターの描けてなさが深刻だからです。推理に大半の時間を取られていて、推理が推理のための推理に留まっていてキャラの掘り下げやストーリーにつながっていません。
この先、EDカードなどに映ってるだけでも2人→4人にプリキュアの人数が倍増することが予想されます。
人数が増えると推理パートの段取りがもっと面倒になるのでそういう面でも2クール目からは推理パートは完全に無くした方がマシだと思います。
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