■シリーズ構成:香村純子
・シリーズ構成は香村さんでした。
香村さんは、戦隊では3作(ジュウオウジャー、ルパパト、ゼンカイジャー)。プリキュアは1作(ヒーリングっど)のシリーズ構成を手掛け、ライダーではウィザードで20話以上参加した脚本家さんです。

・私の印象としては「登場人物の繊細な感情を描くのは得意だが、ストーリーは逸脱が嫌いで小さくまとめたがる人」という印象です。どの作品も2クールくらいの分量しかなく、序盤は面白いけど、2,3クール目は話が停滞しがちで4クール作品には向いていない印象が強いです。ガヴで悪癖が出でないで済むかは懸念事項です。

■わかりやすい1話
・1話は構成要素が「主人公のここまでとこれから」に絞られていて変に引っ張ることもなく、1話の中で簡潔にまとまっていて見やすかったです。

異世界からワープするところで始まるから異世界人であることはわかる→少し後でお腹のドライバーを見せて明らかに人間と違うことを説明。

「これが母さんのいた世界」という台詞からどうやら主人公の母親が地球人で同じようにドアを通って異世界に辿り着いたらしいことがわかる。

お菓子の名前や特徴は知っているが食べたことはないことから母親から聞いたか何かで知識だけは有ることはわかる→後でどうやら異世界のお菓子を母親が食べることを禁じていたから知識だけがあったことがわかる。

今回の怪人が冒頭で主人公を襲っていた敵と人間を飴にしたものを取引してるから怪人の目的がわかる→主人公の母親も飴にされたことにもつながるし、なぜ主人公が人間のために同族と戦うのか、なぜ主人公がお菓子を食べたことがなかったのかもわかる。

・説明が必要な設定と視聴者が疑問に思うようなところは先回りして一通り描かれていました。
最後がバイクに乗って新天地へと旅立つところで終わっていたので「この先は何やるの?」という疑問も湧く余地がありません。
ガヴはこういう話なんだろうなと全体像が掴める感じで、1話の完成度は高かったと思います。あとはこの調子が続いてくれれば及第点以上は確実なんですが中盤の息切れが心配です。

・個人的には予想外のこともあったところも良かったです。
犬形態に変身して逃げたときにはバトルの続きは次回なのかな?と思いましたがのまま巨大戦的な乗り物バトルに続き、この子供がレギュラーで秘密基地がアジトになるのかなと思ってたら出ていくし、予想を裏切る展開がこまめに続いて退屈しませんでした。

■敵は同族
・伝統的な仮面ライダー要素に関しては「主人公も敵と同じ化け物」という点を重点的に意識しているみたいでした。
最初は人間が怪しいディーラーの渡したお菓子で化け物化してるのかと思いましたが、その後の話からするとそうではなさそうでした。グラニュートという名前だそうですがお腹に口のある異世界人が地球にやってきて人間をお菓子に変えているようです。
あの食べてたようかんみたいキューブが”闇菓子”ってやつなんでしょうね。麻薬的な感じなのか、怪人パワーの源的な意味もあるのかどうなってるんでしょうね。

・1話は主人公が同族殺しを決意するまでが丹念に描かれていて面白かったです。
キックで処刑する前にベルトをゆっくりと、でも確実に回す動作から伝わる主人公の葛藤と決意が演出としても機能していました。バトルや映像をちゃんとドラマに取り込めていて良いことです。

・最後に子供が「こんな手紙を残したらお兄ちゃんが化け物だってバレちゃう」と泣きながら手紙を破るシーンは頭が回りすぎる印象はありましたが子供の善良さが伝わってきて良かったです。
その一方、前半で出てきたライターに夫の行方を尋ねられたおばさんは「あれはきっと夫を殺してるな」と先輩に疑われていました。ライターの人がたぶんレギュラーキャラになるんでしょうけど、わざわざこういう話にしたからにはこの先主人公が酷い人間に会って「人間は同族を殺してでも守るべき存在なのか?」と気持ちが揺らいだり苦悩したりすることがあるんでしょうね。

■眷属
・CMで見たときには全然可愛く見えなかったのですが、映像で見ると結構可愛かったです。
ほぼ「グミー!」とか単語でしか話せないのに、主人公に必死にアピールしたり、集団で絵文字を形作って変身の仕方を説明したりする姿は健気でした。自分からアピールしておいて上の口で食べられそうになったら「そっちじゃない~!」と悲しげに泣いてるけど死を受け入れている姿は可愛くて可哀想でした。

・キックを決めた後に天使みたいな羽が生えて昇天してるっぽい感じの演出がありましたけど、使われた眷属って毎回死んでるんですかね。
わりと可愛くて健気な良いやつだと思っていたので「え、死ぬの? 可哀想だな…」と思ってしまいました。でも眷属本人は承知の上で志願しているようなので止められません。死んでほしくはないんですけどねぇ。最終回で戦う必要がなくなって眷属も主人公と一緒にのんびりお菓子を食べてる場面とかあったら嬉しいですね。

・一方、口を開いたモンスターっぽい形態はあんまり良いと思いませんでした。怖くもないし可愛くもないし微妙な印象です。
玩具的にはこっちのほうがメインっぽい気がするのでそこは少し不安を感じました。まぁそうは言っても実際「これをどうしろと?!」って話ではあると思うので強く言う気はしません。ライダーと怪人という強くて怖い存在がいるのにこの程度の不気味さや怖さではポジションの確保も怪しくなるのは無理もありません。

■仮面ライダーガヴ・ポッピングミフォーム
・という名前のフォームだそうです。
CMや番宣で見た第一印象ではグミっぽいとは思いませんでしたが、映像になったら結構グミっぽかったです。弾けるアーマーやキックの弾力感はグミっぽくて特徴が出ていて良いと思いました。
最近の予算削減用に素体アーマーを共有化させている構造を前提にしたデザインとしては上手く取り込んであってそこが良いと思います。

・ただ、顔の色がついている部分が平面的な印象もあります。
文字通りお面みたいに張り付いている感じなのでアニメならまだしも実写映像で映ると、ところどころ不気味の谷みたいな違和感を感じる角度が少なくありませんでした。

■アクション
・1話はいかにも杉原監督って感じのアクションでした。ゼロワンっぽいのがやっぱりやりたいんですねぇ。
「ひっくり返ったコンテナの隙間からライダーが映る」とかは決まっていて良いと思うんですけど、コンテナの隙間に入って戦うシーンはガヴも怪人も思いっきり自分から入っているところが強引過ぎて微妙な印象でした。「偶然挟まっちゃってピンチ! でもガヴなら大丈夫!」みたいな自然な流れがほしかったです。

・巨大戦はライダーにしては見れるクオリティでした。ほとんど走ってるだけで戦いらしい殴り合いとかはしてないところが功を奏した面もありそうです。

・キックは弱らせてから大ジャンブして振りかぶって振り下ろす流れは威力に説得力を感じました。
ただ、キック用の装備を装着して蹴って弱らせて、また装着し直して…と繰り返すのは冗長な感じもしました。その前に格闘戦もやってるので重複してる感じは否めません。

・踏みつけた後にグミが脈動するように動いて、グチャッと肉が潰れる音が聞こえそうなダメ押しをするのは確かな殺意と「主人公は人が潰れる感触を直に感じているんだろうな…」という後味の悪さが感じられて演出としては良いと思いました。

■あの犠牲は必要だったのか?
・剣必殺技はなんかシュールでした。あの眷属をぶつける意味はいったい何だったのでしょう…
流れから判断すると眷属をセットして発射するのは「エネルギーチャージ→完了&ポイ捨て」であくまで切るほうが必殺技ってことでいいんですかね?
剣にはめた時点であの眷属は死亡確定で最後のご奉公ってことなのかもしれませんが、大した役割もなくぶつけられる姿がちょっと可哀想に見えてしまいました。

■牛かと思ったけど犬
・怪人は最初は牛がモチーフなのだと思っていましたが、巨大戦になったら犬になっていてアレ?と思いました。
名前が「ハウンド」ですし、たぶんドーベルマンですね。ドーベルマンの断耳して外に向いた耳が私には角に見えたんですね。


次回はラストで拾われた女性のところで働くみたいです。
今度こそレギュラーなのかまたゲストなのか、どっちなんでしょうね。
フォームチェンジも早速登場するようです。ポテチの眷属ってどんなデザインになるのか個人的には気になります。シンプルにポテチの袋を箱型にした感じなんでしょうか。